日本の銀行株ETFを比較:315Aと1615の選び方 (2026)

日本の銀行株ETFでよく名前が挙がるのが、315Aと1615。どちらも銀行セクターにまとめて投資できる一方で、中身の作りと使いどころが微妙に違う。

この記事では、分配金、コスト、組入銘柄の違いから、自分に合う選び方を整理していく。

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結論:315Aと1615は「何を重視するか」で決まる

先に結論。迷ったら「どっちを優先したいか」を一度分けるとスッキリする。

315Aが向きやすい人

  • 少額から買って、年2回の分配金を受け取りたい
  • 銀行株の中でも配当実績が高い銘柄にしぼりたい
  • 信託報酬を少しでも抑えたい

1615が向きやすい人

  • 銀行セクター全体をまるごと持ちたい
  • 規模が大きいETFを選びたい
  • 分配金利回りや流動性を重視したい

どちらか一択にしなくてもいい。役割を分けて併用するのも現実的だと思う。

たとえば、積立は少額で315A、まとまった資金の受け皿は1615。そんな使い分け。315Aと1615はいずれもNISAの成長投資枠の対象として案内されている。

2026年の金利環境で銀行株が注目される理由

銀行の利益はざっくり言うと、貸出金利と預金金利の差が広がるほど増えやすい傾向がある。これが利ざや。

金利が動く局面では、この差が広がるかどうかが注目点になる。

日本では日本銀行が2024年3月に、長短金利操作の枠組みなどを見直し、金融政策の運営手法を転換した。金利が長く動きにくかった時期と比べると、銀行の収益環境が変化しやすい土台ができた――このくらいの理解で十分。

もう1つ、株主還元の流れも無視できない。東京証券取引所は2023年に、資本コストや株価を意識した経営に関する対応を上場企業へ要請している。これが各社の開示や還元姿勢を後押しする材料として語られることがある。

ここまでを一言にすると、金利が動く環境になり、株主還元の圧力も強まりやすい。だから銀行株に注目が集まりやすい

基本スペック比較:信託報酬と分配回数と規模

まずは数字で全体像をつかむ。こういうのは更新されるので、定期的に公式ページで確認しておくのが無難。

315Aの基本データ

  • 運用会社:Global X Japan
  • 信託報酬:年0.2035%
  • 分配:年2回(4月・10月、各24日が基準日)
  • 売買単位:1口
  • 運用資産残高:95.78億円
  • 直近分配金:100口あたり1,500円
  • 12か月利回り:1.95%
  • 設定日:2025年1月8日

1615の基本データ

  • 運用会社:野村アセットマネジメント
  • 信託報酬:年0.209%
  • 分配:年1回(7月15日が基準日)
  • 売買単位:10口
  • 純資産総額:2,500.3億円
  • 直近分配金:100口あたり2,002円
  • 分配金利回り:3.44%

ざっくり言うと、315Aは少額で買えて分配が年2回。1615は規模が大きく、分配利回りが高めに見えやすい、という形。

信託報酬は僅差だけど、長期で持つほど地味に効く。ここは軽視しないほうがいい。

組入銘柄の違い:315Aは厳選、1615はセクター全体

同じ銀行株ETFでも、「中身をどう決めるか」がけっこう違う。

1615は銀行業の指数に連動を目指すタイプ。基本は銀行業に分類される銘柄を幅広く持つ発想で、セクター全体の値動きを取りにいく。

一方の315Aは、銀行業の中でも配当実績が高い銘柄を中心に、15銘柄で構成する設計。銘柄数が少ないぶん、個々の銘柄の影響は相対的に大きくなる。指数の説明では、浮動株時価総額をベースにしつつ、1銘柄あたりの比率に上限を設ける考え方も示されている。

言い換えると、この整理。

  • 1615:銀行セクターを広く持つ
  • 315A:配当実績を軸に銀行株をしぼって持つ

どっちが良いかは、「どんな値動きを許容したいか」と「目的は分配か、セクター丸ごとか」で変わる。

分配金の見方:利回りが逆転して見える理由

ここ、つまずきやすい。

名前に「高配当」と入っている315Aより、1615のほうが利回りが高く見えることがある。実際、2026年2月2日時点の表示だと、315Aの12か月利回りが1.95%、1615の分配金利回りが3.44%

逆転っぽく見えるのは、だいたいこの3つが重なりやすいから。

  • 分配金利回りは「過去の分配実績」ベースで、将来を保証しない
  • ETFの価格が上がると、同じ分配でも利回りは下がって見える
  • 新しいETFは分配実績の積み上げが短く、数字が安定しにくい

あと、分配は「利回り」だけじゃなく「回数」も地味に効く。

315Aは年2回、1615は年1回。現金が入ってくるタイミングが違うので、生活費に回すのか、再投資のリズムを作りたいのかで、体感の使いやすさが変わる。

40代の使い分け:NISAと積立の現実的な型

40代って、教育費や住宅費がありつつ、老後資金の加速も意識し始める時期になりがち。なので「理想の正解」より、回る型を持っておくほうが強い。

ここでは型を3つだけ。投資判断は、家計の余力とリスク許容度に合わせて調整する前提で。

少額の積立を続けやすいほうを軸にする

  • 毎月の積立で買いやすい売買単位を重視
  • 分配が年2回のほうがモチベーションになるなら、315Aが候補

セクター全体の成長を取りにいく

  • 銀行株全体をまとめて持つことを重視
  • 規模や売買のしやすさを優先するなら、1615が候補

役割分担で併用する

  • 積立は315Aで小さく積み上げる
  • まとまった資金は1615でセクター全体を持つ
  • リバランスは年1回など、ルールを決めて淡々とやる

NISAを使う場合も、分配金の扱いは人によって正解が違う。受け取って使うのか、別の商品に回すのか。

リスク管理:金利と景気悪化で起きやすいこと

銀行株ETFは分かりやすい反面、セクター特有の落とし穴がある。初心者が押さえるべきリスクは、この3つ。

景気後退リスク

景気が悪くなると、貸し倒れに備える費用が増える。結果として利益が圧迫されやすい。

銀行って「景気がいいと地味、景気が悪いと急に目立つ」みたいなところがある。そこは覚えておくといい。

利ざやが思ったほど広がらないリスク

市場金利が上がっても、預金金利も上げざるを得ない競争環境だと、差が広がりにくいことがある。

金利上昇=銀行が必ず儲かる、ではない。利ざやの広がり方は、結局「貸す側と預かる側の力関係」次第。

海外要因の影響

大手銀行は海外ビジネスの比率が高いことがある。海外金利や金融規制の影響を受ける場面も出てくる。

国内要因だけ見ていると、思わぬところで振らされる。これもありがち。

さらに、315Aは15銘柄にしぼる分、個別要因の影響が相対的に大きくなりやすい。一方で1615は銀行セクターそのものに集中する

どっちにしても、持ちすぎを避けるのが基本。銀行セクターに寄せすぎると、金利と景気の両方で揺さぶられやすい。

よくある質問:どちらか一択か、併用はありか

Q:どちらか一択にしたほうがいい?
A:一択にする必要はない。目的が「分配のリズム」なのか「セクター全体の値動き」なのかで役割が分かれるので、併用も普通にあり。

Q:利回りが高いほうが得?
A:利回りは過去実績ベースのことが多く、将来の分配を約束しない。分配原資や価格変動も含めて考える必要がある。

Q:分配金はいつ受け取れる?
A:315Aは4月と10月、1615は7月が基準日。実際の入金日は証券会社の案内で確認するのが確実。

まとめ

315Aと1615は、どちらも日本の銀行株にまとめて投資できる便利な選択肢。違いはこう整理できる。

  • 315A:配当実績を軸に15銘柄へしぼる設計。少額購入と年2回分配が特徴
  • 1615:銀行セクター全体を広く持つ。規模や流動性、分配利回りの見え方で選ばれやすい

数字だけで決めるより、目的と使い方から逆算したほうが失敗しにくい。そんな整理で十分。

Sho
Sho

システム開発歴15年/PMP

計画・リスク管理・数値設計を軸に、
ETFの情報整理から投資判断までをテンプレ化・自動化してきた。

新NISAの時代だからこそ、
感情よりも「仕組み」で迷わない投資を。

—— 焦らず、ブレず、仕組みで勝つ。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としています。投資判断はご自身の責任で行ってください。
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