暴落時に40代がETFでやること・やってはいけないこと

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ETFを積み立てていると、必ず暴落の局面が来る。2020年のコロナショック、2022年の米国株下落、2024年の日本株急落――いずれも「もう終わりか」と感じるような下落だった。しかし暴落時に何をするかで、長期リターンが大きく変わる。40代が知っておくべき行動指針を整理する。

まず知っておく:マイナスの年は何度も来ている

MSCI ACWI のインデックス・ファクトシートには、年次リターン(グロス)が 2012 から 2025 まで並んでいる。そのうちマイナスなのは 2015(-1.84)、2018(-8.93)、2022(-17.96)である(単位はパーセント)。下げ幅はまちまちだが、マイナスの年そのものは何度も来ている。

指数最大ドローダウンその期間
MSCI ACWI(全世界株)58.06(%)2007-10-31〜2009-03-09
MSCI World(先進国株)57.46(%)2007-10-31〜2009-03-09

ただしこの資料は、そこから元の水準に戻るまでにかかった期間を載せていない。一方で同じ資料は、Since Dec 31, 1987 の年率リターン(グロス)を 8.94 としている(単位はパーセント)。

暴落時にやること(積極的行動)

1. 積立を止めない――むしろ安く買えるチャンス

毎月定額を積み立てていると、暴落時は同じ金額で多くの口数を買える。これがドルコスト平均法の本質だ。暴落のたびに「安く仕込めた」という経験を積むことで、次の暴落にも動じにくくなる。

2. 生活防衛資金を確認する

暴落中に「急にお金が必要になった」場合、ETFを損切りして売る羽目になる。暴落前に生活費6ヶ月分を現金で別に確保しておくことが、ETFを売らずに持ち続けられる最大の防衛策だ。

3. 保有ETFの「役割」を再確認する

「なぜこのETFを持っているのか」を改めて確認する。全世界株ETFなら「30年後に向けた長期成長」、高配当ETFなら「定期的な配当収入」という目的があるはずだ。目的が変わっていなければ、判断は変えなくていい。

4. 余剰資金があれば買い増しを検討する

生活防衛資金を確保した上で、さらに余剰資金があれば買い増しの検討余地がある。ただし「底を当てる」必要はない。-20%、-30%と段階的に少しずつ買い増す方が心理的な負荷が低く、合理的だ。

暴落時にやってはいけないこと

❌ 全部売って「様子を見る」

最もやってはいけない行動だ。売った後に相場が反転すると、どのタイミングで買い戻せばいいかわからなくなる。反発がいつ来るかは事前にわからない。売った後にそれを取り逃がすリスクが高い。

❌ 別の「安全な資産」に乗り換える

暴落中に「金(ゴールド)に替えよう」「債券に移そう」と考えがちだが、これは損失を確定させながら、別のリスクを取る行為だ。金も債券も必ずしも株式と逆相関ではない局面がある。

❌ 積立額を増やしすぎて精神的に追い詰められる

「安いから買い増せ」と焦って積立額を無理に増やすと、続かなくなる。自分が暴落中でも平静でいられる金額を守ることが最重要だ。毎月5万円で積み立てている人が急に20万円にする必要はない。

❌ ニュースを見すぎて判断を変える

暴落中は悲観的なニュースが溢れる。「○○ショックで市場崩壊か」「専門家が全売りを推奨」といった見出しに惑わされやすい。長期投資家には「今日のニュースより5年後の事業価値」が重要で、日次のニュースは雑音と割り切る。

40代が事前に決めておくべき「判断軸」

暴落中に冷静な判断をするために、平時に判断基準を決めておくことが有効だ。

状況あらかじめ決めておく行動
-10%程度の下落何もしない。積立継続
-20%程度の下落余剰資金の1/3を買い増し
-30%超の急落余剰資金の残りを段階的に追加投資
生活費が不足しそうETFより先に銀行預金を使う

この表はあくまで一例だ。自分の状況(収入・生活費・他の資産)に合わせて、平時に紙に書いて保存しておくと、暴落時の感情的な判断を防げる。

まとめ:暴落は長期投資家のテスト

  • マイナスの年は何度も来ている。「想定外」ではなく「想定内」として扱う
  • 積立を止めない。生活防衛資金を守る。余剰資金で買い増す
  • 全売り・乗り換え・積立増額の焦りは禁物
  • 平時に判断軸を決めておくことが、暴落時の最大の武器になる

40代は老後まで20年近くある。これまでにも、マイナスの年は何度もあった。1回1回の下落で正しい行動を選んだ人が、20年後に大きな差をつける。

データの出典

本記事の、MSCI ACWI と MSCI World の最大ドローダウンとその期間、および MSCI ACWI の年次リターンと年率リターンに関する記載は、以下の一次情報に基づく。取得日は2026年9月16日。

  • MSCI「MSCI ACWI Index (USD)」インデックス・ファクトシート … 「INDEX RISK AND RETURN CHARACTERISTICS」の MAXIMUM DRAWDOWN 欄。MSCI ACWI の値が 58.06、その期間が 2007-10-31 から 2009-03-09 であること(欄の単位はパーセント)。「ANNUAL PERFORMANCE」の表で、年次リターン(グロス)が 2012 から 2025 まで並んでおり、マイナスなのは 2015(-1.84)、2018(-8.93)、2022(-17.96)であること。「INDEX PERFORMANCE — GROSS RETURNS」の欄で、Since Dec 31, 1987 の年率が 8.94 であること
  • MSCI「MSCI World Index (USD)」インデックス・ファクトシート … 「INDEX RISK AND RETURN CHARACTERISTICS」の MAXIMUM DRAWDOWN 欄。MSCI World の値が 57.46、その期間が 2007-10-31 から 2009-03-09 であること(欄の単位はパーセント)
Sho
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業務系SEとして、長年システムを作ってきました。

ETFを買う前に、目論見書と月次レポートを毎回読みます。元の仕様を見ないと気が済まないからです。

このサイトでは、運用会社やJPXの資料で数字を確かめて、ETFの違いを書いています。特定の銘柄の売買は勧めていません。

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