ETF学習講座

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指数の集中度とは?上位比率がリスクを増幅する仕組みと偏りの見抜き方

指数は何百銘柄も入っている。だから十分に分散されていて安全寄りだ。この理解が自然に見える理由もある。個別株は一社で吹き飛ぶ。一方、指数は束ねている。つまり、リスクが薄まっているように見える。そのため「銘柄数=分散」という直感が働く。ただ、この理解は肝心な局面で破綻する。指数のリスクは、銘柄数だけでは決まらない。重要なのは重み(ウェイト)だ。どの銘柄にどれだけ配分されているか。この偏りでリスクは決ま...
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指数リバランスの先回り(フロントラン)はなぜ起きる?ルール公開が生む需給の歪み

指数はルールで機械的に動く。しかも情報は事前に公表される。だから市場は織り込み済みで、余計な歪みは出ないはずだ――そんな発想が出てくる。この理解は一見自然だ。指数は裁量を排し、透明性を重視する仕組みだからだ。どの銘柄を入れ、いつ入れ替え、どの比率に戻すかも公開されている。情報が公開されているなら、公平で効率的で、歪みは小さいはずだという直感が働く。ただし、この直感は価格形成の核心で崩れる。市場は「...
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指数リバランス頻度で変わる回転率とコスト|パッシブの摩擦

指数連動なら機械的に同じ銘柄を持つだけ。リバランスが四半期でも年次でも、手数料が同じなら大差ない。この考え方は自然に見える。指数はルール通りで、裁量が入らない。だからコストも安定して見える。しかしここで理解が止まると危うい。指数連動でも、リバランス頻度が違うだけで売買回数は変わる。売買が増えれば摩擦コストは増える。摩擦は価格表に見えない形でリターンを削る。経費率が同じでも、売買回数が違えば最終リタ...
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指数の入替は中立じゃない:リコンスティテューションが需給で株価を動かす仕組み

指数はルールで機械的に銘柄を入れ替えるだけ。情報は事前に出る。賢い市場なら織り込み済み。だから価格への影響は限定的。この理解は自然に見える。指数は市場平均の象徴に見えるし、パッシブ運用はただ追随するだけに見えるからだ。でも現実は違う。入替の当日に出来高が跳ねたり、終値に不自然な歪みが出たりする局面がある。ここだけ押さえる。市場は情報を織り込めても、売買そのものの集中は織り込めない。入替のタイミング...
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フリーフロート調整とは何か|指数が「投資可能性」に合わせて姿を変える理由

指数は時価総額が大きい企業ほど重みが大きい。だから指数は市場の実態をそのまま写す、という発想だ。この理解は自然に見える。株価×発行株式数で企業の大きさが出る。大きい企業ほど市場への影響が大きい。なら指数の比率も大きくなるはず、という考え方になる。だが実務ではここが破綻する。指数は市場の全株を理論的に足し上げた平均ではない。実際に運用できる形に整形したルールブックに近い。市場に存在する株式のうち、市...
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ボラティリティ加重とリスクパリティ入門:配分ルールが売買と値動きを変える

指数は、入っている銘柄を全部同じ量で持つわけじゃない。どの銘柄をどれくらいの比率で持つかを、最初から決めている。この比率の決め方が、指数の性格を決める。言い換えると、配分ルールが違うだけで、同じ中身でも別物になる。たとえば、よくある指数は時価総額で配分する。値段が上がって大きくなった会社ほど比率が増える仕組みだ。これが世の中で一番よく見かける型。一方で、別の型もある。値段の大きさじゃなく、値動きの...
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ファクター指数(バリュー/クオリティ)とは何か|スマートベータの「狙い」と「副作用」を因果で分解する

ファクター指数は、株を選ぶための採点ルールだと思っていい。指数(ルールで作った成績表)って聞くと、日経平均みたいなものを想像するかもしれない。あれは市場全体の成績表。一方でファクター指数は、市場全体じゃなく、特定の特徴を持つ株だけを集めて作った成績表になる。その特定の特徴がファクター。たとえば、こんな感じ。バリュー:割安っぽい株(値段のわりに中身が大きいと見なされる株)クオリティ:財務が強い・稼ぐ...
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時価総額加重と均等加重の違い|「指数ルール」がリターンを決める仕組み

同じ市場や同じテーマの指数なら、パフォーマンスはだいたい同じになるはず、という発想。指数は市場平均を表す中立な物差し。運用の違いはせいぜい手数料や誤差の問題。そう考えるのは自然だ。指数という言葉が平均を連想させるから。しかし、その理解は実務では通用しない。指数は平均ではない。ルールブックだ。何を採用するか。どう重みづけするか。いつ入れ替えるか。この設計が、リターンとリスクの形を決める。特に時価総額...
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指数は中立ではない:指数は「投資ルールの集合」であり、リターンとリスクを作っている

初心者が抱きやすい誤解は一つ。指数=市場平均=中立だと思い込むこと。指数連動と聞くと、個別の判断を捨てて平均に乗るだけに見える。だから指数同士の差も、誤差か細部の違いくらいに感じやすい。でも、その理解は投資判断のいちばん大事なところで崩れる。同じ米国株でも、ある指数は大型株に寄る。別の指数は情報技術に寄る。別の指数は高配当を優先する。どれも市場平均の顔をしているけど、内側には別の投資方針が入ってい...
ETFの基礎構造

ETFの基礎構造から理解する価格形成──iNAV(推定NAV)はなぜズレるのか

iNAVがあれば「適正価格」は分かる、という誤解ETFにはiNAV(またはiIV)という数値が表示される。これは推定純資産価値と呼ばれる。リアルタイムで計算される目安価格のこと。多くの初心者はこう考える。iNAVが基準なら、そこからズレれば割高か割安かは簡単に分かるはず。発想としては自然。ただ、構造を半分しか見ていない。iNAVは真実の価格ではない。あくまで計算上の推定値。しかも条件によっては、制...
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ETFスプレッドの正体を構造で解く:流動性・在庫リスク・ヘッジコストが広げる「見えない手数料」

初心者が踏み抜きやすいのが、スプレッドの扱い。買値(Ask)と売値(Bid)の間が広いとき、こう解釈しがちになる。人気がないから広い。たまたま板が薄いだけ。気にせず成行で入ればいい。この理解だと、取引コストの本体を見誤る。スプレッドは板が薄い現象というより、金融システムが抱えるリスクとコストが値段に翻訳された結果。つまりスプレッドは、明細に出ない見えないコスト。それだけじゃなく、市場がいま機能して...
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ETFを支える2つの仕組み:Creation Unit(設定単位)とin-kind(現物出し入れ)

ETFは、取引所の売買とは別に、口数そのものを増やしたり減らしたりできる。ETFには、発行口数を増減させる裏側のルートがある。ここが株式と決定的に違う。その裏側を動かす鍵が、Creation Unit(設定単位)とin-kind(現物出し入れ)になる。これが分かると、プレミアム/ディスカウントがなぜ生まれ、なぜ多くの場合はNAVに近づき、どんな局面で近づきにくくなるのかを、因果で説明できるようにな...
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ETF一次市場(Creation/Redemption)とは何か|口数が増減する設定・解約の仕組みを構造で理解する

ETFは株と同じように取引所で売買できる。だから株と同じ構造だと思われがち。ここが最初の落とし穴。株式の売買は、基本的に「すでに発行されている株」を投資家同士が交換しているだけ。その日の売買で株数が突然増えたり減ったりはしない。一方ETFは、見た目は株でも、裏側で発行口数が増減する。この増減が起きる場所が一次市場、いわゆるCreation/Redemption、設定と解約だ。本記事の目的は、なぜこ...
ETFの基礎構造

ETFの一次市場と二次市場の違いを理解する|価格の裏側で何が動いているのか

ETFは「株と同じ」だという誤解ETFは株と同じように、取引所でリアルタイムに売買できる。だから構造も株と同じ、と考えられがち。でも、この理解は決定的に足りない。株式は、企業が発行した株数が基本的に固定される。投資家同士が、その限られた株を売り買いしているだけ。一方ETFは、発行済の口数そのものが日々増減する。見た目は株でも、中身はまったく別物。本記事の目的は、この二重構造を論理的にほどくこと。読...
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