高配当ETFと聞くと、
「銘柄数も多いし、なんとなく分散されてそう」
そんなイメージを持ちやすい。
1489も、ぱっと見はその代表格だ。
ただ、実際に中身をのぞいてみると、指数ルール由来の偏りは意外と正直に現れてくる。
この記事では、1489の組入銘柄について、
どんな顔ぶれになりやすいのか。
どこに偏りやすいのか。
そして、どう入れ替わっていくのか。
このあたりを順に整理していく。
高配当50の性格は、
指数の作りを知ると、だいぶ見え方が変わる。

1489の組入銘柄は何で決まる?
指数ルールを超要約
1489は、「日経平均高配当株50指数(トータルリターン)」への連動を目指すETF。
(トータルリターン=配当込みの成績)
つまり、中身はファンドの裁量じゃなく、
指数ルールがほぼすべてって話になる。
構成は、大きく3段階。
① 母集団
まず対象になるのは、
日経平均株価(225)(日本の代表的な株価指数)を構成する銘柄。
ここはシンプル。
② 絞り込み
次に、基準日(毎年5月最終営業日)時点で、
予想配当利回り(配当がどれくらい出そうかの割合)のランキングを作る。
そこから、
- 利回り上位25位以内
- すでに採用されている銘柄で100位以内
- それ以外の未採用銘柄
この順番で、50銘柄を埋めていく。
なお、期中に無配へ変更された銘柄は、
途中で外されることもある。
このあたりは、あとでまた触れる。
③ 比率(ウェート)
それぞれの銘柄を、どれくらいの重さで入れるか。(ETFの中での持ち分の大きさ)
ざっくり言うと、
- 配当利回りが高いか
- 売買が多く、取引しやすいか
こうした条件をもとに、「どの銘柄を、どれくらい厚めに持つか」を調整している。
ただし、どんなに条件が良くても、
1銘柄あたりの上限は5%。
つまり、
- 配当が高い銘柄ほど、やや比率は高くなりやすい
- でも、1社だけが極端に大きくなることはない
そんな設計になっている。
銘柄数が50あっても、比率にはちゃんと濃淡がある。
「高配当=全部が同じ重さで並んでいる」
……わけじゃない。
これが、1489を読むときの出発点。
上位10銘柄を見ると、ETFの性格が見える
まずは、いちばん濃いところから。
月次レポートでは、組入上位10銘柄が開示されている。
(※以下は2025-11-28時点)
この上位を見ると、だいたいこんな傾向が浮かぶ。
- 金融(銀行・証券)
- 資源(鉱業)
- 景気敏感(輸送用機器・海運・商社)
- 成熟大型(たばこ・医薬品)
要するに1489は、
景気・資源・金利の影響を受けやすい銘柄が集まりやすいETF
……そう読める。
もちろん、これはあくまでその時点の姿。
ただ、指数ルールを考えると、似た顔ぶれになりやすいのも、自然な話。
| 順位 | 銘柄名 | コード | 組入比率 | 業種 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | INPEX | 1605 | 4.4% | 鉱業 |
| 2 | 日本たばこ産業 | 2914 | 4.0% | 食料品 |
| 3 | アステラス製薬 | 4503 | 3.9% | 医薬品 |
| 4 | 本田技研工業 | 7267 | 3.6% | 輸送用機器 |
| 5 | みずほフィナンシャルグループ | 8411 | 3.5% | 銀行業 |
| 6 | 武田薬品工業 | 4502 | 3.4% | 医薬品 |
| 7 | 三井住友フィナンシャルグループ | 8316 | 3.3% | 銀行業 |
| 8 | 野村ホールディングス | 8604 | 3.3% | 証券、商品先物取引業 |
| 9 | 三菱商事 | 8058 | 3.3% | 卸売業 |
| 10 | 川崎汽船 | 9107 | 3.3% | 海運業 |
業種比率を見ると「偏りの正体」がわかる
次は業種別。
業種比率の上位を見ると、TOP5だけで約40%を占めている。
ここ、意外と見落とされがち。
高配当という一本の条件で絞ると、どうしても特定の業種に固まりやすくなる。
大事なのは、「銘柄数が多い=完璧に分散されている」
とは限らない、ってこと。
景気・資源・金利。
同じドライバーに反応しやすい銘柄が集まることもある。
ここが、高配当ETFで
初心者がつまずきやすいポイント。
集中度が示すもの
上位比率が高いと何が起きやすい?
月次レポートでは、組入銘柄数は48銘柄。
(指数は原則50銘柄だが、期中除外などで満たない場合がある)
この時点での集中度は、こんな感じだ。
- 上位10銘柄合計:約36%
- 上位1銘柄:約4%
- 上位1〜3銘柄:約12%
一般論として、こういうETFでは、
- 上位数社が大きく動くと、ETF全体も引っ張られやすい
- 上位銘柄の配当方針が変わると、分配にも影響が出やすい
……そんな傾向が出てくる。
1銘柄5%上限がある分、
極端な集中は抑えられている。
ただし、業種が似る集中は、別問題として残る。
ここは切り分けて考えたいところ。
入替・リバランスは、いつ・なぜ起きる?
ここが、組入チェックで一番おもしろいところだ。
定期見直し
- 毎年6月末に構成銘柄を見直し
- 基準日は毎年5月最終営業日
- 実際の入替は翌月最終営業日から
- 事前に公表される
臨時の除外
- 日経平均から外れた場合は、同日に除外
- 予想配当がゼロ(無配)に変わった銘柄は、
月末判定 → 翌月第7営業日に除外
(※3〜5月を除く)
なお、臨時除外があっても、
45銘柄を下回らない限り、期中の補充は原則なし。
つまり、起きることは大きく2つ。
- 6月末:ランキング次第で顔ぶれが大きく変わる
- それ以外:無配化などで、銘柄が抜けることがある
このリズムを知ってるかどうかで、
見え方はだいぶ変わる。
次に見るべき「中身チェック」3点
① 景気敏感比率
海運・鉄鋼・商社・自動車。
このあたりが多いと、景気局面による振れは大きくなりやすい。
② 金融比率
銀行・証券は、金利や信用コストの影響を受けやすい。
上位銘柄だけじゃなく、業種比率も一緒に見たい。
③ 入替の節目
- 5月末 → 6月末
- 毎月末 → 翌月第7営業日
「中身が動きやすい日付」が決まってる。
これは、定点観測のヒントになる。
見る順番はシンプルでいい。
上位10銘柄→業種比率→集中度→入替の節目。
高配当には安心感がある。







