ETFの用語辞典|目論見書・月次レポート・JPXの資料に出てくる32語

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itcareer40.jpETFの基礎用語の辞典

ETFの資料には、呼び名が違っても同じものを指す言葉と、似ていても別の種類の価格を指す言葉があります。

ETF(証券取引所に上場する投資信託)の月次レポートにある基準価額は、取引所で売り買いする値段そのものではありません。ETFを見始めた人が、資料の用語で取り違えやすいところです。

基準価額は1日1回、ETFが持つ資産を前日の終値(1日のうちで最後に取引された値段)で計算します。市場価格は取引時間中に動きます。資料によっては、同じ会社を違う呼び名で書くこともあります。

言葉の意味は資産運用業協会とJPX(日本取引所グループ)の用語集で確かめます。出てくる場所は、JPXプライム150指数のETFである2017と159Aの資料で示します。下の図1は、資料ごとに出てくる主な言葉を並べた地図です。

ETFの資料と、そこに出てくる言葉 交付目論見書には委託会社・受託会社(最初のページ)、信託期間・決算日・繰上償還、費用の表(信託報酬・信託財産留保額)。月次レポートには基準価額(100口当たり)・純資産総額、分配金・組入上位10銘柄・ベンチマーク。JPXの銘柄詳細資料には管理会社・対象指標・売買単位、分配金支払基準日・マーケットメイク・iNAV。JPXのETFの銘柄一覧には管理会社・連動対象指標・iNAVの印。2017では、同じ会社を交付目論見書は委託会社、JPXは管理会社と書き、同じ指数を交付目論見書は対象株価指数、JPXの銘柄詳細資料は対象指標と書く。 交付目論見書 委託会社・受託会社(最初のページ)信託期間・決算日・繰上償還費用の表(信託報酬・信託財産留保額) 月次レポート 基準価額(100口当たり)・純資産総額分配金・組入上位10銘柄・ベンチマーク JPXの銘柄詳細資料 管理会社・対象指標・売買単位分配金支払基準日・マーケットメイク・iNAV JPXのETFの銘柄一覧 管理会社・連動対象指標・iNAVの印 2017では同じ会社:委託会社(交付目論見書)=管理会社(JPX)2017では同じ指数:対象株価指数(交付目論見書)=対象指標(銘柄詳細資料)
図1 ETFの資料の地図。資料ごとに、主に出てくる言葉を並べました。2017では、呼び名が違っても同じものを指す言葉がありました。

交付目論見書の言葉|会社と人・期間・費用

交付目論見書には、ETFにかかわる会社と人、運用の期間と決算、費用の言葉が出てきます。

交付目論見書(費用や運用の内容などを書いた、投資信託の説明書)の最初のページには、委託会社と受託会社があります。次の表は、会社と人を表す言葉と、資料に出る場所を並べたものです。

言葉 意味 資料のどこに出るか
委託会社 ETFを運用する会社。受託会社に運用の指図(指示)をし、受託会社がそれに基づいて運用を執行する。運用会社とも呼ぶ 交付目論見書の最初のページ(2017・159Aとも)
受託会社 委託会社と信託契約を結び、ETFの財産の保管と管理をする信託銀行 交付目論見書の最初のページ(2017・159Aとも)
販売会社 証券会社など、投資家の窓口になる会社 交付目論見書の費用の表や照会先
受益者 ETFの権利(受益権)を持つ人。ETFを持つ人のこと 交付目論見書の「受益者の意向を確認」など

ETFを運用する会社と、財産を保管・管理する会社は別です。ETFを持つ人は、資料では受益者と書かれます。下の図2は、委託会社・受託会社・受益者・販売会社の関係を示します。

委託会社・受託会社・受益者・販売会社 委託会社はETFを運用する会社で、運用の指図をする。受託会社は委託会社と信託契約を結び、ETFの財産の保管と管理をする。受益者はETFの権利(受益権)を持つ人。販売会社は証券会社など、投資家の窓口。委託会社と受託会社は、交付目論見書の最初のページにある。 委託会社 ETFを運用する会社運用の指図をする 受託会社 ETFの財産の保管と管理をする 信託契約を結ぶ 運用の指図(委託会社から受託会社へ) 受益者 ETFの権利(受益権)を持つ人 販売会社 証券会社など、投資家の窓口 委託会社と受託会社は、交付目論見書の最初のページにあります
図2 ETFにかかわる会社と人。委託会社と受託会社は信託契約を結び、委託会社が運用の指図をし、受託会社がETFの財産を保管・管理します。

次の表は、期間と決算、指数に関する言葉と、資料に出る場所を並べたものです。信託期間と繰上償還は、2017・159Aとも交付目論見書の同じページにあります。

言葉 意味 資料のどこに出るか
当初設定日 ETFの運用がスタートした日 交付目論見書の信託期間の欄(2017は2024年1月22日)
信託期間 設定日から償還日までの期間。2017・159Aとも無期限 交付目論見書の信託期間の欄
決算日 計算期間の最後の日で、損益などが確定する日 交付目論見書と月次レポート(2017は毎年4月10日と10月10日)
繰上償還 信託期間が終わる前に償還されること。償還は、運用を終えてETFを持つ人にお金を返すこと 交付目論見書の繰上償還の欄(条件が書いてある)
対象株価指数 ETFが連動を目指す株価指数。株価指数は、株の相場全体の状況を数値にしたもの 交付目論見書(2本ともJPXプライム150指数(配当込み))

2017・159Aとも、信託期間は無期限です。ただし、あらかじめ決められた条件にあたると、途中で償還されることがあります。下の図3は、2017を例に、当初設定日から決算日をくり返す流れを示します。

2017の当初設定日・決算日・信託期間 2017の当初設定日は2024年1月22日。決算日は毎年4月10日と10月10日。信託期間は無期限(設定日から償還日までの期間)。繰上償還の条件にあたると、信託期間の途中で償還されることがある。 2017の例(交付目論見書) 当初設定日2024年1月22日 決算日毎年4月10日と10月10日 信託期間:無期限(設定日から償還日までの期間) 繰上償還の条件にあたると、信託期間の途中で償還されることがある
図3 ETFの一生(2017の例)。当初設定日から、毎年4月10日と10月10日の決算日をくり返します。信託期間は無期限です。

次の表は、費用の表に出る言葉と、負担の分け方を並べたものです。費用の表には、販売会社が決める手数料と、ETFの財産から払われる費用が並んでいます。

言葉 意味 資料のどこに出るか
運用管理費用(信託報酬) 運用と管理の対価として、ETFの財産から日々差し引かれる費用 交付目論見書の費用の表(信託財産で間接的に負担する費用)
信託財産留保額 途中で換金するときに差し引かれるお金。2017・159Aとも「ありません」 交付目論見書の費用の表(直接的に負担する費用)
売買委託手数料 ETFが株などを売買するときに払う手数料。ETFの財産から払われる 交付目論見書の費用の表
監査の費用 ETFの計算が公正に行われているかを監査する費用(監査報酬) 交付目論見書の費用の表

交付目論見書の費用の表は、投資者が直接的に負担する費用と、投資者が信託財産で間接的に負担する費用に分かれます。信託報酬は後ろの欄にあります。下の図4は、費用の表の2つの欄と、そこに入る主な費用を示します。

交付目論見書の費用の表の2つの欄 投資者が直接的に負担する費用は、取得時手数料・交換時手数料(販売会社が決める)と、信託財産留保額(2017・159Aとも、ありません)。投資者が信託財産で間接的に負担する費用は、運用管理費用(信託報酬。ETFの財産から日々差し引かれる)と、その他の費用(売買委託手数料・監査の費用など)。 投資者が直接的に負担する費用 取得時手数料・交換時手数料(販売会社が決める)信託財産留保額(2017・159Aとも、ありません) 投資者が信託財産で間接的に負担する費用 運用管理費用(信託報酬):ETFの財産から日々差し引かれるその他の費用:売買委託手数料・監査の費用など 2017・159Aの交付目論見書の費用の表は、この2つに分かれています
図4 交付目論見書の費用の表の分け方。信託報酬は、ETFの財産から日々差し引かれる費用です。

参照:2017・159Aの交付目論見書、資産運用業協会とJPXの用語集

月次レポートの言葉|基準価額・口数・分配金

月次レポートの基準価額は、2017・159Aとも100口当たりの値で書かれています。

次の表は、月次レポートに出る言葉と、資料に出る場所を並べたものです。例の月次レポートは、2017・159Aとも2026年9月30日の資料です。

言葉 意味 資料のどこに出るか
基準価額 純資産総額を口数で割った、1口あたりの資産の価値。毎日計算される 月次レポート(2本とも100口当たりで表示)
純資産総額 ETFの資産から、運用に必要な費用などを差し引いた額 月次レポートの基準価額・純資産の推移など
口数 ETFの権利(受益権)を数える単位。JPXは前月末時点の各銘柄の受益権口数を載せている 月次レポートの「100口当たり」、JPXの銘柄詳細資料の「受益権口数」
分配金 運用で得た収益を、口数に応じて決算ごとに分けるお金。出ないこともある 月次レポートの分配金の欄(100口当たり)
ベンチマーク 運用の実績を測る基準になる指標 2017の月次レポート(JPXプライム150指数(配当込み)をベンチマークとしている)
組入銘柄 ETFの財産が持っている個々の株など。持っている株などの集まりは、ポートフォリオという 月次レポートの「組入上位10銘柄」(2本とも)
先物 将来の決まった日に、決めた値段で取引する約束(先物取引) 2017の月次レポートの資産別構成の注記、159Aの月次レポートの指数先物の比率

基準価額は、純資産総額を口数で割った値です。資料の値が100口当たりなら、100で割ると1口あたりの値になります。

連動を目指す指数は、月次レポートでベンチマークと書かれることもあります。下の図5は、純資産総額から1口あたりの基準価額を出す関係を示します。

基準価額=純資産総額÷口数 純資産総額(ETFの資産から費用などを引いた額)を口数(受益権の数)で割ると、1口あたりの基準価額になる。月次レポートでは、2017・159Aとも基準価額を100口当たりで表示している。基準価額は1日1回、ETFが持つ資産を前日の終値で計算する(JPX)。 純資産総額 ETFの資産−費用など 口数 受益権の数 基準価額 1口あたり ÷ = 月次レポートでは、2017・159Aとも基準価額を100口当たりで表示しています 基準価額は1日1回、ETFが持つ資産を前日の終値で計算します(JPX)
図5 基準価額は、純資産総額を口数で割った1口あたりの値です。資料では100口当たりで書かれていることがあります。

参照:2017・159Aの月次レポート、JPXの2017の銘柄詳細資料・基準価額等に関する情報、資産運用業協会の用語集

JPXの資料と売買の言葉|売買単位・iNAV・マーケットメイク

JPXの銘柄詳細資料には、運用する会社を書く管理会社や、連動を目指す指標を書く対象指標の欄があります。

次の表は、JPXの資料と売買に出る言葉と、資料に出る場所を並べたものです。例の銘柄詳細資料は、2017の2026年2月27日現在のものです。

言葉 意味 資料のどこに出るか
管理会社 ETFを運用する会社のJPXの資料での呼び名。2017では、交付目論見書の委託会社と同じ会社 JPXの銘柄詳細資料とETFの銘柄一覧
対象指標 ETFが連動を目指す指標。2017では、交付目論見書の対象株価指数と同じ指数 JPXの銘柄詳細資料(2017はJPXプライム150指数(配当込み))
売買単位 1回の売買で扱う数量の単位。ETFは商品ごとに違い、価格×売買単位が最低の売買金額になる JPXの銘柄詳細資料(2017は1口単位)
分配金支払基準日 この日にETFを持っている人(受益者)に、分配金が支払われるという基準の日 JPXの銘柄詳細資料(2017は毎年4月10日、10月10日)
市場価格 取引所で売り買いされる値段。取引時間中はリアルタイムで動く JPXの銘柄詳細資料の「市場価格(終値)」
インディカティブNAV(iNAV) 取引時間中に計算される、1口あたりの推定の価値。15秒毎に計算される JPXの銘柄詳細資料の情報入手一覧、ETFの銘柄一覧の「iNAV」の印
PCF ETFが持っている銘柄ごとの株数や先物の数などを並べたファイル JPXの銘柄詳細資料の情報入手一覧
マーケットメイク マーケットメイカー(指定された証券会社など)が売りと買いの注文を出し続け、その値段で売買できるようにする制度 JPXの銘柄詳細資料(2017は対象)
交換と追加設定 まとまった口数のETFと、株の詰め合わせ(現物株式バスケット)を取り替えること。株の詰め合わせでETFを受け取るのが追加設定 JPXの売買制度のページ、2017の交付目論見書
指値注文・成行注文 値段を決めて出す注文と、値段を決めずに出す注文。ETFも株と同じように使える JPXの売買制度のページ
制限値幅 1日に動ける値段の幅(ストップ高とストップ安の間)。ETFはストップ高(安)で終わると、翌営業日から広がる JPXの売買制度のページ
為替ヘッジ 外国の通貨の資産で、為替の影響を小さくする方法。コストがかかる JPXのETFの銘柄一覧の名前(「為替ヘッジなし」など)

売買単位は商品ごとに違います。JPXの説明では、価格が1000円で売買単位が10口なら、最低の売買金額は1万円です。

2017は1口単位です。下の図6は、価格と売買単位から最低の売買金額が決まる例を示します。

価格×売買単位=最低の売買金額 JPXの説明の例(仮の価格):ETFの価格が1000円、売買単位が10口なら、最低の売買金額は1万円。売買単位は商品ごとに違い、2017は1口単位。 JPXの説明の例(仮の価格) 1000円 ETFの価格 10口 売買単位 1万円 最低の売買金額 × = 売買単位は商品ごとに違います。2017は1口単位です
図6 売買単位の例。価格が1000円で売買単位が10口なら、最低の売買金額は1万円です(JPXの説明の例)。

ETFの資料を開いたときに、言葉を探す順の一例です。交付目論見書から始めて、JPXの銘柄詳細資料、月次レポートの順に並べました。

  • 交付目論見書の最初のページで、委託会社と受託会社を見る
  • 交付目論見書の費用の表で、運用管理費用(信託報酬)と信託財産留保額を見る
  • 交付目論見書で、信託期間と決算日を見る
  • JPXの銘柄詳細資料で、売買単位と分配金支払基準日を見る
  • 月次レポートで、基準価額が何口あたりの値かと、その日付を見る

参照:JPXの2017の銘柄詳細資料・インディカティブNAV・PCF情報・売買制度・投資のリスク・銘柄一覧・マーケットメイク制度のQ&A、資産運用業協会とJPXの用語集

基準価額の計算

1日1回

ETFが持つ資産を前日の終値

インディカティブNAVの計算

15秒毎

取引時間中

呼び名が違う同じものと、名前が似た別のもの

ここからは、確かめた資料の記載を並べて言える範囲を整理したもので、どの資料やETFを選ぶかを示すものではありません。

  • 2017の運用会社は、交付目論見書では委託会社、JPXの銘柄詳細資料では管理会社と書かれています。
  • 資産運用業協会の用語集は、運用会社を、運用の指図をする委託会社と説明しています。
  • JPXは、ETFには基準価額・インディカティブNAV・市場価格の3つの価格があるとしています。
  • 基準価額は1日1回、インディカティブNAVは取引時間中15秒毎に計算され、市場価格は取引時間中リアルタイムで動きます。

資料の言葉には、呼び名が違っても同じものを指す組と、名前が似ていても別の種類の価格を指す組があります。2017の委託会社と管理会社は前の組で、基準価額とインディカティブNAVと市場価格は後の組です。下の図7は、3つの価格の計算のしかたと頻度を並べたものです。

基準価額・インディカティブNAV・市場価格 基準価額は1日1回、ETFが持つ資産を前日の終値で計算。インディカティブNAVは取引時間中15秒毎、ETFが持つ資産を現在値で計算した推定の価値。市場価格は取引時間中リアルタイムで、取引所で取引するときの値段。JPXは、ETFにはこの3つの価格があるとしている。 基準価額 1日1回 ETFが持つ資産を、前日の終値で計算 インディカティブNAV 取引時間中15秒毎 ETFが持つ資産を、現在値で計算した推定の価値 市場価格 取引時間中リアルタイム 取引所で取引するときの値段 JPXは、ETFにはこの3つの価格があるとしています
図7 ETFの3つの価格(JPX)。名前は似ていますが、計算のしかたと頻度が違う、別の種類の価格です。

2017では委託会社と管理会社が同じ会社を指し、基準価額・インディカティブNAV・市場価格は別の種類の価格です。

同じ会社が、資料によって委託会社とも管理会社とも書かれていることは、並べて読むまで気づきませんでした。

参照:2017の交付目論見書、JPXの2017の銘柄詳細資料・インディカティブNAV・PCF情報、資産運用業協会の用語集

この記事で言えないこと

  • ほかのETFの資料で、同じ欄に同じ言葉が使われているかは書いていません。例として確かめたのが、2017と159Aの資料だけのためです。
  • 用語集の説明は、短く言い換えています。細かい条件まで書くと表が読みにくくなるため、元の用語集を出典に並べています。
  • 費用の金額や基準価額の値は載せていません。この記事は言葉の意味と出てくる場所を並べるもので、値を比べるものではないためです。

数値の基準日

例の交付目論見書(2017の使用開始日)
2026年9月17日
例の交付目論見書(159Aの使用開始日)
2026年6月25日
例の月次レポート(2017・159A)
2026年9月30日
JPXの2017の銘柄詳細資料
2026年2月27日
JPXのインディカティブNAV・PCF情報のページ(更新日)
2026年10月16日
JPXの売買制度のページ(更新日)
2026年10月22日
JPXの基準価額等に関する情報・ETFの銘柄一覧(更新日)
2026年10月23日
資産運用業協会とJPXの用語集(取得日)
2026年10月24日

次に読む

交付目論見書を読むときの考え方は、ETFの目論見書は、仕様書に近いのコラムに書いています。

出典

Sho
Sho

業務系SEとして長年

計画・リスク管理・数値設計を軸に、
ETFの情報整理から投資判断までをテンプレ化・自動化してきた。

新NISAの時代だからこそ、
感情よりも「仕組み」で迷わない投資を。

—— 焦らず、ブレず、仕組みで勝つ。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としています。投資判断はご自身の責任で行ってください。
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