536Aは先進国株ETFだが、2026年3月13日時点では設定前で、NZAMのETF一覧でも価格や純資産は空欄である。したがって今の段階で中身を読むには、運用会社の公式商品ページと、連動対象であるMSCIコクサイ指数の一次情報を組み合わせるのが正攻法である。
536Aの中身は、「先進国へ広く分散」ではあるが、実態は米国大型株がかなり厚い。設定前の現時点では、指数構成を読めるかどうかが、そのまま536Aを読めるかどうかになる。
データの取得日と一次情報の確認場所
本記事のデータは2026年3月時点。まず押さえるべきなのは、536Aは東証への上場予定日が2026年3月19日で、NZAMのETF一覧でも2026年3月12日時点では「NEW」表示かつ数値欄が空欄、つまり設定前だという点である。運用会社の資料でも、有価証券届出書提出日現在は「ファンドは運用を開始していない」と明記されている。だから、今読むべき一次情報は、536AのNZAM公式商品ページ、NZAM ETF一覧、東証の新規上場銘柄概要PDF、そして指数提供元MSCIのMSCI Kokusai Index factsheetとIndex methodologyである。最新の基準価額や純資産はNZAM側、上位銘柄・業種・国別の骨格はMSCI側で確認する、という役割分担で見るのがよい。
参照:NZAM公式商品ページ/NZAM ETF一覧/MSCI Kokusai Index factsheet。
上位10銘柄と集中度
設定前の現時点では、536Aそのものの組入明細ではなく、連動対象であるMSCI Kokusai Indexの2026年2月27日時点の構成を見るのが実務的である。MSCI Kokusaiは日本を除く先進国22か国の大型株・中型株で構成され、各国の浮動株調整後時価総額の約85%をカバーする指数である。つまり、536Aの中身は「先進国全体をまんべんなく買う」というより、「日本を除く先進国の時価総額上位をそのまま厚く持つ」に近い。
| 順位 | 銘柄 | セクター | 比率 |
|---|---|---|---|
| 1 | NVIDIA | 情報技術 | 5.38% |
| 2 | APPLE | 情報技術 | 4.90% |
| 3 | MICROSOFT CORP | 情報技術 | 3.46% |
| 4 | AMAZON.COM | 一般消費財・サービス | 2.52% |
| 5 | ALPHABET A | コミュニケーション・サービス | 2.27% |
| 6 | ALPHABET C | コミュニケーション・サービス | 1.90% |
| 7 | BROADCOM | 情報技術 | 1.79% |
| 8 | META PLATFORMS A | コミュニケーション・サービス | 1.76% |
| 9 | TESLA | 一般消費財・サービス | 1.42% |
| 10 | LILLY (ELI) & COMPANY | ヘルスケア | 1.06% |
| 合計 | 26.46% |
上位10社で26.46%である。これは「極端に1社へ集中」ではないが、「上位だけで4分の1超」という意味では、かなり時価総額加重らしい顔ぶれである。NVIDIA・Apple・Microsoftの3社だけで13.74%あり、米国メガテックの影響がかなり大きい。したがって、すでにS&P500やNASDAQ100系を持っている人にとっては、536Aを買っても“別物を足した感覚”は出にくい。逆に、日本株中心の人が日本を外した先進国株をまとめて追加したいなら、536Aはかなり分かりやすい入口になる。こういう顔ぶれになる理由は単純で、MSCI Kokusaiが大型・中型株を時価総額ベースで組み入れる指数だからである。
参照:MSCI Kokusai Index factsheet/JPX新規上場銘柄概要PDF。
セクター(業種・分野)比率と偏りの読み方
2026年2月27日時点のMSCI Kokusaiのセクター比率は、情報技術25.8%、金融16.32%、資本財・サービス11.39%、ヘルスケア10.09%、一般消費財・サービス9.0%、コミュニケーション・サービス8.7%が上位である。不動産は1.9%にとどまる。数字だけ見ると「先進国分散」だが、実態はテクノロジーと米国大型成長株の影響が強い。
景気との関係で見ると、情報技術と一般消費財・サービスは金利や成長期待の影響を受けやすく、金融は金利水準と景気の底堅さ、資本財・サービスは設備投資や企業活動の強さが効く。つまり536Aは、守り一辺倒の先進国株ではない。むしろ「先進国の大きい会社を時価総額順に持つ結果、景気敏感と成長株をそれなりに抱える商品」である。自分のPFが日本高配当・J-REIT・債券に寄っているなら、536Aは成長エンジンを足す役になりやすい。反対に、S&P500やオルカンがすでに大きいなら、セクター分散の改善効果は思うほど大きくない。見るべきは「先進国株かどうか」ではなく、「米国大型成長株の比率をさらに積み増すかどうか」である。
参照:MSCI Kokusai Index factsheet/NZAM公式商品ページ。
入替ルールと構成が変わるタイミング
536Aは、目論見書上、先進国株式インデックス・マザーファンドを通じて日本を除く先進国株へ投資し、必要に応じて先物も使いながら、MSCIコクサイ・インデックス(配当込み、当社円換算ベース)への連動を目指す。重要なのは、構成が変わる主因は運用者の主観ではなく、指数ルールと市場時価総額の変化だという点である。
MSCIの方法論では、指数見直しは2月・5月・8月・11月のIndex Reviewで実施され、過去の表現では5月・11月の半期見直しと2月・8月の四半期見直しとして整理されてきた。見直しでは、時価総額、流動性、浮動株比率、外国人投資可能比率、業種分類の変更などが反映される。だから構成が大きく変わったときは、「運用会社が何か余計なことをした」のではなく、①巨大企業の値動きで比率が動いた、②指数レビューで採用・除外が起きた、③企業行動や分類変更が入った、のどれかである。判断の仕方は単純で、上位10銘柄と米国比率が急に跳ねたなら“先進国全体”ではなく“米国大型株寄り”が強まっていないかを見る。逆に、米国比率や情報技術比率が少し下がった程度なら、指数連動ETFとしてはむしろ自然な変化である。
国別・地域別比率
536Aは「先進国株式」と聞くと欧州やカナダにも広く散っている印象を持ちやすいが、指数ベースの実態はかなり米国寄りである。2026年2月27日時点の国別比率は、米国74.69%、英国4.19%、カナダ3.79%、フランス2.90%、スイス2.67%、その他11.76%である。日本は指数定義上、最初から入らない。
この数字の意味は明快である。536Aは「日本を除いた先進国の市場平均」を買う商品であって、「各国を均等に分ける商品」ではない。だから日本株をすでに持っていて、その外側として先進国を足したい人には相性がよい。一方で、米国株を十分に持っている人が“地域分散の追加”として買うと、思ったほど地域リスクは薄まらない。確認すべきは、英国やフランスが何%あるかより、米国が7割超であることを自分の資産配分で許容できるかどうかである。
参照:MSCI Kokusai Index factsheet/JPX外国株ETF一覧。
よくある誤解
「最新の組入明細が記事に載っていないから古い記事だ」と思う人は多い。だが、536Aのような指数連動ETFでは、それは半分しか合っていない。今回はそもそも設定前なので、ファンド固有の実績表を無理に作るほうが不正確である。この記事の価値は、断面の数字そのものよりも、どこで何を見れば536Aの中身が読めるかを先に整理している点にある。具体的には、設定状況と商品要綱はNZAM ETF一覧と商品ページ、上場情報はJPX新規上場銘柄概要PDF、上位銘柄・業種・国別はMSCI factsheetを見る。この順番で見れば、「古いかどうか」ではなく「今どこまで確認できるか」が分かる。
まとめ
536Aの中身は、先進国へ広く散っているようで、実態は米国大型株の影響がかなり強い。設定前の現時点では、NZAM側で設定状況を、MSCI側で上位銘柄・業種・国別を確認するのが正しい読み方である。次は同銘柄の概要記事で、指数・コスト・NISA可否まで全体像をつかむと判断がぶれにくい。


