15秒ごとに算出されるETFの推定価値|iNAV(インディカティブNAV)とは何か、市場価格とずれるのはなぜか

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itcareer40.jpETFの基礎iNAV(インディカティブNAV)

JPX(日本取引所グループ)のウェブサイトでETFの値段を調べると、現在値(市場価格)の横に「インディカティブNAV」という数字が並んでいます。どちらも値段のように見えるのに数字が違い、どちらを見ればいいのか迷います。このインディカティブNAV(iNAV)は、取引時間中にETFが持っている資産の、ひと口あたりの推定価値です。

項目 内容
何の値か 取引時間中の、ETFが持っている資産の1口あたりの推定価値
もとにする価格 ETFが持っている資産などの現在値(基準価額は前日終値)
算出の頻度 取引時間中15秒ごと(基準価額は1日1回)
比べる相手 市場価格(取引所で売り買いするときの値段)
見られる場所 JPXのウェブサイト(配信対象のETF)

基準価額は1日1回の公表ですが、iNAVは取引時間中に繰り返し算出されます。そのため、その時点の市場価格と見比べられます。

iNAVの算出の頻度(取引時間中)

15秒ごと

基準価額の公表の頻度

1日1回

iNAV(インディカティブNAV)とは:取引時間中の1口あたり推定価値

JPXは、インディカティブNAVを次のように定義しています。

「インディカティブNAVとは、取引時間中のETF保有資産(純資産価値,NAV;Net Asset Value)に係る1口あたり推定価値をいいます。」

NAV(純資産価値)は、ETFが持っている資産の価値です。1口(くち)は、ETFを数える単位を指します。iNAVは、ETFに組み入れられた銘柄を、そのときの値段で評価して算出します。

一方、基準価額は、純資産総額をその日の口数で割った値段です。純資産総額は、資産を時価評価し、配当金や利子を加え、信託報酬(運用にかかる費用)などを差し引いた額です。JPXがiNAVの公表を始めたのは、取引を活発化させるためです。取引時間中にも、投資家がETFの純資産価値を把握できるようにしました。

iNAVは、ETFが保有する資産を現在値で評価し、取引時間中に繰り返し算出する1口あたりの推定価値です。

参照:JPX「インディカティブNAV・PCF情報」(ETF)(2026年9月9日更新・2026年10月11日取得)、JPX「インディカティブNAV」(ETN)(2025年2月28日更新・2026年10月11日取得)、大和アセットマネジメント 用語集「インディカティブNAV」(2026年10月11日取得)、大和アセットマネジメント「取引価格/基準価額」(ETFのよくある質問)(2026年10月11日取得)

市場価格との見比べ方:プレミアムとディスカウント

ETFの市場価格とiNAVを比べると、市場で取引されている値段が、保有資産の推定価値より高いか低いかが分かります。JPXは、その関係を次のように説明しています。

  • プレミアム状態
    • iNAV<市場価格
    • ETFが持つ資産の推定価値より高い価格で買われている状態です。
  • ディスカウント状態
    • iNAV>市場価格
    • ETFが持つ資産の推定価値より低い価格で売られている状態です。

JPXのウェブサイトでは、東証(東京証券取引所)のETFのうち配信対象のものについて、現在値や前日比、iNAVなどを確認できます。現在値は市場で取引する際の価格で、iNAVは保有資産の推定価値を表しています。

プレミアムとディスカウントは、この価格の位置関係を表す言葉です。市場価格がどちら側にあるのかを、取引時間中に確認するための区分になります。

市場価格がiNAVより高ければプレミアム状態、低ければディスカウント状態です。

参照:JPX「インディカティブNAV・PCF情報」(ETF)(2026年9月9日更新・2026年10月11日取得)

市場価格が iNAV とずれる理由

同じETFでも、市場価格とiNAVが一致するとは限りません。大和アセットマネジメントは、ETFを運用する運用会社です。その説明によると、取引価格(市場価格)はiNAVをもとに、売りたい人と買いたい人のバランス(需給)を加えて決まります。

JPXも、市場価格は需給状況によって変動するため、基準価額などと値動きが一致しない場合があると説明しています。

市場価格はiNAVをもとに投資家の需給を加えて決まるため、両者の値段は一致しないことがあります。

参照:JPX「ETFのリスク・留意点」(2017年10月2日更新・2026年10月11日取得)、大和アセットマネジメント「取引価格/基準価額」(ETFのよくある質問)(2026年10月11日取得)

海外の指数に連動する ETF の iNAV:2840 の例

外国の資産に投資するETFでは、連動対象指数(ETFが値動きを合わせようとする指数)が、日本時間の日中に動いていない場合があります。その場合、iNAVは指数の先物価格や為替をもとに算出されます。指数の先物取引は、指数を将来の一定の日に、今の時点で取り決めた値段で取引することを約束する契約です。

例えば、銘柄コード2840の「iFreeETF NASDAQ100(為替ヘッジなし)」の連動対象は『NASDAQ100指数(配当込み、円ベース)』です。これは、配当込みのNASDAQ100指数を円換算したものです。NASDAQ100は米国の株価指数です。日本時間の9:00~15:30には取引が行われず、指数は動きません。

一方、NASDAQ100の先物(運用会社の資料では「先物指数」)は、世界中でほぼ1日中取引されており、日本時間にも動いています。2840のiNAVは、このNASDAQ100の先物指数と為替をもとに算出されます。

2840のiNAVは、日本時間にNASDAQ100指数が動いていない間、先物指数と為替をもとに算出されます。

参照:大和アセットマネジメント「取引価格/基準価額」(ETFのよくある質問)(2026年10月11日取得)、JPX 用語集「指数先物取引」(2026年10月11日取得)

日本の昼間に指数が動いていない ETF の iNAV

ここからは、この記事で確かめた JPX と運用会社の説明から、そのまま導ける範囲の推論です。値動きの見通しではありません。

iNAVは、ETFが保有する資産などの現在値をもとに算出されます。外国資産に投資するETFでは、指数が日本時間の日中に動かない場合、先物価格や為替がiNAVの算出に使われます。市場価格はiNAVをもとに、投資家の売り買いの需給を加えて決まります。

日本の昼間に連動対象指数が動いていないETFで市場価格とiNAVを見比べるとき、比べている相手は、先物価格や為替をもとにした推定価値です。

参照:JPX「インディカティブNAV・PCF情報」(ETF)(2026年9月9日更新・2026年10月11日取得)、大和アセットマネジメント「取引価格/基準価額」(ETFのよくある質問)(2026年10月11日取得)

iNAV についてのよくある誤解

iNAVについては、表示されるETFの範囲や、基準価額との違い、外国資産への投資における為替の扱いにも注意する点があります。

誤解1:どのETFでもJPXのウェブサイトでiNAVが見られる

JPXにはiNAVの配信対象ETFの一覧があります。配信の有無は、ETFデータベースのExcelファイルに掲載されています。算出を行っているのはICE Data Services、S&P Global、Solactive AGなどです。

誤解2:iNAVは基準価額と同じもの

大和アセットマネジメントの表では、基準価額は『一時点での時価評価に基づく価格』、iNAVは『市場動向に基づいて算出する基準価額の理論値』です。市場価格は『投資家の需要と供給により形成』と区別されています。

誤解3:円で買うETFなら、外国の資産でも為替は関係ない

東証のETFはすべて円建てで取引されます。しかし JPX は、外貨建ての資産(外国の通貨で値段が付く資産)に投資する場合は、指数の値動きだけでなく、現地通貨と日本円の為替変動も考える必要があるとしています。

画面に並ぶ数字であっても、算出に用いる価格や、市場での決まり方は同じではありません。

iNAVは、どのETFでも見られる数字だと思い込んでいました。配信対象の一覧があると知り、見ているETFに配信があるかを先に確かめたいと思いました。

iNAVは、配信対象のETFについて取引時間中に出る推定価値で、基準価額とも市場価格とも別の数字です。

参照:JPX「インディカティブNAV・PCF情報」(ETF)(2026年9月9日更新・2026年10月11日取得)、JPX「ETFのリスク・留意点」(2017年10月2日更新・2026年10月11日取得)、大和アセットマネジメント「取引価格/基準価額」(ETFのよくある質問)(2026年10月11日取得)

この記事で言えないこと

  • iNAVや市場価格の過去の実際の値は書いていません。この記事で使った資料に載っていないためです。
  • どれくらいの差なら大きいかは書いていません。資料に目安が書かれていないためです。
  • 債券に投資するETFに特有のiNAVの出し方は書いていません。この記事で使った資料に、債券に絞った説明が無いためです。

数値の基準日

JPX「インディカティブNAV・PCF情報」の更新日
2026年9月9日
資料を取得した日
2026年10月11日

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出典

Sho
Sho

業務系SEとして長年

計画・リスク管理・数値設計を軸に、
ETFの情報整理から投資判断までをテンプレ化・自動化してきた。

新NISAの時代だからこそ、
感情よりも「仕組み」で迷わない投資を。

—— 焦らず、ブレず、仕組みで勝つ。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としています。投資判断はご自身の責任で行ってください。
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