はじめての方へ

市場の見方

新高値・新安値(NH/NL)で相場の内部体温を測る:指数が上がるほど危ない局面を見抜く

指数の成績が良ければ、相場の勢いは続き、投資は安泰だという思い込み。 S&P500やNASDAQが高値を更新しているから買い、下げているから売り。 チャートが一本で済むから、とても分かりやすく見える。自分から見れば、その理解は「相場の内部」が崩れる局面で通用しなくなる。 指数は上がっているのに、多くの銘柄は上がっていない状況がある。 あるいは、安値を更新する銘柄がひっそりと増えていることもある。 ...
市場の見方

騰落銘柄比率で読む相場の賞味期限――指数高値でも「中身が死ぬ」瞬間を見抜く

「指数(ルールで作った成績表)が上がっているなら、相場は強い。下がっているなら、弱い」。 こう考えるのは自然なことかもしれない。ニュースもチャートも「指数」で語られるし、資金もそこに集まる。 市場を代表する数字を見続けていれば、世界を理解できた気になるからね。 でも、この理解は天井や急落の「直前」で、あっけなく破綻する。指数は上がっているのに、多くの銘柄はすでに下がり始めている。 高値を更新してい...
市場の見方

FOMCをセクターの材料に翻訳する技術|金利・ドル・信用で値動きを因果分解する

FOMCは利上げか利下げかだけを見ればいいという思い込みじゃないかな。発表後に株が上がるか下がるかを当てるイベントだと思っているなら、それは少し危うい。ニュースやSNSが、据え置きやハト派といった言葉で騒ぐから無理もないけれど。この見方は、肝心な場面で役に立たなくなる。金利が動かなくても業種ごとに値動きが分かれるし、利下げが決まっても景気が不安なら株は崩れる。決定の内容だけを見ても、値動きの本当の...
市場の見方

原油・銅・金でマクロを読む:商品価格を「景気・インフレ・実質金利」の言語に翻訳する

「商品価格はインフレの温度計。上がればインフレ、下がればデフレ。だから株も債券も同じ方向に考えればいい」。 ニュースも解説も、原油や金が上がったという数字だけで語るから無理もない。 価格という一つの数字に情報が凝縮されているせいで、中身まで同じに見えてしまう。でも、この理解は相場が荒れた瞬間に通用しなくなる。 原油が跳ねても銅が沈み、金が動かない日がある。 逆に金が上がるのに原油が弱い日もある。 ...
市場の見方

ドル高・ドル安がセクターを分ける理由:輸出・資源・多国籍の「利益回路」を解剖する

為替の動きは、相場全体に一律に効くスイッチではない。ドル高なら株にマイナス、ドル安なら株にプラスといった単純な話ではない。ニュースでは分かりやすく言い切られることが多いけれど、それだけを信じると判断を見誤る。現実には、同じ日にエネルギー株が上がって情報技術株が下がることがある。輸出企業は強いのに、多国籍企業は弱いという現象も起きる。これは、企業の利益がどの通貨で生まれ、どの通貨でコストを払うかとい...
市場の見方

クレジットスプレッドとは何か:リスクオン/オフの本体を読み、セクター配分に落とす手順

株が下がるときはリスクオフで、株価だけ見れば十分という考え。 クレジットスプレッドは債券の話だから、自分のセクター配分には関係ないと思い込む。 自然な反応だ。ニュースもチャートも株中心に動いているから。だがこの理解は、相場が株より先に壊れる場所を見落としている。 リスクオフ、つまり想定よりブレる可能性が高まった時の本体は、気分ではない。 正体は、資金の値段だ。 株は最後に殴られる存在に過ぎない。先...
市場の見方

PMI・雇用・小売を“セクターの売買理由”に翻訳する:景気指標→金利→11セクターの因果鎖

「景気指標が良いなら、株は上がるはずだ」 景気が良ければ企業の売上が伸びて、株価も上がるという理屈は自然に聞こえる。 だからPMI(企業の仕入れ担当者の体感を表す数字)が上がったら、景気が良いときに買われやすい業種(景気敏感セクター)を買えばいい。 そう見えるかもしれない。でも、この理解は相場の肝心なところで通用しなくなる。 数字が良いのに株が下がる日は必ず来る。 これは投資家の気まぐれではない。...
市場の見方

インフレで強いセクターはどれか。値上げできるだけでは外す、利益構造と実質金利で読む方法

はまりやすい誤解がある。 インフレ局面、つまりモノやサービスの値段が上がり続ける状態では、エネルギーや素材のように原材料に近いセクター(業種)がいつも強いという思い込みだ。 物価が上がるなら、原油や銅を扱う会社が儲かりそうに見える。 直感としては自然だけど、この理解は相場の肝心なところで通用しなくなる。物価が上がっているのにエネルギー株が伸びず、逆に生活必需品の株が粘る日もある。 さらに同じインフ...
市場の見方

イールドカーブ(長短金利差)で景気の温度を読む――「逆イールド=不況確定」を分解して判断する

逆イールド、つまり短期の方がお金を借りるコスト(金利)が高くなる状態になれば、景気後退が確実に来るという思い込み。 チャートと一緒に覚えると、これが絶対の法則に見えてしまう。この理解が自然に見える理由も分かる。 お金を借りるコストは経済の体温のようなものだ。 長い期間のほうがリスク、つまり想定よりブレる可能性が高いのだから、普通は長期のほうが金利は高い。 それが逆転するのは、未来の景気が冷え込むサ...
セクターの基礎

米国11セクター「コミュニケーション」の癖を解体する:広告・メディア・プラットフォームはITと何が違うのか

コミュニケーション・サービス・セクター(XLC)をデジタル企業の集まりだと考えて、ITの仲間だと捉える。 この誤解が一番危ない。 GoogleやMeta、SNSの会社は、どれもネットの会社に見える。 お金を借りるコスト(金利)が上がればITと同じように下がる。 社会全体のお金の回り方(景気)が良ければITと同じように上がる。 この直感は自然に見えるけれど、相場が荒れた瞬間に通用しなくなる。このセク...
セクターの基礎

公益・不動産はなぜ金利で崩れるのか:ディフェンシブと金利敏感を切り分ける

いちばん自然で、いちばん危ない誤解公益や不動産は、不況に強いと言われている。 電気やガスは生活に欠かせないし、家賃も急にはゼロにならない。 ディフェンシブと呼ばれる理由だ。 直感としては筋が通っている。でも、この理解だけだと大事なところで足をすくわれる。 景気が悪くないのに、このセクターだけ先に大きく下げることがある。 理由はシンプルだ。 ここで起きているのは景気の悪化じゃなくて、金利による値札の...
セクターの基礎

ヘルスケアは景気と無関係ではない:薬価・規制が「ディフェンシブ神話」を壊す仕組み

病気は不況でも起きる。だからヘルスケアは景気と無関係に強い。 初心者が最初に持ちやすい誤解はこれだ。食料や日用品と同じく、需要が消えない領域に見える。 だが、この理解は相場(株の売買が行われる場所)の肝心な部分で破綻する。 株価は需要の有無だけで決まらない。ヘルスケアの損益は、需要より先に値札の付け方と売ってよい条件に支配される。 景気が崩れていないのに下がるし、景気が悪いのに一部だけ上がる。 そ...
セクターの基礎

素材セクターはなぜ「景気の体温計」になりやすいのか:コモディティ・中国需要・在庫循環で読む構造

素材セクターは、素材の原材料(コモディティ)価格が上がれば株価も上がる。そう思われがちだ。ニュースで原油や鉄の値段が動けば、それを作る企業の株も動く。一番自然な考え方だと思う。でも、この見方だけではいつか必ず失敗する。原材料が上がっているのに、素材株が伸びない日がある。逆に原材料が崩れる前に、株価が先に下がる日もある。これを例外として片付けてはいけない。なぜ素材が景気の体温計になりやすいのか。その...
セクターの基礎

米国資本財(Industrials)を読む:設備投資サイクルと受注で景気の先を掴む

資本財、つまり設備を作る企業は景気が良くなってから強くなる。 GDPや雇用といった経済の成績表が改善し、決算が良くなったのを見てから買えばいい。 初心者がこう考えるのは自然なことだと思う。 設備投資は企業の財布が潤ってから増えるという因果は、直感に合うから。だが、この理解は肝心なところで破綻する。 株価は今の景気ではなく、これからの受注という未来の売上の予約を先に織り込む。 景気が見えてから動くの...
セクターの基礎

エネルギー株は原油だけで読めない:在庫・政策を「価格×数量×マージン」で分解して判断する

エネルギー株の分析について、自分なりの視点を整理した。 エネルギー株を、原油価格だけ見ればいいと考えている人が多すぎる。原油が上がれば株も上がり、下がれば下がる。 ニュースもチャートもそう語るので、因果が一直線に見えるのだろう。 だが、その理解は肝心な局面で役に立たなくなる。原油が上がっているのに、株が動かない日がある。 逆に原油が横ばいでも、一部の銘柄だけ強いこともある。 ここで、相場は気まぐれ...