1479 vs 1483|「指数設計」と「NISA可否」が分岐点(2026)

1479と1483はテーマが似ていても、連動指数の選び方とNISA対応で実務の選択肢が割れる。1485も含め、優劣ではなく「どの条件ならどれが合うか」を軸に整理する。

選択は「指数の銘柄選定ルール」と「NISA成長投資枠を使うか」で決まる。信託報酬は重要だが、二次要素だ。

まず論点を整理する|何で比べるか

比較の前に、同じ土俵に載せる軸を固定する。1479・1483・1485はすべて国内株テーマETFだが、連動指数(銘柄の選び方)とNISA成長投資枠の可否で、実務の選択が分かれる。

論点147914831485
連動する指数MSCI日本株人材設備投資指数(配当込み)JPX/S&P 設備・人材投資指数(トータルリターン)iSTOXX MUTB Japan 積極投資企業200インデックス
信託報酬(年率・税込)0.165%0.209%0.242%
分配頻度・分配設計年2回(1/10・7/10)年2回(2/9・8/9)年2回(1/16・7/16)
NISA対応状況成長投資枠:対象外成長投資枠:対象外成長投資枠:対象
為替リスクの有無なし(円建て・国内株)なし(円建て・国内株)なし(円建て・国内株)
上場市場東証(円、日中)東証(円、日中)東証(円、日中)

押さえるポイントは2つ。同じ「設備・人材投資」でも、指数の銘柄選定ルールが違えば持つ中身が変わる。NISA成長投資枠で買う前提があるなら、対象銘柄に限定される。JPXの概要資料では1479・1483は対象外、1485は対象だ。

JPX ETF概要(1479)JPX ETF概要(1483)JPX ETF概要(1485)

指数設計の違いを読む|何を評価して200社(or 150社)に絞るか

最重要論点はここだ。3本とも「設備・人材投資に前向き」を掲げるが、採用の根拠、つまりスコアの作り方が違う。

1479の母集団はMSCIジャパンIMI(大型・中型・小型)。フィルターと設備投資額基準・人的資本投資基準などで絞り込み、人的資本スコア上位150銘柄で構成する。人的資本スコアは福利厚生・研修・インセンティブ等をMSCI ESGリサーチが公開情報からスコアリングしたもので、1銘柄の上限ウェイトは5%。人材の質を強めに取りにいきたい場合は候補に上がりやすい。ただし150銘柄・上限5%の設計上、局面によっては上位銘柄の影響が相対的に出やすい。

1483の母集団はTOPIX。流動性などのスクリーニング後、「設備投資の成長性」「設備投資の効率性」「人材投資の充実度」の3点でスコア化し、上位200銘柄を採用する。ウェイトはスコアと浮動株時価総額を掛け合わせた設計だ。TOPIX起点の200銘柄でテーマ寄りの国内株バスケットを作りたいなら筋が通る。設備投資を成長性と効率性の両面で見る点が、この指数の性格になる。

1485の母集団はSTOXX Japan 600(一定の流動性基準を満たす上位600銘柄)。収益性・設備投資・人材投資の3スコアを総合し、200銘柄を選ぶ。ウェイト上限は2%で、特定銘柄への集中を抑える設計だ。設備・人材投資だけでなく収益性も混ぜたい、上位への集中を抑えたい、という条件に方向性が合う。

整理すると、1479は「人的資本スコア(+設備要素)×150」、1483は「設備と人材の投資スコア×200(TOPIX起点)」、1485は「収益性も含む3因子×200(上限2%)」。ここが腹落ちしていないと、信託報酬や分配月の差を追っても結論は出ない。

JPX ETF概要(1479:指数の概要)S&P指数(JPX/S&P設備・人材投資指数)iSTOXXルールブック(積極投資企業200)

コストの実態|信託報酬だけで判断しない

表面の信託報酬は 1479(0.165%)< 1483(0.209%)< 1485(0.242%)の順だ。ただしコストは信託報酬だけでは閉じない。

スプレッド(買値と売値の差)は、信託報酬が低くても売買のたびに広ければ不利になる。小口で頻繁に出入りするなら、年率コストよりスプレッドの方が効く場面がある。乖離率(市場価格と基準価額のズレ)もそうで、買う瞬間の乖離が大きければ、それ自体が隠れコストになる。

為替コストについては、3本とも東証上場・円建て・国内株なので、外貨両替や為替ヘッジコストは基本的に論点になりにくい。差が出るのは指数設計と売買コスト側だ。

流動性の補助線として、3本ともJPX資料上ではマーケットメイク制度の対象として記載がある。気配提示で流動性を供給する枠組みで、スプレッドの安定に寄与しうる。

実務では、購入前に「直近のスプレッド」「iNAV」「基準価額」を同時に見て、乖離が小さいタイミングで淡々と買う。それだけで十分だ。

JPX iNAV・PCF(参照先)JPX ETF基準価額(一覧)

目的別の使い分け

コアとして長期保有するなら、まず指数設計を優先し、次に「信託報酬×売買頻度」で決める。売買回数が少ないなら、信託報酬差(年0.077%程度の最大差)を過大評価する必要はない。NISAの条件が入るなら、話が変わる。

分配金を受け取りたいなら、3本とも年2回だが権利確定月がズレる(1479=1月/7月、1483=2月/8月、1485=1月/7月)。生活キャッシュフローの都合があるなら、分配月で選ぶのは合理的だ。

NISA成長投資枠で使うなら、JPXのETF概要資料では1485のみ対象で1479・1483は対象外として記載されている。好みではなく制約なので、NISA前提なら候補が実質的に絞られる。

取り崩し期に入っているなら、分配を受け取るか定期売却(必要額だけ売る)に寄せるかで設計が変わる。分配は金額が読めず、課税口座では税引きで目減りしやすい。NISAで非課税の取り崩しを狙うなら1485が残りやすい一方、課税口座で売りやすさ(スプレッド・出来高)を重視するなら、その時点で売買が成立しやすい銘柄を優先するという割り切りも成立する。

JPX ETF概要(NISA可否・分配日)楽天証券「成長投資枠対象ETF・REIT一覧」(1485掲載例)金融庁(NISA対象商品案内・リンク集)

どちらを選ぶかの判断フロー

条件で分岐させればよい。

NISA成長投資枠で買う必要があるかどうかを先に確認する。ある場合は対象銘柄に限定される。少なくとも資料上は1485が残る。ない場合は1479・1483・1485の中身比較へ進む。

次に指数設計で何を重視するかを決める。人的資本スコア(MSCI ESGリサーチ)寄りで150銘柄が好みなら1479が候補。設備×人材の投資スコアでTOPIX起点の200銘柄が好みなら1483が候補。収益性も混ぜ、上位集中(2%上限)を抑えたいなら1485が候補になる。

売買コスト(スプレッド・乖離)の許容度も確認する。長期で買って放置するなら信託報酬差は効くが、決め手にはならない。小口で複数回に分けて買う、または将来売却回数が増えるなら、その日のスプレッドと乖離を信託報酬より先に見る。

NISAを使わず、テーマへのエクスポージャーを少額で持つだけで指数設計の好みが明確でない場合、決め手は弱い。その場合は「購入時点で乖離が小さく、スプレッドが安定している銘柄」を選ぶ方が合理的だ。

iFreeETF 1479 公式(基本情報・分配)iシェアーズ 1483 公式(ファンド詳細)JPX ETF基準価額(一覧)

1485はどこで使うか|NISA前提と「上位集中を避けたい」の受け皿

3本比較に1485を入れる理由は明確だ。公表資料上でNISA成長投資枠の対象であること、指数設計が「収益性×設備×人材」に寄っており、ウェイト上限2%で集中を抑える点に個性がある。

注意点もはっきりしている。信託報酬は3本の中で最も高く(0.242%)、純資産総額が相対的に小さい局面もありうるため、購入時のスプレッドと乖離の確認は省けない。NISAで持てるテーマ国内株ETFという制約条件があるとき、1485は候補に上がりやすいが、買い方(コスト管理)まで含めて設計するのが前提だ。

JPX ETF概要(1485)iSTOXXルールブック(指数設計)MAXIS 1485 月報(例)

よくある誤解

「信託報酬が低い方が絶対に得」という誤解は残りやすい。理由はシンプルで、信託報酬は年率で見えるがスプレッドと乖離は売買の瞬間にしか見えず、比較表から落ちやすいからだ。信託報酬が年0.05%低くても、買う瞬間に0.2%高いところで掴めば、その時点で数年分を前払いしたのと同じになる。対策は一つ。買う前に「当日の買値・売値」「基準価額」「iNAV」を同時に確認し、乖離が小さいところで約定させる。これだけでコスト負けの大半は避けられる。

まとめ

1479と1483(必要なら1485)を比べる軸は、信託報酬より先に「指数の銘柄選定ルール」と「NISA成長投資枠の可否」を置く。為替リスクは3本とも差が出にくいため、購入時のスプレッドと乖離を含めて実務コストで詰めるのが勝ち筋になる。

1479 vs 1483 vs 1485|テーマETF比較ダッシュボード

1479 vs 1483 vs 1485 徹底比較

「指数設計」と「NISA可否」が分岐点(2026年版)。国内の「設備・人材投資」テーマETF 3本について、投資判断に必要な要点をインタラクティブに整理しました。

🧭 ETF判定ツール:あなたに合うのはどれ?

このセクションでは、レポートの「判断フロー」をインタラクティブなツールとして提供します。いくつかの質問に答えるだけで、あなたの投資スタイル(NISAの利用有無や重視するテーマ)に最も適したETFの候補を導き出します。まずはここから、あなたの最適解を探してみましょう。

Q1. NISAの「成長投資枠」を利用して購入する予定ですか?

📊 基本スペック比較

このセクションでは、3つのETFの基本的なデータ(信託報酬、銘柄数、NISA対応状況など)を一覧表で比較します。数値的な違いを把握し、基礎的なスペックの差を理解するためのセクションです。信託報酬の差もグラフで視覚化しています。

項目 1479 (iFree) 1483 (iシェアーズ) 1485 (MAXIS)
連動指数 MSCI日本株人材設備投資指数 JPX/S&P 設備・人材投資指数 iSTOXX MUTB Japan 積極投資企業200
信託報酬(税込) 0.165% (最安) 0.209% 0.242%
NISA成長投資枠 対象外 対象外 対象
銘柄数 / 上限 150銘柄 / 5% 200銘柄 / 指数準拠 200銘柄 / 2% (分散重視)
分配月 1月・7月 2月・8月 1月・7月

信託報酬(年率・税込)の比較

💡 コストに関する重要視点

信託報酬は 1479 が最も安いですが、長期保有時の**最大差は年0.077%程度**です。

「信託報酬が低い=絶対にお得」ではありません。売買回数が多い場合や、購入時の「隠れコスト(スプレッド等)」の方が、運用成績に大きな影響を与える場合があります。

🧬 指数設計(中身)の違い

同じ「設備・人材投資」テーマでも、各ETFが採用している指数の「評価軸」は大きく異なります。このセクションでは、それぞれの指数が何を重視して銘柄を選定しているかをレーダーチャートで視覚化し、中身の違いを深く理解します。

👤 1479:人的資本の「質」重視

MSCI ESGリサーチのスコアリングを活用。福利厚生や研修などの「人的資本スコア」が高い上位150銘柄を厳選。上限5%のため上位銘柄の影響が出やすい設計。

⚖️ 1483:設備×人材の「バランス」重視

TOPIXを母集団とし、設備投資の「成長性」「効率性」と人材投資の充実度の3点でスコア化。王道の国内株バスケットを作りたい場合に適する。

🛡️ 1485:収益性×分散重視

設備・人材に加え「収益性」も評価軸に加味。1銘柄あたりのウェイト上限を2%に抑える設計で、特定銘柄への集中リスクを抑制(NISA対象)。

⚠️ 実務上の注意点:隠れコストと流動性

信託報酬以外に投資家が負担する可能性のある「実質的な取得コスト」について解説します。このセクションを読むことで、なぜ「購入タイミング」がETF投資において重要なのかを理解できます。

1. スプレッド(買値と売値の差)

信託報酬のわずかな差よりも、売買時のスプレッドの方がコストに大きく響く場合があります。小口で頻繁に出入りする場合は特に注意が必要です。

例: 信託報酬が0.05%安くても、
スプレッドで0.2%不利に約定すれば数年分の損。

2. 乖離率(iNAVとのズレ)

市場価格が、ETFの本来の価値である基準価額(iNAV)から大きく離れていないか、購入の瞬間に確認することが重要です。買う瞬間の大きな乖離は隠れコストになります。

購入前の確認必須: 直近スプレッド | iNAV | 基準価額
💡 為替リスクについて: 3本とも「東証上場・円建て・国内株」のため、為替ヘッジコストや外貨両替の手間は基本的に論点になりません。純粋に「指数設計」と「売買コスト側」で比較しましょう。

結論: 「信託報酬が低い=絶対にお得」ではなく、
「NISA可否」「指数設計」「購入時の乖離」の3軸で選ぶのが実務的な勝ち筋です。

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