2026年の日本は、金利が動く前提で考える局面に入った。
J-REITは分配金が魅力だが、金利が上がると価格は揺れやすい。
そこでこの記事では、iシェアーズ・コア Jリート ETF(1476)の分配金と利回りを整理し、10年国債との差であるイールドスプレッドをどう使って判断するかをまとめる。
忙しい人でも迷いにくいように、NISAの使い方や買い方のルールまで落とし込む。

結論 2026年の1476はどう組み入れるか
1476は、低コストでJ-REIT全体に分散できて、年4回の分配金も受け取れる。
「J-REITをまとめて持つ道具」としてはかなり使いやすい部類だと思う。
ただし金利上昇局面では、利回りだけ見て飛びつかないほうがいい。
毎回チェックしたいのは、10年国債との差=イールドスプレッド。ここを無視すると、あとから価格の揺れに付き合うことになりやすい。
買い方は、一括より積立寄りが無難。
1476は1口から買えるので、時間分散で淡々と入れるほうがストレスが少ない。
分配金狙いなら、NISAの非課税メリットも大きい。
税金で削られにくい分、同じ分配でも手取りが変わってくる。
それともう一つ。
イールドスプレッドが縮むと、価格調整が入りやすい。ここは前提として持っておきたい。
1476とは 連動指数と年4回分配の基本
1476は、東証REIT指数(配当込み)への連動を目指すJ-REIT ETF。 iシェアーズ・コア Jリート ETF
運用はブラックロック・ジャパン、売買単位は1口。分配金支払基準日は毎年2月・5月・8月・11月の各9日(年4回)と案内されている。
ポイントはこの3つ。
- 指数連動なので、特定セクターや特定銘柄に偏りにくい
- 信託報酬は年0.165%(税込)程度で、長期保有のコスト負けを抑えやすい
- 1口から買えるので、積立や買い増しがやりやすい
あと、保有銘柄数は資料上「58」と表示されることがある。
ただ、これは時点で増減するので、「だいたい市場全体をまるごと拾う設計」くらいの理解で十分。
分配金の仕組み 決算月と入金のズレを整理
1476は年4回分配。ここで地味に大事なのが、権利確定日=入金日ではないという点。
- 権利確定日:2月9日、5月9日、8月9日、11月9日
- 支払開始日:確定日から少し後(タイムラグあり)
たとえば2025年11月期は、分配金見込額の開示で支払開始予定日が2025年12月18日とされている。
このズレ、慣れてないと普通に踏む。
なので、分配金を生活費に組み込むなら、「確定月」じゃなくて「入金月」ベースで予定を組むのが安全。
確定してても、口座に入るのは後。ここは割り切って管理したほうがラクだと思う。す。
実績分配金と利回り 2022年から2025年の推移
まず、2025年の分配金。
これはブラックロックの分配金履歴で、次の通り確認できる。
- 2025年2月9日:22円
- 2025年5月9日:20円
- 2025年8月9日:21円
- 2025年11月9日:23円
合計は86円。
次に利回り。
これはシンプルで、分配金 ÷ 価格で決まる。
2026年1月30日の終値が2,061円なので、この価格で単純計算すると、
86円 ÷ 2,061円
= 0.0417…
→ 約4.17%
当たり前だが、価格は日々動く。
なので利回りも固定ではない。毎回この計算の型だけ押さえておくと、数字に振り回されにくい。
参考までに、ブラックロックのページ(ポートフォリオの特性)では過去12か月分配金利回りが4.1208%と表示されている。
期間の切り方や、どの時点の価格を使うかで多少ズレるのは普通。そこは神経質にならなくていい。
このくらい把握できていれば、実用上は十分だと思う。
利回り表示が違う理由 予想と実績の見分け方
ネット上で利回りがバラつく主な理由は、だいたいこのどれか。
- 直近12か月の実績分配金で計算している
- 直近の分配金がまだ反映されていない
- 予想分配金で計算している
- 基準価額で計算しているのか、市場価格で計算しているのかが違う
利回りって、見た目は「%」で同じでも、前提がズレると普通に別物になる。
迷ったら、次の順で見るとラク。
- 分配金:運用会社の分配金履歴で、まず事実を確認
- 価格:自分が買う「市場価格」を使う
- 期間:直近12か月で揃える
この3点を揃えるだけで、比較は一気に簡単になる。
逆に言うと、ここが揃ってない利回り表示は、参考程度に流していいと思う。
イールドスプレッドとは 10年国債と比べる手順
イールドスプレッドは、ざっくり言うと
「不動産(J-REIT)の分配金利回りが、国債よりどれくらい上か」──その差の話。
たとえば今回の前提だと、
- 1476の分配金利回り:約4.17%
- 日本国債10年利回り:2026年1月29日で2.252%付近
なのでスプレッドは、
4.17 − 2.25 = 1.92%程度
こういう計算になる。
で、この差が小さくなるほど、J-REITを持つ上では「上乗せ分が薄い」状態になっていく。
利回りだけ見て安心するより、国債との差を毎回一緒に見たほうが判断がブレにくい。
金利上昇で何が起きる 価格と分配金への影響
金利が上がると、J-REITは主に2つのルートで影響を受ける。
① 借入コストの上昇
REITは借入を使って運用する。
なので金利が上がると、将来の支払利息が増えやすく、収益をじわっと圧迫する。
② 投資家の要求利回りの上昇
国債利回りが上がると、「比べたときの相手」として国債が魅力的になる。
その分、J-REITにはより高い利回りが求められやすい。
この2つが重なると、
分配金がすぐ増えない局面では、価格が下がって利回りが上がる形になりやすい。
2026年1月の長期金利上昇局面でも、日銀の対応や債券需給をめぐるニュースに反応して、J-REITの価格は細かく揺れた。
分配金自体は急に変わらなくても、価格調整で帳尻が合う。この動き方は、今後も繰り返されやすい。
金利が動く前提なら、「分配金がある=安心」と単純に考えないほうがいい。
価格と利回りは、常にセットで動く。そんな整理で十分だと思う。
競合ETF比較 1343などとコストと売買単位を比べる
J-REIT ETFはいくつかあるけど、忙しい個人投資家の比較軸はだいたいこの2つで足りる。
- いくらから買えるか
- 年間コストがどれくらいか
代表例をざっくり並べるとこう。
1476
売買単位:1口
信託報酬:税込年0.165%程度
1343
売買単位:10口
信託報酬:税込年0.1705%
1597
信託報酬:税込0.1595%という資料あり 日本取引所グループ
売買単位:10口のケースが多い
ここから言えることはシンプル。
- 積立のしやすさなら、1口で買える1476が有利
- まとまった金額を動かす人は、売買代金(流動性)も一応チェックしておきたい
- コスト差は小さいので、体感としては売買単位と分配のタイミングのほうが差になりやすい
結局、「自分の買い方に合うか」で決めるのがいちばんラク。
NISA活用 分配金の手取りを増やす考え方
分配金狙いで効いてくるのが税金。
特定口座などの課税口座だと、上場株式等の配当や分配金は原則 20.315% が源泉徴収される。
一方でNISAは、売却益だけじゃなく 配当・分配金も非課税。
ここが分配型にはわりと大きい。
例として、年間分配金が10万円なら、
- 課税口座:およそ2万円が差し引かれて、手取りは約8万円
- NISA:そのまま10万円が残る
この差、1年だけ見ると「まあ2万円か」なんだけど、
分配金を再投資する人ほど、じわじわ効いてくる。
要するに、分配金を目的に1476を使うなら、NISAはかなり相性がいい。
税金で削られる分を減らすだけで、運用のブレが少しマシになる。
買い方 1口での積立と下落時の判断軸
金利上昇期は、買うタイミングを当てにいくほど疲れやすい。
なので1476は、強みの「1口売買」を活かして、ルールで買うのが現実的だと思う。
型としてはこのへん。
基本は定期積立
たとえば「毎週金曜日に5口」みたいに、回数と口数を固定する。
迷う余地を減らすのがコツ。
下落時は買い増し条件を先に決める
例はこんな感じ。
- 価格が2,000円を下回ったら追加で買う
- イールドスプレッドが一定以上に広がったら追加で買う
下がったらどうするかを事前に決めておくと、いざという時にブレにくい。
分配金は再投資ルールを決める
ここも人によるので、選択肢を並べておく。
- 分配金は貯めずに、次の買い付けに回す
- 生活防衛資金が十分でない人は、分配金を現金で確保する
価格が下がると不安になるのは普通。
ただ、分配金狙いの人にとっては「安く買える」局面でもある。問題は、そこで感情で動くこと。ルールがあるとだいぶラクになる。
まとめ 今日から確認するチェックリスト
最後に、今日からのチェック項目だけ置いておく。
- 直近12か月の分配金合計を、運用会社の履歴で確認する
- 自分が実際に買う価格で、利回りを計算する Yahoo!ファイナンス
- 日本国債10年利回りを見て、イールドスプレッドを出す 松井証券 | 日本国債10年
- NISAで受け取る設定になっているか確認する
- 積立の口数と頻度を決め、金利ニュースで揺れても淡々と続ける
全部やろうとしなくていい。
この中の2つ3つを習慣にできれば十分だと思う。
あとは、数字を眺めて、必要なら少し調整するだけ。
今日はこのくらいで。




