1489は人気だけど、「なぜその値動きになるか」を知らずに買うのは雑すぎる。
この記事は利回り自慢じゃなく、設計図(指数ルール+ETFの構造)を読む回。
母集団・銘柄選定・入替・ウェイト、そしてETFの価格の仕組みを押さえると、分配金や偏りも納得できるようになる。

1489の基本情報
まずは、1489の基本スペックから。
ここを押さえないと、後の話が全部ぼやける。
連動指数、コスト、分配頻度。
投資判断の土台になる部分を整理しておこう。
基本スペックの概要
- 正式名称
NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信
(愛称:NF日経高配当50) - 上場市場:東京証券取引所
- 銘柄コード:1489
- 連動指数:
日経平均高配当株50指数(配当込み)
※日経平均株価の構成銘柄から、
予想配当利回り(将来の配当を基にした利回り)の高い50銘柄で構成される。 - 信託報酬(年率・税込):0.308%
(運用を任せるための管理コスト) - 分配金支払基準日:
毎年1月・4月・7月・10月の各7日(年4回)
※直近では2025年10月7日に、1口あたり39円が支払われた。 - 売買単位:1口
※2025年12月24日時点の基準価額は2,841円。
つまり、だいたい3,000円から始められる。 - 純資産総額:4,733.8億円(2025年12月24日現在)
国内高配当ETFの中では、最大規模。 - 上場日:2017年2月13日(運用期間は無期限)
- NISA対応:
新NISA(成長投資枠)で買付可能
※NISA口座なら、分配金も売却益も非課税になる。
数字を並べると堅く見えるが、
要するに「規模が大きくて、扱いやすい高配当ETF」だな。
受益権分割についての注意点
1489は、2024年1月19日に受益権の分割(1→30口)を実施している。
(1口を細かく分けて、価格を下げる仕組み)
これで1口あたりの価格がぐっと下がって、
少額でも手を出しやすくなった。
ただし、そのぶん注意点もある。
過去の価格チャートや分配金実績を見るときは、
この分割の影響を、必ず頭に入れておくこと。
分割前と後を、何も考えずに並べて比べると、話がズレる。
よくある落とし穴だな。
連動指数の仕組み
日経平均高配当株50指数を読み解く
1489が連動しているのは、
日経平均高配当株50指数。
日経平均株価(225銘柄)を母集団にして、
その中から配当利回りの高い銘柄を選ぶ。
仕組み自体は、意外とシンプル。
その指数ルールをポイントごとに見ていこう。
母集団(ユニバース)
まず前提として、対象は日経平均株価に採用されている225銘柄。
つまり、最初からある程度の規模と流動性(売買の多さ)を持った企業に
限定されている。
「高配当だけど、よく分からない会社」
そういうのが入りにくい設計だと思えばいい。
銘柄選定と定期見直し
銘柄選定は、毎年5月末時点の予想配当利回りが基準。
日経新聞社が算出する予想配当データを使って、
利回りの高い順に、原則50銘柄が選ばれる。
ただし、
配当利回りだけで全部決まるわけじゃない。
流動性(売買代金)も考慮される。
取引がほとんどない銘柄は、
さすがに外されることがある。
指数としては妥当な判断だな。
銘柄の入れ替えルール
定期入れ替えは年1回、6月末。
5月末時点で選ばれた構成が、
6月末から指数に反映される。
途中で日経平均から除外された銘柄は、臨時で指数からも外れる
ただし、その場ですぐ補充はされない。
構成銘柄数が45未満にならない限り、
次の定期見直しまでは、そのままだ。
このあたり、
意外とゆるい運用ってのが分かる。
ウェイトの考え方
この指数の特徴は、
配当利回りに応じてウェイト(指数全体の中で占める比率)が決まるところ。
配当利回りが高い銘柄ほど、
指数内での比率も大きくなる。
ただ、偏りすぎないように
流動性係数(売買の多さを反映する調整)が入る。
出来高の少ない銘柄が、
やたら重くなるのを防ぐ仕組みだ。
極端にならないよう、
ちゃんとブレーキがかかってる。
配当込み指数である点も重要
日経平均高配当株50指数は、
配当込み(トータルリターン)指数。
配当を再投資した前提で算出されているから、
長期のパフォーマンス比較には向いている。
短期で一喜一憂するより、
時間を味方につけるタイプの指数だな。
ETFとしての仕組み
基準価額・iNAV・乖離を理解する
1489は投資信託だけど、株式みたいに市場で売買できるETFだ。
この仕組みは便利だが、
基準価額とのズレには、少し注意がいる。
3つの価格を理解する
ETFには、次の3つの価格がある。
- 基準価額(NAV)
ファンドが保有する資産を、前日終値で評価した理論値。 - 市場価格
実際に取引所で売買される価格。
需給で動く。 - iNAV(インディカティブNAV)
取引時間中にリアルタイムで算出される推計基準価額。
市場価格とiNAVを比べれば、
今が割高か割安か、ある程度の目安になる。
乖離が起きる理由
1489みたいに規模の大きいETFは、
普段は乖離が小さい。
ただ、
相場が荒れたときや、需給が偏った局面では、
一時的にズレが広がることもある。
だから売買するときは、
「今の価格、iNAVと比べてどうだ?」
この一言を、自分に投げてみるといい。
注文方法の基本は指値
1489はマーケットメイク制度(常に売買気配を出す仕組み)の対象で、
流動性は比較的高い。
それでも、
成行注文は避けて、指値が基本。
特に板が薄い時間帯は、
成行が思わぬ価格で刺さることがある。
焦らず、
落ち着いて指値を入れる。
それだけで、余計なコストは減らせる。
1489の上手な使い方
ポートフォリオでの位置づけ・投資スタイル
1489を資産運用に組み込むなら、まず決めておきたいのは
「このETFに、どんな役割を任せるか」。
ここが曖昧なままだと、値動きに振り回されたり、期待しすぎて疲れたりする。
逆に、役割がはっきりしていれば、多少のブレは気にならない。
ポートフォリオ内の位置づけ
「コア+サテライト」のサテライトに置くのが基本
1489は、高配当株にフォーカスしたETF。
その性格を考えると、ポートフォリオの中ではサテライト(衛星)に置くのが無難、って話はよく聞く。
たとえば、こんな役割分担だ。
コア(核)
TOPIX連動や全世界株など、市場全体に広く連動する商品
サテライト(上乗せ)
1489で配当収入を補強する
この形なら、成長(コア)とインカム(1489)を同時に狙いやすい。
逆に言えば、1489は50銘柄に分散されてはいるものの、
あくまで「日経225の中の高配当株」に寄った設計だ。
万能選手じゃない。
積立投資・再投資戦略
「積立+配当再投資」で口数を増やす
1489は株式ETFだから、買うタイミング次第で取得単価は当然ブレる。
そこで考えたいのが、時間分散。
いわゆる積立。
- 毎月一定額で買い増す
- 高いときは少なく、安いときは多く買える可能性がある
完璧じゃないが、精神的にはかなり楽になる。
さらに、受け取った分配金をそのまま使わず、
1489の買い増しに回せば、実質的な再投資になる。
これを続けると、
保有口数がじわじわ増えて、
将来の分配金も増えやすくなる。
ただし、ETFは投資信託みたいに
「自動で再投資」って仕組みが基本ない。
手動になるし、売買手数料や手間もかかる。
だからこそ、無理のないペースで、
「続けられる形」を選ぶのが現実的。
他の商品との組み合わせ
性格の違う高配当ETFと役割分担する
1489は、
はっきり言って「利回り重視」の色が濃い。
その分、セクターの偏りも出やすい。
設計思想の違う商品と組み合わせて、
性格をならす、って考え方もある。
たとえば、1478と比べると、こんな役割分担が見えてくる。
1478
配当の持続性や財務健全性を重視しやすく、
比較的ディフェンシブ寄り
1489
利回りを取りにいく設計で、
インカム目的がはっきりしている
「安定性」と「インカム強化」を分けて持つ。
そうすると、狙いがブレにくい。
さらに分散を強めたいなら、
米国高配当ETFやJ-REIT ETFを組み合わせる手もある。
ただし、
ETFを増やしすぎると管理が面倒になる。
分散のメリットと、
運用のシンプルさ。
この2つを天秤にかけて選ぶのが、大人のやり方。
正解は一つじゃない。
インカム重視か、成長重視か。
どれくらいのブレなら耐えられるか。
先に自分の設計図を描いて、その中で1489に役割を渡す。
それが一番、長く付き合える使い方。







