1489とは何か?NISA投資との相性
あなたが「1489」という数字を耳にしたとき、最初は何のことか分からないかもしれません。これは銘柄コードで、正式名称は 「NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信」。長いので、多くの投資家が「1489」と呼んでいます。
このETFの魅力はシンプルで、「日本株のなかでも配当利回りが高い50銘柄」に分散投資できること。銀行、商社、通信、製造業など、業種も幅広くカバーしています。つまり、個別株を1社ずつ選ばなくても、パッケージとして“日本の高配当株”を丸ごと持てるわけです。
さらに、1489は 年4回(3月・6月・9月・12月) 分配金が出ます。四季ごとに「ボーナス」が振り込まれるイメージで、配当生活を意識する人にはリズムが合いやすい特徴です。直近の分配実績から見ると、おおむね3.5〜4.5%の利回りが期待できます。
ここでNISAとの相性を考えましょう。通常、日本株の配当金には約20%の税金がかかります。せっかくの配当が手取りで2割減ってしまうわけです。しかしNISAならこの税金がゼロ。配当金を“満額”受け取れるため、1489のように分配金がしっかり出るETFはNISAでこそ真価を発揮します。
もちろん、注意点もあります。構成銘柄は毎年見直されるため、利回りは一定ではありません。また「高配当株=業績が安定している」とは限らず、景気次第では減配リスクもあります。とはいえ、複数銘柄に分散されている1489なら、個別株を1社持つよりはリスクを抑えやすいと言えるでしょう。
💡イメージすると、「日本の配当株ポートフォリオをまるごと買えるお弁当箱」。NISAを使えば、そのお弁当を“税金抜きで”食べられるのが1489の大きな魅力です。
NISA満額を1489に入れた場合の配当シミュレーション
「1,800万円をNISAで1489に投資したら、実際にいくらの配当金をもらえるのか?」。ここが一番気になるポイントですよね。
まずは前提条件から。2025年9月時点で1489の株価は2,583円。これを1,800万円分購入すると、買えるのは 約6,968口 になります。
では、1口あたりどれくらいの配当が出ているのでしょうか。直近1年間(2024年10月〜2025年7月)の分配金合計は 88円/口。これを掛け算すると、
6,968口 × 88円 = 約61万円/年 の配当収入です。
月に直すと、約5.1万円/月。
つまり「月5万円の副収入」が現実的な目安になります。ただし実際には1・4・7・10月の年4回にまとめて支払われるため、1回あたり 15万円前後 が振り込まれるイメージです。
ここでNISAの非課税効果を考えるとインパクトが大きいです。通常なら20%ほど税金が引かれ、61万円が手取り49万円程度に減ります。ところがNISA口座を使えば課税ゼロ。つまり、計算通り 61万円をまるごと受け取れるわけです。
もちろん、この数字は将来も保証されるわけではありません。1489の配当は指数の構成銘柄に左右されるため、増配もあれば減配もありえます。過去実績を踏まえると「年率3%前後」を目安にしておくのが現実的です。
1489と399Aの比較:どちらを選ぶべきか
ここまでで、1489をNISAで満額投資した場合のおおよその配当額が見えてきました。では、2025年に新しく登場した「399A(上場インデックスファンド 日経平均高配当株50)」と比べると、どちらが魅力的なのでしょうか。両者とも同じ「日経平均高配当株50指数」に連動しますが、細かい違いに投資家としての判断ポイントがあります。
信託報酬とは?
まず押さえておきたいのが「信託報酬」という言葉。これはETFや投資信託の管理手数料のようなものです。運用会社が銘柄の選定や売買、全体の管理をするための費用を、投資家が保有額に応じて負担します。
実際には、口座から直接引かれるわけではなく、ETFの基準価額にじわじわ反映されています。
たとえば信託報酬が0.3%なら、100万円投資すると年間で約3,000円のコスト。短期間では誤差程度でも、10年・20年と積み上がれば無視できない差になるのです。
信託報酬:コストは399Aの勝ち
1489の信託報酬は年0.308%。一方で399Aは年0.165%とほぼ半分。長期で保有するほど、このコスト差は確実に効いてきます。コストを徹底的に抑えたい人にとっては399Aが有利です。
分配回数:1489は年4回、399Aは年2回
1489は1・4・7・10月の年4回に分配金が出ます。季節ごとに“配当のボーナス”を受け取れるため、キャッシュフローを重視する人に好まれます。
一方399Aは年2回(4月・10月)。受け取りのタイミングが少ない分、管理はシンプルですが、「定期収入感」を味わいたい人にはやや物足りないかもしれません。
運用実績と流動性:1489の安心感
1489は2017年から運用されており、分配の推移や市場での流動性も十分に確立されています。純資産総額も大きく、売買スプレッド(買値と売値の差)も狭いため、大口投資でもスムーズです。
対して399Aは2025年7月に新規上場したばかり。運用歴が浅く、純資産もこれから積み上がっていく段階です。将来的に規模が拡大する可能性はありますが、現時点では取引の安定性という点で1489に軍配が上がります。
総合判断:安定性なら1489、コストなら399A
- 安定性・流動性・実績重視 → 1489
- 低コストで長期効率重視 → 399A
どちらも「日経高配当株50」という同じ土台に乗っています。そのため“中身の株”はほぼ同じでも、投資家がどこに価値を置くかで選択が変わります。
💡イメージすると、1489は「老舗の定食屋で安心して定食を食べる」感じ。399Aは「新しくできたチェーン店でコスパ重視の定食を選ぶ」ようなものです。お腹は満たせますが、安心感かコストか、どちらを重視するかは人それぞれです。
1489にNISA満額を投資すると、月およそ5万円の配当収入が期待できます。ただし実際には年4回にまとめて支払われるため、均等ではありません。
399Aと比べると、1489は実績と流動性で勝り、399Aはコスト面で有利。どちらを選ぶかは「安心を取るか、効率を取るか」の違いです。
大切なのは「自分の投資スタイルに合うかどうか」。数字だけでなく、運用の心地よさも投資判断に加えてみてください。
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