高配当ETFと聞くと、
「安定」「分散」「放っておいても安心」――そんなイメージを持ちやすい。
ただ、399Aは、
そのイメージを数字で少し裏切ってくるタイプ。
悪い意味じゃない。そうなるだけの理由が、ちゃんとある。
この記事では、
399Aの組入銘柄が指数ルールからどう決まっているのか。
なぜ業種の偏りや上位集中が起きるのか。
そして、今後チェックしておきたい観測点までを整理していく。
思い込みを外して、中身を見ていく。

399Aの組入銘柄は何で決まる?(指数ルール超要約)
399Aは、「日経平均高配当株50指数(配当利回りが高い銘柄を集めた指数)」への連動を目指すETF。
JPX(日本の株式市場そのものを運営している会社)の資料を読むと、仕組みは意外とシンプルに書いてある。
要するに、
日経平均225の中から、配当利回り(配当金÷株価の割合)が高い銘柄を集めました
って話。
ここでは、組入の決まり方だけに絞って整理しておく。
- 母集団:日経平均株価(225)の構成銘柄
- 絞り込み:5月末時点の「予想配当利回り」を基準に、高い銘柄を選定(年1回)
- ウエート:基本は配当利回り(利回りが高いほど比率が大きい)。ただし流動性(売買のしやすさ)で調整
- 偏り対策:1銘柄あたり最大5%までの上限あり
ここで一つ、地味だけど重要な注意点がある。
「50なのに50じゃない」現象
日経平均から除外された銘柄は、指数から臨時で外れる。
ただし、構成銘柄数が45未満になるまで補充は行われない。
その結果、
「高配当株50指数なのに、実際は48銘柄」
なんて状態が、わりと普通に起きる。
つまりだな。
高配当=固定メンバーじゃない。
入替が起きる前提で作られた指数、ってこと。
上位10銘柄:顔ぶれを見ればETFの性格が分かる
ETFを理解したいなら、まずは一番濃いところを見る。
細かい分散より、クセが出る場所だからな。
2025年11月28日時点では、組入銘柄は48銘柄。
上位10銘柄は次の顔ぶれだ。
| 順位 | 銘柄名 | コード | 組入比率 | 業種(区分) |
|---|---|---|---|---|
| 1 | INPEX | 1605 | 4.51% | 鉱業 |
| 2 | 日本たばこ産業(JT) | 2914 | 4.13% | 食料品 |
| 3 | アステラス製薬 | 4503 | 3.94% | 医薬品 |
| 4 | 本田技研工業 | 7267 | 3.65% | 輸送用機器 |
| 5 | みずほFG | 8411 | 3.54% | 銀行業 |
| 6 | 武田薬品工業 | 4502 | 3.46% | 医薬品 |
| 7 | 野村HD | 8604 | 3.42% | 証券 |
| 8 | 川崎汽船 | 9107 | 3.42% | 海運 |
| 9 | 三菱商事 | 8058 | 3.38% | 商社(卸売) |
| 10 | 三井住友FG | 8316 | 3.33% | 銀行業 |
性格診断
399Aは、「景気敏感+高配当の常連組」寄り。
資源、金融、海運、商社、自動車、たばこ、医薬品。
並びを見るだけで、
「景気や市況の影響、普通に受けますよ」
って自己紹介してる。
指数が予想配当利回り重視だからだ。
株価が下がれば、利回りは見かけ上高くなる。
その結果、
- バリュー(割安と見なされやすい株)寄り
- 景気の波を受けやすい業種
このあたりが、どうしても太くなりやすい構造になる。
もちろん、年ごとに濃淡は変わる。
でもクセ自体は、そう簡単に消えない。
業種比率:高配当ETFに起きがちな偏りを可視化
業種別に見ると、399Aの輪郭がもう少しはっきりする。
- 輸送用機器:景気の温度計になりやすい
- 銀行業:金利や信用コストの影響を受けやすい
- 卸売業(商社):資源・景気・為替で振れやすい
- 医薬品:ディフェンシブ(景気に左右されにくい)だが銘柄依存も大きい
- 鉄鋼:市況や設備投資の波を受けやすい
| 順位 | 業種 | 比率 | 偏りの一言 |
|---|---|---|---|
| 1 | 輸送用機器 | 9.93% | 自動車など“景気の温度計”が太い |
| 2 | 銀行業 | 8.89% | 金利・信用コストの影響を受けやすい |
| 3 | 卸売業(商社) | 7.93% | 資源・景気・為替で振れやすい |
| 4 | 医薬品 | 7.41% | ディフェンシブ枠だが銘柄依存も大 |
| 5 | 鉄鋼 | 7.23% | 市況・設備投資の波を受けやすい |
誤解つぶし
「高配当=自動的に分散されて安全」そう思いたくなる気持ちは分かる。
でも分散は銘柄数だけじゃ決まらない。
- 業種の偏り
- 上位集中
この2つを見ないと、実態は見えてこない。
高配当指数は、構造上どうしても偏りやすい。
大事なのは、
偏っているかどうか
ではなく、
どこに偏っているかを説明できるか
集中度:上位比率が高いと何が起きる?
2025年11月時点の集中度は、こんな感じだ。
- 上位1位:4.51%
- 上位1〜3合計:12.58%
- 上位10合計:36.78%
一般論として、上位集中が強いほど、影響は分かりやすくなる。
- 値動き:上位銘柄の材料に引っ張られやすい
- 分配金:上位銘柄の減配・増配が指数全体に波及しやすい
この前提を頭に入れておくと、
ニュースが出たときに、変に慌てなくて済む。
入替・リバランス:いつ、どう変わる?
定期入替は年1回(6月末)。
基準になるのは、5月末時点の予想配当利回り。
加えて、
- 日経平均から除外 → 臨時で指数から外れる
- ただし45銘柄未満になるまで補充なし
このルールがあるせいで、
銘柄数が一時的に減ることもある。
最近の変化(例)
2025年10月末〜11月末にかけて、上位10にも動きがあった。
- 新規入り:三井住友FG
- 除外:日本郵船
比率変化:
- アステラス製薬 ↑
- 川崎汽船 ↓
- INPEX ↑
ここで大事なのは、当たり外れで見ないこと。
指数ルールと市場の力学が、淡々と働いた結果。
そう捉えるほうが、ずっと楽。
似て見える高配当ETFとの違い(1段落だけ)
同じ「日経平均高配当株50」を使っていても、
ETFの設計は同じとは限らない。
たとえば1489は、配当込みのトータルリターン指数(配当を再投資した前提の指数)が対象。
一方399Aは、日経平均高配当株50指数そのもの。
信託報酬や分配頻度も違う。
つまり、同じ高配当50でも、中身は同じじゃない
この一点を押さえるだけで、比較はだいぶ楽になる。
次に見るべき観測点(迷ったらここ)
- 金利局面:銀行・証券の比率が高いか
- 景気の温度:商社・鉄鋼・海運・輸送用機器が重いか
- 減配局面:予想配当利回りベースゆえ、入替の種になりやすい
- 入替シーズン:5月末 → 6月末は定点観測
まとめ:要点3つ
- 399Aの中身は、指数ルール上「そうなりやすい」構造
- 上位10で約37%。業種偏りと集中度は必ず確認
- 入替は年1回+臨時除外あり。月次の上位10でも変化は追える
高配当だからって万能なわけじゃない。
でも、クセを分かった上で付き合うなら、悪くない。
参考文献(URL一覧)
399A マンスリーレポート(2025/11/28)
399A マンスリーレポート(2025/10/31)
JPX:399A ETF銘柄資料(PDF)
日経平均高配当株50指数:指数概要
日経平均高配当株50指数:構成銘柄一覧(更新日付が表示されるページ)
日経平均高配当株50指数:月次ファクトシート(PDF)
日経平均高配当株50指数:銘柄定期入れ替え(ニュースPDF例)
参考:1489(同系指数を用いるETFの一例)



