itcareer40.jp比べて選ぶ1543・1675
パラジウムのETFの1543と1675は、どちらも地金を持ちますが、地金を置く場所と仕組みが違い、NISAの成長投資枠の扱いも違います。
JPXのETF全銘柄一覧で、パラジウムだけを対象にするものは1543と1675の2本です。1543は日本国内の倉庫に地金を置き、その全体の量は2026年1月20日時点で804,340.011グラムです。
1675の地金はロンドンの金庫にあり、1口ごとに金属の量が決まっています。2026年10月29日時点で、1口あたり約2.83グラムです。
NISAの成長投資枠は、1543が対象で、1675は対象外です。どちらも分配金(運用で得た収益を、口数に応じて決算ごとに分けるお金)は出ず(1543は原則として)、売買単位は1口です。違いは、次の表のとおりです。
| 項目 | 1543 | 1675 |
|---|---|---|
| 銘柄名 | 純パラジウム上場信託(現物国内保管型) | WisdomTree パラジウム上場投資信託 |
| 発行する会社 | 三菱UFJ信託銀行・三菱商事 | WisdomTree Metal Securities Limited(ジャージー) |
| 形 | 国内の信託(内国商品現物型ETF) | 地金を担保にした債券の形の証券 |
| 地金の置き場所 | 日本国内の倉庫 | ロンドンの金庫 |
| 値段のもと | 大阪取引所の先物価格から計算した、10グラムあたりの理論価格(円) | パラジウムの現物のスポット価格(ドル) |
| 地金への交換 | 日本の居住者で3万口以上なら大口転換を請求できる | 原則として認定参加者だけ |
| 費用(年率) | 信託報酬0.550%(税込) | 管理費用0.49% |
| 総経費率 | 0.58%(2025年1月21日〜2026年1月20日) | 同じ形の数字は取った資料に無い |
| NISAの成長投資枠 | 対象 | 対象外 |
| JPXの一覧の注記 | なし | 外国証券取引口座の開設が必要 |
| マーケットメイク制度 | 対象 | 対象外 |
| 東京証券取引所の上場日 | 2010年7月2日 | 2009年8月24日 |
| 純資産総額(2026年9月30日) | 約37億円 | 東京証券取引所の分は取った資料に無い |
東京証券取引所のパラジウムだけのETF
2本
1543と1675
1543の地金の全体の量(2026年1月20日)
804,340.011グラム
日本国内の倉庫
1675の1口あたりのパラジウム(2026年10月29日)
約2.83グラム
ロンドンの金庫
1543で大口転換を請求できる保有口数(日本の居住者)
3万口以上
大口転換
地金はどこにあり、値段は何で決まる?
地金の置き場所と規格は、次のとおりです。
- 1543の地金は純度99.95%以上で、日本国内の倉庫に保管されます。
- 1675の地金はロンドン白金・パラジウム市場(LPPM)の規格の地金で、WisdomTreeの資料ではロンドンの金庫にあります。
- 1675の地金を保管する銀行は、HSBC Bank plcです。
下の図1は、地金の置き場所と、保管される地金の規格を並べたものです。
1543の値段のもとは、大阪取引所のパラジウム1グラムあたりの先物価格から計算します。先物は、将来の決めた日に、いま決めた値段で売買する約束の取引です。
その先物価格をいまの値打ちに引き直した、10グラムあたりの理論価格(円)を使います。三菱UFJ信託銀行は、この価格は日本の店頭の小売・買取の価格や、海外で公表される取引価格とは違う、と書いています。
この10グラムは理論価格を出すときの単位で、1543の1口の量ではありません。取引所の値段は1口あたりの価格だと、三菱UFJ信託銀行は書いています。
1675は、パラジウムのスポット価格(地金の現物の、その時点の価格)の動きに連動し、そこから管理費用が差し引かれる形を目指します。値段のもとは、ドルのスポット価格に、1口あたりの金属量を単位をそろえて掛けた値です。
1675の1口あたりの金属量は、2026年10月29日時点で0.090859225トロイ・オンスです。
1トロイ・オンスは31.1034768グラムなので、冒頭の約2.83グラムになります。
どちらも為替ヘッジ(為替の値動きの影響を抑える取引)は行いません。下の図2は、値段のもとに使う価格と金属量の関係を示しています。
1543の地金は日本国内の倉庫、1675の地金はロンドンの金庫にあり、値段のもとは円の理論価格とドルのスポット価格で違います。
参照:1543の商品ページ・目論見書・投資リスクの説明、1675の商品ページ・ファクトシート・目論見書、JPXの銘柄詳細資料
1543は国内の信託、1675は外国の会社が発行する債券の形
JPXの一覧では2本ともETFとして並びますが、中身の形は同じではありません。ETF全銘柄一覧では、並ぶ見出しも異なります。
- 1543は「商品指数」の見出しの下にあります。
- 1675は「商品指数(投資法人債券)」の見出しの下にあります。
1543では、三菱商事が地金を三菱UFJ信託銀行に託し、三菱UFJ信託銀行がそれを管理します。この形を信託と呼び、1543を発行するのはこの両社です。1543を持つ人は、この信託の権利を口数で持ちます。
目論見書には「本信託は、投資信託ではありません。」とあり、商品分類は内国商品現物型ETFです。
1675を持つ人が持つのは、地金そのものではなく、ジャージーのWisdomTree Metal Securities Limitedが発行する証券です。この証券は、地金を担保にした債券の形をとります。
JPXは1675を「外国投資法人の発行する投資法人債券に類する証券」と注記しています。下の図3は、国内の信託と外国の会社が発行する証券の仕組みを示しています。
1543では、日本の居住者が3万口以上を持っていれば、大口転換(持っている口数をパラジウム地金に換えること)を請求できます。
- 1543は、小口転換を扱っていません。
- 1543は、解約による現金での支払いも請求できません。
- 転換の受付を止めている場合や、手続きを中断する場合もあります。
1675の証券を新しく作れるのは認定参加者だけで、発行する会社に戻せるのも原則として認定参加者です。認定参加者は、発行する会社と直接、証券を作ったり戻したりする金融機関です。地金を渡して証券を作り、証券を戻して地金を受け取ります。
それ以外の投資家は、取引所などで売買します。下の図4は、地金への交換の条件と、発行する会社と直接取引できる人の違いを示しています。
1543は国内の信託で、日本の居住者が3万口以上を持てば大口転換を請求できます。1675は外国の会社が発行する債券の形の証券です。
参照:1543の商品ページ・目論見書、JPXの銘柄詳細資料・ETF全銘柄一覧・東証上場銘柄一覧、1675のファクトシート・目論見書
費用・NISA・口座は、どう違う?
1543の信託報酬(運用と管理の対価として支払われる費用)は、年0.550%です。税抜0.50%で、2026年9月30日現在の数字です。
目論見書にある上限は、年率0.649%以内です。現在の信託報酬と、目論見書にある上限は別の数字です。
1543の総経費率(運用と管理にかかった費用の、1年あたりの割合)は0.58%です。対象期間は2025年1月21日〜2026年1月20日です。
- 1675の管理費用は、年率0.49%です。
- 1543の総経費率と同じ形で比べられる1675の数字は、取った資料にありません。
下の図5は、資料にある費用の数字を、費用の種類ごとに並べています。
NISAと口座の扱いは、次のとおりです。
- 1543は、NISAの成長投資枠の対象です。
- 1675は、NISAの成長投資枠の対象外です。
- 1675は外国籍のETFで、外国証券取引口座の開設が要ります。
1543はマーケットメイク制度の対象で、1675は対象外です。この制度は、マーケットメイカーと呼ばれる会社が売りと買いの値段を出して、取引しやすくする仕組みです。
1543の純資産総額(費用などを差し引いた、ETF全体の大きさ)は、2026年9月30日に約37億円です。同じ日の口数は67,857口です。1675の東京証券取引所の分だけの残高は、取った資料にはありません。
東京証券取引所の上場日と売買単位は、次のとおりです。
- 1543の上場日は、2010年7月2日です。
- 1675の上場日は、2009年8月24日です。
- 売買単位は、2本とも1口です。
1543はNISAの成長投資枠の対象、1675は対象外で、1675を売買するには外国証券取引口座が要ります。
1543の名前には「現物国内保管型」と入っていますが、1675の地金がロンドンにあることは、英語の資料を開くまで分かりませんでした。
参照:1543の商品ページ・目論見書・資産構成表、JPXの銘柄詳細資料・ETF全銘柄一覧・上場ETF一覧、1675の商品ページ・ファクトシート
費用は、どちらもパラジウムが減る形で払われる
ここからは、確かめた資料の記載を並べて言える範囲を整理したもので、2本の優劣や値動きの見通しを示すものではありません。
もとにした事実は、次の4つです。
- 1543は、信託報酬などを払うのに必要な分だけ、パラジウム地金を売ります。
- その売却で、1543が持つ地金の質量は減ります。
- 1543の地金は、追加の設定で増え、転換で減ることもあります。
- 1675の1口あたりの金属量は、管理費用の分だけ毎日減らされます。
下の図6は、それぞれの費用の払い方と、パラジウムの量が減る関係を示しています。
2本とも、費用はETFが持つパラジウムから払われる形です。1675は1口あたりの金属量が毎日減り、1543は口数を一定として費用のための売却だけを見ると、地金全体が減るので1口あたりの量も減ります。そのため、パラジウムの値段が変わらなくても、1口あたりのパラジウムは費用の分だけ少しずつ減る作りです。
資料から言えるのは、口数を一定として見ると、2本とも費用の分だけ1口あたりのパラジウムが減る作りだというところまでで、同じ期間に減る量は比べていません。
参照:1543の目論見書、1675のファクトシート・目論見書、JPXの銘柄詳細資料
まとめ:資料で確かめる順番
2本の違いは、次の順に資料で追えます。
- NISAの成長投資枠の欄:1543は対象、1675は対象外です。
- JPXの一覧の注記:1675は外国籍のETFで、外国証券取引口座の開設が要ります。
- 地金の置き場所と値段のもと:1543は日本国内と円の理論価格、1675はロンドンとドルのスポット価格です。
- 費用の書き方:1543は信託報酬と総経費率、1675は管理費用が資料にあります。
この記事で言えないこと
- 1675の東京証券取引所での残高は書いていません。WisdomTreeの資料は、ほかの取引所を含む商品全体の値で書いているためです。
- 2本の費用は、同じ物差しで並べていません。1543の総経費率と同じ形で比べられる1675の数字が、取った資料に無いためです。
- 1675の保管する銀行は、JPXの銘柄詳細資料(2026年2月27日現在)が「HSBC銀行USA」と書いていて、新しいWisdomTreeの資料と違うため、WisdomTreeの資料に合わせました。
数値の基準日
- 1543の地金の質量(目論見書)
- 2026年1月20日
- 1543の信託報酬・資産構成表、1675のファクトシート
- 2026年9月30日
- 1675の商品ページの値(金属量・管理費用)
- 2026年10月29日
- 1543の目論見書
- 2026年4月
- 1675の目論見書(英語)
- 2026年3月6日
- JPXの銘柄詳細資料
- 2026年2月27日
- JPXのETF全銘柄一覧
- 2026年10月30日
- 商品ページ・用語集・上場ETF一覧を取得した日
- 2026年10月31日
次に読む
- 同じ形の2本を、プラチナで比べた記事:1541 vs 1674|国内円建ての理論価格を取るか、LPPM現物連動を取るか
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- 債券の形の金の証券を持つETFの仕組み:314Aとは|iシェアーズ ゴールド ETF。金のETCを持つ仕組み、費用、分配金を資料で読む
- 東京証券取引所のコモディティETFの一覧:東証で買えるコモディティETF一覧|金・銀・プラチナ・原油・分散型まで整理
出典
- 三菱UFJ信託銀行「純パラジウム上場信託(パラジウムの果実)」商品ページ(2026年10月31日取得)
- 三菱UFJ信託銀行・三菱商事「純パラジウム上場信託(現物国内保管型)」届出目論見書(2026年4月)
- 三菱UFJ信託銀行「資産構成内容」(金の果実シリーズ)(2026年9月30日現在)
- 三菱UFJ信託銀行「投資リスクについて」(金の果実シリーズ)(2026年10月31日取得)
- JPX「1543」銘柄詳細資料(2026年2月27日現在)
- JPX「1675」銘柄詳細資料(2026年2月27日現在)
- WisdomTree「WisdomTree Physical Palladium」商品ページ(英語)(2026年10月29日の値)
- WisdomTree「WisdomTree Physical Palladium」ファクトシート(英語)(2026年9月30日)
- WisdomTree Metal Securities Limited 基本目論見書(英語)(2026年3月6日)
- JPX「ETF全銘柄一覧」(2026年10月30日時点)
- JPX「東証上場銘柄一覧」(2026年9月30日)
- JPX 用語集(先物取引・商品ETF・ヘッジ取引)(2026年10月31日取得)
- 資産運用業協会 用語集(ETF・運用管理費用(信託報酬)・純資産総額・分配金)(2026年10月31日取得)
- JPX「上場ETF一覧」(NISA・マーケットメイカーの欄)(2026年10月31日取得)

