itcareer40.jp1557 vs 2558 vs 1655何を持つかどう受け取るか
S&P500に連動する東証ETFは、名前だけ見るとほぼ同じに見える。だが、1557・2558・1655は、連動対象の指数の作り、分配の出し方、売買単位まで揃ってはいない。比較で見るべきなのは「S&P500かどうか」ではなく、どの形で米国大型株を持ちたいかである。
どれを選ぶかは、単純なコスト比較では決まらない。分配金をどう受け取りたいか、円換算のわかりやすさを重視するか、最低売買金額の小ささを重視するかで、向く銘柄は分かれる。
同じS&P500でも、分配の受け取り方と最低売買金額で向く1本が変わります。
まず論点を整理する|何で比べるか
この3本は、全部「米国大型株に乗るための東証ETF」という点では同じである。だから雑に見れば似ている。だが、実務ではそこから先が大事だ。1557はState StreetのSPDR S&P 500 ETF(SPY)そのものが東証にも上場しているタイプで、ファンド籍は米国のままである(CUSIP・ISINは米国上場のSPYと同一。東証上場は2011年3月24日、基準通貨はUSD)。対象指標はドル建てのS&P500®指数そのものだ。2558は三菱UFJアセットマネジメントの国内ETFで、S&P500®指数の円換算値との連動を目指す。1655はブラックロック・ジャパンの国内ETFで、S&P500®(税引後配当込み・TTM・円建て)指数に連動する。ここが最初の分かれ道になる。「東証で円で買える」という見た目は3本とも同じでも、器の国籍は同じではない。

比較ポイント早見表(1557 vs 2558 vs 1655)
| 論点 | 1557 SPDR S&P500 | 2558 MAXIS 米国株式S&P500 | 1655 iS S&P500 米国株ETF |
|---|---|---|---|
| ファンド籍 | 外国籍(米国)/東証は重複上場 | 国内 | 国内 |
| 連動する指数 | S&P500®指数(ドル建ての原指数) | S&P500®指数の円換算値 | S&P500®(税引後配当込み、TTM、円建て) |
| 実際に持っているもの | 米国株を直接保有(SPY本体) | マザーファンド経由で実質外国株式100.0%(現物99.0%・先物1.0%/2026年7月31日時点) | IVVを99.87%保有(ファンド・オブ・ファンズ/2026年8月13日時点) |
| コスト | 総経費率 0.0945% | 信託報酬 年率0.066%(税抜0.06%)以内+商標使用料 年率0.04%上限ほか | 年0.0660%程度(税込)/税抜0.0600%程度 |
| 分配頻度・分配設計 | 年4回 | 年2回 | 年2回 |
| NISA対応状況 | 成長投資枠対象 | 成長投資枠対象 | 成長投資枠対象 |
| 為替リスクの有無 | あり(ドル建て。ヘッジ有無は今回未確認) | あり(交付目論見書に「為替ヘッジを行いません」と明記) | あり(円建て指数だが為替影響は受ける。ヘッジ有無は今回未確認) |
| 上場市場 | 東証上場(円で日本時間に売買) | 東証上場(円で日本時間に売買) | 東証上場(円で日本時間に売買) |
| 売買単位 | 1口 | 1口 | 10口 |
| 1売買単位の規模感 | 大きい(JPX資料 2026年2月27日で市場価格107,050円) | 3,572円(2026年8月14日の基準価額。2026/6/9に1口→10口の分割) | 約8,948円(2026年8月14日の基準価額894.76円×10口) |
| 純資産総額 | 1,087,975億円(SPY本体。JPX資料 2026年2月27日) | 1,284.09億円(2026年8月14日) | 1,932.16億円(2026年8月14日) |
※1売買単位の金額は株価変動で日々変わる。表の金額は基準価額ベースの目安で、実際の約定価格とは一致しない。最新の気配値・約定価格は、各証券会社の銘柄ページや運用会社の公式情報で確認してほしい。なお2558は2026年6月8日を分割基準日、6月9日を効力発生日として受益権分割(1口→10口)が行われ、入口が10分の1になった。売買単位・基準価額の表示単位はいずれも1口のまま変わっていない。1557のみJPX資料(2026年2月27日基準)で、以降の東証価格は今回取得していない。
ここで重要なのは、「全部S&P500だから差はない」と片づけないことだ。1557は年4回分配で1口から買えるが、最低投資金額は高い。2558は年2回分配で1口単位、1655は最低売買金額がかなり小さい一方で10口単位になる。つまり、同じ米国大型株でも、保有の仕方と使い方が違う。
参照:SPDR S&P 500 ETF(State Street)
参照:iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF(BlackRock)

指数の違いを読む|「S&P500そのもの」か「円換算・配当込み」か
この比較でいちばん大事なのは、指数の作りである。1557はS&P500指数そのものへの連動を目指す。対して2558は「円換算したS&P500指数」、1655は「税引後配当込み・TTM・円建て」のS&P500系指数である。つまり、3本とも投資対象の中心は米国大型株500銘柄前後で近いが、ベンチマークの表示ルールが同じではない。
もう一段掘ると、3本は「実際に持っているもの」も違う。1557はSPY本体なので米国株を直接持つ。2558は月次レポート(2026年7月31日現在)で実質外国株式100.0%(現物99.0%・先物1.0%)と開示されており、ファミリーファンド方式でS&P500インデックスマザーファンドを通じて株式を持つ形である(交付目論見書)。1655は保有銘柄一覧の99.87%が iShares Core S&P 500 ETF(IVV)で、米国上場ETFを丸ごと持つファンド・オブ・ファンズの構造だ(2026年8月13日時点)。どれが優れているという話ではないが、1655はIVVという別のETFを保有する形でS&P500に乗っている点は、知ったうえで持つかどうかである。
この違いが何に効くか。まず2558と1655は、東証で円建てで見たときに値動きの理解がしやすい。米ドル建ての本家指数をそのまま追うというより、「日本の投資家が円で持つとどう見えるか」に寄せた設計だからである。一方1557は、東証で円で売買できるとはいえ、本体は世界的に流通しているSPYそのもので、より原型に近いS&P500 exposureを取りに行く感覚が強い。
条件で分けるならこうなる。米国株の代表指数を、なるべくシンプルにそのまま持ちたいなら1557が候補に入る。円換算ベースで家計や日本円資産とつなげて把握しやすいほうがよいなら2558が見やすい。配当込み指数をベースにした値動きで、東証の少額単位で持ちたいなら1655が使いやすい。ここを見ずに「全部S&P500だから同じ」と言うのは雑すぎる。
参照:SPDR S&P 500 ETF(State Street)
参照:iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF(BlackRock)

コストの実態|信託報酬だけで判断しない
表だけ見ると、1557が総経費率0.0945%、2558と1655が0.066%で、後者2本のほうが低コストに見える。ここまでは事実だ。ただし数字の作り方は同じではない。1557の0.0945%は公式表示の総経費率で、内訳は受託者費用0.0457%・S&Pライセンス費用0.0302%・マーケティング0.0172%・その他0.0015%と開示されている(各表示値は丸めを含むため、単純合計は総経費率と一致しない)。一方2558の0.066%は運用管理費用(信託報酬)だけの数字で、これとは別に対象指数の商標使用料が年率0.04%(上限)、上場料が純資産総額の最大0.00825%(税抜0.0075%)などが信託財産から出ていく(交付目論見書 2026年3月7日)。つまり0.0945%と0.066%は、同じ土俵の数字ではない。それだけで「2558か1655の勝ち」と決めるのは早い。ETFの実コストは、信託報酬だけでなく、売値と買値の差であるスプレッド、基準価額とのズレである乖離、そして円で売買する際の実質的な為替反映も含めて見る必要がある。
1557は1口あたりの金額が大きい。JPXのETF銘柄概要では、SPY本体の純資産総額は1,087,975億円と記載されている(2026年2月27日基準)。2558や1655は最低投資金額を抑えやすいが、実際の約定コストは注文する時間帯や板の状況で変わる。3本とも東証マーケットメイク制度の対象ではあるが、それは当日の板の厚さを保証するものではない。売買代金やスプレッドの数値は今回取得していないので、ここでは順位づけをしない。発注前にご自身の口座で板を確認してほしい。
さらに、為替コストも無視できない。3本とも最終的には米ドル資産の値動きと円相場の影響を受ける。2558については交付目論見書が「為替ヘッジを行いません」「為替ヘッジを行わないため、為替相場の変動による影響を受けます」と明記している。2558や1655は円換算・円建ての指数なので見た目は日本円で追いやすいが、為替リスクが消えるわけではない。ここを取り違えると、「円建てだから為替に強い」と誤解する。そんな都合のいい話はない。
参照:SPDR S&P 500 ETF(State Street)
参照:iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF(BlackRock)

目的別の使い分け
- コアとして長期保有するコアとして長期保有するなら、まず2558か1655が候補に入りやすい。理由は、信託報酬が同水準で、東証で円で扱いやすく、最低投資金額も1557より軽いからだ。長期の積み上げでは、買いやすさは思っている以上に効く。高い理屈より、続けられる設計のほうが強い。
- 分配金を受け取りたい分配金を受け取りたいなら、年4回の1557がまず候補になる。1557は毎年3月・6月・9月・12月の各第3金曜日から1営業日後が分配金支払基準日である。2558は6月8日・12月8日、1655は2月9日・8月9日で、どちらも年2回。受け取り頻度という意味では1557のほうが細かい。ただし1557は外国籍ETF、2558と1655は国内ETFという違いがある。受け取り方や課税の扱いまで含めて詰めるなら、ご自身の証券会社に確認しておきたい。ただし、分配回数が多いことと総合的に有利であることは別問題だ。再投資前提なら、回数そのものより、自分が分配金をどう扱うかの方が重要である。
- NISAの成長投資枠で使うNISAの成長投資枠で使うなら、3本とも対象なので、この条件だけでは決まらない。ここで差になるのは、どの指数表現が自分に合うか、そして最低売買単位である。まとまった金額を一発で入れるなら1557も候補だが、少しずつ機動的に買うなら、2026年8月14日基準では2558(1口3,572円)が最も細かく、1655(約8,948円)も1万円未満で買える。
- 為替リスクを抑えたい為替リスクを抑えたいなら、この3本から選ぶのはズレている。どれもドル資産の円換算変動を受ける。つまり、この条件を最優先するなら「1557か2558か1655か」ではなく、「為替ヘッジありの商品にするか」を別軸で考えるべきだ。比較対象を間違えるな、という話である。
- 取り崩し期に入っている取り崩し期に入っているなら、分配頻度と売買単位の両方を見る。定期的に受け取りたいなら1557の年4回は使いやすい。一方で、必要額に応じて細かく売買しやすいのは、1売買単位の小さいほうである。2558も分割後(2026年6月9日・1口→10口)は1口3,572円(2026年8月14日の基準価額)となり、1655の1売買単位 約8,948円より小さい。刻みやすさでは、いまは2558のほうが細かい。
参照:iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF(BlackRock)
参照:SPDR S&P 500 ETF(State Street)

1655(iS S&P500 米国株ETF)はどこで使うか
3本比較だと、1655の立ち位置をはっきりさせておくと迷いにくい。1655の強みは、年0.066%程度(税込)の信託報酬、1売買単位が約8,948円(2026年8月14日基準)と小さい点、そして東証で日本株のように扱える点にある。さらに連動対象が税引後配当込みの指数なので、指数の中に配当が織り込まれた形で値動きを見ることになる。1655自体は年2回(2月9日・8月9日)の分配を出しており、直近12か月の分配金は1口7.4円、利回りは0.8328%(2026年8月13日時点)である。ただし2558が分割で1口3,572円になったいま、「最低投資額の小ささ」は1655だけの強みではなくなった点は押さえておきたい。
逆に、分配回数の多さを重視する人には1557のほうが見えやすいし、1口単位で国内ETFとしてシンプルに持ちたい人には2558も自然な選択肢になる。1655は万能ではないが、「少額で東証S&P500のコアを作る」という場面では、かなりはっきり役割がある。
参照:iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF(BlackRock)

どれを選ぶかの判断フロー
判断を単純化するとこうなる。受け取り回数を細かくしたい、あるいは米国籍のSPYそのものを持ちたいなら1557。コストを抑えつつ1口単位で細かく刻みたいなら2558(2026年8月14日基準で1口3,572円)。税引後配当込み指数で持ちたい、あるいはブラックロックのIVVを東証経由で持つ形でよいなら1655。これが基本線である。
ただし、コア保有で分配金を再投資し、為替ヘッジも不要で、東証で円で買えれば十分という人にとっては、2558と1655は「どちらでもよい」場面が普通にある。その場合は、売買単位、見慣れた運用会社、手元資金のサイズ、実際の板の厚さで決めてしまってよい。差が小さいところで悩み続けるのは、情報収集ではなく時間の浪費である。
参照:SPDR S&P 500 ETF(State Street)

よくある誤解
「信託報酬が低い方が絶対に得だ」は、半分だけ正しい誤解である。理由は、ETFの実際の買いやすさは信託報酬だけで決まらないからだ。成行注文ではスプレッドの影響を受けるので、発注時の板は確認したい。さらに、この3本は指数の作りも分配設計も同じではない。実際には、コストで2558・1655が有力でも、年4回分配を重視するなら1557が候補になるし、より細かく刻むなら2558(2026年8月14日基準で1口3,572円)が使いやすい。では何をするか。まず信託報酬を見て候補を絞り、その後で指数の違い、分配回数、最低売買金額、実際の板を確認して決める。この順番を崩すな。

まとめ
1557・2558・1655は、どれも東証で買えるS&P500系ETFだが、同じ役割ではない。米国籍のSPYそのものと年4回分配を見るなら1557、コストと刻みやすさのバランスを取るなら2558、税引後配当込み指数とIVV経由の構造で納得できるなら1655、という整理が出発点になる。保有後の見直しは、各銘柄の継続条件記事からつなげたい。
運営者:Sho
最終更新日:2026-08-15
数値確認日:2026-08-15(ステート・ストリート公式ファンドページ 2026-08-13基準/三菱UFJアセットマネジメント公式ファンドページ 2026-08-14基準・月次レポート 2026-07-31基準・交付目論見書 2026-03-07/ブラックロック・ジャパン公式商品ページ 2026-08-14基準/JPX ETF銘柄概要 2026-02-27基準)
主な参照元:State Street/三菱UFJアセットマネジメント/ブラックロック・ジャパン 各商品ページ/日本取引所グループ(JPX)(本文中のリンク参照)
免責:本サイトは情報提供を目的としたもので、特定銘柄の売買や投資手法を推奨するものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。
生成AIの利用:本記事は生成AIを用いて作成し、人間が事実確認のうえ公開しています。
この記事で言えないこと
- 今後の価格と利回りの見通しは、市場環境で変わるため書けない。
- 売買のスプレッドは、確認した時点の板の状況で変わるため、固定の実数としては示していない。
- 組入比率と保有継続の判断については、この記事の役割(比較の軸を示すこと)から外れるため掘り下げていない。銘柄ごとの記事で扱う。
数値の基準日
- 2558 の基準価額(1口3,572円)
- 2026年8月14日
- 1655 の1売買単位(約8,948円)
- 2026年8月14日
- 1557 が連動する SPY 本体の純資産総額(1,087,975億円)
- 2026年2月27日基準





