ETF学習講座

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素材セクターはなぜ「景気の体温計」になりやすいのか:コモディティ・中国需要・在庫循環で読む構造

素材セクターは、素材の原材料(コモディティ)価格が上がれば株価も上がる。そう思われがちだ。ニュースで原油や鉄の値段が動けば、それを作る企業の株も動く。一番自然な考え方だと思う。でも、この見方だけではいつか必ず失敗する。原材料が上がっているのに、素材株が伸びない日がある。逆に原材料が崩れる前に、株価が先に下がる日もある。これを例外として片付けてはいけない。なぜ素材が景気の体温計になりやすいのか。その...
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米国資本財(Industrials)を読む:設備投資サイクルと受注で景気の先を掴む

資本財、つまり設備を作る企業は景気が良くなってから強くなる。 GDPや雇用といった経済の成績表が改善し、決算が良くなったのを見てから買えばいい。 初心者がこう考えるのは自然なことだと思う。 設備投資は企業の財布が潤ってから増えるという因果は、直感に合うから。だが、この理解は肝心なところで破綻する。 株価は今の景気ではなく、これからの受注という未来の売上の予約を先に織り込む。 景気が見えてから動くの...
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エネルギー株は原油だけで読めない:在庫・政策を「価格×数量×マージン」で分解して判断する

エネルギー株の分析について、自分なりの視点を整理した。 エネルギー株を、原油価格だけ見ればいいと考えている人が多すぎる。原油が上がれば株も上がり、下がれば下がる。 ニュースもチャートもそう語るので、因果が一直線に見えるのだろう。 だが、その理解は肝心な局面で役に立たなくなる。原油が上がっているのに、株が動かない日がある。 逆に原油が横ばいでも、一部の銘柄だけ強いこともある。 ここで、相場は気まぐれ...
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一般消費財と生活必需品はなぜ別物か|景気感応度を「所得×信用×値上げ」で分解する

消費は消費なのだから、景気が良ければ一般消費財も必需品も上がり、悪ければどちらも下がるという思い込み。 だから消費指標だけ見ておけば十分だと考えてしまう。この見方が自然に思える理由も分かる。 家計の支出は一つの財布から出ていくし、ニュースも個人消費が強いか弱いかでまとめて語るからだ。 結果として、消費関連の銘柄はすべて同じ理由で動くように見えてしまう。だが相場では、この理解は肝心な場面で通用しなく...
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情報技術(IT)セクターは金利だけで決まらない:割引率と利益率で“強弱の理由”を分解する

最初にはまりやすい誤解は一つ。 テック(情報技術)は金利でほぼ決まる、という思い込み。 お金を借りるコスト(金利)が上がれば必ず弱くなり、下がれば必ず強くなる。 ニュースもチャート解説も、金利上昇=グロース売り、で片付ける。 確かにその方が説明は簡単だし、実際それっぽい局面もあるから、信じたくなる気持ちはわかる。ただし、この理解は肝心な場面で通用しなくなる。 お金を借りるコストが上がっているのに、...
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米国金融セクターは「金利が上がれば強い」で読めない:利ざやと信用環境で値動きを分解する

最初に抱きやすい誤解は一つ。 「金融は金利が上がれば儲かる。だから金融株は金利に連動する」という発想。 銀行はお金を借りるコストの差で稼ぐという説明は、ニュースでもよく見かける。短期の金利が上がれば貸し出す時の金利も上がる。 だから利益が増えるように見える。 直感としては自然な考え。ただ、この理解は相場の肝心な局面で通用しなくなる。 金利が上がっているのに、金融セクターが弱い日は珍しくない。 逆に...
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景気敏感・ディフェンシブの二分法で11セクターを読む:当たる局面と外れる局面の見分け方

初心者はまず、米国株の11セクター(11の業種グループ)を2つに分けたがる。 景気が良ければ景気敏感、悪ければディフェンシブを買えばいい。 ニュースもそう解説するし、そのほうが相場がシンプルに見えるから。 でも、その理解は大事な局面で役に立たない。景気が悪いのに守りの株が普通に売られたり、景気がいいのに攻めの株が伸びなかったりする。 これを例外として無視すると、投資の判断はただの運になる。 今回の...
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米国11セクター(GICS)の全体像|「業種分類」ではなく利益ドライバーで値動きを読む

米国株の11セクターは、単なる業種ラベルではない。名前だけ見て「金融は金利」「エネルギーは原油」「ITは成長」と短く理解したくなるが、その見方だけでは肝心な局面で外しやすい。実際の値動きを分けるのは、セクター名そのものではなく、そのセクターの利益を動かす要因である。売上が増えるのか、利益率が改善するのか、規制が追い風になるのか、逆に金利上昇で評価が切り下がるのか。そこまで分けて見ないと、同じ「セク...
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GICSなどのセクター分類は「指数の前提」だ──分類ルールがセクター分析を壊す瞬間と直し方

最初にハマる誤解がある。 セクターは企業の性格で自然に決まるという思い込み。 ITや金融というラベルは、分析の土台としてずっと変わらないと考えてしまう。 ニュースも相場解説も、セクター名を前提に語られる。 チャートを見て、このセクター、つまり分析のためのグループ分けが強いと言えば済む。 自然に見えるのは仕方ない。でも、この理解は肝心な場面で壊れる。 セクターは自然物じゃない。 どの会社をどこに入れ...
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指数の「分散」は幻想になりうる:上位比率(集中度)で偏りリスクを数値化する方法

銘柄数が多いから安全、という誤解まずこう考える。 指数は市場全体をカバーしているから、投資先をバラバラにする分散が効いていて安全だ、と。 銘柄数が多いほど、勝手に想定よりブレる可能性であるリスクが薄まるように見える。ニュースでも指数は平均と言われるし、チャートも一本の線で語れる。 だから自然に信じてしまうのも無理はない。 ただ、この理解は相場の肝心な場面で崩れる。指数が下げた日に、実は市場全体が悪...
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指数リバランスで「先回り」が起きる理由――フロントランが生む価格の歪みと隠れコスト

抱きやすい誤解は一つ。 指数はルール通りに動くから、売買も公平で余計な歪みは起きない。 そう考えてしまう。指数は中立な物差しに見える。 ルールの更新(リバランス)も予定表に従うだけに見える。 自分も最初はそう思っていた。だが、この理解は肝心な場面で通用しない。 入れ替えの前後で、新しく入る銘柄は上がり、外される銘柄は下がる。 当日に取引された量(出来高)が爆発し、取引が終わる瞬間(引け)に向けて値...
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指数リバランス頻度(四半期/年次)は何を犠牲にするか:回転率がコストを増やす仕組み

こんなふうに思いがちだ構成の調整(リバランス)は頻繁なほうが、成績表(指数)が正確になる。 コストも大して変わらないはずだ。そう見えるのも無理はない。成績表は市場を写す鏡のようなイメージだから。 鏡なら、更新頻度が高いほうがブレが減ってきれいに写りそうに見える。 でも、この理解のまま商品を選ぶと、どこかで痛い目を見る。成績表の更新は、情報のアップデートではない。 実際は、強制的な売買イベントだ。 ...
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指数入替(リコンスティテューション)で株価はなぜ動く?リバランス需給と価格インパクトの仕組み

一度はハマる誤解がある。 指数に採用されるのは企業価値が上がった証拠だから、株価が上がるのは当然だ、という見方だ。 ニュースも新規採用と派手に書く。 チャートも発表直後に跳ねるから、そう信じたくなる気持ちは分かる。だが、この理解は肝心な局面で役に立たない。 採用で上がったのに、実施日を過ぎた途端に反落するケースが多いからだ。 企業の中身が数日で良くなったり悪くなったりするはずがない。 ここで起きて...
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フリーフロート調整とは何か:指数が「投資できる形」に補正される理由と落とし穴

抱きやすい誤解は一つ。指数、つまりルールで作った成績表は、市場の姿そのものだという発想。ニュースでは時価総額、つまり会社の価値の合計が大きいほど影響が強いと言われる。チャートも市場平均として扱われる。一見すると自然だ。だが、この理解は運用の現場では通用しない。指数は市場を写す鏡ではない。誰かが実際に買って再現できるように設計された、投資のルールだ。再現できないルールは、インデックスファンドのような...
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ボラティリティ加重・リスクパリティとは何か:リターンではなく「リスク」で配分が変わる指数ルールの正体

投資を始めたばかりの人が、最初に抱きがちな誤解がある。 配分、つまり投資枠をどう分けるかは、将来の儲けの期待で決まるという思い込み。 賢い投資とは、これから上がりそうなものを多めに持つことだと考えがち。気持ちは分かる。 投資は儲け話として語られやすく、世の中の予想も「上がるか下がるか」ばかり。 だから、配分もその予想で決めるものに見えてしまう。だが、この理解は市場が荒れた瞬間に通用しなくなる。 上...