itcareer40.jp2026年9月の東証ETFとETN
2026年9月、東証に新しい上場商品が9本ふえます。2026年9月17日の時点で、6本は上場日を過ぎ、残る3本はこれから上場します。
ただし、9本が同じつくりというわけではありません。7本はETFですが、2本はETNです。ETNはETFではなく、発行した会社の信用にぶら下がる債券です。
9月の9本は、3つに分かれます
日本取引所グループが、新規上場銘柄の一覧を公表しています。2026年9月に上場日が入っているのは9本で、つくりで分けると3つになります。
指数に連動するETFが5本、指数に連動しないETFが2本、ETFではないETNが2本です。
テーマもばらけています。金と米国債、TOPIX、日経平均、韓国の半導体があります。日本の短期債券、世界のメモリ、データセンター、防衛も並びます。
参照:日本取引所グループ 新規上場銘柄(ETF)/同(ETN)
9月の新規上場
9本
2026年9月4日から9月30日
うちETF
7本
指数に連動しないものが2本
うちETN
2本
ETFではない
ETNはETFではなく、債券です
日本取引所グループは、次のように説明しています。
ETN(イー・ティー・エヌ)とは「Exchange Traded Note」の略で、「上場投資証券」または「指標連動証券」と呼ばれる上場商品です。
値が指数に合わせて動く点は、指数に連動するETFと同じです。違うのは、その動きを何が支えているかです。裏付け資産について、資料には「ETFは、何らかの現物株式やリンクノートを裏付け資産として保有しています」という説明があります。何を持つかは商品によって違い、今回の626Aは一覧で「先物型」に分類されています。ETNにはこの裏付け資産がありません。
発行した会社が約束しているのは、一証券あたりの償還価額が指数に合わせて動くことです。市場で付く値段は需給で動くので、償還価額と一致しないことがあります。
資料では、ETFを「裏付けとなる現物資産を保有し、その資産は信託銀行に保管されている」とし、ETNは「ETFとは異なり証券に対する裏付資産を持たない(必要としない)」としています。なお同じ資料は、リンク債を組み入れているETFについては「ETNと同様に、リンク債の発行者の信用リスクを考慮する必要があります」とも書いています。
支えているのは、発行した会社の信用です。643Aと644Aの発行者は三菱UFJ証券ホールディングス株式会社で、銘柄詳細資料の「ETNの保証者」の欄は「なし」です。連動を約束するのは発行した会社自身で、その約束を外から保証する会社は付いていません。
ETNで直接負うことになる発行体の信用リスクについては、次のように書かれています。
発行体の倒産や財務状況の悪化等の影響により、ETNの価格が下落する又は無価値となる可能性がありますので、こうした発行体の信用リスクについては十分に留意する必要があります
東証には、発行体の信用力についての上場審査・廃止基準があります。主な基準は、純資産額5,000億円以上、自己資本比率8%超、発行体格付A-格同等以上などです。自己資本比率8%超には注記があり、証券会社なら自己資本規制比率200%超、保険会社ならソルベンシー・マージン比率400%超が求められます。
期限もあります。償還日とはETNの期限にあたる日のことで、643Aと644Aはどちらも2046年9月10日です。分配金は出ず、銘柄詳細資料には「分配金の支払いは行われません」とあります。
費用の書き方も違います。2本の管理費用は年0.85%です。資料では信託報酬ではなく、「指標のパフォーマンスから控除されます」という書き方をします。
参照:日本取引所グループ ETNの概要/同 投資のリスク(ETN)/同 銘柄詳細資料 643A・644A
指数に連動しないETFが2本あります
635Aと636Aは、新規上場銘柄一覧の「連動対象指標」の欄が「-」になっています。連動する指数が無いからです。
東証は、承認の発表で次のように書いています。
三井住友DSアセットマネジメント株式会社が運用する新しいアクティブ運用型ETFの上場を承認しました
運用会社も同じことを書いています。
ファンドはアクティブ運用型ETFであり、特定の指標に連動する投資成果を目指すものではありません
運用方針の範囲で、何を買うかは運用会社が決めます。中身は日本の公社債と短期の金融商品で、投資する公社債の残存期間は原則3年以下、ファンド全体のデュレーションは原則1年程度とされています。
デュレーションとは、金利が動いたときに債券の値段がどれだけ動くかを表す数字です。
運用管理費用のうち、純資産総額にかかる率は年0.1045%(税抜0.095%)以内で、有価証券を貸し付けた場合は別の計算分が加わります。売買単位は10口です。
参照:日本取引所グループ 新規上場の承認(2026年8月24日)/三井住友DSアセットマネジメント SMBC Prime 日本短期債券ETF
635Aと636Aは、運用会社の資料にNISAの扱いが書いてありました
日本取引所グループの銘柄詳細資料には「NISA制度成長投資枠」の欄があります。金のETFである1540は「対象」、2865は「対象外」です。
9月の9本のうち、633A・635A・639A・643A・644Aの5本を確認しましたが、この5本にはその欄がありません。同じ読み取り方で既存の2本からは値が取れたので、読み取りに失敗したのではなく、欄そのものがありません。
ただし、この2本については運用会社の資料に書いてありました。三井住友DSアセットマネジメントの商品ページでは、636Aと635Aで扱いが違います。
636A(年1回決算型)には「NISA成長投資枠の対象です」、635A(毎月決算型)には「NISAの対象外です」と書かれています。
2本は同じマザーファンドを通じて運用します。決算の頻度は違い、NISAの扱いも分かれました。確認先は1か所ではありません。この記事では、9本すべてについて運用会社の資料までは確認していません。
NISAで買えるかを自分で確かめる手順はETFがNISAで買えるか確認する方法にまとめています。
参照:日本取引所グループ 銘柄詳細資料/三井住友DSアセットマネジメント SMBC Prime 日本短期債券ETF
この記事で言えないこと
- NISAの可否は、9本すべてについて運用会社の資料までは確認していません。
- 643A・644A・639Aの3本は上場前で、取引の実績がありません。
- 9本すべての信託報酬は並べていません。載せたのは635A・636Aと、ETN2本の管理費用です。
- ETNのリスクは信用リスクだけではありません。市場価格との乖離や流動性も資料に挙がっています。
見分け方は、名前の終わりとJPXの一覧です
今回の2本は、名前の終わりに「ETN」と付いています。643Aの名前は「データセンターインフラ 日本株(ネットリターン)ETN」、644Aは「防衛フォーカス 日本株(ネットリターン)ETN」です。
銘柄コードでは分かりません。9本とも数字3桁とアルファベット1文字で、ETFとETNの見た目は同じです。
日本取引所グループは、ETFの一覧とETNの一覧を別のページに分けています。どちらに載っているかでも確かめられます。
| 上場日 | コード | 名称 | つくり | 連動対象指標 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年9月4日 | 626A | iFreeETF ゴールドプラスインカム | ETF | Solactive ゴールドプラス米国債(7-10年)指数(円ベース) |
| 2026年9月8日 | 630A | ニッセイETF TOPIX(年4回決算型) | ETF | TOPIX(配当込み) |
| 2026年9月9日 | 632A | グローバルX 日経225 ETF | ETF | 日経平均トータルリターン・インデックス |
| 2026年9月9日 | 633A | グローバルX 韓国半導体・トップ10 ETF | ETF | FnGuide Semiconductor TOP10 Index(円換算ベース) |
| 2026年9月11日 | 635A | SMBC Prime 日本短期債券ETF(毎月決算型) | ETF(アクティブ運用) | – |
| 2026年9月11日 | 636A | SMBC Prime 日本短期債券ETF(年1回決算型) | ETF(アクティブ運用) | – |
| 2026年9月28日(予定) | 643A | データセンターインフラ 日本株(ネットリターン)ETN | ETN | iSTOXX MUTB ジャパンデータセンター関連 インデックス(ネットリターン) |
| 2026年9月28日(予定) | 644A | 防衛フォーカス 日本株(ネットリターン)ETN | ETN | iSTOXX MUTB ジャパン防衛 インデックス(ネットリターン) |
| 2026年9月30日(予定) | 639A | NEXT FUNDS Solactiveグローバル・メモリ指数連動型上場投信 | ETF | Solactiveグローバル・メモリ指数(税引前配当込み) |
東証に上場している金のETFを仕様で並べた記事は東証の金ETF8本を仕様で並べるにあります。指数そのものの読み方は指数のルールの読み方で扱っています。
参照:日本取引所グループ 新規上場銘柄(ETF)/同(ETN)
数値の基準日
- 確認した日
- 2026年9月17日
- 上場日と指標
- 新規上場銘柄一覧
- ETNの管理費用
- 年0.85%
- アクティブ運用型の費用
- 年0.1045%(税抜0.095%)以内
データの出典
この記事の数値と名称は、すべて2026年9月17日に取得しました。上場日と連動対象指標は日本取引所グループの新規上場銘柄一覧から、ETNの管理費用と発行者と償還日は同じグループの銘柄詳細資料から取りました。
アクティブ運用型の運用方針とNISAの扱い、ETFの運用管理費用は、運用会社の商品ページによります。
643A・644A・639Aの3本は、2026年9月17日の時点では上場前で、資料の記載も「予定」になっています。銘柄名は資料では「グローバルX」のように全角の英字で書かれていますが、この記事では読みやすさのため半角にしました。
- 新規上場銘柄(年間)銘柄一覧(ETF)|日本取引所グループ … 上場日・コード・名称・連動対象指標
- 新規上場銘柄(年間)銘柄一覧(ETN)|日本取引所グループ … ETN2本の上場日・連動対象指標
- ETNの特徴・ETFとの違い|日本取引所グループ … ETNの定義、裏付資産を持たないこと
- 投資のリスク(ETN)|日本取引所グループ … 発行体の信用リスクと、上場審査の基準
- 新規上場の承認(ETF):SMBC Prime 日本短期債券ETF|日本取引所グループ … アクティブ運用型ETFであること
- SMBC Prime 日本短期債券ETF|三井住友DSアセットマネジメント … 運用方針・信託報酬・売買単位・NISAの扱い
