ETFの「市場価格」と「基準価額」は何が違う?|JPXの説明と実際の数字で並べる

本ページはプロモーション(広告)を含みます。

itcareer40.jpETFの基礎市場価格と基準価額

ETFを買おうとして画面や資料を見ると、「市場価格」と「基準価額」という値段が並んでいます。市場価格は取引所で売り買いするときの値段です。基準価額は、ETFが持っている資産の価値を一口あたりにした値段です。どちらか一方だけが本当の値段というわけではなく、表しているものが違います。

例えば、2630は東証(東京証券取引所)での銘柄コードです。米国の代表的な株価指数の一つ、S&P500への連動を目指すETFを指します。2026年2月27日の市場価格(終値)は14,660.0円、基準価額は14,710円でした。

画面に2つの値段が並んでいても、どちらが何の値段なのかを分けて考えたことはありませんでした。同じ日でも数字がずれると知って、いま見ている数字が何の値段なのかを意識したいと思いました。

JPX(日本取引所グループ)は、ETFの価格を次のように分けて説明しています。

価格 何の値段か(JPXの説明) 出る頻度
市場価格 市場で取引する際の価格 取引時間中リアルタイム
基準価額 ETFが保有する資産等を前日終値に基づき算出した価格 1日1回(日々開示)
インディカティブNAV ETFが保有する資産等を現在値に基づき算出した価格 取引時間中15秒毎

市場価格は取引時間中に動きますが、基準価額が出るのは1日1回です。値段の出るタイミングが違うため、同じ日でも両者が一致するとは限りません。インディカティブNAVは、取引時間中に、ETFが持つ資産の価値を推定した値段を指します。

2630の市場価格(終値)・2026年2月27日

14,660.0円

2630の基準価額・同じ日

14,710円

市場価格と基準価額は、それぞれ何の値段か?

市場価格は、ETFを取引所で売ったり買ったりするときの値段です。終値は、1日のうちで最後に取引された値段です。JPXの資料の市場価格(終値)の欄には、その日に約定(売買の成立)がなければ、直近時点の市場価格が記載されます。

基準価額は、ETFが持つ株式などを時価で評価し、利息や配当金を加えた資産総額から、信託報酬(運用にかかる費用)などを差し引いて計算します。こうして求めた純資産総額を、口(くち)という持ち分の数で割った一口あたりの資産価値です。

市場価格は取引所での売買の値段、基準価額はETFが持つ資産の一口あたりの価値です。

参照:JPX「インディカティブNAV・PCF情報」(ETF)(2026年9月9日更新・2026年10月11日取得)、資産運用業協会 用語集「基準価額」(2026年10月11日取得)、JPX「基準価額等に関する情報」(ETF)(2026年10月9日更新・2026年10月11日取得)、JPX 銘柄詳細資料 2630(2026年2月27日現在・2026年10月11日取得)、JPX 用語集「終値」(2026年10月11日取得)

同じ日の市場価格と基準価額は、どれくらい違うか?

JPXの銘柄詳細資料には市場価格(終値)、運用会社(ETFを運用する会社)の月次レポート(月ごとの運用状況を示す資料)には基準価額が載っています。2026年2月27日の数字を並べます。

  • 2630:市場価格(終値)14,660.0円、基準価額14,710円。差は50円(市場価格のほうが低い)
  • 2634:市場価格(終値)2,897.0円、基準価額(1口あたり)2,906.63円。差は9.63円(市場価格のほうが低い)

2634も、S&P500への連動を目指すETFです。このETFの月次レポートでは、基準価額が100口当たり290,663円と記載されています。資料によって基準価額を100口当たりで示すことがあり、上の数字は一口あたりに直した値段です。ここで比べたのは基準価額との数字の大小だけで、どちらが得かを示すものではありません。

2630も2634も、この日は市場価格と基準価額が一致せず、数字の大小だけを比べると市場価格のほうが低くなりました。

参照:JPX 銘柄詳細資料 2630(2026年2月27日現在・2026年10月11日取得)、三菱UFJアセットマネジメント 2630 月次レポート(2026年2月27日現在・2026年10月11日取得)、JPX 銘柄詳細資料 2634(2026年2月27日現在・2026年10月11日取得)、野村アセットマネジメント 2634 月次レポート(2026年2月27日・2026年10月11日取得)

2つの値段の決まり方から言えること

ここからは、この記事で確かめた JPX の説明から、そのまま導ける範囲の推論です。値動きの見通しではありません。

基準価額は前日終値に基づいて1日1回示されます。インディカティブNAVは現在値に基づき、取引時間中15秒ごとに示されます。市場価格は取引時間中リアルタイムで動きます。

取引時間中の市場価格と同じ時点に近い資産の推定価値を示すのは、基準価額よりもインディカティブNAVです。

参照:JPX「インディカティブNAV・PCF情報」(ETF)(2026年9月9日更新・2026年10月11日取得)

取引時間中に、資産の価値の目安を見るには?

インディカティブNAVは、取引時間中のETF保有資産について、一口あたりの推定価値を示す数字です。JPXのウェブサイトでは、配信対象の東証ETFについて、現在値やインディカティブNAVなどを確認できます。配信の有無は、JPXのETFデータベースに載っています。

JPXの説明では、インディカティブNAV<市場価格ならプレミアム状態(ETFが持つ資産の推定価値より高く買われている状態)です。反対に、インディカティブNAV>市場価格ならディスカウント状態(資産の推定価値より安く売られている状態)に当たります。これは市場価格が資産の推定価値に対してどちらに位置するかを示しています。

取引時間中に市場価格を資産の価値と見比べる目安は、配信対象のETFなら、JPXで確認できるインディカティブNAVです。

参照:JPX「インディカティブNAV・PCF情報」(ETF)(2026年9月9日更新・2026年10月11日取得)

3行の要約

  • 市場価格は取引所で売買する値段、基準価額はETFが持つ資産の一口あたりの価値です。
  • 同じ日でも市場価格と基準価額は一致するとは限らず、2630と2634の例では、数字の大小だけを比べると市場価格のほうが低くなりました。
  • 配信対象のETFでは、取引時間中の市場価格と資産の推定価値を比べる目安として、インディカティブNAVを使えます。

この記事で言えないこと

  • 2つの値段の差がなぜ生まれたかは書いていません。資料に理由が書かれていないためです。
  • どれくらいの差なら大きいかは書いていません。資料に目安が書かれていないためです。
  • インディカティブNAVの過去の実際の値は書いていません。この記事で使った資料に載っていないためです。

数値の基準日

比べた日
2026年2月27日
JPX「インディカティブNAV・PCF情報」の更新日
2026年9月9日
資料を取得した日
2026年10月11日

次に読む

基準価額のもとになる純資産総額を、どの資料で何日の値か確かめる手順はETFの純資産総額は何日の値か|JPXの資料と運用会社の月次レポートで確かめる手順です。東証の一覧で、インディカティブNAV(iNAV)の印がどの ETF に付いているかを読む方法はETFの名前と印の読み方|東証の一覧の「iNAV」「先物型」「アクティブ運用型」「為替ヘッジあり」「決算型」は何を表すかです。

分配金が出ると基準価額がどうなるかを、資産運用業協会・運用会社・JPXの資料で確かめた記事は6つの思い込みを資料で確かめる|分配金が出ると、ETFの値段は下がるのかです。

出典

Sho
Sho

業務系SEとして長年

計画・リスク管理・数値設計を軸に、
ETFの情報整理から投資判断までをテンプレ化・自動化してきた。

新NISAの時代だからこそ、
感情よりも「仕組み」で迷わない投資を。

—— 焦らず、ブレず、仕組みで勝つ。

Shoをフォローする
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。投資判断はご自身の責任で行ってください。
ETFの基礎はじめての方へ