1698(上場高配当〈東証配当フォーカス100〉)の分配金・利回り:計算と誤解

高配当ETFの「分配金」は、数字だけ見ると魅力的に見える。
でも、分配スケジュールや利回りの計算をきちんと理解していないと、「思っていたのと違う」というズレが起きやすい。

この記事では、1698(上場高配当〈東証配当フォーカス100〉)を例に、
分配金がいつ・どの条件でもらえるのか、利回りをどう計算すればズレにくいのか、数字を見るときに何に注意すればいいのかを整理している。
公式資料を前提に、日付や価格の扱いを統一し、「どの数字をどう見ればいいか」が分かるようにまとめた。

読み終わる頃には、
分配金の仕組みで迷いにくくなり、利回りの数字に振り回されず、1698を冷静に判断できるようになるはずだ。

スポンサーリンク

権利落ち日は、なぜ価格が下がりやすいの?(ここが誤解ポイント)

まず、ETFには「値段」が2つあると思うと分かりやすい。

  • 基準価額(NAV)(ETFの中身の価値の目安)
    → ETFが持っている株などの価値を元にした中身の値段。
    分配金を出すと、その分だけETFの中身からお金が出ていくので、理屈の上ではNAVは分配金の分だけ下がる要因になる。
  • 市場価格(終値)(取引所で売買される値段)
    → 実際に市場でつく値段。
    NAVの動きに合わせて調整されやすいけど、買いたい人・売りたい人の多さ(需給)で、一時的にズレることもある

つまり何が言いたいかというと

分配金をもらうと口座の現金は増える。
でもそのぶん、ETFの値段側(NAVや市場価格)は調整が入りやすい。
だから「分配金=そのまま得」にならないことがある。

分配だけ見て安心するより、値動きも含めて(トータルで)見るのが安全、って話。

分配金実績

ここは「載ってる決算日」と「資料の時点」を一致させる。
2024/06/30時点の資料に整合する範囲だけを表にすると、こうなる(1口あたり、税引前)。

決算日分配金(1口あたり)
2024年4月8日23.90円
2024年1月8日22.60円
2023年10月8日19.20円
2023年7月8日20.50円
2023年4月8日19.20円

出典:運用会社マンスリーレポート(1698)
データ取得日:2025/11/28(運用会社マンスリーレポート参照)
分配実績の対象:2023/4〜2024/4の決算分(例示)

利回りの計算(※ 市場価格〔終値〕で固定)

配金まわりの利回りは、どの価格で割るかを最初に決めておくと混乱しにくい。
ここでは、計算に使う価格をすべて 市場価格(終値) に統一する。(取引が終わったあとの値段なので、あとから誰でも同じ数字を確認できるため)

まず基本になるのが 分配金利回り
これは「いまの価格で見て、分配金は年にどれくらい出ているか」をざっくり知るための指標で、

分配金利回り = 直近12カ月の分配金合計 ÷ 市場価格(終値) × 100

という計算になる。
直近12カ月を使うのは、分配金が毎回同じ金額とは限らないからだ。

もうひとつが 取得利回り
こちらは「自分が買った値段に対して、どれくらい分配金が出ているか」を見る指標で、

取得利回り = 直近12カ月の分配金合計 ÷ 自分の取得単価 × 100

という計算になる。
同じETFでも、買った時期が違えば取得利回りは人によって変わる。

なお、直近1回の分配金を4倍して年間利回りを出すやり方はズレやすい。
分配金は回ごとに金額が変わることがあるから、基本は直近12カ月の合計で考えるのが無難だ。

トータルリターン(分配も値動きもまとめて見る)

トータルリターンは、分配金だけでなく、価格の上がり下がりも含めて「結局どうだったか」を見るための考え方。
分配金が出ていても、価格が下がっていれば成績は良くないし、その逆もある。だから最終的な判断は、ここで見るのがいちばん分かりやすい。

まずひとつ目が、直近12カ月の成績を見る方法。

これは「この1年で、分配金も含めてどれくらい増えた(減った)か」を確認するもので、計算はこうなる。

12カ月トータルリターン
=(現在の市場価格〔終値〕+直近12カ月の分配金合計 − 12カ月前の市場価格〔終値〕)
÷ 12カ月前の市場価格〔終値〕

1年前の終値を基準にして、
「価格の変化」と「この1年でもらった分配金」を足し合わせて考えるイメージ。

もうひとつが、購入してから今までの成績を見る方法。

これは「自分が買ってから今日まで、トータルでどれくらい得した/損したか」を知るためのもの。

購入来トータルリターン
=(現在の市場価格〔終値〕+購入後の累計分配金 − 自分の取得価格)
÷ 自分の取得価格

こちらは、人によって買った時期や価格が違うから、結果も当然バラバラになる。
「自分にとってこのETFはどうだったか」を振り返るときに使う指標。

ポイントはシンプルで、
分配金だけを見ると判断を誤りやすいから、必ず価格の動きとセットで見る、それだけ覚えておけばいい。

注意点(よくある落とし穴はこの4つ)

分配金が出るETFは分かりやすく見える分、つまずきやすい点もいくつかある。
ここでは、最低限押さえておきたいポイントだけに絞っておく。

まず 価格下落リスク
分配金が出ていても、ETFの価格そのものが下がっていれば、資産全体としては増えていないことがある。
「分配金がもらえた=得した」と早合点しないほうがいい。

次に 分配減少リスク
分配金の原資は主に配当などだから、配当環境や運用状況次第で金額は普通に変わる。
今まで多かったからといって、次も同じとは限らない。

三つ目が 税金の影響
課税口座で持っている場合、分配金には原則として税金がかかる。
表示されている分配金の額が、そのまま手取りになるわけじゃない点は意外と見落とされがちだ。

最後に セクターの偏り
高配当ETFは性質上、金融、資源、REITといった分野に寄りやすい。
特定の景気や金利の動きに影響を受けやすい点は頭に入れておきたい。

それと、分配金についての誤解を避けるなら、次の理解がいちばん安全だ。

ETFの分配金は、基本的に利子や配当などの収益から支払われる。
売却益は原則としてファンドの中に残る。

分配の中身が気になる場合は、運用会社のレポートにある 分配方針や収益状況 を確認するとズレにくい。

まとめ:1698は利回りの数字だけで判断しない

1698を見るときは、分配金の利回りだけで良し悪しを決めないことが大事。
分配を受け取るには日付の理解が必要で、決算日・権利付き最終日・権利落ち日を取り違えると分配がもらえないこともある。休日が絡む年は特に注意したい。

利回りを計算するときは、市場価格(終値)でそろえ、直近12カ月の分配金合計を使うのが無難。直近1回の分配金を4倍するやり方はズレやすい。

そして、分配金だけでなく、価格の上がり下がりも含めたトータルで成績を見る。分配が出ていても、資産全体が増えているとは限らない。

仕組みと数字をセットで見れば、1698は「分配を受け取りながら保有したい人」には分かりやすいETFだ。
利回りの数字だけに振り回されなければ、無駄に迷わずに済む。

参考資料(どれを見れば何が分かるか)

Sho
Sho

システム開発歴15年/PMP

計画・リスク管理・数値設計を軸に、
ETFの情報整理から投資判断までをテンプレ化・自動化してきた。

新NISAの時代だからこそ、
感情よりも「仕組み」で迷わない投資を。

—— 焦らず、ブレず、仕組みで勝つ。

Shoをフォローする
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。投資判断はご自身の責任で行ってください。
日本ETF高配当
スポンサーリンク