1687|WisdomTree 農産物上場投資信託の組入銘柄・セクター比率|データと読み方

1687は「農産物ETF」という名前だが、中身は農業関連企業の株ではない。実際には、Bloomberg Agriculture Subindexを通じて、とうもろこしや大豆、小麦、コーヒーなどの先物に連動する商品だ。何をどれだけ持つ設計なのかを見れば、このETFがポートフォリオに加える値動きの癖がかなりはっきり見えてくる。

大豆20.62%、とうもろこし16.94%、大豆油14.23%で上位3商品が過半を占める。1687は「農産物全体」に薄く広く乗る商品ではなく、大豆系と穀物にかなり寄った農産物バスケットだ。

データの取得日と一次情報の確認場所

本記事のデータは2026年3月時点。まず押さえるべきなのは、1687の「ファンドそのもの」と「連動対象指数」は別物だという点だ。東証上場の1687はOTCスワップ型・先物型の商品で、値動きの源泉はBloomberg Agriculture Subindexにある。したがって、中身を確認するときは、東証ページだけでなく、運用会社の商品ページと指数情報もセットで見る必要がある。

確認場所は3つで足りる。
1つ目は、運用会社側の商品ページで、ここに構成商品と直近比率が載る。
2つ目は、東証の銘柄詳細ページで、信託報酬、商品分類、連動対象指標、上場商品としての基本情報を確認する。
3つ目は、Bloombergの指数資料で、何をルールに採用し、いつ見直し、どう先物を乗り換えるかを確認する。この記事の役割は、毎日更新することではなく、「どこを見ればズレずに判断できるか」を示すことにある。

参照:WisdomTree Agriculture(商品ページ)東証の1687銘柄詳細ページBloomberg Commodity Index Methodology

上位10銘柄と集中度

1687は株式ETFではないので、ここでいう「上位10銘柄」は正確には上位10構成商品だ。2026年3月13日時点の内訳は次の通りである。

順位構成商品構成比
1CBOT Soybean(大豆)20.62%
2CBOT Corn(とうもろこし)16.94%
3CBOT Soybean Oil(大豆油)14.23%
4CBOT Soy Meal(大豆粕)9.99%
5CBOT Wheat(小麦)9.30%
6CSCE Coffee C(コーヒー)8.39%
7CSCE Sugar #11(砂糖)8.24%
8KCBT Wheat(カンザス小麦)6.09%
9NYCE Cotton(綿花)4.63%
10ICE Cocoa(ココア)1.57%

上位10合計は100.00%だ。つまり、1687は「農産物の中でさらに広く何十銘柄にも散っている」商品ではなく、ほぼこの10商品で全体を構成している。しかも上位3商品だけで51.79%、大豆・大豆油・大豆粕の大豆系3商品だけで44.84%ある。集中度は低くない。名称だけ見ると“農産物全般に分散”に見えるが、実態は大豆系ととうもろこしがかなり効く指数だと理解した方が正確だ。

なぜこうなるか。Bloomberg Agriculture Subindexは、農産物を均等に並べる指数ではない。上位指数であるBloomberg Commodity Indexのルールに従い、生産量だけでなく市場の流動性も加味して重みを決める。そのため、世界的に重要で先物市場も厚い大豆、とうもろこし、大豆油の比率が上がりやすい。逆に、名前の印象ほど“果物・野菜・畜産まで満遍なく入る”わけではない。ここを勘違いすると、守備範囲を見誤る。

参照:WisdomTree Agriculture(構成商品)Bloomberg Agriculture Subindexの概要東証の1687商品概要PDF

セクター(業種・分野)比率と偏りの読み方

1687は株式ではないので、ここで見るべきは「業種」ではなく農産物の分野別の偏りだ。2026年3月13日時点の内訳を大まかに束ねると、次のように読める。

  • 穀物・油糧種子系:77.17%
    (大豆、とうもろこし、大豆油、大豆粕、小麦、カンザス小麦)
  • ソフトコモディティ系:22.83%
    (コーヒー、砂糖、綿花、ココア)

この偏りの意味ははっきりしている。1687を買うと、「農産物価格全体」に乗るというより、穀物と大豆チェーンの値動きを強めに取り込む。天候要因、作付け面積、在庫、輸出入、バイオ燃料需要、家畜飼料需要の影響を受けやすいのはこのためだ。一方で、コーヒーや砂糖などのソフト商品も入るが、ポートフォリオ全体の主導権を握るほどではない。

ポートフォリオへの加わり方もここで見える。すでに日本株や米国株を中心に持っている人にとって、1687は企業利益ではなく商品価格そのものの要因を足す役割を持つ。ただし、「インフレ耐性を少し加えたい」程度ならまだ意味はあるが、「コーヒーや砂糖のテーマを取りたい」と考えて買うとズレる。逆に、穀物・大豆系の供給不安や価格循環を意識しているなら、中身と目的が合いやすい。判断基準は単純で、自分が欲しいのが“農産物一般”ではなく“穀物・大豆中心の農産物エクスポージャー”かどうかである。

参照:WisdomTree Agriculture(構成商品)Bloomberg Commodity Subindices

入替ルールと構成が変わるタイミング

構成が変わるタイミングは、大きく2つある。ひとつは年1回の定期見直し、もうひとつは毎月の先物乗り換えだ。Bloomberg Commodity Index系の指数は、商品ごとの重みを生産量と流動性に基づいて年次で再計算する。そして現物を持てない先物指数なので、期近物の満期が近づけば、通常は毎月のロール期間に次の限月へ乗り換える

ここで重要なのは、構成比が変わったからといって、すぐに「別物になった」と騒がなくていいことだ。毎月の変化は、先物を乗り換える都合で起きる通常運転の部分がある。一方で、年次見直しで特定商品の比率が大きく増減したり、新規採用・除外が起きたりした場合は話が変わる。実際、2026年時点のBloomberg Commodity関連資料では、ココアが指数群に再び現れており、農産物バスケットの顔ぶれにも変化が出ている。見るべきなのは価格より先に、何が増え、何が減り、その理由が流動性・生産量・指数ルールのどこにあるかである。

判断の補助も明確だ。もし大豆系の比率がさらに上がるなら、1687はより“油糧種子寄り”の商品になる。逆にソフト商品比率が上がるなら、コーヒーや砂糖の影響が少し強まる。したがって、保有継続を考えるときは「価格が上がったか下がったか」より前に、商品配分が自分の当初の役割とまだ一致しているかを確認すべきだ。確認手順は、WisdomTreeの商品ページで構成商品を見る→東証ページで連動対象指標を確認する→Bloombergの指数資料で見直しルールを見る、この順で十分である。

参照:WisdomTree Agriculture(商品ページ)東証の1687銘柄詳細ページBloomberg Commodity Subindices

よくある誤解

「取得日が古くなるなら、こういう記事はすぐ無価値になる」という見方は半分正しくて、半分間違っている。たしかに構成比そのものは動く。だが、この記事の価値は“今日の比率を永久保存すること”ではない。1687が何に連動し、どこに偏り、何を見れば中身の変化を追えるのかを最短でつかめる点にある。特に1687のような商品ETFは、株式ETFと違って企業業績ではなく指数ルールと先物構成を見ないと誤読しやすい。だから、記事で役割と読み方を押さえたうえで、必要なときだけWisdomTreeの商品ページで構成商品、東証ページで商品基本情報、Bloomberg資料で年次見直しとロールの仕組みを確認すればよい。見る場所と見る項目が決まっていれば、更新日の数字だけを追い回す必要はない。

まとめ

1687の中身は、農産物全般に均等分散した商品ではない。2026年3月13日時点では、大豆・とうもろこし・大豆油を中心に、大豆系と穀物へ大きく寄った農産物バスケットである。確認すべき場所は、WisdomTreeの商品ページ東証の銘柄詳細Bloombergの指数資料の3つで十分だ。次は、この銘柄が分配金をどう扱うかを見るなら①-C(分配金/利回り)、役割全体から整理するなら概要記事へ進むとつながる。

Sho
Sho

システム開発歴15年/PMP

計画・リスク管理・数値設計を軸に、
ETFの情報整理から投資判断までをテンプレ化・自動化してきた。

新NISAの時代だからこそ、
感情よりも「仕組み」で迷わない投資を。

—— 焦らず、ブレず、仕組みで勝つ。

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