相場の世界は、流行り廃りが早い。
DVYって名前も、聞いたことはあるけど「最近はあまり話題に出ないな」と感じてる人が多いかもしれない。
DVYは、2000年代から存在する米国高配当ETFの古参だ。
その後、VYMやHDV、SPYDといった後発組が次々に登場して、選択肢は一気に増えた。
その分、DVYの存在感が薄れたのも事実だな。
ただ、NISAの拡充で「配当を非課税で受け取る」価値が見直されてきた今、
高配当ETFそのものの見方も少し変わってきている。
配当をコツコツ積み上げるスタイルが、以前より現実的になったってことだ。
この記事では、DVYの基本や特徴を中立的に整理しながら、
なぜ今あらためて見直す余地があるのかを確認していく。
判断を迫る話じゃない。
「DVYって結局どんなETFなのか」を知るための整理。

DVYの概要と「古参ETF」としての立ち位置
DVYは、ブラックロック社のiシェアーズが提供する米国株の高配当ETFだ。
正式名称は「iShares Select Dividend ETF」、ティッカーはDVY。
2003年11月に設定されて以来、20年以上運用が続いている。
この点からも、DVYは米国高配当ETFの草分け的存在と言える。
高配当ETF黎明期からの存在
設定当時は、「高配当株」をテーマにしたETF自体が珍しかった。
その後になって、VYM(2006年)、HDV(2011年)、SPYD(2015年)と後発組が登場する。
つまりDVYは、最初からこのジャンルにいたETFだ。
これは、地味だが無視できない事実だろう。
規模と存在感は今も健在
現在、DVYの運用資産額は約209億ドル(2025年12月時点)。
一方で、VYMのような超低コストETFが注目を集め、DVYはやや影に隠れがちだ。
しかし、それでも資産規模がここまで残っているということは、
一定数の投資家に支持され続けている証拠でもある。
DVYならではの「性格」
DVYには、独自の指数に基づく選定ルールがある。
その結果、セクター比率や銘柄構成に、他の高配当ETFとは違う個性が出る。
つまり、「どれを選んでも同じ」というタイプのETFではない。
古参ETFならではの運用実績に、後発ETFとは異なるポートフォリオ。
そこを理解すると、DVYの立ち位置がはっきりしてくる。
古参ETFとしての安心感
高配当ETFが乱立する今でも、DVYには独特の安定感がある。
長期にわたり分配金を支払い続けてきた実績は、一つの安心材料だ。
さらに、運用会社がブラックロックである点も見逃せない。
結局、最後に効いてくるのは、こうした地味な要素だったりする。
DVYは今でも、高配当ETFの一角をきちんと占めている。
次章では、その中身をもう少し具体的に見ていこう。
DVYとは?基本情報とベンチマーク指数の仕組み
まずはDVYの基本情報を整理しておく。
- 運用会社:ブラックロック(BlackRock)社(iシェアーズ)
- ティッカー:DVY
- 正式名称:iShares Select Dividend ETF
- 設定日:2003年11月3日
- ベンチマーク指数:Dow Jones U.S. Select Dividend Index
- 構成銘柄数:約100銘柄
- 経費率:0.38%(年率、2025年現在)
- 分配金利回り:約3.5%(執筆時点)
ベンチマーク指数の特徴
DVYが連動するのは、「ダウ・ジョーンズ米国セレクト配当指数」だ。
この指数は、米国市場の中から比較的高配当な約100銘柄で構成されている。
ただし、単純に利回りが高い順に並べているわけではない。
銘柄選定ルール① 配当実績
まず重視されるのが、過去5年間の配当実績だ。
この期間で減配していない企業、つまり配当成長率がマイナスでない銘柄に限定される。
一時的に利回りが高いだけの企業は、ここで弾かれる。
銘柄選定ルール② 配当性向と流動性
次に、配当性向(利益のうち、配当金として支払う割合)は60%以下という条件がある。
無理をして配当を出している企業は対象外だ。
さらに、一定の売買高を満たす流動性基準も設けられている。
極端に小さく、取引されていない銘柄は組み入れられない。
配当額重視の指数設計
これらの条件を満たした銘柄の中から、配当利回りの高い企業がおおむね100社選ばれる。
指数内の比率は、予想年間配当額に基づいて決定される。
つまり、配当を多く出している企業ほど比率が高くなる。
この仕組みが、DVYを「配当利回り重視型ETF」と呼ばせている理由だ。
年1回の入れ替えと安定性
銘柄の入れ替えは年1回行われる。
減配すれば外され、条件を満たせば新しい銘柄が入る。
その結果、DVYは
高配当を狙いつつ、最低限の配当安定性も保つ構造になっている。
つまりDVYは、高配当株を厳選した約100銘柄に分散投資するETF。
ただの高利回り株の寄せ集めじゃない。
そこに、古参ETFらしい堅さがある。
DVYのメリット・注意点(整理)
どんなETFにも表と裏がある。
DVYも例外じゃない。
事実ベースで、DVYというETFの性格を整理していこう。
メリット(長所)
高い分配利回り
DVYは高配当ETFらしく、分配利回りはおおむね3〜4%台が期待できる。
そのため、市場平均や増配ETF(VIGなど)と比べると、
インカムは多めになりやすい。
「今のキャッシュフロー」を重視する人には、分かりやすい強みだ。
配当重視の設計
連動指数には、
- 過去5年間で減配していない
- 配当性向60%以下
といった条件がある。
つまり、ただ利回りが高いだけの銘柄は入りにくい。
派手さはないが、配当の持続力をそれなりに気にしている設計。
ここはDVYの堅実さが出てる部分だな。
分散効果と運用実績
DVYは約100銘柄に分散されていて、1社への依存度は比較的低め。
また2003年設定で、ITバブル後、金融危機、コロナ相場と、一通りの荒波を経験している。
データが揃っているという意味では、安心材料の一つになる。
ディフェンシブ寄りのポートフォリオ
公益事業や生活必需品など、守りの業種が多くなりやすい構成だ。
下落局面では相対的に下支えになりやすい傾向がある。
大きく儲けるETFじゃないが、
大きく振り回されにくい。そんな立ち位置だな。
コンセプトが分かりやすい
「高配当株の上位100銘柄に投資する」。
この軸がはっきりしている。
保有銘柄も追いやすく、何に投資しているか分かりやすいのは、地味に大事だ。
それだけで安心感がある。
注意点(短所・リスク)
セクター偏重になりやすい
DVYは公益事業・金融の比率が高くなりやすい。
つまり、セクターの偏りは避けられない。
たとえば金利上昇局面では、公益株が売られて基準価額が伸びにくい場面もある。
また素材やエネルギーの影響も受けやすく、市況次第で値動きがブレる点は意識しておきたい。
成長性とのトレードオフ
高配当株中心ということは、ハイテクなど高成長株の比率は自然と低くなる。
その結果、上昇相場ではS&P500などの市場平均に負ける可能性がある。
これは欠点というより、最初からそういう性格だって話。
配当金が常に右肩上がりとは限らない
DVYは「連続増配年数」を条件にしていない。
そのため、景気局面によって分配金が増減する。
実際、金融危機時には
分配金が大きく落ちた時期もあった。
直近が増配傾向でも、将来が約束されているわけじゃない。
ここは冷静に見ておきたいところ。
経費率が高め
経費率は0.38%。
高配当ETFの中では、正直やや高い。
短期では気にならなくても、長期ではコスト差が積み上がる。
低コスト最優先の人にとっては、引っかかるポイントだろう。
話題性・情報量は控えめ
最近はVYMやSCHDのほうが話題になりやすく、DVYはどうしても地味に見える。
規模や流動性に問題があるわけじゃないが、
情報は自分で取りに行く姿勢が必要になる。
静かなETFってのも、悪くはないけどな。
DVYは、米国の高配当株を約100銘柄に絞って分散し、インカムを狙う古参ETF。
「利回りは欲しい。でも、尖りすぎるのはちょっと…」
そんなニーズには合いやすい。
結局は「自分のスタイルに合うかどうか」だな。



