S&P500に投資したい人は、昔から多い。
これまでは、VOOやIVV、SPYといった、米国上場ETFを使うのが定番だった。
そこに2020年、東証で買えるS&P500連動ETFとして登場したのが、1655だ。
円のまま売買できて、操作は日本株と同じ。取引時間も日本市場に合わせられる。
さらに新NISAの成長投資枠にも対応していて、小額から始めやすい。
要するに1655は、「東証で買える、ほぼVOO」。
S&P500を手軽に触りたい人から注目される。

1655とは?(基本情報)
1655は、ブラックロック・ジャパンが運用するETF。
設定日は2017年9月27日で、東証に上場している。
取引単位は10口。
1口は約772円(2025年12月時点)なので、最小投資額は約7,700円だ。
そのため、まとまった資金がなくても入りやすい。
基準通貨は日本円。
純資産総額は約1,425億円(2025年10月時点)で、中規模のETFと言える。
分配金は年2回。2月と8月に支払われる。
対象指標は「S&P500®指数(税引後配当込み・円建て)」。
米国大型株500銘柄の値動きと配当込みの指数に合わせて動く。
信託報酬は税抜0.0600%とかなり低い。
組入銘柄数は1つだが、これは別ETFを通して投資している方式のためだ。
細かい仕組みは後で触れる。
連動指数「S&P500」とは?
S&P500指数は米国株の代表みたいな存在だ。
S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが算出している。
NYSEやNASDAQに上場する大型株500社で構成されている。
しかも時価総額加重で作られるため、米国市場の約80%をカバーする。
そのため、米国経済を見るうえでもよく使われる指数だ。
構成も広い。
テクノロジー、ヘルスケア、金融、一般消費財など幅広い。
上位にはApple、Microsoft、Amazon、Tesla、NVIDIAが並ぶ。
このあたりはもうお馴染みだな。
1655は、この円建て・配当込みのS&P500に合わせて動くETFだ。
つまり、指数そのままの流れを日本円で追えるってわけ。
構成銘柄の特徴とセクター比率
1655は実質的に米国主要企業へ投資するETFだ。
上位銘柄はS&P500にかなり近い。
2025年12月時点のトップはNVIDIA(約8.45%)。
続いてApple(約6.86%)、Microsoft(約6.58%)、Amazon(約4.05%)だ。
要するに、GAFAM中心の構成だな。
上位10銘柄で約40%を占めるあたりもS&P500らしい。
そのため情報技術や通信、自動車関連が重めになる。
一方で、公益事業や資本財といった“地味に安定している領域”は少し控えめ。
さらに1655の保有資産を見ると、米国籍ETFのiShares Core S&P 500 ETFが99.93%を占める。
つまり、IVVをほぼそのまま持っている形になる。
そのため、動きも内容もIVVに限りなく近い。
仕組みはシンプルだけど、案外これが使いやすい。
基本スペックまとめ(経費率・純資産・流動性など)
1655のスペックをまとめておく。
- 経費率: 税抜0.0600%(税込0.0660%程度)で低コスト
- 純資産総額: 約1,425億円(2025年10月時点)
- 売買単位: 10口
- 最低投資額: 約7,700円
- 流動性: 1日あたり数十万〜100万株の出来高
- 分配金: 年2回(2月・8月)、2025年は1口3〜3.8円前後
こうして並べると、1655は買いやすくて軽くて、しかも低コストという三拍子 ETF だ。
そのため、東証で気楽にS&P500へ行きたい人にはちょうどいい。
為替リスク(ヘッジなし)の仕組み
米国株に投資する以上、1655は為替の影響を受ける。
そして1655は米国籍ETFを通じてドル建て資産を持つ。
そのため、円高なら円換算で下がり、円安なら上がる。
さらに1655は為替ヘッジをしていない。
USD/JPYのポジションもゼロだ。
つまりドルでの評価が、そのまま円に変換されるだけだ。
ベンチマークは「円建てS&P500(TTM)」になる。
これは三菱UFJ銀行の仲値で円換算した指数だ。
ただし、この方式でも為替リスクは残る。
結局のところ、ドル/円の動きは無視できない。
そして将来のドル/円は誰にも読めない。
その変動がリターンに響くことは覚えておいたほうがいい。
過去の値動き(事実のみ)
1655は2017年の設定以来、S&P500(円建て)と近い動きをしてきた。
その年間パフォーマンスは次のとおり。
- 2020年:+10.20%
- 2021年:+44.51%
- 2022年:-6.12%
- 2023年:+34.74%
- 2024年:+40.73%
もちろん2022年のように下がる年もある。
とはいえ、長い目で見れば上向く流れだった。
ただし、過去の数字が未来を保証するわけじゃない。
2018〜2019年の調整もあったし、また似た局面が来ても不思議じゃない。
メリット(一般論)
1655のメリットを整理しておこう。
まず分散効果。
これ1本で米国500銘柄に広く投資できる。
そのため個別株のブレを抑えやすい。
次に取引しやすさ。
東証に上場しているので、日本円で気軽に売買できる。
税金の扱いも国内株式と同じだ。
これは地味に助かる。
さらにコストの低さも魅力。
運用コストが安く、長期で持つほど効いてくる。
そこにNISAの成長投資枠も使える。
分配金や売却益が非課税になりやすい点もありがたい。
こうして見ると、1655は国内でシンプルにS&P500へ行きたい人向けのETF。
注意点(一般論)
もちろん注意点もある。
まず為替リスク。
ヘッジなしなので、ドル/円の変動がそのまま結果に反映される。
次に市場リスクだ。
S&P500は米国の景気と動きをともにする。
そのため2022年のように急落する年もある。
まぁ、株を触る以上は覚悟しておく話だ。
それから連動性の誤差も起こり得る。
1655は間接投資のため、コストや為替で指数と少しズレることがある。
そこまで大問題ではないが、一応知っておきたい点だ。
さらに流動性の差もある。
1557と比べると、出来高が少ない日もある。
それに税制上の二重課税も発生する可能性がある。
米国で源泉徴収されるためだ。
結局のところ、メリットとデメリットを両方見て判断したい。
焦る必要はないけど、知らずに買うのは避けたいところだ。
どんな投資家と相性が良いか
1655が向いているのは「日本で気楽にS&P500へ投資したい人」。
具体的には次のようなタイプだな。
- 少額から始めたい初心者
- 為替や米国株を自分で深掘りするのがしんどい人
- 分散投資を重視したい人
- 長期で資産形成したい人
- NISA枠をしっかり使いたい人
一方で、向かないタイプもいる。
- 為替ヘッジを重視する人
- 短期売買をしたい人
- 値動きに大きなストレスを感じる人
S&P500は長期では成長しやすいが、短期では大きく揺れる。
そのため、ある程度のリスク許容度は必要になる。
日本円で買え、低コストで、分散投資も簡単にできる。
ただし、為替や市場のリスクは避けられない。
そのため、ほかのS&P500商品とも比べながら、自分の投資方針に合っているかを確かめたい。



