itcareer40.jp比べて選ぶ1656・1482
1656と1482は、同じ範囲の米国の国債に投資するETFで、1656は為替ヘッジをせず、1482は為替ヘッジをします。
米国の国債(国が資金を借り入れるために発行する債券)に投資するETFを調べると、名前がほとんど同じ1656と1482が見つかります。ETFは、証券取引所に上場する投資信託です。投資信託は、多くの投資家から集めたお金を一つにまとめ、収益を返す仕組みです。
2026年10月20日の保有銘柄の一覧では、1482が持つ債券12銘柄は、すべて1656の債券13銘柄の中にあります。
違いの中心は為替ヘッジです。為替ヘッジは、外国の通貨の資産を持つときに、為替の動きによる影響を小さくする手法です。1656は行わず、1482は行います。
2本で同じところは、次のとおりです。
- 運用会社は、どちらもブラックロック・ジャパンです。
- 連動を目指す指数(特定のマーケットの動向を表す指標)は、どちらも名前が「FTSE米国債7-10年セレクト・インデックス」で始まります。
- 主に投資するのは、どちらも残存期間(満期までの期間)が7年以上10年未満の米国の国債です。
- 決算日(投資信託の損益などが確定する日)は、どちらも年4回で、1月・4月・7月・10月の各11日です。
- NISAでは、どちらも成長投資枠(上場株式や投資信託、ETFなどが対象の枠)の対象です。
違うところは、次の表のとおりです。
| 項目 | 1656 | 1482 |
|---|---|---|
| 指数の名前のかっこの中 | 「国内投信用、円ベース」 | 「国内投信用、円ヘッジ・円ベース」 |
| 為替ヘッジ | 原則として行わない | 原則として行う |
| 債券の銘柄数(2026年10月20日) | 13銘柄 | 12銘柄 |
| 信託報酬(運用と管理の対価として支払われる費用。年率・税込) | 0.154% | 0.154%以内 |
| 売買単位 | 10口 | 1口 |
1656と1482は、何が同じで、何が違いますか
2本は同じ運用会社のETFで、同じ範囲の米国の国債を持ち、為替ヘッジをするかどうかが違います。
名前の違いは、1482の名前の最後に付く「(為替ヘッジあり)」です。2本がもとにする指数も、名前のかっこの中が違います。
1656の指数は、かっこの中が「国内投信用、円ベース」です。米国債の値動きを、三菱UFJ銀行が公表する為替相場を使って、日本円に換算した指数です。
1482の指数は、かっこの中が「国内投信用、円ヘッジ・円ベース」です。為替の影響を小さくする円ヘッジを行った場合の成果を表す指数です。下の図2は、指数の名前とかっこの中の違いを示します。
2026年10月20日の保有銘柄の一覧で、債券を比べると次のとおりです。
- 1656の債券は13銘柄です。
- 1482の債券は12銘柄です。
- 1482の債券は、すべて1656の一覧にもあります。
- 1656にだけある債券は1銘柄です。
下の図1は、1マスを1銘柄として、2本が持つ債券の重なりを示します。
2026年9月30日の、債券の発行元ごとの比率では、どちらも米国財務省がいちばん上です。
- 1656は、米国財務省の比率が100.00%です。
- 1482は、米国財務省の比率が99.89%です。
どちらの資料も、債券の価格は金利が上がれば下がり、金利が下がれば上がると説明しています。
参照:ブラックロック・ジャパン 1656・1482の商品ページ(2026年10月21日)・ファンドデータ(保有銘柄一覧 2026年10月20日・分配金の履歴)・交付目論見書(2026年10月10日)・ファクトシート(2026年9月30日時点)/JPX 1656・1482の銘柄詳細資料(2026年2月27日現在)
為替ヘッジのあるなしで、円で見た値段への為替の入り方が変わります
1656は為替の動きが円で見た値段に入り、1482は為替の影響を小さくしますが、すべては避けられず、ヘッジのコストがかかることがあります。
東証(東京証券取引所)のETFは、すべて円で取引されます。外国の通貨の資産に投資する場合は、為替の動きも値段に関わります。
JPX(日本取引所グループ)は、ドル建ての資産の価格が変わらない例を示しています。
- 1ドル=100円で、ドル建ての資産に投資します。
- 1ドル=110円のドル高・円安なら、円に換算すると為替差益が出ます。
- 1ドル=90円のドル安・円高なら、円に換算すると為替差損が出ます。
下の図3は、為替によって円への換算結果が変わる例を示します。
1656は、原則として為替ヘッジを行いません。そのため、為替の動きが運用の成果に影響します。
1482は、原則として為替ヘッジを行い、為替の影響を小さくすることを目指します。ただし、影響のすべてを避けることはできません。
米ドルの金利が円の金利より高いときは、金利の差の分の為替ヘッジコストがかかります。需給(売りたい量と買いたい量の関係)などで発生することもあり、運用の成果に影響します。下の図4は、1656と1482で為替の扱いが違うことを示します。
JPXの説明では、為替ヘッジが付いたETFでは、外貨を売って日本円を買う為替予約取引などが行われます。それでも、為替の動きの影響を完全になくせるものではありません。
2026年10月20日の保有銘柄の一覧では、1482にだけ、米ドルと円の為替の取引の行が14行あります。資産の種類(アセットクラス)は「フォワード」、銘柄名は「USD/JPY」です。1656の一覧には、この行はありません。
参照:ブラックロック・ジャパン 1482の商品ページ(2026年10月21日)、1656・1482のファンドデータ(保有銘柄一覧 2026年10月20日・分配金の履歴)・交付目論見書(2026年10月10日)/JPX「為替ヘッジ指標」(2020年10月15日更新)
分配の時期は同じで、売買単位と1口の値段が違います
決算日と分配の決め方は同じで、売買単位は1656が10口、1482が1口と異なります。
分配金(運用で得た収益を、口数に応じて決算ごとに分けるお金)は、どちらも年4回です。決算日は、1月・4月・7月・10月の各11日と、2本で同じ日です。下の図5は、2本の決算日の月を示します。
どちらも、経費などを引いた配当等収益(受取利息など)の全額を分配するのが原則です。ただし、将来の分配金は保証されません。
直近4回の分配金は、どちらも1口あたりの金額です。1656の分配金は、次のとおりです。
- 2026年1月11日は2.8円です。
- 2026年4月11日は3.4円です。
- 2026年7月11日は3円です。
- 2026年10月11日は3.2円です。
1482の分配金は、次のとおりです。
- 2026年1月11日は16円です。
- 2026年4月11日は18円です。
- 2026年7月11日は17円です。
- 2026年10月11日は16円です。
2本の分配金の円の額は、並べて比べません。1口の基準価額(毎日計算される、1口あたりの資産の価値)が、2本で違うためです。
売買単位は、1656が10口単位、1482が1口単位です。1656は2022年10月12日に、受益権(投資信託を持つ人の権利)の分割と売買単位の変更を行いました。
2022年10月11日時点の受益権を、1対10の割合で分割しました。1口が10口になる分割です。
2026年10月21日の基準価額は、次のとおりです。
- 1656は、1口298.25円です。
- 1482は、1口1,481.48円です。
基準価額と売買単位を掛けた、1回に買う最低の金額の目安は、次のとおりです。
- 1656は、298.25円×10口=2,982.5円です。
- 1482は、1,481.48円×1口=1,481.48円です。
実際に売買する値段は、取引所の市場価格です。市場価格は基準価額と一致しないことがあり、この計算は日々変わる目安です。下の図6は、基準価額と売買単位から出した目安を示します。
2026年2月27日現在のJPXの資料では、どちらも東証のマーケットメイク制度の対象です。マーケットメイク制度は、マーケットメイカーと呼ばれる会社が売りと買いの値段を出して、取引しやすくする仕組みです。
信託報酬の率は、次のとおりです。
- 1656は年0.154%で、税抜では0.14%です。
- 1482は年0.154%以内で、税抜では0.14%以内です。
仮に100万円相当の状態が1年間変わらないとして単純計算すると、1656の信託報酬率の部分は1,540円です。1482は、以内の率の上限で計算すると、同じ1,540円です。
実際の信託報酬は、日々変わる純資産総額をもとに計算されます。純資産総額は、費用などを差し引いた、ETF全体の大きさです。
総経費率は、運用と管理にかかった費用の総額を、割合で表して年率に直した値です。割合は、その期間の平均の口数と平均の基準価額をもとに出します。2026年1月12日から7月11日までの期間では、次のとおりです。
- 1656の総経費率は0.20%です。
- 1482の総経費率は0.19%です。
2026年10月21日の純資産総額は、次のとおりです。
- 1656は456.4億円です。
- 1482は1,048.5億円です。
NISAでは、どちらも成長投資枠の対象です。NISAのもう一つの枠であるつみたて投資枠は、どちらも対象外です。つみたて投資枠は、一定の条件を満たして金融庁に届け出された株式投資信託とETFが対象の枠です。
名前の違いは「(為替ヘッジあり)」の部分ですが、保有銘柄の一覧まで並べると、持っている国債は思っていた以上に同じで、意外でした。
参照:ブラックロック・ジャパン 1656・1482の商品ページ(2026年10月21日)・ファンドデータ(保有銘柄一覧 2026年10月20日・分配金の履歴)・交付目論見書(2026年10月10日)/JPX 1656・1482の銘柄詳細資料(2026年2月27日現在)/資産運用業協会「成長投資枠対象商品リスト(上場ファンド)」(2026年10月19日)
2本を円で見た値動きの違いには、何が入りますか
2本を円で見た値動きの違いには、為替ヘッジの有無という作りの違いも入ります。
ここからは、この記事で確かめた資料の記載を並べて、そのまま言える範囲を整理したもので、為替や金利の見通しを示すものではありません。
- 2本の指数は、どちらも残存期間7年以上10年未満の米国の国債からつくります。
- 2026年10月20日の保有銘柄の一覧で、1482の債券12銘柄は、すべて1656の一覧にもあります。
- 信託報酬率は、1656が年0.154%、1482が年0.154%以内です。
- 決算日はどちらも同じです。
- 1656は為替ヘッジを行わず、為替レートの変動が運用の成果に影響します。
- 1482は為替ヘッジで為替の影響を小さくしますが、すべては避けられず、為替ヘッジコストがかかることがあります。
1482の債券12銘柄は1656の一覧にもあり、1482の信託報酬率の上限の数字も、1656と同じです。そのうえで、2本を円で見た値動きの違いには、為替ヘッジの有無という作りの違いも入ってきます。
1656にはドルと円の為替の動きが入ります。1482は為替の影響を小さくしますが、すべては避けられず、為替ヘッジのコストがかかることもあります。
債券の銘柄数など、ほかの違いも一覧表に出ています。下の図7は、2本で重なる点と、為替ヘッジによる作りの違いを示します。
参照:ブラックロック・ジャパン 1656・1482の商品ページ(2026年10月21日)・ファンドデータ(保有銘柄一覧 2026年10月20日・分配金の履歴)・交付目論見書(2026年10月10日)
この記事で言えないこと
- 為替ヘッジのコストの大きさ(率や金額)は書いていません。2本の商品ページと交付目論見書に、その数字が載っていないためです。
- 2本の分配金の円の額は並べていません。1口の基準価額が違うので、並べると比べられるように見えるためです。
- これからの金利や為替の動きと、それが2本の値動きにどう表れるかは書いていません。この記事で使った資料に、その見通しが載っていないためです。
数値の基準日
- 2本の商品ページ(基準価額・純資産総額)
- 2026年10月21日
- 2本の保有銘柄の一覧(ファンドデータ)
- 2026年10月20日
- 2本のファクトシート(債券の発行元)
- 2026年9月30日
- 2本の交付目論見書(為替ヘッジ・分配・信託報酬・総経費率。分割は1656)
- 2026年10月10日
- JPX 銘柄詳細資料(1656・1482)
- 2026年2月27日
- JPX「為替ヘッジ指標」(更新日)
- 2020年10月15日
- 資産運用業協会の成長投資枠対象商品リスト(更新日)
- 2026年10月19日
- 用語の説明に使った資料(資産運用業協会・JPX の用語集、金融庁「NISAを知る」。いちばん新しい取得日)
- 2026年10月22日
次に読む
1482を、同じ為替ヘッジありで残存期間20年超の米国債ETFと並べた記事は、2621と1482の違い|為替ヘッジありの米国債ETF、残存期間20年超と7-10年の中身・分配金・費用を資料で読むです。1656を、残存期間の違う米国債ETFと並べた記事は、2012 vs 1656 vs 2255|米国債ETFは年限で何が変わるかです。
出典
- ブラックロック・ジャパン「iシェアーズ・コア 米国債7-10年 ETF(1656)」商品ページ(2026年10月21日・2026年10月22日取得)
- ブラックロック・ジャパン「iシェアーズ・コア 米国債7-10年 ETF(為替ヘッジあり)(1482)」商品ページ(2026年10月21日・2026年10月22日取得)
- ブラックロック・ジャパン「iシェアーズ・コア 米国債7-10年 ETF(1656)」ファンドデータ(保有銘柄一覧・分配金の履歴)(保有銘柄一覧 基準日 2026年10月20日・2026年10月22日取得)
- ブラックロック・ジャパン「iシェアーズ・コア 米国債7-10年 ETF(為替ヘッジあり)(1482)」ファンドデータ(保有銘柄一覧・分配金の履歴)(保有銘柄一覧 基準日 2026年10月20日・2026年10月22日取得)
- ブラックロック・ジャパン「iシェアーズ・コア 米国債7-10年 ETF」投資信託説明書(交付目論見書)(2026年10月10日)
- ブラックロック・ジャパン「iシェアーズ・コア 米国債7-10年 ETF(為替ヘッジあり)」投資信託説明書(交付目論見書)(2026年10月10日)
- ブラックロック・ジャパン「1656」ファクトシート(2026年9月30日時点)
- ブラックロック・ジャパン「1482」ファクトシート(2026年9月30日時点)
- JPX「1656」銘柄詳細資料(2026年2月27日現在)
- JPX「1482」銘柄詳細資料(2026年2月27日現在)
- JPX「為替ヘッジ指標」(指数・指標の説明(ETF))(2020年10月15日更新)
- 資産運用業協会「成長投資枠対象商品リスト(上場ファンド)」(リスト更新日の最新 2026年10月19日・2026年10月21日取得)
- 資産運用業協会 用語集「ETF」(2026年10月21日取得)
- 資産運用業協会 用語集「分配金」(2026年10月21日取得)
- 資産運用業協会 用語集「純資産総額」(2026年10月21日取得)
- 資産運用業協会 用語集「基準価額」(2026年10月21日取得)
- 資産運用業協会 用語集「運用管理費用(信託報酬)」(2026年10月21日取得)
- 資産運用業協会 用語集「インデックス」(2026年10月21日取得)
- 資産運用業協会 用語集「決算日」(2026年10月21日取得)
- 資産運用業協会 用語集「債券」(2026年10月21日取得)
- 資産運用業協会 用語集「為替ヘッジ」(2026年10月21日取得)
- 資産運用業協会 用語集「口数」(2026年10月21日取得)
- JPX 用語集「国債」(2026年10月22日取得)
- JPX 用語集「売買単位」(2026年10月22日取得)
- JPX 用語集「残存期間」(2026年10月22日取得)
- 資産運用業協会 用語集「ファンド」(2026年10月20日取得)
- 資産運用業協会 用語集「NISA」(2026年10月19日取得)
- 資産運用業協会 用語集「受益権」(2026年10月21日取得)
- 金融庁「NISAを知る」(2026年10月22日取得)
