足元の市場は、全面的な強気でも全面的な弱気でもなく、資金の向かう先と逃げる先がかなりはっきり分かれている。価格だけを見ていると見落としやすいが、どのセクターにお金が入り、どこから抜けているかを見ると、市場参加者の温度感はかなり違って見える。
▼短期(3日)① AUM比%ランキング(降順)
▼短期(3日)② フロー金額ランキング(降順)
短期ではXLFの流入が突出し、他セクターを大きく引き離した。
一方で、エネルギーと公益もプラス圏を維持しており、完全な一点集中ではない。
逆に資本財、通信、素材は弱く、短期の資金逃避先と残される側がかなり明確である。
▼中期(10日)① AUM比%ランキング(降順)
▼中期(10日)② フロー金額ランキング(降順)
10日で見ると、金額ベースではXLKが首位だが、AUM比ではXLUが上に来る。
つまり規模の大きいテックにお金は入っているが、資金の濃さでは公益の方が目立つ。
反対側ではXLCとXLBの弱さがかなり深く、資本財も含めて景気敏感側に逆風が出ている。
▼長期(20日)① AUM比%ランキング(降順)
▼長期(20日)② フロー金額ランキング(降順)
20日まで伸ばすと、主役はXLEとXLUにかなり絞られる。
テックは中期で流入上位でも、長期では突出感が薄く、継続性はまだ慎重に見たい。
逆にXLCとXLFは長期での流出が重く、短期の印象だけでは見誤りやすい状態である。
市場構図まとめ
今回の市場構図を一言でいえば、資金の滞留先は公益とエネルギー、流出継続先は通信・素材・資本財という形だ。とくにXLUとXLEは10日・20日の両方で上位に残っており、単発ではなく一定の定着感がある。一方でXLCは中期・長期ともに弱く、XLBもAUM比でかなり厳しい。短期だけ見るとXLFの流入が目立つが、20日では大きな流出側に回っており、ここは評価を急がない方がいい。背景材料としては、3月18日のFRB据え置き、中東情勢を受けた原油高、3月11日の通商調査が、ディフェンシブ・エネルギー優位と景気敏感セクターの弱さに関連している可能性がある。もっとも、これは因果の断定ではなく、あくまで並行して起きている材料整理として見ておきたい。