1489の分配金は年4回。ただし4回の金額は均等ではない。直近1回の金額だけを見て年間の受け取りを見積もると、季節的な偏りの分だけ判断がずれる。
この記事では、1489(NF・日経高配当50 ETF)の分配回数・支払基準日・実績・税引後の手取り・利回りの読み方を、運用会社の公表データに基づいて整理する。数字そのものより、どの数字をどう読めば受け取りの見通しが立つかを示すことを目的とする。
1489の基本情報(確定分)
分配金の話に入る前に、商品としての枠を押さえておく。以下は運用会社の公表情報である。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信 |
| 愛称 | NF・日経高配当50 ETF |
| 銘柄コード | 1489 |
| 運用会社 | 野村アセットマネジメント株式会社 |
| 連動対象指数 | 日経平均高配当株50指数(トータルリターン) |
| 設定日/上場日 | 2017年2月10日/2017年2月13日 |
| 上場市場 | 東京証券取引所 |
| 売買単位 | 1口 |
| 決算日 | 毎年1月・4月・7月・10月の各7日(年4回) |
| 信託報酬(運用管理費用) | 年0.308%(税抜年0.28%)以内(2026年6月24日現在、年0.308%(税抜年0.28%)) |
| 純資産総額 | 5,365.5億円(2026年7月31日) |
| 基準価額 | 343,965円/100口(2026年7月31日) |
| 組入銘柄数 | 50銘柄(2026年6月30日) |
| 受益権の分割 | 2024年1月19日に1:30の分割を実施 |
同じ「日経平均高配当株50」を名前に持つETFでも、399Aの連動対象は日経平均高配当株50指数、1489はそのトータルリターン版で、指数の種類が異なる。決算回数も399Aは年2回、1489は年4回である。両者の違いは比較記事で扱っている。
分配金は年何回・いつか
1489は年4回型で、決算日は毎年1月7日・4月7日・7月7日・10月7日である。高配当ETFでも年1回・年2回の商品があるなかで、1489は受け取りの機会が4回に分かれる設計になっている。
なお分配金の表示単位には注意がいる。運用会社の月次レポートには「2026年7月8日付で、100口当たりの表示に変更することを予定しております」と記載があり、2026年7月31日時点の詳細ページでは100口当たりで表示されている。古い資料で1口当たりの金額を見ている場合は、単位の違いに注意したい。
いつ買えば今回分の対象になるか
本記事でいう決算日は、JPXの銘柄概要では「分配金支払基準日」と表記される日と同じで、毎年1月7日・4月7日・7月7日・10月7日である。買う日を決めるときに見るのは、この決算日ではない。野村アセットマネジメントは、2026年7月7日決算分について「ETF決算・分配金スケジュール」を公表している。そこには権利付き最終日・権利落ち日・決算日・支払予定日が銘柄別に示されている。
直近の2026年7月7日決算分では、権利付き最終日が7月3日(金)、権利落ち日が7月6日(月)、決算日が7月7日(火)、支払予定日が8月14日(金)と公表されている。決算日の7月7日に買っても、その回の分配は受け取れない。なお運用会社は、このスケジュールについて「本資料掲載時点での予定で、予告なく変更となる場合があります」と注記している。買う前に、該当する決算回の資料を運用会社のサイトで確認したい。
直近の分配金実績をどう見るか
運用会社が公表している分配金実績(100口当たり、課税前)は以下のとおり。括弧内は1口当たりに換算した参考値である。
| 決算日 | 分配金(100口当たり) | 1口当たり換算 |
|---|---|---|
| 2026年7月7日 | 900円 | 9円 |
| 2026年4月7日 | 3,800円 | 38円 |
| 2026年1月7日 | 800円 | 8円 |
| 2025年10月7日 | 3,900円 | 39円 |
| 2025年7月7日 | 600円 | 6円 |
| 2025年4月7日 | 4,000円 | 40円 |
| 2025年1月7日 | 400円 | 4円 |
| 2024年10月7日 | 3,800円 | 38円 |
| 2024年7月7日 | 500円 | 5円 |
| 2024年4月7日 | 3,000円 | 30円 |
| 2024年1月7日 | 500円 | 5円 |
ここから読み取れることは2つある。1つ目は、掲載した2024年以降の実績では4月と10月が厚く、1月と7月が薄いという偏りが続いていること。2つ目は、暦年でならすと2024年は7,800円、2025年は8,900円(いずれも100口当たり・各回の単純合計)で、年単位では水準が動いていることである。
直近12か月(2025年10月〜2026年7月の4回)の合計は9,400円/100口になる。これがいわゆるTTM(trailing twelve months)で、年4回型の受け取り水準を見るときの基本の数字である。直近1回の900円だけを4倍しても実態には合わない。
信託報酬とその他の費用
信託報酬(運用管理費用)は年0.308%(税抜年0.28%)以内で、2026年6月24日現在の実際の料率も年0.308%である。運用管理費用はファンドの純資産総額に対して料率を乗じた額が、保有期間に応じてかかる。請求書が届くわけではないため気づきにくい。
信託報酬だけがコストではない点も押さえておきたい。運用会社の資料では、これとは別に対象株価指数の商標使用料(年0.055%・税抜0.05%)、上場に係る費用、組入有価証券の売買委託手数料、監査費用などがファンドから支払われると説明されている。また株式の貸付を行った場合は品貸料の44%(税抜40%)以内が加算される。
分配金そのものについて運用会社は、信託財産から生ずる配当等収益から経費を控除後、全額分配することを原則とすると説明している。ただし分配金がゼロとなる場合もあるとされている。
税引後の手取りをどう見るか
上場株式等の配当等(大口株主等が受けるものを除く)には、所得税・復興特別所得税15.315%と地方税5%、合計20.315%の税率が適用される。
直近TTMの9,400円/100口をそのまま当てはめると、税引後はおおむね7,490円/100口という水準になる。NISA口座で受け取る場合は国内税がかからないため、9,400円がそのまま受け取り額に近づく。ただしNISA口座で分配金を非課税にするには、受取方式として「株式数比例配分方式」を選んでいる必要がある。日本証券業協会は、配当金領収証方式や登録配当金受領口座方式・個別銘柄指定方式では課税になると案内している。なお株式数比例配分方式を選ぶと、他の証券会社の特定口座・一般口座で保有する上場株式の配当金等にも自動的に同じ方式が適用される。
利回りの数字をどう読むか
本記事では、直近12か月の税引前分配金の合計を、ある時点の価格で割った参考値を分配金利回りとして扱う。これは後ろ向きの実績にもとづく数字であり、将来の受け取りを約束するものではない。運用会社も、分配金実績は将来の分配金の水準を示唆・保証するものではないと明記している。
2026年7月31日時点の基準価額343,965円/100口とTTM9,400円/100口から単純に計算すると、約2.7%になる。ただしこれは基準価額を分母にした値であり、市場で実際についた価格で買った人の実感とは一致しない。
自分の受け取り感に近いのは買値ベースの利回りである。同じ9,400円でも、30万円で買った人と35万円で買った人では見え方が変わる。表示されている利回りをそのまま自分の数字だと思わないほうがよい。まずTTMを確認し、そのあと自分の買値で割る。この順番でよい。
分配金目的で見るべき数字
分配金を目的に持つなら、見る数字は絞ってよい。多すぎると逆に判断を外す。1489では次の4つで足りる。
① TTM(直近12か月合計)
直近1回ではなく12か月合計を見る。年4回型は季節偏りがあるため、1回の金額から年間を推定するとずれやすい。
② 4回の偏り方
4月・10月が厚く、1月・7月が薄い形が続いているかを確認する。この形が崩れたときは、組入銘柄の増減配や指数の入替など、中身の側で変化が起きていないかを見る。
③ 権利付き最終日の確認例
2026年7月7日決算分の権利付き最終日は7月3日だった。決算日そのものではなく、この日までに買う必要がある。次回以降の日付は本記事では確認していないため、運用会社のサイトで該当回の資料を探す。
④ NISAでの受取方式
株式数比例配分方式が選ばれているかを確認する。日本証券業協会は、配当金領収証方式や登録配当金受領口座方式・個別銘柄指定方式では課税になると案内している。
なお「いま買ってよいか」という判断は、分配金の数字だけでは決まらない。自分のポートフォリオで1489にどんな役割を持たせるか、どうなったら見直すかは、保有継続条件の記事で整理している。
よくある誤解
よくあるのは「年4回分配なら毎回だいたい同じ額が入る」という見方である。掲載した2024年以降の実績を見れば、4月・10月と1月・7月では金額が大きく違う。回数の多さと受け取りの安定は別の話である。
もうひとつは「表示されている利回りが今後も続く」という受け取り方である。本記事の分配金利回りは、上で述べたとおり過去12か月の実績を価格で割った参考値であり、将来の水準を示すものではない。分配金額は信託財産から生ずる配当等収益から経費を控除した範囲で決まるため、運用会社も分配金がゼロとなる場合があると明記している。
よくある質問(FAQ)
1489の分配金は年何回・いつか
年4回。決算日は1月7日・4月7日・7月7日・10月7日である。2026年7月7日決算分については、権利付き最終日が7月3日、支払予定日が8月14日と運用会社が公表している。
直近の分配金はいくらか
2026年7月7日決算分は900円/100口。直近12か月合計は9,400円/100口である。
1489の信託報酬はいくらか
年0.308%(税抜年0.28%)以内。2026年6月24日現在の料率も年0.308%である。このほかに商標使用料などの費用がファンドから支払われる。
NISAなら分配金は非課税か
NISA口座であっても、受取方式が株式数比例配分方式でなければ非課税にならない。配当金領収証方式や登録配当金受領口座方式では課税される。
まとめ
1489の分配金は、年4回あること自体よりも4回が均等ではないことのほうが重要である。直近12か月合計は9,400円/100口で、掲載した2024年以降の実績では4月と10月が厚く1月と7月が薄い形が続いている。
信託報酬は年0.308%(税抜年0.28%)以内で、これとは別に商標使用料などの費用もかかる。上場株式等の配当等には20.315%の税率が適用され、NISAで非課税にするには受取方式の設定が要る。この4点を押さえておけば、表示された利回りの数字だけに引きずられずに受け取りの見通しが立つ。
データの出典
本記事の数値・名称は以下の一次情報に基づく。純資産総額・基準価額・分配金実績の掲載元となる詳細ページの基準日は2026年7月31日(各回の分配金にはそれぞれの決算日がある)、組入銘柄数の基準日は2026年6月30日、信託報酬の現行料率は2026年6月24日現在の表記である。
- 野村アセットマネジメント NEXT FUNDS 1489 詳細ページ … 分配金実績(全期間・100口当たり)、純資産総額、基準価額、受益権口数、受益権分割
- NEXT FUNDS 1489 月次レポート(PDF) … 正式名称、愛称、運用会社、連動対象指数、設定日・上場日、売買単位、決算日、組入銘柄数、信託報酬、その他の費用、分配表示の変更
- 国税庁 タックスアンサー No.1330 … 上場株式等の配当等に対する税率(15.315%+地方税5%)
- 日本証券業協会「NISA口座における上場株式の配当金等受取方式に関する注意事項」 … 非課税に必要な受取方式、各方式の課税・非課税、他口座への影響
- アモーヴァ・アセットマネジメント 商品ページ(399A) … 比較のために参照した399Aの連動対象指数と決算日
- 野村アセットマネジメント「ETF決算・分配金スケジュール」(2026年7月7日決算分) … 権利付き最終日、権利落ち日、決算日、支払予定日
- 野村アセットマネジメント「ETFの収益分配のお知らせ」(2026年7月7日) … 2026年7月7日決算分の分配金額と分配金支払開始予定日
暦年合計・直近12か月合計・税引後の概算は、上記の公表値を単純に合計・按分したものである。
なお、本記事のうち一次情報に基づくのは、上記の出典で確認できる数値・名称・税制の記述である。見るべき数字を4つに絞る整理、買値ベースで利回りを見るという読み方、権利付き最終日を各回ごとに確認するという手順は、一次情報に書かれている事実ではなく、本サイトの編集方針として示している判断の型である。自分の運用方針に合わせて調整してほしい。
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