424Aは年2回の決算日がある国内ETFだが、分配金を受け取ること自体を主目的にする銘柄ではない。実際、2026年3月10日の初回決算の分配金は100口あたり0円だった。この記事では、決算日と権利取りの仕組み、TTMの計算、税引後の手取りまでを、424Aの数字で整理する。
424Aは年2回決算だが、現時点の実績分配は0円で、公式サイトの12か月利回り表示も — である。分配金目当てで見る銘柄ではなく、金を円ヘッジ付きで持つ役割をどう使うかが主題になる。
分配スケジュール|いつ・何回もらえるか
424Aの決算日は毎年3月10日と9月10日で、年間分配回数は年2回である。もっとも、年2回「決算する」ことと、年2回「十分な分配金が出る」ことは別だ。交付目論見書では、収益分配は年2回、収益分配方針に基づいて行うとされる一方、分配額がゼロとなる場合があると明記されている。424Aはまさにそこを読み違えてはいけない銘柄である。
| 回 | 決算日(権利確定日) | 年間回数 | 権利付き最終日 | 権利落ち日 | 支払予定日 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026年3月分 | 2026/03/10 | 年2回 | 2026/03/05 | 2026/03/06 | 2026/04/17 |
| 2026年9月分 | 2026/09/10 | 年2回 | 2026/09/07 | 2026/09/08 | 未公表(目論見書上は決算後40日以内が原則) |
この表は、公式の商品ページにある決算日、2026年3月10日付の収益分配金通知にある支払開始予定日、そして東証の権利取りルールをもとに整理した。ETFの分配金を受け取るには、決算日の3営業日前の権利付き最終日までに買っておく必要がある。東証公式ガイドでも、決算日の3営業日前までに購入しないと分配金を受け取れないと説明されている。
424Aの2026年3月決算で言えば、3月10日が決算日なので、分配金を受け取る権利を得るには3月5日までに買っておく必要がある。3月6日は権利落ち日なので、この日に買っても今回分の分配金はもらえない。ここを勘違いして、決算日の直前に買えばよいと思う人は多いが、それでは遅い。まず見るべき日は決算日ではなく、権利付き最終日である。
参照:Global X 424A 商品ページ 424A 交付目論見書 東証公式ETF・ETNガイドブック
分配金の実績と計算の仕方
424Aは2025年9月24日に設定された新しいETFである。そのため、記事執筆時点で確認できる実績分配はまだ1回分しかない。ここで無理に「直近2年推移」を作るのは誤魔化しなので、存在する実績だけをそのまま見る。公式サイトでも、2026年3月13日時点で直近分配金は0円、12か月利回りは — と表示されている。
| 決算日 | 計算期間 | 分配金(100口あたり・税引前) | 出典上の確認事項 |
|---|---|---|---|
| 2026/03/10 | 2025/09/24〜2026/03/10 | 0円 | 初回決算、支払開始予定日 2026/04/17 |
この実績表は、2026年3月10日付の収益分配金通知を基準にしている。加えて、ファクトシートには2026年2月27日時点で設定来分配金合計額が0円とあり、商品ページでも2026年3月13日時点の直近分配金が0円となっている。つまり、現時点では「分配を受け取った実績がまだないETF」と理解すればよい。
TTMは Trailing Twelve Months の略で、過去12か月の分配金合計を意味する。計算式は、TTM分配金 = 過去12か月に出た税引前分配金の合計、分配利回り = TTM分配金 ÷ 現在の基準価額または市場価格、である。424Aの場合、2026年3月13日時点で確認できる過去12か月の分配実績は2026年3月10日の0円のみなので、TTM分配金は0円になる。商品ページの基準価額は100口あたり39,843円だから、TTM分配利回りをこの数字で計算しても 0 ÷ 39,843 × 100 = 0% である。
ここで大事なのは、表示されている利回りをそのまま信じるとズレる理由である。第一に、利回りの分子は過去の分配金で、分母は今の価格なので、価格が動くと同じ分配金でも利回り表示は変わる。第二に、424Aは設定から日が浅く、12か月の実績がまだ揃っていない。第三に、そもそも貴金属連動ETFは、株や債券のように配当や利息を生む資産ではない。東証公式ガイドでも、貴金属やエネルギーなどの商品指数に連動するETFは、原則として分配金の支払いはないと説明している。だから424Aは、利回りの高さで選ぶ商品ではなく、金の値動きを円ヘッジ付きで取りにいく商品として見るべきである。
参照:Global X 424A 商品ページ 2026年3月10日 収益分配金のお知らせ 424A ファクトシート
税引後の手取りはいくらか
424Aは国内上場ETFなので、分配金を特定口座などの課税口座で受け取る場合、個人投資家の源泉徴収時の税率は20.315%である。計算式は、税引後の手取り = 税引前分配金 × 0.79685 でよい。交付目論見書にも、分配時の収益分配金に対して20.315%課税と記載されている。
424Aの最新実績である2026年3月10日の分配金は100口あたり0円なので、現実の手取りも当然0円である。NISA口座でも特定口座でも、最新実績ベースで受け取る現金は同じく0円だ。つまり今の424Aに関しては、「税引後にいくら残るか」で差が出る段階にまだ入っていない。
ただし、将来の分配を想定した計算方法は押さえておいたほうがいい。たとえば424Aで将来100口あたり200円の分配が出たとする。このとき特定口座なら、200円 × 0.79685 = 159.37円が税引後の手取りになる。NISA口座なら非課税なので200円そのままだ。1000口保有なら、特定口座は1,593.7円、NISA口座は2,000円で、差は406.3円になる。分配金が大きくなるほど、この差は広がる。
424AはNISAの成長投資枠の対象である。したがって、将来分配が出た場合も、NISAで保有していればその分配金は非課税で受け取れる。ただし、現時点の実績は0円なので、「NISAで持てば高い分配を非課税で取れる」と考えるのは先走りである。NISAの有利さは否定しないが、424Aではまず分配の多寡より、金を円ヘッジ付きで持つ必要があるかどうかを先に詰めるべきだ。
参照:424A 交付目論見書 Global X 424A 商品ページ Global X NISA対象ETF一覧
利回りの数字に惑わされないための読み方
ETFの利回りを見るときは、分母が何かを必ず確認したい。基準価額ベースなのか、市場価格ベースなのか、あるいは自分の購入価格ベースなのかで、同じ分配金でも見え方は変わる。東証公式ガイドでも、ETFには基準価額と市場価格の二つがあると説明している。たとえば424Aで将来TTM分配金が100口あたり200円になったとして、現在の基準価額39,843円を分母にすれば利回りは約0.50%になる。一方、自分が100口30,000円で買っていたなら、購入価格ベースの利回りは約0.67%だ。同じ200円でも、数字の見え方は別物である。
次に、「利回りが高い=良い銘柄」とは限らない。少なくともETFは、非上場投信でよくある特別分配金の考え方をそのまま当てはめる商品ではない。東証公式ガイドでは、ETFには特別分配金はなく、商品指数連動ETFはそもそも分配金の支払いが原則ないと説明している。さらにETFでは、決算直前の設定・交換で一口あたり分配金が希薄化・濃縮化することもある。だから、単年の見かけ利回りだけ追うのは危ない。
分配金を目的にするなら、確認すべき数字は3つに絞ればよい。
1つ目。毎月や四半期で現金収入が欲しいなら、424Aは外す。現時点の実績分配は0円で、金ETFはそもそもインカム商品ではないからだ。
2つ目。金を守りの資産として持ちたいなら、利回りではなく、円ヘッジの有無、実質コスト、価格連動の取り方を見る。424Aではここが本体である。
3つ目。将来の分配が出たときの手取りを重視するなら、TTM分配金、現在価格、NISAで持てるかの3点だけで十分だ。分配率の見た目より、受け取り後にいくら残るかで判断したほうがブレにくい。
参照:Global X 424A 商品ページ 東証公式ETF・ETNガイドブック
NISAでの受け取りと再投資の考え方
424AはNISA成長投資枠の対象なので、将来分配が出ればNISA口座では非課税で受け取れる。ただし、ここで勘違いしてはいけないのは、ETFの分配金は自動で同じETFに再投資されないことだ。東証公式ガイドでも、ETFは自動的に分配金を再投資できないと説明している。つまり、分配を受け取った後に保有比率を維持したいなら、自分で買い直す必要がある。
424Aでは、現時点の実績分配が0円なので、NISAでのメリットは「分配非課税」よりも、「将来の値上がり益や将来分配が出た場合に非課税で受けられる余地」にある。金ETFをNISAで持つかどうかは、毎月いくら入るかではなく、ポートフォリオの守り枠を非課税口座で持つ意味があるかで決めるのが筋だ。
参照:Global X 424A 商品ページ Global X NISA対象ETF一覧 東証公式ETF・ETNガイドブック
よくある誤解
よくある誤解は二つある。ひとつは、分配利回りが高いETFほど得だという思い込みだ。424Aのような金ETFでは、そもそも分配の源泉が大きくないので、利回りを主役にすると商品理解を外す。もうひとつは、権利落ち日に買えば分配金がもらえるという誤解だ。実際はその逆で、権利付き最終日までに買っていないと受け取れない。ではどうするか。424Aでは、まず権利取りの日付を確認し、そのうえで利回りではなく「円ヘッジ付きの金を持つ役割が必要か」を先に判断するべきである。
まとめ
424Aは年2回決算の国内ETFだが、最新実績の分配金は100口あたり0円で、現時点ではインカム目的の銘柄ではない。見るべきは利回りの高さではなく、金を円ヘッジ付きで持つ役割が自分の資産形成に必要かどうかである。次は424Aと425Aの違いを比較記事で確認し、ヘッジありを選ぶべき場面を詰めたい。



