ETF学習講座

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相場レジームで資金フローは別物になる:同じ流入でも「強気」と「逃避」を見分ける技術

抱きがちな誤解はシンプル。 お金の流れ(資金フロー)がプラスなら買われている。 マイナスなら売られている。 それ以上でも以下でもない。そんな理解。数値は一つだし、上げ下げの方向もはっきり見える。 だから相場の体温計として使いたくなるのもわかる。 けれど、この理解は局面が変わった瞬間に通用しなくなる。同じ「+300」という数字でも、それが攻めの買いなのか、逃げの買いなのかが逆転するからだ。 数字だけ...
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セクター資金フローを横断で読む技術:相対強弱としてのフローが示す配分移動

フローがプラスのセクターは強い。マイナスのセクターは弱い。 だからそのセクター単体の資金の出入りだけ見れば十分。 こういった理解。 解釈を単純にできるから、自然に見えるかもしれない。でも、この理解は通用しなくなる。 相場の本質が全体の上げ下げではなく、配分の移動で回っているときは破綻する。 市場に資金が入ったか出たかという総量の話と、資金がどこからどこへ移ったかという配分の話は別物なのだ。 セクタ...
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フローは先行するのか――ETF資金フローのリード/ラグを「因果」と「相関」で切り分ける

資金フローが増えたから価格が上がった、という発想。 フローを相場の先行指標、つまり「先に動くサイン」だと思い込む。フローは買いや売りの意思が数字になったもの。 価格よりも投資家の本音が出ている気がする。でも、この理解は大事なところで裏切られる。 上がった後に流入が増えたり、下がった後に流出が出たりする。 先行指標だと思っていたのに、実際は後追い。 そこで混乱が生まれる。混乱の原因はデータが悪いわけ...
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資金滞留とは何か。ETF資金フローで「流入が残る条件」を3日・10日・20日で見抜く

フローという数字は、お金の出入りを一つに圧縮して見せてくれる。 価格が上がった理由も下がった理由も、お金が入ったか抜けたかで説明できてしまう。 でも、この理解だけだと相場の転換点で判断を間違える。 短期的に入ったお金が、残らずにすぐ消えてしまう場面が必ずあるからだ。この記事の目的は、資金滞留という概念を知ってもらうことにある。 短期の売買と、中長期の保有を区別できるようになってもらう。 読み終わる...
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FOMCをセクターの材料に翻訳する技術|金利・ドル・信用で値動きを因果分解する

FOMCは利上げか利下げかだけを見ればいいという思い込みじゃないかな。発表後に株が上がるか下がるかを当てるイベントだと思っているなら、それは少し危うい。ニュースやSNSが、据え置きやハト派といった言葉で騒ぐから無理もないけれど。この見方は、肝心な場面で役に立たなくなる。金利が動かなくても業種ごとに値動きが分かれるし、利下げが決まっても景気が不安なら株は崩れる。決定の内容だけを見ても、値動きの本当の...
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原油・銅・金でマクロを読む:商品価格を「景気・インフレ・実質金利」の言語に翻訳する

「商品価格はインフレの温度計。上がればインフレ、下がればデフレ。だから株も債券も同じ方向に考えればいい」。 ニュースも解説も、原油や金が上がったという数字だけで語るから無理もない。 価格という一つの数字に情報が凝縮されているせいで、中身まで同じに見えてしまう。でも、この理解は相場が荒れた瞬間に通用しなくなる。 原油が跳ねても銅が沈み、金が動かない日がある。 逆に金が上がるのに原油が弱い日もある。 ...
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ドル高・ドル安がセクターを分ける理由:輸出・資源・多国籍の「利益回路」を解剖する

為替の動きは、相場全体に一律に効くスイッチではない。ドル高なら株にマイナス、ドル安なら株にプラスといった単純な話ではない。ニュースでは分かりやすく言い切られることが多いけれど、それだけを信じると判断を見誤る。現実には、同じ日にエネルギー株が上がって情報技術株が下がることがある。輸出企業は強いのに、多国籍企業は弱いという現象も起きる。これは、企業の利益がどの通貨で生まれ、どの通貨でコストを払うかとい...
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クレジットスプレッドとは何か:リスクオン/オフの本体を読み、セクター配分に落とす手順

株が下がるときはリスクオフで、株価だけ見れば十分という考え。 クレジットスプレッドは債券の話だから、自分のセクター配分には関係ないと思い込む。 自然な反応だ。ニュースもチャートも株中心に動いているから。だがこの理解は、相場が株より先に壊れる場所を見落としている。 リスクオフ、つまり想定よりブレる可能性が高まった時の本体は、気分ではない。 正体は、資金の値段だ。 株は最後に殴られる存在に過ぎない。先...
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PMI・雇用・小売を“セクターの売買理由”に翻訳する:景気指標→金利→11セクターの因果鎖

「景気指標が良いなら、株は上がるはずだ」 景気が良ければ企業の売上が伸びて、株価も上がるという理屈は自然に聞こえる。 だからPMI(企業の仕入れ担当者の体感を表す数字)が上がったら、景気が良いときに買われやすい業種(景気敏感セクター)を買えばいい。 そう見えるかもしれない。でも、この理解は相場の肝心なところで通用しなくなる。 数字が良いのに株が下がる日は必ず来る。 これは投資家の気まぐれではない。...
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インフレで強いセクターはどれか。値上げできるだけでは外す、利益構造と実質金利で読む方法

はまりやすい誤解がある。 インフレ局面、つまりモノやサービスの値段が上がり続ける状態では、エネルギーや素材のように原材料に近いセクター(業種)がいつも強いという思い込みだ。 物価が上がるなら、原油や銅を扱う会社が儲かりそうに見える。 直感としては自然だけど、この理解は相場の肝心なところで通用しなくなる。物価が上がっているのにエネルギー株が伸びず、逆に生活必需品の株が粘る日もある。 さらに同じインフ...
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イールドカーブ(長短金利差)で景気の温度を読む――「逆イールド=不況確定」を分解して判断する

逆イールド、つまり短期の方がお金を借りるコスト(金利)が高くなる状態になれば、景気後退が確実に来るという思い込み。 チャートと一緒に覚えると、これが絶対の法則に見えてしまう。この理解が自然に見える理由も分かる。 お金を借りるコストは経済の体温のようなものだ。 長い期間のほうがリスク、つまり想定よりブレる可能性が高いのだから、普通は長期のほうが金利は高い。 それが逆転するのは、未来の景気が冷え込むサ...
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セクター相関はなぜ変わるのか:相関崩れを「相場転換のサイン」として読む構造

業種ごとの似た動き、つまり相関は、その業種の性格だからずっと固定されているという思い込み。 過去のチャートを見て、この2つはいつも一緒に動く、あるいは逆に動くと信じたくなる気持ちは分かる。 ある期間だけを切り取れば、その見方は正解に見えるから。しかし、この理解は相場が荒れた瞬間に壊れる。 普段は別々に行動する業種が同時に暴落して、投資先を分けてブレを抑える分散の効果が消えてしまう。 逆にずっと同じ...
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米国11セクター「コミュニケーション」の癖を解体する:広告・メディア・プラットフォームはITと何が違うのか

コミュニケーション・サービス・セクター(XLC)をデジタル企業の集まりだと考えて、ITの仲間だと捉える。 この誤解が一番危ない。 GoogleやMeta、SNSの会社は、どれもネットの会社に見える。 お金を借りるコスト(金利)が上がればITと同じように下がる。 社会全体のお金の回り方(景気)が良ければITと同じように上がる。 この直感は自然に見えるけれど、相場が荒れた瞬間に通用しなくなる。このセク...
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公益・不動産はなぜ金利で崩れるのか:ディフェンシブと金利敏感を切り分ける

いちばん自然で、いちばん危ない誤解公益や不動産は、不況に強いと言われている。 電気やガスは生活に欠かせないし、家賃も急にはゼロにならない。 ディフェンシブと呼ばれる理由だ。 直感としては筋が通っている。でも、この理解だけだと大事なところで足をすくわれる。 景気が悪くないのに、このセクターだけ先に大きく下げることがある。 理由はシンプルだ。 ここで起きているのは景気の悪化じゃなくて、金利による値札の...
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ヘルスケアは景気と無関係ではない:薬価・規制が「ディフェンシブ神話」を壊す仕組み

病気は不況でも起きる。だからヘルスケアは景気と無関係に強い。 初心者が最初に持ちやすい誤解はこれだ。食料や日用品と同じく、需要が消えない領域に見える。 だが、この理解は相場(株の売買が行われる場所)の肝心な部分で破綻する。 株価は需要の有無だけで決まらない。ヘルスケアの損益は、需要より先に値札の付け方と売ってよい条件に支配される。 景気が崩れていないのに下がるし、景気が悪いのに一部だけ上がる。 そ...