1540|純金上場信託(現物国内保管型)の組入銘柄・セクター比率|データと読み方

有価証券届出書と、東証資料、補足として三菱UFJ信託銀行の公表値をもとに整理する。1540は株式ETFではないため、組入銘柄やセクターをそのまま当てはめると誤読する。何を持ち、何が増減し、どこを見れば中身を追えるのかに絞って整理する。

1540の中身は、基本的に金地金100%と考えてよい。見るべきは企業名ではなく、1口あたり何gの金に相当するか、基準価額と市場価格の乖離、信託財産の質量がどう動いているかである。

データの取得日と一次情報の確認場所

本記事の構成データは2025年1月時点、商品概要の補足は2025年6月時点、日々確認したい価格や1口あたり質量は2026年3月13日時点の公表値を参照している。1540の正式名称は純金上場信託(現物国内保管型)で、三菱UFJ信託銀行の商品ページでは、証券コード、決算日、指標価格の考え方、転換の仕組み、費用が確認できる。東証の資料では売買単位や分配の有無、NISA成長投資枠対象かどうかがまとまっている。さらに、1540はMSCIやS&Pのような外部株価指数を追う商品ではなく、商品ページ上で指標価格は大阪取引所先物価格を元に算定した価額とされているため、指数の元ネタ確認は大阪取引所の金標準先物ページを見るのが筋だ。

日々の確認で最も使いやすいのは三菱UFJ信託銀行のホームとヒストリカルデータだ。ホームでは当日の東証終値、基準価額、乖離率、1口あたりの金の質量が見える。ヒストリカルデータでは、日付、東証終値、指標価格、口数、1口NAV、NAV、理論質量、乖離率、小口転換必要口数までCSVで追える。つまり、1540の中身を見るとは、企業一覧を眺めることではなく、金の量と価格の関係を追うことだ。

参照:純金上場信託(金の果実)商品ページヒストリカルデータ大阪取引所の金標準先物ページ

上位10銘柄と集中度

1540はここが株ETFと決定的に違う。上位10銘柄という見出しは形式上残すが、実態としては企業銘柄のランキングは存在しない。信託財産は金地金と金銭で構成され、2025年1月20日時点では金地金が39,994,314.645g、簿価ベースで301,235,097,187円、金銭は0円だった。しかも運用制限として、金地金以外は原則保有せず、金銭は税や信託報酬等のために一時的に持つ場合があるだけである。つまり、中身はかなり素直だ。

順位保有対象2025年1月20日時点の金額構成比の読み方
1金地金301,235,097,187円ほぼ100%
2金銭0円期末は0%
3〜10該当なしなし株式のような多銘柄分散はない

この表が示す通り、上位10合計比率は実質100%で、集中度は極端に高い。だが、それは欠点というより設計どおりだ。1540は金鉱株ETFではないし、金関連企業に分散投資する商品でもない。金地金のみを高水準で保有することで、1口あたり純資産額の変動率を指標価格の変動率に連動させることが企図されている。だから顔ぶれが単調なのは問題ではなく、むしろ役割がぶれていない証拠である。

参照:純金上場信託(金の果実)開示資料アーカイブ純金上場信託(金の果実)商品ページ

セクター(業種・分野)比率と偏りの読み方

1540に株式ETFのセクター表をそのまま求めるのはズレている。業種分散ではなく、金という単一コモディティへの集中が中身だからだ。あえて分野で言い換えるなら、エクスポージャーは次のようになる。

金地金 100%
株式セクター 0%
債券 0%
REIT 0%
現金 ほぼ0%

この偏りの意味は明快で、1540がポートフォリオに加えるのは企業利益への期待ではなく、金価格と為替の影響を受ける実物資産エクスポージャーだ。目論見書でも主な変動要因として、金地金の価格変動リスク、為替リスク、金地金に係る流動性リスクが挙げられている。加えて、取引所で売買する価格は需給で決まり、基準価額と乖離しうる。実際に東証も1540について、市場価格が基準価額より高い状態が継続したとして注意喚起を出している。つまり、1540は株式と違う値動き要因を持つ一方、買う場所が取引所である以上、金価格だけ見ていれば足りるわけでもない。

自分のPFへの影響で考えるなら、すでに日本株、米国株、J-REITに偏っている人には、1540は景気や企業業績とは別軸の値動きを足す役割を持ちやすい。一方で、金関連商品をすでに複数持っている人には、分散ではなく同じリスク要因の重ね掛けになりやすい。ここで見るべきはセクター比率ではなく、金を何%まで持つか、そして市場価格と基準価額のズレを許容できるかである。

参照:ヒストリカルデータ東証の商品・商品指数ETF一覧東証の注意喚起

入替ルールと構成が変わるタイミング

1540には、株価指数ETFのような四半期ごとの銘柄入替はない。計算期間は毎年1月21日から翌年1月20日までで、原則として分配もない。構成が変わるタイミングは、主に追加信託で金地金が増えるとき、投資家の転換請求で減るとき、そして信託報酬や信託費用の支払いのために金地金が売却されるときである。しかも受託者は、追加信託で金地金の質量が増えることはあっても、新たに市場で金地金を買い増す運用はしないと明記している。ここが株ETFのリバランスと違う。

だから、構成変化を判断するときに見るべき数字は、採用銘柄の入替ではなく、1口あたりの金の質量、口数、信託財産の理論質量、基準価額と市場価格の乖離率だ。三菱UFJ信託銀行のホームでは、2026年3月13日時点で1口あたりの金の質量が0.9354252gと示されている。上場時の1口=1gという感覚のまま見ていると、この変化を見落とす。1口あたり質量がじわじわ減るのは、信託報酬等に充てるための売却が背景にある通常の動きだが、市場価格のプレミアム拡大まで同時に起きているなら、金価格を買っているつもりで需給プレミアムまで買っていないかを点検すべきである。

確認場所を再掲すると、今日の数字は純金上場信託(金の果実)商品ページ、時系列はヒストリカルデータ、制度や定義は純金上場信託(金の果実)開示資料アーカイブで見る。この3つを押さえておけば、1540の中身は迷わない。

参照:純金上場信託(金の果実)商品ページヒストリカルデータ純金上場信託(金の果実)開示資料アーカイブ

よくある誤解

1540の記事で上位銘柄一覧やセクター表が薄いと、情報が足りないと感じやすい。だが、それは逆だ。1540は企業の詰め合わせではなく、金地金を中心に持つ現物型ETFなので、見るべき一次情報が違う。確認すべきは、今日の1口あたり何gか、基準価額と市場価格がどれだけズレているか、信託財産の理論質量がどう動いているかである。ホームで当日の数値を見て、ヒストリカルデータで推移を追い、開示資料アーカイブで定義を確認する。この順番に変えると、1540の「中身が見えない」という誤解は消える。

まとめ

1540の中身は複雑ではない。複雑なのは、株ETFの見方を持ち込むことだ。見るべきは企業名ではなく、金地金の質量、1口あたり質量、基準価額、乖離率である。次は概要記事で、1540をポートフォリオのどこに置くか、代替候補とあわせて整理しておきたい。

Sho
Sho

システム開発歴15年/PMP

計画・リスク管理・数値設計を軸に、
ETFの情報整理から投資判断までをテンプレ化・自動化してきた。

新NISAの時代だからこそ、
感情よりも「仕組み」で迷わない投資を。

—— 焦らず、ブレず、仕組みで勝つ。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としています。投資判断はご自身の責任で行ってください。
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