AI投資が選ぶETFポートフォリオは?人間が徹底検証してみた

AIに投資案を出させて、こっちが容赦なくツッコむ——それがこの実験室の流儀。

▶ 初見なら先にこれだけ:AI投資を事故らせない質問テンプレ(NISA版)
ChatGPTでNISA戦略を立てる(プロンプト10選)

▶ 次に読む:AI投資を信じすぎるとどこでズレるか(実験まとめ)
→ 🤖 AI×投資実験室|実験一覧

スポンサーリンク

この記事でわかること

  • AIが「高配当×成長」を狙うと、どんな組み方をしがちか
  • AI案のありがちな穴(重複・役割の曖昧さ・管理難度)をどう見抜くか
  • AIの提案を「下書き」にして、現実寄りに直す手順

結論だけ先に言うと、AIは叩き台作りは速い。でも、そのまま採用すると普通に事故るポイントが残る

AIが投資判断をする時代?(結論:するけど、丸投げは危険)

「AIに資産運用を任せたら、どうなるんだろう」——一度は考えるよな。

生成AIは、候補出しや整理がとにかく速い。
ただし、投資に必要な違和感センサー(重なり・偏り・自分の許容範囲との相性)はまだ雑。

だから今回の実験はこれ。

AIにETFポートフォリオを組ませて、人間が“穴”を見つけて修正する

今回の実験条件(ここがブレると検証にならない)

AIに聞くとき、条件がフワいと答えもフワくなる。
今回はあえてシンプルに固定した。

  • 目的:高配当×成長のバランス
  • 商品:ETFのみ
  • 地域:指定なし(AIに任せる)
  • リスク:中程度(極端な一点集中は避けたい)

AIに「高配当×成長ポートフォリオ」を聞いてみた

まずはAIに、直球で聞く。

実際に投げたプロンプト(再現用)

「高配当×成長のバランス型ETFポートフォリオを提案して。 それぞれの役割と、配分比率も示して。」

AIの提案(初回・原文の要点)

AIは「年齢・資産額・目的が未確定なので投資助言ではなく設計図」という前置きを置いた上で、東証で買いやすいETF中心のモデルを出してきた。

配分はこう。

  • 全世界株(2559):35%(成長の土台/世界分散)
  • NASDAQ100(1545):10%(成長ブースター/米国ハイテク寄り)
  • 米国高配当(2013):15%(インカムの柱/米国側の配当)
  • 日経高配当50(1489):15%(円ベースの高配当)
  • MSCIジャパン高配当(1478):10%(配当+品質寄り/日本高配当の“質”補強)
  • 米国債7–10年(1656):15%(値動きのクッション)

さらに、

  • 日本高配当は 1489 or 1478 の一本化もアリ
  • NASDAQ枠は 0〜10%で調整
  • 年1回 or ±5%でリバランス
    といった運用ルールまで添えてきた。

見た目は丁寧。……ただし、見た目だけで合格にすると、投資はたまに痛い目を見る。

人間がチェックするポイント(AI案の添削テンプレ)

AI案を受け取ったら、最低これを見ろ。

  1. 役割は本当に増えているか(同じ役のETFを重ねてないか)
  2. 重なりは意図したものか(分散のつもりが集中になってないか)
  3. リスク源は何か(株式リスク/金利リスク/為替リスク)
  4. 管理難度は許容できるか(本数、リバランス、理解の手間)

今回はこの視点で、AI案を殴っていく。

添削①:まず“重なり”を見抜く(分散のフリが一番危ない)

AI自身も触れていたけど、
2559+1545+2013は中身が重なりやすい

  • 2559(全世界)には米国大型株がそれなりに入る
  • 1545(NASDAQ100)は米国大型グロース寄り
  • 2013(米国高配当)も米国大型株が中心

つまり、地域分散のつもりでも、米国要素が想像以上に濃くなる可能性がある。
重なり自体が悪ではない。
問題は「重なってることを理解してないのに、分散した気分になってしまう」こと。

添削②:日本高配当を2本入れる意味はある?(1489×1478問題)

AIは日本高配当を2本(1489と1478)入れてきた。
ここは意図としては分かる。

  • 1489:日経平均高配当株50(母集団・ルールの癖が出やすい)
  • 1478:MSCIジャパン高配当(財務要件などが入る設計)

同じ「日本高配当」に見えても、指数設計が違うので、
偏りを薄めたいという発想は成立する。

ただし、初心者目線だとここが罠。

  • 2本入れると「分散できた気分」になりやすい
  • 一方で、管理の手間(理解・比較・保有理由の説明)が増える

だから結論はシンプル。

混ぜるのは“狙いが言語化できる人”だけ。迷うなら一本化の方が強い

AIも「管理が面倒なら一本化」と言っている。
ここは人間側が、自分のキャラに合わせて選ぶべきポイント。

添削③:債券15%は“万能クッション”じゃない(1656の論点)

AIは値動きをならす枠として、米国債7–10年(1656)を15%入れてきた。
これは「株100%より続けやすくする」という思想としては理解できる。

ただ、ここも丸飲みは危ない。

  • 債券は「安全資産」というより、金利に敏感な別のリスク資産
  • 7–10年は期間が長めなので、金利変動で価格が動きやすい
  • さらに海外資産なので、為替の影響も受ける

つまり、
株が荒れたときに必ず助けてくれる“保険”ではない
「クッションになりやすい局面はある」が正確な言い方。

(この辺の言い切らないのが人間の仕事だな。)

添削④:このポートフォリオ、何が目的で何を捨ててる?

AI案は、数字の配置がそれっぽい。
でも、投資は最後にここへ戻る。

  • 配当を“使いたい”のか、再投資して増やしたいのか
  • 値動きに耐えられるか(下落時に投げないか)
  • 為替変動をどう受け止めるか

この3つが未確定だと、
同じ「高配当×成長」でも最適配分は変わる。

AIは前提がないと、それっぽい平均点を出してくる。
だから記事では、ここを読者に渡してあげた方が親切。

人間の総評:AI案はよくできた下書き

(でも、そのままだと迷子になりやすい)
AIの提案をまとめると、こう。

良いところ

  • 世界分散(2559)を土台に置いている(いきなり尖らない)
  • 高配当(米国・日本)と成長(NASDAQ)を役割として分けている
  • リバランスなど、運用ルールまで提示している

残る穴(ここが人間の仕事)

  • 米国要素の重なりを「分散」と誤解しやすい
  • 日本高配当2本は、目的が曖昧だと管理負けしやすい
  • 債券15%は“万能の守り”ではなく、金利・為替の論点が残る

ここからが本番:AIに再提案させる“修正プロンプト”例

AI活用のコツは、最初の回答で終わらせないこと。
人間が穴を見つけて、条件を足して、再提案させる。

たとえば、こう。

「この構成の“重なり”を減らしたい。目的は①配当の分かりやすさ②下落時に続けやすいこと。ETF本数は最大4本まで。再提案して、各枠の役割と“捨てたもの”も書いて」

ここまで言えば、AIはだいぶ現実寄りに直してくる。

タイプ別:このAI案を“自分仕様”に直す考え方

1)配当をもう少し分かりやすくしたい

  • 日本高配当は 1489 or 1478 の一本化
  • 目的:管理コストを下げて、継続性を上げる

2)値動きが苦手(下落で心が折れやすい)

  • NASDAQ枠(1545)は 0〜10%で“気持ちよく続く”範囲に抑える
  • 目的:最適解より、撤退しない設計

3)為替の揺れがストレス

  • 「為替の影響は避けられない」前提で、
    生活防衛資金や円建て資産との全体バランスで調整
  • 目的:パフォーマンスより“継続可能性”

今回の実験で分かったのは、AIの得意がハッキリしていること。

  • AIは速い。候補出しと整理は上手い。
  • ただし、重複・偏り・管理難度の評価は雑になりやすい。
  • 人間が「目的」と「嫌なこと(続かない理由)」を言語化して渡すと、提案の質が上がる。

要するに、

AIに叩き台を書かせて、人間が検証して仕上げる

この距離感がいちばん事故りにくい。

次に読む(実験の続き)

▶ AIに聞く前の前提を固める(入口)
ChatGPTでNISA戦略を立てる(プロンプト10選)

▶ 実験をまとめて見る(全体像)
→ 🤖 AI×投資実験室|実験一覧

Sho
Sho

システム開発歴15年/PMP

計画・リスク管理・数値設計を軸に、
ETFの情報整理から投資判断までをテンプレ化・自動化してきた。

新NISAの時代だからこそ、
感情よりも「仕組み」で迷わない投資を。

—— 焦らず、ブレず、仕組みで勝つ。

Shoをフォローする
AI投資
スポンサーリンク