1329の分配金を見るときに大事なのは、「年に何回もらえるか」だけではない。いつ権利が付き、いくら出て、税引後にいくら残るのかまでつながって初めて意味がある。この記事では、1329の分配スケジュール、実績、手取り、利回りの読み方を、計算できる形で整理する。
1329は年2回分配で、決算日は2月9日と8月9日だ。分配金を受け取るには権利付き最終日までに買う必要があり、見かけの利回りではなく、TTM合計と税引後手取りで見るのが基本になる。
分配スケジュール|いつ・何回もらえるか
1329の分配頻度は年2回で、決算日は毎年2月9日と8月9日である。ブラックロックの2026年分配スケジュールでは、2月分は権利付き最終日が2026年2月5日、権利落ち日が2月6日、権利確定日が2月9日、支払い予定日が3月19日となっている。8月分は権利付き最終日が2026年8月5日、権利落ち日が8月6日、権利確定日が8月9日、支払い予定日が9月17日である。商品ページでも、年2回分配・決算日2月9日と8月9日が示されている。
| 回 | 決算日 | 権利付き最終日 | 権利落ち日 | 権利確定日 | 支払い予定日 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2月分 | 2026/2/9 | 2026/2/5 | 2026/2/6 | 2026/2/9 | 2026/3/19 |
| 8月分 | 2026/8/9 | 2026/8/5 | 2026/8/6 | 2026/8/9 | 2026/9/17 |
ここでつまずく人が多いのが、「2月9日に持っていればいいのか」という点だ。実際はそうではない。1329で2026年2月の分配金を受け取りたいなら、2026年2月5日の権利付き最終日までに買って保有している必要がある。逆に、2026年2月6日の権利落ち日に買っても、その回の分配金はもらえない。仕組みとしては、権利確定日より前に受渡しが間に合う最終売買日が権利付き最終日だからだ。だから「決算日に近いから買う」では遅いことがある。判断は必ず権利付き最終日で行うべきだ。
1329は売買単位が1口で、NISA成長投資枠の対象でもある。1口から買えるので、分配金の確認や受取体験を少額で試しやすい。だが、少額で買いやすいことと、分配金効率が高いことは別だ。分配金を狙うなら、次の見出しで触れる実績とTTMを見ないと判断を誤る。
参照:iシェアーズ・コア 日経225 ETF(商品ページ) / 2026年 分配スケジュール ETF 東証上場シリーズ / JPXの1329銘柄概要
分配金の実績と計算の仕方
1329の直近実績は、ブラックロックのファクトシートで確認できる。2025年8月9日が42.0円、2025年2月9日が35.5円、2024年8月9日が36.5円、2024年2月9日が29.7円である。なお、2025年4月7日に受益権の1対10分割が行われており、運用会社は分配金履歴も分割調整済みとして表示している。古い数字を別資料から拾うときは、この点を無視すると比較を間違える。
| 権利確定日 | 1口当たり分配金(税引前) |
|---|---|
| 2025/08/09 | 42.0円 |
| 2025/02/09 | 35.5円 |
| 2024/08/09 | 36.5円 |
| 2024/02/09 | 29.7円 |
TTMは「Trailing Twelve Months」の略で、過去12か月の分配金合計を見る考え方だ。1329の場合、直近の年2回分配で計算するなら、TTM=直近2回の分配金合計と考えればよい。たとえば2025年8月時点ベースなら、35.5円+42.0円=77.5円がTTMになる。計算式で書けば、TTM分配金=過去12か月に支払われた税引前分配金の合計である。
では利回りはどう計算するのか。基本式は、分配利回り=過去12か月分配金合計 ÷ 現在の価格である。ブラックロックの商品ページには、過去12か月分配金利回りが1.5777%と表示されている。これは「その時点の過去12か月分配金」と「その時点の価格」から機械的に計算した数字であり、あなたが買った価格に対する利回りではない。つまり、今のページに出ている利回りを見て「自分は年1.5777%で回る」と思うのは雑すぎる。あなたが4,200円で買った人と5,000円で買った人では、同じ77.5円を受け取っても購入価格ベースの利回りは変わるからだ。
1329の場合、分配金は日経225採用企業から入る配当等収益の影響を受ける。だから、同じ日経225連動でも毎回きれいに同額になるわけではない。前年より増えることも減ることもある。ここを見ずに「前回42円だったから次も42円」と決め打ちするのは危ない。判断するときは、単発の1回分ではなく、TTMの合計と分配の安定性で見るべきだ。
参照:1329 ファクトシート / iシェアーズ・コア 日経225 ETF(商品ページ)
税引後の手取りはいくらか
国内ETFである1329を特定口座で持つ場合、分配金には原則として20.315%の税金がかかる。計算式は単純で、税引後手取り=税引前分配金 × 0.79685である。たとえば2025年8月の42.0円なら、42.0 × 0.79685 = 約33.47円。2025年2月の35.5円なら、35.5 × 0.79685 = 約28.29円となる。TTM77.5円を全部特定口座で受け取るなら、77.5 × 0.79685 = 約61.76円がざっくりした手取りの目安になる。
NISA口座で1329を持っている場合、国内上場株式等の分配金は非課税で受け取れるので、同じ42.0円でもそのまま42.0円が受取額になる。ここで差が出る。1口だけなら差は小さいが、100口なら2025年8月分は、NISAで4,200円、特定口座で約3,347円となり、差は約853円である。2025年2月分35.5円でも、100口ならNISAで3,550円、特定口座で約2,829円と、差は約721円になる。分配金を受け取る設計なら、この差は無視しにくい。
ただし、NISAだから絶対得とも言い切れない。1329を「受け取る前提」で持つのか、「値上がりも含めて長期で積む前提」で持つのかで見方が変わるからだ。分配金を受け取ると、その分だけ自動で再投資されるわけではない。再投資したいなら、自分で買い直す必要がある。だから判断はこうなる。現金収入を重視するならNISAで受け取るメリットが大きい。再投資を機械的に続けたいなら、分配後に自分で再投資する手間まで含めて考える。
参照:1329 ファクトシート / JPXの1329銘柄概要
利回りの数字に惑わされないための読み方
分配利回りには、少なくとも2つの見方がある。1つは運用会社サイトなどに出る現在価格ベースの利回り、もう1つは自分が実際に買った値段で見る購入価格ベースの利回りだ。たとえば1329のTTMが77.5円でも、4,500円で買った人の購入価格ベース利回りは約1.72%、5,000円で買った人なら約1.55%になる。同じETFでも、自分の取得単価で体感は変わる。だから、サイト表示の利回りを見て満足するのは甘い。自分の平均取得単価で引き直すべきだ。
次に重要なのは、「利回りが高い=良い銘柄」ではないことだ。一般論として、分配金は見た目が多くても、元本の取り崩しに近い形なら中身は強くない。投資信託では特別分配や、いわゆるタコ足分配が話題になるが、見るべきはその分配が何から出ているかである。1329はETFで、原則として信託財産から生ずる配当等収益から経費を引いた額を分配する方針だが、それでも「今回多かったから優秀」と単純には言えない。分配金が多くても、価格変動や将来の分配安定性まで含めて見ないと片手落ちになる。
分配金目的で1329を見るなら、確認すべき数字は3つに絞ってよい。
いま受取額を知りたい人は、①直近分配金、②税引後手取り、③次回権利付き最終日。
年間の受取力を見たい人は、①TTM合計、②現在価格ベース利回り、③自分の購入価格ベース利回り。
持ち続けてよいか見たい人は、①TTMの増減、②分配方針、③信託報酬と指数の中身。
この3パターンを分けずに全部ごちゃ混ぜで見るから、利回り判断はズレる。まず自分が知りたいのが「次回いくらか」「年でいくらか」「このまま持つ価値があるか」のどれなのかを固定することだ。
参照:iシェアーズ・コア 日経225 ETF(商品ページ) / 1329 ファクトシート
NISAでの受け取りと再投資の考え方
1329をNISAで持つなら、分配金が非課税で受け取れる点は明確な強みだ。ただし、分配金を受け取るたびに現金化されるので、そのままでは複利が自動で回らない。たとえば100口保有で、TTM77.5円なら税引前で年7,750円の分配金になる。NISAならそのまま7,750円受け取れるが、特定口座だと約6,176円まで目減りする。受取効率だけ見ればNISAが有利だが、再投資を放置すると現金が寝る。だから、1329をNISAで使うなら、分配金を生活費に回すのか、一定額たまったら再投資するのかを先に決めておく必要がある。非課税という言葉だけで飛びついて、受取後の扱いを決めていないのは雑な運用である。
参照:1329 ファクトシート / JPXの1329銘柄概要
よくある誤解
「分配利回りが高いETFほど得だ」という見方は危ない。理由は簡単で、利回りは“今の価格に対して過去の分配金がどれだけあったか”を示すだけで、将来も同じ水準で出る保証はないからだ。1329でも、分配金は毎回固定ではなく、実績は29.7円、36.5円、35.5円、42.0円と動いている。実際には、利回りだけではなく、TTM合計、税引後手取り、分配の安定性まで見ないと判断にならない。もう1つ多い誤解が、「権利落ち日に買えば次の分配金がもらえる」というものだが、これは逆で、その回を取るには権利付き最終日までの保有が必要だ。では何をするか。まず次回権利付き最終日を確認し、そのうえでTTMと税引後手取りを自分の保有口数で計算する。ここまでやって初めて、1329の分配金は使える数字になる。
まとめ
1329は年2回分配で、決算日は2月9日と8月9日。見るべきなのは、直近1回の金額だけではなく、TTM合計、権利付き最終日、そして税引後にいくら残るかである。NISAと特定口座では手取りも変わる。分配金の見方が整理できたら、次は「1329を他の日経225 ETFと比べると何が違うか」を比較(VS)記事で確認したい。



