NISAの配当課税・二重課税調整の実務ガイド

NISAは、配当や売却益にかかる日本国内の税金(20.315%)が非課税になる制度だ。復興特別所得税を含むこの税率は、現行では2037年まで続く。SBI証券

ただし、ここで油断しがちなのが2つ。

  • 受取方法の設定ミスで、NISAでも国内課税されるケースがある
  • 外国株・海外ETFの配当は、NISAでも外国側の税金が残る(完全非課税ではない)

この記事はこの2点を、実際に手を動かす前提で整理しよう。

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まず結論:これだけ押さえれば事故はだいたい防げる

国内株・国内ETFの配当を「NISAで非課税」にする条件

  • 配当金の受取方法を 株式数比例配分方式(配当を証券口座で受け取る方法)にする
  • 銀行受取(登録配当金受領口座方式など)や配当金領収証方式だと、NISAでも課税される

外国株・米国ETFの配当

  • 米国での源泉税(通常10%)はNISAでも引かれる
  • 10%にするには W-8BEN の提出が前提(未提出だと原則30%)栗林法律事務所
  • NISAでは日本国内課税がないので、外国税額控除は使えない

NISAで配当を非課税にする「株式数比例配分方式」とは?

NISA口座で買った国内上場株式・ETF・REIT等の配当(分配金)を非課税で受け取るには、受取方法を 株式数比例配分方式 にしておく必要がある。日本証券業協会

  • これは「配当を証券会社の口座に入金してもらう」方式
  • 逆に、銀行口座受取や配当金領収証方式だと、NISAでも源泉徴収される(=課税扱い)と案内されている

実務での落とし穴

  • この設定は、複数の証券会社を使っていても“連動”する(片方で変えると影響する)楽天証券
  • 権利確定日より前に設定が反映されている必要がある(ギリギリ変更は危険)

「NISAなのに課税された」が起きる代表パターン

パターンA:配当の受取方法が銀行受取のまま

これが一番多い。NISAで買っても、受取設定が違うと課税される。

パターンB:国内上場“外国株式”など、例外に当たっていた

証券会社のFAQでは、国内上場外国株式の配当金等は株式数比例配分方式の適用外として注意喚起されている。SBI証券
※どの商品が該当するかは商品性で変わるので、保有銘柄の案内を確認するのが安全

外国株の配当は「NISAでも満額」にはならない

NISAが非課税にできるのは、基本的に日本国内課税の部分。
米国株や米国ETFの配当は、まず米国側で源泉徴収され、これはNISAでも免除されません。SMBC日興証券

米国株配当の典型(条約適用で10%)

  • W-8BEN提出済み:米国源泉税 10%
  • 未提出:原則 30%

二重課税は「課税口座」だと起きる。NISAだと起きない(控除もできない)

ここ、混乱ポイントなので整理しよう。

課税口座(特定口座など)で米国株配当を受け取ると…

一般的な説明として、
米国で10%引かれた後の金額に、日本で20.315%が課税される。

例:配当1万円(簡略化)

  • 米国源泉税10%:1,000円
  • 残り9,000円に国内税20.315%:約1,828円
  • 手取り:約7,172円(概算)

※実際の計算・表示は証券会社の明細表記に従ってくれ。

外国税額控除(外国で払った税金を国内税から差し引く仕組み)は「課税口座×確定申告」で使う

外国税額控除は、課税口座で二重課税になっているときに、確定申告で調整する仕組みだ(やらないと戻らない)。

NISA口座の場合

  • 国内課税がゼロなので、そもそも控除で引く“相手(国内税)”がなく、外国税額控除は使えない
  • その代わり、国内20.315%がかからないので「米国10%だけ」で済む、という形になる

実務手順:この順でチェックすればOK

Step1:配当の受取方法を確認(最重要)

  • 証券会社の設定画面で 株式数比例配分方式 になっているか確認
  • 変更は早めに(権利確定前に反映)

Step2:米国株・米国ETFを買うならW-8BENの状態を確認

  • 提出済みなら米国源泉10%
  • 未提出だと30%になり得る

Step3:課税口座で外国株配当が多い人は「確定申告する/しない」を決める

  • 申告しない:二重課税を丸飲み
  • 申告する:外国税額控除で軽減を狙う
Sho
Sho

システム開発歴15年/PMP

計画・リスク管理・数値設計を軸に、
ETFの情報整理から投資判断までをテンプレ化・自動化してきた。

新NISAの時代だからこそ、
感情よりも「仕組み」で迷わない投資を。

—— 焦らず、ブレず、仕組みで勝つ。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としています。投資判断はご自身の責任で行ってください。
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