【ヘルスケアの“守備力”に迫る】XLVとは?米国ヘルスケアセクターETFを解説

相場が荒れてくると、どうしても守りの置き場を探したくなる。
そんなときに名前が挙がりやすいのが、XLVだ。

医療や医薬品の需要は、景気が良くても悪くても大きくは変わらない。
その性質から、ヘルスケアは昔からディフェンシブなセクターとして扱われてきた。
不況局面でも値崩れしにくく、ポートフォリオの安定役になりやすい。

リスクオフの場面で、資金がテックや景気敏感株から離れると、
相対的にヘルスケアが選ばれやすい――そんな流れもある。
XLVが「守備力の高いETF」と見られる理由は、わりとシンプル。

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XLVとは?(基本情報)

XLVはステート・ストリートが運用するセクターETF。S&P500の中からヘルスケア企業だけを集めて連動を目指している。1998年12月の設定以来、流動性も高く、扱いやすいETFに育ってきた。

組入銘柄は約60社で、医薬品や医療機器、バイオなど幅広い。こうした特徴から、特化型でも流動性が高く、使い勝手の良いETFと言える。

さらにETFだから、株と同じように取引できる。加えてパッシブ運用で分散も効くので、セクター投資を手軽に始められる点も魅力。2025年12月時点の純資産総額は約401億ドル。経費率は0.08%と低い。

連動指数「S&P 500 Health Care Select Sector Index」の特徴

XLVが連動するのは、S&P500の中からヘルスケア企業を抜き出した指数だ。この指数は時価総額加重で構成されている。医薬品、バイオ、医療機器、医療サービス、ライフサイエンスツールなど。
医療まわりの主要企業が、ほぼ一通り入ってくる。結果として“ヘルスケア版S&P500”のような立ち位置になっているわけだ。

採用される企業の特徴(医薬品・医療機器・バイオなど)

XLVに含まれる企業は、医薬品、医療機器、バイオ、ライフサイエンスなど多岐にわたる。まず医薬品では、イーライリリー、アッヴィ、メルク、ジョンソン&ジョンソンが中心だ。

一方で医療機器にはアボットやイントゥイティブ・サージカルがある。さらに検査関連ではサーモフィッシャー、ライフサイエンスではダナハーが代表格だ。

そして医療保険ではユナイテッドヘルス・グループが存在感を放つ。バイオではアムジェンやギリアド・サイエンシズが有名どころだ。

どの企業も売上や利益が大きく、事業の安定感がある。医療需要が継続しやすく、研究開発も積み重ねる。こういう顔ぶれなら“守備力が高い”と言われても納得だな。

構成銘柄の分析(上位10銘柄の役割と業界)

XLVの上位銘柄(2025年末時点)は、次の10社だ。
まず、イーライリリー(製薬)が14.94%。続いて、ジョンソン・エンド・ジョンソン(医薬・医療機器)が8.79%。
さらにアッヴィ(製薬)が7.07%。ユナイテッドヘルス・グループ(医療保険)が5.20%。メルク(製薬)が4.52%。

そしてアボット(医療機器・栄養)が3.96%。サーモフィッシャー(ライフサイエンス・ツール)が3.93%。イントゥイティブ・サージカル(手術ロボット)が3.61%。アムジェン(バイオ医薬)が3.23%。最後にギリアド(バイオ医薬)が2.74%で続く。

これら10社は、いずれも米国ヘルスケアの中心を張る企業ばかり。たとえば製薬の大手は、新薬やバイオ医薬の開発を支える。一方で医療機器メーカーは、診断や治療の技術を動かす役割を持つ。さらに医療保険会社はアクセスを提供し、ライフサイエンス企業は研究基盤を整える。
つまり、ヘルスケア産業の“主力メンバー”がバランスよく揃っているわけだ。顔ぶれを見るだけで安心感があるよな。

業種バランスとヘルスケアセクターの構造

ヘルスケアセクターは、いくつかの分野で成り立っている。たとえば、製薬・バイオ、医療機器、医療サービス・保険、生命科学ツールなど。

XLVのサブセクター比率(2025年12月2日時点)を見ると、製薬関連が33.8%で最大。続いて医療機器・用品が21.8%。バイオが17.4%。医療保険・サービスが17.3%。生命科学ツールが9.8%となる。

こうして見ると、医薬品とバイオが全体の軸になっている。ただし機器やサービスも一定の比率があり、全体としてはうまく分散されている。しかもヘルスケア市場は、高齢化や技術革新で今後も成長しやすい。
各分野が補い合う構造もあって、需要が安定しやすい点は強みだな。医療って生活から外せるもんじゃないしね。

基本スペックまとめ(経費率・純資産・流動性など)

XLVの主なスペックは次のとおり。

  • 経費率:0.08%(低コスト)
  • 純資産総額:約401億米ドル(大規模)
  • 組入銘柄数:約60銘柄
  • 流動性:1か月平均出来高1,600万株超(2025年末)
  • 配当利回り:約1.6%(2025年後半)

これを見ると、XLVが扱いやすいETFだとわかる。規模は大きく、流動性も高い。だから個人投資家でも、大口でも、売買しやすい環境が整っている。

過去の値動きとディフェンシブ性(事実ベース)

過去の値動きから見ると、XLVは景気が悪いときに下落が小さくなりやすい。たとえば2025年。
米国市場ではリスクの高い銘柄から資金が抜けた。その一方でヘルスケアに資金が戻り、XLVは+7.72%。逆にS&P500(SPY)は–1.57%だった。こうして比べると、動きの違いがよくわかる。

また2008年のリーマン・ショックや2020年のコロナショックでも、ヘルスケアETF(VHT含む)は市場全体ほど深く下げていない。つまり荒れた相場でも“落ち方がやわらかい”ってことだ。

さらにETFデータベースでも、「ディフェンシブセクターETFは、リスク資産から資金が移る局面で上昇しやすい」
と報告されている。こうした事実が、XLVの守備力を裏付けているわけだ。

XLKやXLYとの“性格の違い”比較(推奨なし)

XLVとよく比べられるETFに、XLKとXLYがある。まずXLKだが、こちらは半導体やソフトウェアが多い。つまり景気に敏感で、成長期には一気に走るタイプだ。ただし景気が悪くなると、値動きも大きくなりやすい。

一方のXLYは、自動車・小売・娯楽といった“裁量消費”が中心。家計の雰囲気に左右されやすく、好況では伸びる。しかし不況になると業績が落ちやすいという弱点もある。

対してXLVは、医薬品や医療サービスなど、生活に近い領域が多い。だから景気が悪くなっても需要が途切れにくい。ある分析では「XLYは帆、ヘルスケアは船底のバラスト」と例えられていた。つまり景気で加速する銘柄もあれば、下から支える銘柄もあるってこと。その結果、拡大期はXLKやXLYが強く、後退期はXLVが踏ん張りやすい構造になる。

ヘルスケアETF特有のメリットと注意点(一般論)

ヘルスケアETFのメリット

不況耐性が高い。
医療や薬は生活に必要だ。だから景気が落ちても需要が残りやすい。リーマンやコロナでも、ヘルスケアETFは大崩れを避けた。この“しぶとさ”は大きな武器だ。

長期成長が見込める。
世界的に高齢化が進み、技術も発展している。そのため医療支出は増えやすい。先進国でも新興国でも同じだ。結果として“時間を味方につけやすい”分野になっている。

分散投資がしやすい。
XLVは60社以上に投資している。上位のイーライリリーでさえ15%ほどだ。そのため依存度が高くなりすぎない。個別株ほど神経質にならなくていい。

安定した配当が期待できる。
構成企業は利益基盤が厚い。その分、配当余力もある。利回りは約1.6%と控えめだが、安定感はある。“ついでにもらえる”くらいの気持ちで見るとちょうどいい。

流動性が高い。
AUMも大きく、出来高も多い。売買しやすいのは、やっぱり便利だよな。

注意点(リスク)

もちろん、メリットだけじゃない。次のようなリスクもある。

為替リスク。
日本から買う場合はドル建てだ。円高になると円換算のリターンが削られる。この点は避けられない。

最低投資金額の問題。
米国ETFは1株単位で買う形式だ。XLVの株価は2025年末で約155ドル。つまり数万円は必要になる。少額積立しにくい点は、やや不便だな。

規制・特許リスク。
医薬品業界は薬価規制がある。さらに新薬承認は不確実で、特許切れも避けられない。そのため業績が揺れやすい場面も出てくる。

高成長相場では出遅れやすい。
景気が強いと、まずハイテクが走る。するとディフェンシブであるXLVは相対的に目立たない。強気一辺倒の相場では、どうしても置いていかれやすい。

どんな投資家と相性がよいか(特徴で説明)

XLVは、どちらかと言えば“安定を大事にしたい投資家”と相性がいい。たとえば景気の揺れをできるだけ小さくしたい人。あるいは、長期でコツコツ資産を育てながら、ついでに配当もほしい人だ。

さらに退職が近い人や、リスクを抑えた運用をしたい人にも向いている。というのも、ヘルスケア株は急落時の下げ幅が比較的小さい。そのためポートフォリオに組み込むだけで、守りが少し固くなる。

一方でハイテク株に偏りすぎた投資家にも使われる。全体のリスクを調整したいとき、XLVを足すことでバランスが取りやすくなるからだ。こういう“相殺の役割”は意外と大事だよな。

もちろん、市場が強い追い風を受けている時期は、XLVが物足りなく見える場面もある。ただ、その性格を理解したうえで使えば、役割ははっきりしてくる。結局のところ、自分のスタイルに合うかどうかが一番だな。


XLVは米国の大型ヘルスケア企業へ広く投資できるETFだ。そして“守備力が高い”と言われる理由はいくつもある。

まず医薬品や医療サービスは、生活から切り離せない。そのため景気が冷え込んでも、需要が大きく減りにくい。「景気が荒れても医療は止まらない」。そんな現実が、XLVの安定性を支えている。

とはいえ、当然ながらリスクが消えるわけじゃない。将来の成長も、市場の動きも、誰にも読み切れない。
今回の内容は、あくまで仕組みや過去データを整理したものだ。最終的な判断は、自分の投資方針と向き合いながら決めるしかない。

まぁ、投資なんて“自分のペースで続ける”が一番だよな。

Sho
Sho

システム開発歴15年/PMP

計画・リスク管理・数値設計を軸に、
ETFの情報整理から投資判断までをテンプレ化・自動化してきた。

新NISAの時代だからこそ、
感情よりも「仕組み」で迷わない投資を。

—— 焦らず、ブレず、仕組みで勝つ。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としています。投資判断はご自身の責任で行ってください。
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