日本の金融環境も、ようやく動き出したなという空気がある。
長く続いたゼロ金利の時代が終わり、利上げに踏み切ったことで、銀行を取り巻く状況も変わってきた。
金利が動けば、銀行の利ざやは広がりやすい。
その結果、収益改善への期待が高まり、配当や自社株買いといった株主還元も目立つようになってきた。
メガバンクを中心に、銀行株がふたたび投資家の視界に入ってきた理由だな。
こうした流れの中で注目されているのが、「銀行 × 高配当」というテーマ。
派手さはないが、金利のある世界と相性がよく、安定したインカムも狙える。
その流れをそのまま形にしたのが、グローバルX 銀行 高配当-日本株式 ETF。
なぜ今、このETFが選択肢に挙がってくるのか。

315Aとは?|基本情報を整理
315AとはどんなETFなのか。結論から言うと、日本の銀行株に特化した高配当ETF。
315Aは、2025年1月9日に東京証券取引所へ新規上場した、比較的新しいETFでもある。
そして、東証の業種別株価指数「銀行業」に属する銘柄の中から、配当実績が高い15銘柄で構成される指数に連動する。
基本的な特徴は、次の通りだ。
- 運用会社:グローバルX Japan株式会社
- 信託報酬:年率 約0.20%(税込)
- 分配金:年2回(4月・10月)
- 売買単位:1口から購入可能
- 新NISA:成長投資枠の対象
グローバルX社は、テーマ型ETFに強みを持つ運用会社として知られている。
この315Aも「銀行株 × 高配当」というテーマが非常に分かりやすい。
日本株ETFでは珍しい単一業種特化型であり、銀行セクターの中でも配当実績に優れた銘柄だけに絞って投資できる点が特徴だ。
中立的に見れば、「銀行株にまとめて高配当投資をしたい」というニーズに、素直に応えるETFだと言える。
315Aは銀行テーマのど真ん中 ルールと中身で理解する
金利のある世界で注目されるのが銀行株ですが、315Aはそこに配当実績フィルターをかけたETF。テーマが強いぶん、指数の選び方と上位銘柄の偏りを知るほど納得して持てる。
分配金・利回りの特徴
315Aの分配金は年2回とシンプルだが、100口表示や支払開始予定日など、初見だと引っかかりやすい点も多い。
値動き・ボラティリティ
次に、値動きについて見ていこう。
315Aの価格は、基本的に銀行株セクターの動きに連動する。
実際、上場後の局面では、YCC修正や利上げ観測が意識された2025年に銀行株が買われ、
その流れに乗ってETF価格も上昇した。
たとえば、2025年1月の上場時を100とした場合、2025年末時点でトータルリターンが約30%以上という見方もある
(※配当込み指数ベース)。
これは、銀行株特有の「市場平均より動きが大きい」性格、いわゆる高ベータを反映した結果。
一方で、銀行株は下落局面では市場平均以上に下げやすい。
海外の銀行不安や、国内の景気後退懸念が強まると、真っ先に売られがちだ。
当然ながら、315Aも例外ではない。
セクター集中型である以上、ボラティリティは高めと考えておくのが無難だろう。
ただし、高配当ETFである点は下支え要因にもなる。
配当利回りが上がれば、配当狙いの買いが入りやすくなるからだ。
さらに、中長期では配当が積み上がることで、トータルリターンを押し上げる効果も期待できる。
もっとも、減配が起きれば逆風になる点は忘れないようにしたい。
要するに、315Aは「高配当による下支え」と「集中投資ゆえの振れ幅」
この両方を併せ持つETFだ。
他の日本株高配当ETFとの性格差
315Aは「銀行株特化」という点で、国内高配当ETFの中でもかなり個性的だ。
そこで、代表的なETFと比べながら、性格の違いを整理してみよう。
1615 NF・銀行業(東証33)ETF
銀行株に絞るなら、まず比較したいのが1615。315Aが配当実績を軸に銀行株を15銘柄にしぼるのに対して、1615は銀行セクター全体に連動するタイプになる。中身はメガバンクの比率が大きくなりやすく、セクターの値動きをそのまま取りに行く設計だ。
1698 上場日本高配当(東証配当フォーカス100)
東証全体から100銘柄を選ぶタイプで、業種は幅広く分散されている。
315Aよりも「広く浅く」高配当株に投資するイメージ。
銀行への集中度は低く、値動きも比較的マイルドになりやすい。
1489 / 399A 日経平均高配当株50
日経平均225の中から、配当利回り上位50銘柄を選ぶETF。
複数業種にまたがるため、315Aより分散が効く。
また、利回り重視のウエイト付けなので、高利回り銘柄が目立ちやすい構造だ。
2529 NEXT FUNDS 日本株主還元70
こちらは配当だけでなく、自社株買いも含めた「株主還元」に注目するETF。
利回りは控えめだが、企業の姿勢を重視したい人向けだ。
銀行株に偏らない点も、315Aとの大きな違いになる。
235A グローバルX 高配当30(参考)
高配当上位30銘柄に分散投資するタイプ。
言い換えると、「高配当全体を取りに行く」のが235A、
「銀行に絞って取りに行く」のが315Aだ。
まとめると、315Aの最大の特徴はやはりセクター集中。
銀行株が強い局面では上振れしやすいが、
不調時は下落も大きくなり得る。
メリット(一般論)
ここでは推奨ではなく、特徴として整理する。
まず、金利上昇局面の追い風を取り込みやすい。
銀行株は金利上昇で利ざや拡大が期待されやすく、315Aはその設計になっている。
次に、配当実績を重視して銘柄を厳選している点。
配当総額や配当利回りに基づくため、還元姿勢の強い銀行を拾いやすい。
銀行株をまとめて一括で持てるのも利点。
個別株選びに悩まなくて済むのは、地味に助かる。
そして、相対的に高配当を狙いやすい。
銀行セクター自体が高配当傾向なので、インカム重視には分かりやすい。
テーマ型ETFとしては信託報酬が年0.2%程度と低コスト寄りだ。
注意点(一般論)
もちろん、注意点もある。
セクター集中で分散効果が弱い。
15銘柄すべて銀行株なので、悪材料をまともに受ける。
値動きは大きくなりやすい。
上がるときはいいが、下げも覚悟が必要だ。
また、減配リスクもある。
配当は保証されない。
さらに、金利低下局面では逆風になりやすい。
追い風と裏表だ。
加えて、規模や流動性は大型ETFより劣る可能性がある。
売買前の確認はしておきたい。
どんな投資家と相性がよいか(特徴ベース)
一般論として、相性が良さそうなのはこんなタイプだ。
まず、分配金を重視する人。
NISAで非課税にできるなら、効率は上がる。
次に、金利上昇や銀行セクターに期待する人。
見立てが合えば、分かりやすい選択肢だ。
また、銀行株を個別に選ぶのが面倒な人。
まとめて持てるのは楽。
分散を最優先したい人には、振れ幅が大きいかもしれない。
ここは自分の許容度と相談だ。
15銘柄というコンパクトな構成で、テーマ性はかなり強い。
銀行株が追い風を受ける局面では魅力が増す。
一方で、逆風のときは一緒に揺れる。
315Aは、「高配当ETF × テーマ型ETF」という、少し尖った存在。
コア資産というより、役割を決めて使うタイプ。






