1476(iS コア Jリート)は、東証REIT指数(配当込み)への連動を目指すETFだ。本記事では2026年1月末時点の断面データをもとに、何をどれだけ持つかを整理し、偏りと入替の仕組みまで一次情報ベースで読み解く。
上位10銘柄で約45%。J-REITの時価総額上位が効く設計だ。業種は実質不動産一本なので、分散の評価は「物件タイプ」と「大口銘柄依存」の2軸で行う。
データの取得日と一次情報の確認場所
本記事のデータは2026年1月末(データ時点:2026年01月31日)のものだ。
組入・中身系の記事で陥りやすいのは、数字を眺めて終わること。確認すべき一次情報は3か所に絞ると迷わない。
(1)運用会社(公式) 組入状況とファクトシートはここから辿れる。上位保有銘柄や各種指標もまとまっている。
(2)取引所(JPXのETF銘柄資料) 対象指数・分配の基準日など仕様を短時間で再確認できる。
(3)指数提供元(JPXの指数ファクトシート/ガイド) 1476の前提は東証REIT指数(配当込み)への連動。算出方式(浮動株時価総額加重、ウエイト上限なし、定期入替なし)をここで押さえると、組入の顔ぶれの理由が読める。
JPX TSE REIT関連指数 ガイド(計算・浮動株など)
今の上位銘柄が気になるなら運用会社の組入状況を見る。なぜ上位が強いのかを理解したいなら、指数ファクトシートで時価総額加重・上限なしを確認する。
上位10銘柄と集中度
J-REITは銘柄数が多いが、指数が時価総額加重である以上、上位銘柄の影響は必ず残る。まず上位10銘柄と合計比率(集中度)を見る。
断面データ(2026年1月時点):上位保有銘柄(%)
| 順位 | 銘柄(ファクトシート表記) | 比率 |
|---|---|---|
| 1 | 日本ビルファンド | 7.38% |
| 2 | ジャパンリアルエステイト | 5.45% |
| 3 | 日本リテールファンド | 5.38% |
| 4 | 野村不動産マスタ-F | 4.53% |
| 5 | ケネディクス・オフィス投資 | 4.15% |
| 6 | GLP投資法人 | 3.98% |
| 7 | 日本プロロジスリート | 3.96% |
| 8 | 大和ハウスリート | 3.61% |
| 9 | オリックス不動産投資 | 3.51% |
| 10 | ユナイテッド・アーバン投資 | 3.51% |
| 上位10銘柄合計 | 45.46% |
上位10で約45%は極端な集中ではないが、上位が効くタイプだ。理由はシンプルで、東証REIT指数が浮動株ベースの時価総額加重で、ウエイト上限なし・全銘柄対象の設計だから。大きいREITは大きく入る。
勘違いしやすいのは、銘柄数が多ければ上位の影響が消えると思うことだ。J-REITは時価総額の大きい銘柄がはっきりしているため、上位の値動き・増資・物件売買の影響が指数にもETFにも乗りやすい。
個別J-REITをすでに持っている人は、その銘柄が上位10に入っているか確認しておく。入っていればETFで二重に持つ形になり、意図せぬ偏りが増える。上位依存を避けたいなら、同じJ-REITでもコアや高利回りなど別指数のETFと役割分担する発想が必要になる。優劣ではなく設計の違いだ。
JPX 東証REIT指数 ファクトシート(算出方式/上限など)
セクター比率と偏りの読み方
J-REIT ETFのセクター比率は、株式ETFほど情報量が多くない。見るべきは、実質不動産一本という前提のうえで、どこに偏りが出るかだ。
断面データ(2026年1月時点):業種別投資内訳(%)
| 業種 | 比率 |
|---|---|
| 不動産業 | 68.19% |
| 不動産投資信託 | 29.56% |
| その他 | 2.25% |
数字上は3区分だが、実態としては賃料・稼働率・金利・信用という不動産の値動きに寄る。株式のように業種分散でショックを吸収するタイプではない。このETFの分散を評価するなら、多数のREITに薄く広く持つこと、物件タイプをまたぐこと、上位銘柄が突出しすぎないこと、この3点で見るのが筋だ。
景気サイクルとの関係でいえば、J-REITは金利の影響(借入コスト・割引率)と景気の影響(賃貸需要)の両方を受ける。ここで見るべきは予測ではなく、ポートフォリオ上の役割だ。株式中心のポートフォリオにインカム源や実物資産寄りの値動きを足したいなら、J-REITに存在意義はある。一方、すでに不動産・REIT比率が高い人がさらに積めば、同じドライバー(金利・不動産市況)を二重に持つことになる。
ポートフォリオに何を加えるかが目的なら、業種よりも物件タイプ(オフィス/物流/住宅/商業/ホテル等)を確認してから比率を決める。運用会社の組入状況ページで確認できる。金利変動への対処は、REITの比率を小さくするのが現実的なコントロール手段だ。銘柄選びで魔法は起きない。
入替ルールと構成が変わるタイミング
ETFの中身は勝手に変わる。変化が自分の想定とズレたとき、慌てないためにルールを把握しておく。
1476の連動対象は東証REIT指数(配当込み)。この指数は東証に上場するREIT全銘柄で構成され、浮動株ベースの時価総額加重で算出される。ウエイト上限はなく、定期入替はなしと明記されている。
定期入替なしは何も変わらないという意味ではない。全銘柄型の指数は主に次の3つのタイミングで構成が動く。
新規上場・上場廃止。全銘柄対象なので、追加・削除がそのまま影響する。時価総額の順位変動。上位銘柄の値動きや増資(口数増)で、ウエイトがじわじわ動く。浮動株比率(FFW)の見直し。指数は浮動株ベースで計算され、FFWが動けばウエイトに効く。
上位10合計が急に跳ねた、あるいは落ちた場合は、まず運用会社の最新組入を見て、上位銘柄の増資・値動きによるものか、大型の新規上場・上場廃止があったのかを切り分ける。幅広いJ-REITを狙っていたのに上位依存が強まったなら、ETFの問題ではなく指数の性格が出ただけだ。比率調整で対応するのが最もブレない。
JPX 東証REIT指数 ファクトシート(全銘柄/定期入替なし等)
よくある誤解
記事に最新の組入比率が載っていないから古くて役に立たない、という批判は半分正しくて半分外れている。組入比率そのものは時間で動くので、最新は一次情報で見るべきなのは当然だ。ただし記事の価値は、どこで・何を・どう見れば自分で更新できるかを固定する点にある。1476なら、運用会社ページで最新の組入状況とファクトシートを確認し、JPXの指数ファクトシートで全銘柄・時価総額加重・上限なし・定期入替なしという設計を押さえる。この順で見れば、数字が変わっても読み方は崩れない。
まとめ
1476は東証REIT指数(配当込み)に連動するJ-REIT全体型だが、上位10で約45%と上位の影響は残る。業種は実質不動産一本なので、判断軸は上位依存と物件タイプの偏りに置く。次は分配金・利回りの記事で、入ってくるお金の見方を自分の数字に落とし込む。
1476|iS コア Jリート 分析ダッシュボード
データ基準日: 2026年1月末
このセクションについて
本セクションでは、1476(iS コア Jリート)の全体像と、投資判断において「ここだけは押さえておくべき」重要なポイントを要約しています。J-REIT市場全体に投資できる当ETFの基本設計と、評価における2つの重要軸を素早く把握するための導入部です。
不動産一本の業種
業種分散でショックを吸収する株式とは異なり、実質的に「不動産」という単一アセットへの投資となります。景気や金利の影響をダイレクトに受けます。
上位集中型の設計
時価総額加重平均・ウエイト上限なしの設計上、上位10銘柄だけで全体の約45%を占めます。大口銘柄の値動きや増資がETF全体に強く影響します。
真の分散評価軸
分散の質を測るには、表面的な業種ではなく「物件タイプ(オフィス、物流など)」と「個別の上位銘柄への過度な依存がないか」の2軸で判断する必要があります。
投資戦略上のポイント
株式中心のポートフォリオにインカム源や実物資産寄りの値動きを足したい場合に意義があります。個別J-REITを既に保有している場合は、上位銘柄との「二重持ち」による意図せぬ偏りに注意が必要です。



