結論:1489の利回りは「表示されてる%」を鵜呑みにするとズレる。分配は年4回(1/4/7/10)で入金まで約40日、税引後手取り(課税×0.79685)やTTM(過去12か月でもらった分配金合計)/年換算の違いまで見て初めて実感の利回りになる。

税引後利回りの式(ざっくり)
税引後分配金(年)= 年間分配金(税引前)×(1 − 税率)
税引後利回り = 税引後分配金(年)÷ 購入単価(または現在値)
✅ 覚えるのは「係数だけ」でOK(1489の場合)
- 課税口座(特定/一般):手取りはだいたい 8割(×0.79685)
- NISA:手取りは そのまま(×1.00)
※NISAで分配金を非課税にするには、受取方法が「株式数比例配分方式」になっているか確認。
分配金の見方(例:TTMで計算)
例)1口 50,000円、過去12か月の分配金合計 800円(TTM)の場合
- 税引前利回り:800 ÷ 50,000 = 1.60%
- 税引後利回り(課税口座):800 × 0.79685 ÷ 50,000 = 約1.28%
- 税引後利回り(NISA):800 × 1.00 ÷ 50,000 = 1.60%
※利回りは過去の実績。分配金は増減するので、固定で出続ける前提にしないのが安全。
1489の分配金はいつ?(権利日→入金まで)
1489は、年4回分配金が出るETF。
支払い基準日(=分配金を受け取る権利が確定する日)は、毎年 1月・4月・7月・10月の各7日。
たとえば2025年なら、
1/7・4/7・7/7・10/7 が基準日だった。
つまり、この日に保有している受益者が、分配金を受け取る権利を得る。
ただし、ここで一つ注意点がある。
実際の支払開始日は、基準日の約40日後で、だいたい翌月中旬になる。
実例を挙げると、2025年10月7日分の支払開始日は11月14日だった。
なので、「権利確定日=すぐ入金」ではない。
受け取りまでには、ちゃんとタイムラグがある。焦ってもどうにもならない。
分配金実績:直近の推移(~2025年10月期まで)
次に、直近の実績。
以下は、2024年〜2025年の分配金実績(1口あたり・税引前)。
ここでは、最新の2025年10月決算分まで載せている。
| 決算日 | 分配金 | 支払開始日 |
|---|---|---|
| 2024/01/07 | 150円* | 2024/02/15 |
| 2024/04/07 | 30円 | 2024/05/16 |
| 2024/07/07 | 5円 | 2024/08/15 |
| 2024/10/07 | 38円 | 2024/11/15 |
| 2025/01/07 | 4円 | 2025/02/14 |
| 2025/04/07 | 40円 | 2025/05/16 |
| 2025/07/07 | 6円 | 2025/08/15 |
| 2025/10/07 | 39円 | 2025/11/14 |
※注:2024年1月19日に1489は1口→30口に分割した。
2024/01/07の150円は分割前基準で、分割後換算では約5円相当になる。
分配金のクセを先に知っておこう
ここまでの実績を見ると、1489の分配金には、かなりはっきりした傾向がある。
- 4月・10月は大きめ
- 1月・7月は小さめ
実際、2025年は4月と10月が40円・39円。
一方で、1月と7月は4円・6円にとどまっている。
これは偶然じゃない。
というのも、日本企業の多くが 年2回(中間・期末)配当 を採用しているからだ。
結果として、配当が入る時期が偏る → ETFの分配金も偏る、という流れになる。
つまり1489は、「年4回分配だけど、毎回同じ金額が出るETFではない」。
ここを理解していないと、利回りの数字もかなり誤解しやすくなる。
利回りの正体:なぜ数字がブレる?
そもそも配当利回りは、次の計算で出る。
直近1年間に支払われた分配金の合計 ÷ 現在のETF価格
重要なのは、
利回りは「将来の保証」ではなく、あくまで過去の結果だという点だ。
だから、数字は普通に動く。
その理由は、大きく分けて3つある。
① ETF価格の変動
まず、利回りは「分配金 ÷ 価格」だ。
そのため、価格が上がれば利回りは下がりやすく、
逆に価格が下がれば、利回りは上がりやすい。
分配金がほぼ同じでも、価格次第で数字は変わる。
とくに市場が下落しているときは、見かけ上の利回りが高くなることもある。
つまり、
利回りが高い=調子が良い、とは限らない。
むしろ「価格が下がっているサイン」の場合もある。やれやれだな。
② 分配金額の変動(季節要因)
次に、分配金そのもののブレ。
前に見た通り、1489は四半期ごとに分配金が大きく変わる。
とくに4月・10月の大きめ分配が出た直後は、利回りが高く見えやすい。
一方で、その後に1月・7月の小さめ分配が続くと、今度は利回りが下がって見える。
つまり、1489の利回りには季節要因がはっきり混ざる。
この構造を知らないと、数字に振り回されやすい。
③ 「1年前の分配」が外れる(剥落効果)
さらにもう一つ。
利回りは「直近1年」を区切って計算される。
そのため、1年前に大きな分配があった場合、そこが計算期間から外れた瞬間に、利回りがガクッと下がることがある。
要するに、利回りは分配金額だけでなく、計算期間の入れ替わりでも動く。
利回りの見え方サンプル:Trailing(トレーリング)と単純換算
ここで、利回りの計算方法の違いを整理しておく。
方法①:Trailing(トレーリング)利回り(過去1年実績)
もっとも一般的な方法。
例:
直近1年の分配金合計が約89円
価格が2,849円
→ 利回りは約3.12%
方法②:単純年換算(直近分配×4)
初心者がやりがちな計算。
例:
直近分配が39円だから
「39円×4回=156円」と仮定
→ 約5.5%
ただし、1489は毎回39円が出るETFじゃない。
分配が大きい月と小さい月がある以上、この計算は誤解を生みやすい。
証券会社によっては年換算利回りを表示することもあるが、
判断の基準にするなら、まずは過去1年実績ベースを見るのが無難だ。
税引後の利回りにも注意
もう一つ忘れがちなのが税金。
ETFの分配金には、約20.315%の税金がかかる。
そのため、表示利回り3.5%でも、手取りでは2.8%前後になる。
ただし、NISA口座なら分配金は非課税だ。
同じ利回り表示でも、口座によって実質利回りは変わる。
よくある誤解をひとつ潰す
「利回りが高い=お得・儲かる」と思い込むのは危険だ。
というのも、利回りが高く見える背景には、
- 価格が下がっているだけ
- 一時的に大きな分配があっただけ
といった事情が隠れていることがある。
それに、分配金はボーナスじゃない。
分配が出た分だけ、基準価額は理論上目減りする。株の配当落ちと同じ。
だからこそ、
分配金単体ではなく、トータルリターン(分配金を含めた資産全体の増減)で見る視点が重要になる。
次に見るべき観測点
最後に、1489を追いかけるなら、次の3点を見ておくとラクになる。
① 分配金のバラつきとトレンド
分配金が増えているのか、減っているのか。それとも不安定なのか。四半期ごとの金額だけじゃなく、年単位の流れで見る。
加えて、特定の業種や銘柄の影響で上下していないかも確認すると、分配の持続性を考えやすい。
② 指数の定期入れ替え
1489が連動する指数(株価の集合体ルール)は、定期的に構成銘柄が見直される。入れ替えが起きると、将来の分配原資(配当の出どころ)が変わる可能性がある。
だから、入れ替え時期の情報や、組み入れ上位銘柄の変化は要チェックだ。
③ セクター偏りの影響
高配当株は特定の業種に偏りやすい。だから、金利や資源価格など、環境の変化が分配に影響することもある。
分配金を予想するなら、指数の業種構成比も合わせて見ると理解が深まる。
1489の利回りは、数字だけ見ると派手に見えることがある。
ただし、その中身を分解していくと、理由はだいたい説明がつく。
利回りの高さに一喜一憂するより、
「なぜその数字になっているか」を理解できると、ETF投資はかなりラクになる。
参考文献
- NEXT FUNDS 1489 公式ページ(野村アセットマネジメント)
- JPX: 「NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信」基本情報 (PDF)
- 野村アセットマネジメント「ETFの分配金のしくみと利回り」解説記事
- 日本経済新聞社インデックス: 日経平均高配当株50指数 概要








