2513の強みは、日本を除く先進国株を1本で広く持てることにある。ただし、中身は「世界に均等」ではない。実際には米国が7割超、上位銘柄には米国の大型テックが並ぶ。何をどれだけ持っているのかを断面データで押さえると、2513を自分の資産配分でどう使うかが見えやすくなる。
2513は分散型ではあるが、完全に薄いETFではない。国では米国、業種では半導体・ソフトウェア・ネット系、銘柄では米大型株の影響が強い。 その偏りを理解して持つなら使いやすいが、知らずに持つとS&P500とかなり重なる。
データの取得日と一次情報の確認場所
本記事のデータは2026年2月27日時点。見る場所は3つで十分。
1つ目は野村アセットマネジメントの月次レポートで、上位銘柄・業種別配分・国別配分を確認する場所。2つ目は東証の銘柄情報ページで、売買単位や上場市場、信託報酬など商品基本情報を確認する場所。3つ目はMSCIの指数ページで、指数が何を母集団にして、どんな考え方で組み入れているかを確認する場所である。商品ページからは月次レポートと組入銘柄情報にも飛べる。つまり、「中身」は野村の月次資料、「箱の仕様」は東証、「なぜその顔ぶれか」はMSCIで見るのが最短である。
参照:2513商品ページ(NEXT FUNDS)/2513月次レポート(野村アセットマネジメント)/MSCI Kokusai Indexページ(MSCI)
上位10銘柄と集中度
上位10銘柄は以下の通り。
| 順位 | 銘柄 | 業種 | 国・地域 | 純資産比 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | NVIDIA CORP | 半導体・半導体製造装置 | アメリカ | 5.5% |
| 2 | APPLE INC | コンピュータ・周辺機器 | アメリカ | 5.0% |
| 3 | MICROSOFT CORP | ソフトウェア | アメリカ | 3.5% |
| 4 | AMAZON.COM INC | 大規模小売り | アメリカ | 2.4% |
| 5 | ALPHABET INC-CL A | インタラクティブ・メディアおよびサービス | アメリカ | 2.2% |
| 6 | ALPHABET INC-CL C | インタラクティブ・メディアおよびサービス | アメリカ | 1.8% |
| 7 | BROADCOM INC | 半導体・半導体製造装置 | アメリカ | 1.8% |
| 8 | META PLATFORMS INC-CLASS A | インタラクティブ・メディアおよびサービス | アメリカ | 1.7% |
| 9 | TESLA INC | 自動車 | アメリカ | 1.4% |
| 10 | JPMORGAN CHASE & CO | 銀行 | アメリカ | 1.0% |
上位10社合計は26.3%である。これは、1本のETFとしては「極端な一点集中ではないが、上位の影響は無視できない」水準である。特に上位は米国の巨大企業に寄っており、MSCI Kokusaiが日本を除く先進国の大型・中型株を、浮動株を考慮した時価総額ベースで組み入れる指数だからこの顔ぶれになる。要するに、2513は先進国分散ETFではあるが、中身の先頭はかなり米国メガキャップ寄りである。S&P500やNASDAQ100をすでに厚く持っている人は、分散のつもりで買っても上位銘柄の重なりがかなり大きい。逆に、日本株中心の人には、海外大型株をまとめて加える入口として使いやすい。
参照:2513月次レポート(野村アセットマネジメント)/MSCI Kokusai Indexページ(MSCI)
セクター(業種・分野)比率と偏りの読み方
業種別配分は、半導体・半導体製造装置11.5%、銀行7.0%、ソフトウェア6.4%、インタラクティブ・メディアおよびサービス5.8%、コンピュータ・周辺機器5.4%、その他業種**62.0%**である。
見方のコツは、上位業種を個別に眺めるより、**「テクノロジー周辺が厚い」**とまとめて捉えることである。半導体、ソフトウェア、ネットサービス、コンピュータ関連を合わせると、景気敏感で成長期待を織り込みやすい分野の比重が高い。相場が強い局面では追い風になりやすい一方、金利上昇や大型成長株の調整局面では振れが大きくなりやすい。銀行が7.0%入っているので完全なハイテク一本足ではないが、守りの業種が厚いETFでもない。自分のPFに日本株・高配当株・債券が多いなら、2513を入れることで成長株の厚みを足しやすい。逆に、すでに米国大型グロースが多いなら、似た性格をさらに積み増す形になりやすい。
参照:2513月次レポート(野村アセットマネジメント)/MSCI Kokusai Indexページ(MSCI)
入替ルールと構成が変わるタイミング
2513の中身は、MSCIの指数メンテナンスに沿って変わる。MSCIのグローバル株指数は2月・5月・8月・11月の四半期ごとに見直され、指数の母集団を更新し、サイズ区分の見直し、浮動株比率や発行株数の更新を行う。加えて、大きな企業行動は四半期見直しを待たず、随時反映される。大型IPOは条件を満たせば早期に入ることもある。
採用・除外の軸は、ざっくり言えば時価総額・流動性・投資可能性である。MSCIは先進国株の組み入れで、売買代金回転率や売買日数などの流動性基準を置いている。だから「有名企業だから入る」のではなく、規模があり、十分に売買でき、浮動株として投資家が実際に買える銘柄が残る。構成が大きく変わったときは、まず月次レポートで上位10社合計比率、米国比率、上位業種比率の3点を見るべきである。ここが大きく跳ねたなら、単なる価格上昇なのか、指数ルール変更や市場分類変更の影響なのかをMSCI側で確認する。変化の理由まで追えば、慌てて売買する必要がある変化か、指数連動ETFとして自然な変化かを切り分けやすい。
参照:MSCI Kokusai Indexページ(MSCI)/Index Methodology(MSCI)/2513月次レポート(野村アセットマネジメント)
国別・地域別比率
国別では、アメリカ73.0%、イギリス4.1%、カナダ3.8%、スイス2.9%、フランス2.8%、その他の国・地域13.3%、その他の資産1.9%である。結論から言うと、2513は「先進国株ETF」ではあるが、体感としてはかなり米国中心の先進国株ETFである。
ここを読み違えると危ない。日本を除く先進国に広く分散しているのは事実だが、地域の重みは均等ではない。米国が7割超あるため、値動きの主役はかなり米国市場になる。したがって、米国比率を下げたい人には向かいにくい。一方で、「新興国はいらないが、日本以外の先進国株を1本で持ちたい」という人には素直で使いやすい。確認先を再掲すると、中身は月次レポート、全銘柄は組入銘柄情報、商品仕様は東証ページで追えばよい。
参照:2513月次レポート(野村アセットマネジメント)/2513組入銘柄情報(野村アセットマネジメント)/JPX銘柄情報ページ
よくある誤解
「取得日が古くなると、この記事の価値はなくなる」という見方は半分正しく、半分間違い。確かに上位銘柄や比率は毎月少しずつ動く。だが、この手の記事の価値は、1日単位の最新数字ではなく、2513がどんな性格の指数を追い、どの確認先を見れば、中身の変化を自分で追えるかを理解できる点にある。だから、記事中に取得日が明記されていれば、それは古い記事の印ではなく、断面を切った位置が分かる良い記事である。実務としては、まず2513月次レポート(野村アセットマネジメント)で上位10銘柄・業種・国別比率を見て、次にMSCI Kokusai Indexページ(MSCI)で指数の母集団と方法論を確認し、最後にJPX銘柄情報ページで売買単位や商品仕様を押さえる。この順番なら、数字と意味を混同しにくい。
まとめ
2513の中身は、先進国分散という看板の下で、実際には米国7割超・大型株中心・テック周辺が厚いという性格を持つ。上位10社合計26.3%は過度ではないが、S&P500系ETFとの重なりは軽くない。買う前に見るべきは、月次レポートの上位10社、業種、国別の3点である。次は「分配金/利回り」を見て、持ったあとに何がどのタイミングで入るのかまでつなげて確認したい。



