XLKは「米国大型株のテック部分」を切り出したETFだ。中身は一見わかりやすいが、上位銘柄への偏りと、テックの内訳を見誤ると、PF全体のリスクが想定より尖る。
XLKは上位10社で約61%を占める集中型。半導体とソフトウェアが中身の主役で、入替は四半期(3・6・9・12月)が基本だ(2026年2月時点)。
データの取得日と一次情報の確認場所
本記事のデータは2026年2月時点(2026年2月26日現在)の公表情報に基づく。組入比率は日々動くため、この記事の数字を永久保存版として扱う必要はない。狙いは一つで、「最新の中身」にすぐアクセスできる場所を固定することにある。
見るべき一次情報は3つだ。
State Street® Technology Select Sector SPDR® ETF ファクトシート(日本語PDF)で、上位銘柄や業種内訳の要点を短時間で確認する。Technology Select Sector Index(S&P Dow Jones Indices)では、このETFが何をテックと定義しているか(母集団・採用範囲・算出ルール)を確認する。NYSE ARCA / XLK(上場市場)は、ティッカーと取引市場の確認用だ(日本の東証ETFページは存在しない)。
上位10銘柄と集中度
セクターETFで想定外のリスクを取るパターンは、「テックに分散したつもりが、数社への集中賭けになっていた」というものだ。だから最初に見るのは、上位銘柄と集中度になる。
断面データ(2026年2月26日現在)は以下のとおり。
| 順位 | 銘柄 | 組入比率 |
|---|---|---|
| 1 | NVIDIA | 15.07% |
| 2 | Apple | 13.53% |
| 3 | Microsoft | 10.01% |
| 4 | Broadcom | 5.10% |
| 5 | Micron Technology | 4.08% |
| 6 | AMD | 2.90% |
| 7 | Palantir | 2.72% |
| 8 | Cisco | 2.69% |
| 9 | Lam Research | 2.63% |
| 10 | Applied Materials | 2.62% |
上位10社の合計は61.35%。上位3社だけで38.61%、上位5社で47.79%を占める。
これは「テックに幅広く」ではなく、メガキャップ+半導体中心に強く寄る構造だ。XLKをPFに加えると、上位数社——特に上位3社——への依存がより濃くなる。S&P500連動のコアを既に持つ場合、XLKは分散の手段ではなく、意図的な上乗せ(オーバーウェイト)として機能する。
なぜこの顔ぶれになるかといえば、XLKはS&P500の中からテックに分類される企業群を切り出す指数(Technology Select Sector Index)への連動を目指すためだ。S&P500内で時価総額の大きいテック企業が、そのまま上位に来る構造になっている。
XLK 組入上位銘柄・業種別構成比率(SSGA公式) / XLK 全銘柄ダウンロード(日次・Excel)
セクター(業種・分野)比率と偏りの読み方
XLKは「テクノロジー」1セクターに見えるが、中でさらに分かれる。ここを見ないと、値動きのクセ(景気敏感寄りか、安定寄りか)が読めない。
業種別構成比率(2026年2月26日現在)は以下。
| 業種(サブ分類) | 比率 |
|---|---|
| 半導体・半導体製造装置 | 43.10% |
| ソフトウェア | 26.51% |
| コンピュータ・周辺機器 | 17.04% |
| 通信機器 | 4.95% |
| 電子装置・機器・部品 | 4.47% |
| 情報技術サービス | 3.94% |
主役は半導体(43%)とソフトウェア(27%)で、合わせて約7割を占める。半導体は設備投資・在庫循環・景気の温度感に左右されやすく、上下の振れが大きくなりやすい。一方ソフトウェアは、企業のIT投資やサブスク収益の安定性が支えになる局面がある。XLKは「テック=安定成長」ではなく、景気の波を受けやすい半導体比率が高いテックETFだ。その前提で使い方を考える必要がある。
判断の補助として、3つの条件を整理しておく。
PFが既にS&P500中心なら、XLKは分散ではなく「テック濃度を上げる」行為だ。上位銘柄の重複と半導体比率の上乗せを許容できるかで判断する。景気後退・信用不安を強く警戒する局面なら、半導体比率の高さがブレの源になる。コアに置くより、サテライト枠で量を管理する方が整合しやすい。テックの中でもソフトウェア寄りの構成が欲しいなら、XLK一本では解決しない。別ETFで内訳を補正する発想が必要だ。
入替ルールと構成が変わるタイミング
ETFの中身が動くのは「企業の株価が動いたから」だけではない。指数のルールに沿って、入替・比率調整が起きる。このタイミングを知っておくと、「中身が変わった気がする」を自分で検証できる。
Technology Select Sector Indexは修正時価総額加重で、3月・6月・9月・12月に四半期リバランスが行われる。Select Sector指数は四半期リバランスに加え、同月末近辺に二次的なチェック(secondary rebalancing check)も採用している。
基本的に「3・6・9・12月のどこかで」中身の比率がまとまって動きやすい。構成変化を点検するなら、SSGAの組入上位銘柄で顔ぶれが変わったかを確認し、次に全銘柄(日次)で新規採用・除外を確認する。変化の背景が気になるなら、指数提供元のページでリバランスの説明を読む順が合理的だ。
構成が大きく変わったときの判断軸も固定しておく。上位10社合計が急に上がった場合、集中リスクが増えた可能性が高い。PF内の単一銘柄依存が許容範囲かを再点検する。半導体比率がさらに上がった場合は、景気敏感度が上がったサインになり得る。コア比率のまま放置すると、PF全体の振れが拡大する。自分の想定(ソフトウェア中心など)と逆方向に寄った場合は、保有目的がズレた可能性がある。ここで初めて「置き換える」検討に進む。
Select Sector指数のリバランス(S&P Dow Jones Indices FAQ) / XLK 組入上位銘柄・全銘柄ダウンロード(SSGA公式)
よくある誤解(古い記事に見える/テック全部が入っていると思う)
ETFの組入比率は日々変わる以上、記事が永遠に最新であることは無理筋だ。この記事の価値は、2026年2月時点の断面で集中度と内訳のクセを掴めることと、一次情報への導線を固定していることにある。数字そのものより、「どこを見ればいいか」が変わらない。
もう一つの誤解が「XLK=米国テック全部」だ。XLKのベンチマークはS&P500を母集団にテックを切り出す指数であり、NASDAQ100のような別の母集団とは設計が違う。入る企業も違うため、両者を同じものとして扱うと比較がずれる。
まとめ
XLK(2026年2月時点)は上位10社で約61%を占める集中型のテックETFで、内訳は半導体とソフトウェアが主役だ。構成変化は四半期(3・6・9・12月)で起きやすいので、変化を感じたらSSGAの組入上位銘柄→全銘柄(日次)の順で確認すればよい。
次は「XLKの分配金/利回り」で、受け取りと税コストまで含めた運用設計に落とし込む。
XLK 最新分析
Technology Select SPDR ETF
XLKは「米国大型株のテック部分」を切り出したETFです。一見わかりやすいですが、上位銘柄への極端な偏りと、テックの内訳を見誤ると、ポートフォリオ全体のリスクが想定より「尖る」構造になっています。
1. 銘柄集中リスクの可視化
このセクションでは、XLKの内部構成における「いびつさ」を確認します。テックセクターへの幅広い分散を期待してXLKを買うと、実際には「上位数社への集中賭け」になります。特にNVIDIA、Apple、Microsoftの「Big 3」だけで約38%を占めるため、S&P500連動のコア資産を既に持つ場合、XLKは意図的なリスクの上乗せとして機能します。
組入上位銘柄データ (2026.02)
上位10社で61%超の寡占状態
XLKはS&P500内のテック企業を時価総額ベースで抽出するため、必然的に巨大企業が上位を独占します。上位10社合計は61.35%に達し、メガキャップ+半導体中心の強い偏りが生じています。
2. セクター比率と景気敏感度
「テクノロジー」という一言で括られがちですが、内部の業種構成を見ないと値動きのクセは読めません。このセクションではXLKが抱える「景気敏感リスク」を分解します。主役は半導体とソフトウェアですが、その性質は大きく異なります。
業種別構成比率
💡 投資判断の補助線
景気後退や信用不安を強く警戒する局面では、約43%を占める半導体の存在がブレの源になります。「テック=安定」の誤解を捨て、サテライト枠での量管理が推奨されます。
3. 運用・検証のための重要ポイント
組入比率は日々変動します。本記事の数値を永久保存版とするのではなく、背景にある「ルール」と「一次情報の取得場所」を理解することが、中長期的な運用の鍵となります。
入替ルールとタイミング
Technology Select Sector Indexは、3月・6月・9月・12月に四半期リバランスが行われます。比率がまとまって動きやすいため、構成変化を点検するならこのタイミングが最適です。
よくある誤解
「XLK=米国テック全部」ではありません。S&P500を母集団とするため、NASDAQ100とは設計が異なります。保有目的が「ソフトウェア中心」なら、XLKの構成とはズレが生じています。
一次情報の確認場所
常に最新情報を追うための固定ルートです。



