NISAで配当金が非課税になる仕組みと注意点
NISA(少額投資非課税制度)は、投資で得た利益に税金がかからないお得な制度です。通常、株式や投資信託の配当金には約20.315%(所得税+住民税+復興特別所得税)が課税されます。しかし、NISA口座を利用すればこの税金がかかりません。つまり、配当金をそのまま受け取れるのです。
※復興特別所得税は2037年まで課税されます(2025年現在)。
ただし、外国株や海外投資信託など「海外資産」からの配当には注意が必要です。国ごとに源泉徴収が行われるため、NISAを使っても完全な非課税にはならないケースがあります。
本記事でわかること
- NISAで配当を非課税でもらうための具体的な手続き
- 外国株にかかる「二重課税」の仕組みと対処法
忙しい40代の方でも実践しやすいよう、必要な設定やチェックポイントをまとめました。
NISAで配当が非課税になる仕組み
NISA口座では、株式・ETF・投資信託の売却益や配当金が非課税となります。例えば本来なら配当100円に約20円課税され、手取りが80円になるところ、NISAでは全額受け取れるのです。長期投資ではこの効果が大きく、複利による資産形成を後押しします。
ただし、非課税を適用するには 「株式数比例配分方式」 で配当を受け取る必要があります。証券会社の口座に直接入金される方法です。もし「銀行振込」や「配当金領収書」を選んでしまうと、NISA口座でも課税され、確定申告で取り戻すこともできません。
✅ ワンポイント
株式やETFをNISAで購入したら、証券会社サイトで「配当金受取方法」が株式数比例配分方式になっているか確認しましょう。設定は全証券口座に共通なので、他社で変更するとNISA分にも影響します。権利確定日前に必ず確認しておくのが安心です。
なお、投資信託の分配金は受け取り方法に関係なく非課税扱いです(元本払戻金を除く)。
外国株の配当には残る税金
NISA口座でも、外国株や海外ETFの配当金には「外国で源泉徴収される税金」がかかります。日本の税金は非課税でも、配当を出す国で課税されるためです。
代表的なのが米国株です。日本の投資家が米国株の配当を受け取る場合、米国で10%の源泉徴収税が引かれます。この税金はNISAでも免除されません。
シミュレーション
- 米国株から年間1万円の配当を受け取る場合
→ 日本の税金は免除されるが、米国で10%(1,000円)が課税
→ 手取りは9,000円
「NISAなのに満額もらえないの?」と思うかもしれませんが、これは制度上避けられません。NISAはあくまで 日本国内の税制上の非課税 にすぎず、外国課税までは対象外だからです。
課税口座との違い
課税口座で米国株の配当1万円を受け取ると、まず米国で1,000円引かれます。さらに残り9,000円に日本の20%課税(約1,800円)がかかり、合計で約2,800円(28%)が差し引かれます。手取りは7,200円です。
一方、NISA口座では日本の課税がないため、負担は米国源泉10%のみ。手取りは9,000円となり、課税口座より有利です。
✅ 比較まとめ
- NISA口座:外国税10% → 手取り約90%
- 課税口座(確定申告なし):外国10%+国内20% → 手取り約72%
- 課税口座(外国税額控除あり):外国10%+国内10%相当 → 手取り約80%
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