【完全版】1478とは?MSCI高配当利回り日本株の“安定重視ETF”をやさしく解説

1478は、ブラックロック・ジャパンが運用する日本株の高配当ETFだ。
配当利回りの高さだけじゃなく、「その配当が続くかどうか」まで見て銘柄を選ぶ、少し堅実寄りの設計になっている。

この記事は、1478の全体像をつかむためのまとめ
実務として一番つまずきやすい 分配金の権利落ち日・支払日・利回り表示の読み方 は別記事で整理している。
また、1478の魅力と弱点は「中身」で決まるので、上位10銘柄・業種の偏り・MSCI高配当ルール も別記事で数字ベースでまとめた。

あわせて、NISAとの相性や、長期で持つ前に知っておきたい注意点も確認していく。
派手さはないが、じっくり付き合うETFかどうか――そこを見極めるための記事。

スポンサーリンク

連動指数「MSCIジャパン高配当利回り指数」の特徴

1478が連動する「MSCIジャパン高配当利回り指数」ってどんな指数なんだろう。この指数は、日本の大型株と中型株で作られる「MSCIジャパン指数」を土台にしている。そこに配当の高さだけでなく、その配当が続きそうかまで加えて銘柄を選ぶのが特徴。

まず、J-REITは対象外。つまり、純粋に株式だけで構成される。そして、市場平均より配当利回りが高い銘柄の中から、さらに財務や利益の健全性を満たす企業だけが残る。だから「高配当だけど減配が怖い会社」は、最初から外される仕組みになっているわけだ。

さらに言うと、この指数は「高い配当利回り」かつ「財務が良好」という、わかりやすい二本柱で構成される。
配当性向は無理がないか。
利益は赤字じゃないか。
財務は借金だらけじゃないか。
こうした点を総合的にチェックする。

そのうえで、MSCIジャパン全体の平均配当利回りの1.3倍を超える銘柄だけを採用する。この基準があることで、利回りが低すぎる銘柄は弾かれる。逆に、利回りが高くても質の基準を満たさなければ採用されない。結果として、構成は30銘柄前後のコンパクトな形になるんだよな。

採用基準:配当・利益・財務の健全性

では、ここまでの仕組みを踏まえて、1478に組み込まれる企業の基準を見ていこう。ポイントは「配当」「利益」「財務」の3つだ。

配当(利回りの高さと継続性)

まず、市場平均の130%以上という配当利回りが前提になる。しかし、高ければいいって話ではない。
配当が無理なく続いているか。
配当性向が常識的な範囲か。
こうした持続性もチェックされる。

そのため、一時的な特別配当で跳ねただけの銘柄や、利益を超えて配当を出すタコ足配当の企業は外れやすい。

利益(収益性と安定性)

次に、配当の源泉である利益だ。
ROEが一定水準にあるか。
赤字や、大きな業績の乱高下がないか。
こうした点が確認される。利益が不安定だと減配リスクが高まるので、自然と採用されにくくなる。

財務健全性(安全性と余裕)

さらに、借入が多すぎる企業や、自己資本比率が極端に低い企業も避けられる。
負債と自己資本のバランスが適正かどうか。
財務に余裕があるかどうか。
ここが判断材料になる。つまり、債務リスクの高い危ない会社は入らない。


こうして見ると、1478の採用基準は「高利回りだけど大丈夫なのか?」
という視点で、銘柄を丁寧にふるいにかける形になっている。配当の高さと、それを支える業績・財務の安定性の両方を見ることで、高配当なのに地雷というリスクをだいぶ抑えているわけだ。なるべく静かに長く配当を受け取りたい人には、こういう仕組みはありがたいな。

構成銘柄と業種バランスの分析

1478の中身は、大型の成熟企業(商社・通信・保険・自動車など) に寄りやすい。
だから、分配の安定感を狙う人には扱いやすい一方で、これらの業種がまとめて不調になる局面ではETF全体も普通に冷える。
どれくらい集中しているか、上位10に何が入っているかは、数字を見たほうが早い。最新のファクトシート時点で 上位10銘柄と比率、偏りの意味 をまとめた記事を置いておく。

基本スペックまとめ(信託報酬、配当回数、純資産、決算月など)

ここまでの内容を踏まえて、1478の基本スペックを整理しておこう。まずは一覧で確認。

基本情報

銘柄名: iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回り ETF
運用会社: ブラックロック・ジャパン
上場市場: 東証ETF市場
設定日: 2015年10月19日

信託報酬: 年0.209%(税込)
信託財産留保額: なし(換金コスト不要)

決算頻度: 年2回(2月・8月)
直近分配利回り: 約2.5%(12ヶ月実績)

1口あたりの分配金実績

2023年2月:31円
→ 2023年8月:38円
→ 2024年2月:44円
→ 2024年8月:45円
→ 2025年2月:52円

こうして見ると、着実に増えているのがわかる。

その他スペック

純資産総額: 約1,300億円(2025年9月末)
組入銘柄数: 30銘柄
対象指数: MSCIジャパン高配当利回り指数(配当込み)

売買単位: 1口(2025年末は4,000円台)
信託期間: 無期限
NISA適格: 新NISA「成長投資枠」で購入可能

ベータ値: 約1.0(TOPIX比)
3年標準偏差: 約11%

こうして並べると、見た目は地味でも中身は安定感がある。静かに長く持つタイプのETFってことだな。

配当利回りと増配傾向(最新データで説明)

1478は、利回りを最大化するというより 持続性重視の高配当 に寄る。
そのため、利回りの数字は局面で上下するし、「利回り◯%=毎年それだけ確実にもらえる」とは限らない。
分配金は半期ごとのブレで判断せず、年合計で見たほうが事故りにくい。利回りの見方も含めて、別記事で整理してある。

ボラティリティ・リスク特性

1478は高配当ETFだけど、値動きのリスクはどれくらいあるのか。高配当=安定というイメージはあるが、株である以上、ボラティリティがゼロになることはない。そこで、ここではリスク指標を軽く見ていこう。

●値動きの振れ幅(ボラティリティ)

まず、1478の3年標準偏差は 11%前後 だ。これは年間の値動きが、だいたい±11%に収まる可能性が高いという意味だ。さらにTOPIXも10〜12%台で動いている。だから、1478の変動性は 市場平均とほぼ同じ と言える。

加えて、β値は約1.00。つまり、市場と同じリズムで動く傾向が強い。「高配当=低リスク」という単純な話ではないので、その点は覚えておきたい。

●下落耐性と最大ドローダウン

とはいえ、高配当株は下落局面で買いが入りやすい。そのぶん下値の固さが出やすいという特徴もある。

一方で、長期データを見ると、最大ドローダウンは ▲45.9%(1996〜1998年) とかなり大きい。しかし、直近10年の動きは比較的落ち着いている。

実際、過去5年の騰落率は +122.6% だ。これはTOPIXの +83.0% を上回る。日本企業の増益・増配が進んだ結果、1478の構成銘柄がその恩恵をしっかり受けたからだな。

●注意すべきリスク要因

もっとも、高配当ETFだから安全という話ではない。たとえば、金利が上がる局面では配当株の魅力が薄れ、価格が伸びにくくなる。

そのうえ、1478は組入数が30と少なめだ。だから、特定セクターに偏りやすい。自動車株が下がれば全体が押されやすい、という弱点がある。業種分散は効いているものの、市場全体が荒れればそれなりに揺れる。まぁ、そのあたりは株の宿命だよな。

NISAとの相性(一般論として)

さて、次はNISAとの相性。

配当金非課税のメリット

NISAで1478を持つと、配当が非課税になる。通常20%ほど取られる税金がゼロになるのは大きい。利回り2.5%なら、そのまま2.5%を手にできる。

たとえば、年間2万円の配当があるとする。課税口座なら約1.6万円だが、NISAなら満額の2万円だ。長く続ければ、この差は結構効いてくる。配当を重視する人ほど、NISAを使うメリットが大きい。

長期保有との親和性

さらに、新NISAは制度が恒久化され、長期投資がしやすい。1478も信託期間が無期限で、安定寄りの設計だ。相性は良い。

「成長投資枠」で買える点も追い風になる。枠を使ってコツコツ買い増し、配当を再投資すれば、複利も効きやすい。

新規ETFとの比較と1478の立ち位置

1478は「高配当×持続性(品質)」に寄せた設計。
似た高配当ETFでも、指数の作りで性格は変わる。

1489(NF・日経高配当50)と1478は、同じ高配当でも選び方が別物。
「日経225→利回り上位50」「MSCI高配当×品質スクリーン」の違いは、比較記事で図と一次情報ベースで整理している。

1478のメリット・注意点の整理(一般的特徴として)

最後に、1478のメリットと注意点(デメリット)を、いったん落ち着いて整理しておこう。投資のすすめではなく、あくまで特徴をプラスとマイナスの両面から眺めてみる。

メリット(長所)

安定した高配当が得られる

まず、1478は「財務が健全な高配当株」が中心だ。無理をしない範囲で、継続的な高配当が期待できる。

これまでの分配実績を見ても、配当はじわじわ増えてきた。長期保有でインカムゲインの“土台”にしたい人には、かなり扱いやすいタイプと言える。

銘柄選定の質が高い

さらに、このETFは「配当利回りの高さだけ」を見ているわけじゃない。配当の持続性や財務内容も加味した指数に連動している。

その結果、「利回りは高いけど、業績悪化で減配しそう」いわゆる“地雷銘柄”が入りにくい設計になっている。そのぶん、投資先企業への安心感は増す。値動きに振り回されても、メンタル的なストレスは多少マイルドになるはず。

低コストで運用効率が良い

コスト面も素直に評価ポイント。信託報酬は税込0.209%。ETFとしては「割安〜普通よりちょい安め」くらいのゾーン。

しかも、コスト控除後のトータルリターンで、市場平均を上回った実績もある。長期になるほどコスト差は効いてくるので、この水準は地味に大きい。

十分な分散と規模

約30銘柄に分散されているのもポイント。業種も自動車・金融・通信・商社と、バランスよく散らしている。

個別株で同じレベルの分散を作ろうとすると、管理も資金もそれなりに大変だ。ETFを1本持つだけで、その手間を省けるのは素直にメリットだな。

さらに、純資産総額は1,000億円超。流動性リスクや、規模が小さすぎての繰上償還リスクも低めだ。「いつの間にかファンドがなくなっていた」という心配は小さいほうだろう。

NISA適格・長期運用向き

そして、1478はNISA口座で購入できる。配当非課税のメリットを取りに行きやすいETFだ。

信託期間も無期限なので、「時間を味方にする」タイプの長期運用と相性が良い。長期の資産形成ツールとして、習慣的に積み立てていきやすい商品とも言える。

注意点(短所・リスク)

利回りは「最高水準」ではない

一方で、「利回りだけ」を見ればトップクラスとは言えない。他の高配当ETF(1489や399Aなど)は、タイミング次第で3〜4%台になることもある。

それに比べると、1478の利回りはやや控えめに映る。これは、質や持続性を優先している裏返しでもある。だから「とにかく毎年の配当額を最大化したい」そういう投資スタイルの人には、少し物足りなく感じるかもしれない。

配当タイミングが年2回のみ

分配の頻度だ。1478は年2回(2月・8月)のみ。毎月チャリンチャリン入ってくるタイプではない。

とはいえ、年間トータルの配当額そのものは、頻度で変わるわけじゃない。最終的には「受け取りペースの好み」の問題とも言えるな。

指数構成が限定的

また、組入銘柄が約30とコンパクトだ。TOPIX連動ETFのように「市場全体をまるっと持つ」タイプとは違う。

そのぶん、セクターへの偏りは意識しておきたい。とくに、自動車関連の比率が高い局面では、業界不振の影響を受けやすくなる。つまり、これは“万能な市場カバーETF”ではない。あくまで「高配当に振り切ったポートフォリオ」だと理解しておく必要がある。

株価変動リスクは当然ある

当たり前だが、高配当でも株式ETFだ。元本価格は日々動くし、下がるときは普通に下がる。マーケット急落時には、基準価額が数ヶ月で数十%落ちる可能性もある。実際、過去にもそうした局面はあった。

債券や預金のような「元本安定商品」ではない。自分のリスク許容度の範囲内で扱うことが前提だな。


極端な弱点はないが、自分の投資目的やスタイルに合うかどうかは、あらためて確認しておきたいところだな。

まとめ|1478は“地味だけど堅実”というETFの性格を整理

1478(iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回り ETF)は、日本株の高配当銘柄に分散投資できるETFだ。
最大の特徴は、「安定重視の高配当戦略」をとっている点にある。

単に利回りの数字だけを追うのではなく、配当の持続性や財務の健全性をチェックしたMSCI指数に連動している。
そのおかげで、堅実な高配当ポートフォリオを提供する商品になっている。

派手さや一発逆転はない。ただ、時間を味方につけてじっくり資産を増やしたい投資家には、素直に寄り添ってくれるタイプのETFだ。


もちろん、日本企業の増配トレンドが今後も続くかは誰にもわからない。もし流れが続くなら、1478の魅力はさらに増す可能性もある。

とはいえ、最後はいつも通り 自己責任・自己判断 だ。ここまで見てきたメリットとリスクを踏まえて、「自分の投資方針と本当に噛み合うかどうか」を、ゆっくり確認してみてほしい。

Sho
Sho

システム開発歴15年/PMP

計画・リスク管理・数値設計を軸に、
ETFの情報整理から投資判断までをテンプレ化・自動化してきた。

新NISAの時代だからこそ、
感情よりも「仕組み」で迷わない投資を。

—— 焦らず、ブレず、仕組みで勝つ。

Shoをフォローする
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。投資判断はご自身の責任で行ってください。
日本ETF高配当
スポンサーリンク