新NISAでVOO・VYMを持つのと、東証の同じ指数のETFを持つのは何が違うか|指数・枠の数え方・外国の税を資料で並べる

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JPX の ETF 全銘柄一覧416本の中に、VYM と同じ指数に連動する ETF は1本もありません。VYM の指数は FTSE High Dividend Yield です。

一方、VOO のベンチマークである S&P 500 をもとにした指数に連動する ETF は、東証に15本あります。配当の扱いや円換算、為替ヘッジの条件は銘柄ごとに違い、為替ヘッジなしが8本、為替ヘッジありが7本です。

外国の取引所に上場する ETF を外貨で買う場合は、NISA の年間投資枠の数え方も決まっています。外貨での購入代金を、約定日の為替レートで円に換算して計算します。

S&P 500 をもとにした指数に連動する東証ETF

15本

為替ヘッジなしが8本

FTSE High Dividend Yield に連動する東証ETF

0本

416本

VOO の経費率

0.03%

VYM は0.04%

VOOとVYMは、新NISAの成長投資枠の対象になるのか

日本証券業協会の NISA の Q&A では、成長投資枠の対象に ETF が含まれ、上場には国外の取引所に上場しているものも含むとしています。

成長投資枠の対象商品は、上場している株式や ETF、上場REIT、公募株式投資信託等です。

ただし、監理銘柄・整理銘柄の株式や、信託期間が20年未満の投資信託などは除外されます。毎月分配型や、デリバティブ取引を用いた一定の投資信託等も対象外です。

公社債や公社債投資信託についても、成長投資枠へ受け入れることはできません。

日本証券業協会は、「上場」には国外の取引所への上場も含むとしています。対象になるかどうかは商品ごとに異なるとして、取引先の証券会社への相談を案内しています。

VOO と VYM の上場先は、Vanguard のファクトシートではどちらも NYSE Arca です。VOO は S&P 500 Index、VYM は FTSE High Dividend Yield Index をベンチマークとしています。分配の予定(Dividend schedule)は、どちらも Quarterly(四半期ごと)です。

したがって、米国上場の ETF も成長投資枠の対象になりうることは確認できます。ただし、この資料だけでは、VOO や VYM が個別に対象だとは言い切れません。商品ごとの扱いは、証券会社で確かめる形です。

参照:日本証券業協会「NISA に関する Q&A」(2026年9月)、Vanguard「Vanguard S&P 500 ETF」(2026年6月30日)、Vanguard「Vanguard High Dividend Yield ETF」(2026年6月30日)

VOO・VYMと同じ指数に連動する東証のETFはあるか

S&P 500 をもとにした指数に連動する ETF は東証に15本ありますが、FTSE High Dividend Yield に連動する ETF は JPX の一覧に1本もありません。

JPX の一覧で、連動対象指標の名前が S&P 500 の15本を並べます。指標名の括弧には、配当込み・円建て・円ヘッジといった条件が付くものがあります。この記事では、これらも VOO と同じ指数をもとにした ETF として数えます。

コード 銘柄名 連動対象指標(一覧の表記) 為替ヘッジ 信託報酬(一覧の表記)
1547 上場インデックスファンド米国株式(S&P500) S&P500指数 なし 0.15%程度
1557 State Street® SPDR® S&P 500® ETF(注2) S&P500指数 なし 0.0945%
2558 MAXIS米国株式(S&P500)上場投信 S&P500指数 なし 0.06%程度
2633 NEXT FUNDS S&P 500 指数(為替ヘッジなし)連動型上場投信 S&P 500(税引前配当込み) なし 0.06%
1655 iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF S&P500®(税引後配当込み、TTM、円建て) なし 0.06%程度
2521 上場インデックスファンド米国株式(S&P500)為替ヘッジあり S&P500指数(円ヘッジ) あり 0.15%程度
2563 iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF(為替ヘッジあり) S&P500®(税引後配当込み、TTM、円建て、円ヘッジ) あり 0.07%程度
2630 MAXIS米国株式(S&P500)上場投信(為替ヘッジあり) S&P500指数(円ヘッジ・円換算ベース) あり 0.07%程度
2634 NEXT FUNDS S&P 500 指数(為替ヘッジあり)連動型上場投信 S&P 500(TTM、円建て、円ヘッジ、税引前配当込み) あり 0.07%
2247 iFreeETF S&P500(為替ヘッジなし) S&P500指数(配当込み、円ベース) なし 0.07%以内
2248 iFreeETF S&P500(為替ヘッジあり) S&P500(配当込み、TTM、円建て、円ヘッジ) あり 0.07%以内
2086 NZAM 上場投信 S&P500(為替ヘッジあり) S&P500指数(配当込み、TTM、円建て、円ヘッジ) あり 0.07%以内
449A ステート・ストリート・スパイダー S&P500® ETF(為替ヘッジなし) S&P500®(配当込み、円ベース) なし 0.0275%以内
450A ステート・ストリート・スパイダー S&P500® ETF(為替ヘッジあり) S&P500®(配当込み、円ヘッジベース) あり 0.0275%以内
533A NZAM 上場投信 S&P500(為替ヘッジなし) S&P500指数(配当込み、当社円換算ベース) なし 0.06%以内

15本すべてで「NISA対象銘柄」の欄に●が付いています。同じ S&P 500 をもとにした指数でも、配当の扱い・円換算・為替ヘッジの条件と、信託報酬の表記は銘柄ごとに違います。

1557 の銘柄名には「注2」があります。JPX の注2は、「外国籍のETFであるため、外国証券取引口座の開設が必要になります。」という内容です。

一方、FTSE High Dividend Yield に連動する ETF は、同じ416本の中に0本です。VYM のベンチマークはこの FTSE High Dividend Yield Index です。

つまり、S&P 500 をもとにした指数には、東証の ETF があります。VYM と同じ指数に連動する ETF は、JPX の一覧にはありません。

参照:日本取引所グループ「銘柄一覧(ETF)全銘柄」(2026年10月1日更新)、Vanguard「Vanguard S&P 500 ETF」(2026年6月30日)、Vanguard「Vanguard High Dividend Yield ETF」(2026年6月30日)

経費率と信託報酬は、どう並ぶか

Vanguard のファクトシートでは VOO の経費率が0.03%、VYM が0.04%で、東証の S&P 500 をもとにした ETF のうち為替ヘッジなし8本の信託報酬は、一覧の表記で0.0275%以内から0.15%程度です。

Vanguard の資料では、VOO の Expense ratio は0.03%、VYM は0.04%です。

為替ヘッジなし8本の信託報酬は、一覧の表記で次のとおりです。

  • 1547:0.15%程度
  • 1557:0.0945%
  • 2558:0.06%程度
  • 2633:0.06%
  • 1655:0.06%程度
  • 2247:0.07%以内
  • 449A:0.0275%以内
  • 533A:0.06%以内

最も小さい表記は449Aの0.0275%以内で、大きい表記は1547の0.15%程度です。JPX の一覧では「以内」「程度」といった書き方も使われています。

ただし、名前は Vanguard の資料が「Expense ratio」、JPX の一覧が「信託報酬」です。表している範囲が同じとは限りません。そのため、ここでは両者を同じ物差しとして引き算しません。

参照:Vanguard「Vanguard S&P 500 ETF」(2026年6月30日)、Vanguard「Vanguard High Dividend Yield ETF」(2026年6月30日)、日本取引所グループ「銘柄一覧(ETF)全銘柄」(2026年10月1日更新)

NISAの年間投資枠は、外貨で買うとどう数えるのか

日本証券業協会の Q&A では、外国の取引所に上場する ETF などを外貨で買った場合、外貨での購入代金を約定日の為替レートで円に換算した金額で、年間投資枠の利用金額を計算します。

円への換算に使うのは、約定日の為替レートである「対顧客直物電信売相場」です。

つまり、年間投資枠で数えるのは外貨建ての購入代金そのものではありません。約定日の為替レートを使って円貨に換算した金額が、利用金額になります。

VOO や VYM を外貨で買う場合は、枠を円でいくら使ったかの計算も入ります。

参照:日本証券業協会「NISA に関する Q&A」(2026年9月)

分配金にかかる外国の税は、NISAでどう扱われるか

国税庁のタックスアンサーでは、NISA 口座内の上場株式等の配当等に課される外国所得税は、外国税額控除の対象になりません。

外国税額控除は、外国所得税額について扱う制度です。国税庁は、その対象にならない外国所得税額の中に、非課税口座内上場株式等の配当等に対して課される外国所得税額を挙げています。

NISA 口座の配当等に外国で課された税は、外国税額控除で扱えません。

もう一つの論点は、上場株式の配当金や ETF・REIT の分配金の受取方式です。日本証券業協会のページは、これらをまとめて「上場株式の配当金等」と呼んでいます。

このページによると、NISA 口座で買った上場株式の配当金等を非課税にするには、受取方式を「株式数比例配分方式」にする必要があります。

配当金領収証方式や登録配当金受領口座方式、個別銘柄指定方式では非課税にならず、20%の税率で源泉徴収されます。復興特別所得税を含めると、税率は20.315%です。

したがって、外国で課された税の扱いと、日本での配当金等の受取方式は別の論点です。NISA でも、外国所得税額は外国税額控除の対象になりません。受取方式によっては、日本でも源泉徴収されます。

参照:国税庁 タックスアンサー No.1240「居住者に係る外国税額控除」(2026年10月4日取得)、日本証券業協会「NISA口座における上場株式の配当金等受取方式に関する注意事項」(2026年10月4日取得)

VOO・VYMと東証のETF、比べるときに何が分かれるか

この記事で並べた資料では、持ちたい指数が S&P 500 なのか FTSE High Dividend Yield なのかで、その指数をもとにした東証の ETF があるかどうかが分かれます。

外貨で買うと、NISAの枠を円でいくら使ったかが約定日の為替レートで決まるというのは、Q&Aを読んで初めて意識しました。

ここからは、この記事で並べた資料から、そのまま導ける範囲の推論です。個別の証券会社での取扱いや税額を確かめたものではありません。

VOO は S&P 500 Index、VYM は FTSE High Dividend Yield Index がベンチマークです。どちらも NYSE Arca に上場しています。

JPX の一覧には、S&P 500 をもとにした指数に連動する ETF が15本あります。一方、FTSE High Dividend Yield に連動する ETF は0本です。

また、外国の取引所の ETF を外貨で買うと、年間投資枠は約定日の為替レートで円に換算して数えます。

並べると、ベンチマークをもとにした指数に連動する東証 ETF の有無は、VOO と VYM で同じではありません。また、外国取引所の ETF を外貨で買う場合には、年間投資枠を円換算して数える扱いがあります。

持ちたい指数が S&P 500 なのか FTSE High Dividend Yield なのかで、東証の ETF という選び方があるかどうかが分かれます。

参照:日本証券業協会「NISA に関する Q&A」(2026年9月)、Vanguard「Vanguard S&P 500 ETF」(2026年6月30日)、Vanguard「Vanguard High Dividend Yield ETF」(2026年6月30日)、日本取引所グループ「銘柄一覧(ETF)全銘柄」(2026年10月1日更新)

次に読む

VOOの分配金と中身、米国ETFの分配金にかかる税金の読み方は VOO|Vanguard S&P 500 ETFの分配金と中身|税金と手取りの読み方 にまとめています。

VYMが連動するFTSE High Dividend Yield Indexの特徴は 【安定重視の米国高配当ETF】VYMを解説|特徴・構造・リスクを初心者向けに整理 で整理しています。

信託報酬と総経費率がなぜ資料ごとに違って見えるのかは 信託報酬と総経費率の違い|ETFのコスト表示が資料で変わる4つの理由 です。

東証のETFを含む、NISAでの配当課税と二重課税調整の扱いは 新NISAの配当課税と二重課税調整を実務で間違えない方法 にまとめています。

この記事で言えないこと

  • VOO・VYMを成長投資枠で扱うかは、日本証券業協会が商品ごとに異なるとして証券会社への相談を案内しているため、書いていません。
  • 米国で VOO・VYM の分配金にかかる税の率と、東証のETFが投資先から受け取る配当にかかる外国の税の扱いは、この記事で使った資料に書かれていないため、書いていません。
  • 株式数比例配分方式の説明が VOO・VYM の分配金にもそのまま当てはまるかは、日本証券業協会のページが外国の取引所に上場する ETF を分けて書いていないため、書いていません。

数値の基準日

ETF全銘柄一覧(JPX)
2026年10月1日
ファクトシート(Vanguard)
2026年6月30日
NISA に関する Q&A(日本証券業協会)
2026年9月
国税庁・日本証券業協会のページを取得した日
2026年10月4日

出典

Sho
Sho

業務系SEとして長年

計画・リスク管理・数値設計を軸に、
ETFの情報整理から投資判断までをテンプレ化・自動化してきた。

新NISAの時代だからこそ、
感情よりも「仕組み」で迷わない投資を。

—— 焦らず、ブレず、仕組みで勝つ。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としています。投資判断はご自身の責任で行ってください。
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