itcareer40.jp比べて選ぶ2868・452A
S&P500のカバード・コールのETFの2868と452Aは、どちらも毎月決算ですが、売るコール・オプションの権利行使価格と売り方が違います。
東京証券取引所で、S&P500のカバード・コール(株などを持ちながら、それを買う権利を売る運用)を行うETF(証券取引所に上場する投資信託)は、2868と452Aの2本です。
後から上場した452Aの純資産総額(費用などを差し引いた、ETF全体の大きさ)は、2026年9月30日に約137億円で、2868の82.39億円より大きくなっています。違いは、次の表のとおりです。
| 項目 | 2868 | 452A |
|---|---|---|
| 銘柄名 | グローバルX S&P500・カバード・コール ETF | iシェアーズ S&P 500 プレミアムインカム ETF |
| 運用会社 | Global X Japan | ブラックロック・ジャパン |
| 連動を目指す指数 | Cboe S&P 500 BuyWrite Index(円換算) | Cboe S&P 500 エンハンスト 1% OTM バイライト NTR 指数(円建て) |
| 売るコール | 投資先のETFが売る1ヵ月物のアット・ザ・マネー | 1%アウト・オブ・ザ・マネー(2026年9月18日からは、条件によってアット・ザ・マネー) |
| 売り方 | 指数は1ヵ月ごとに新しく売る | 4本に分けて毎週(2026年9月18日から) |
| 投資先のETF | Global X S&P 500 Covered Call ETF | iShares S&P 500 BuyWrite ETF |
| 実質の運用管理費用(税込) | 年率0.6385%程度 | 年0.495%程度 |
| 総経費率 | 0.88%(2025年10月11日〜2026年4月10日) | 0.55%(2025年11月10日〜2026年4月18日) |
| 決算日 | 毎月10日 | 毎月18日 |
| 売買単位 | 1口 | 10口 |
| 純資産総額(2026年9月30日) | 82.39億円 | 約137億円(13,732.65百万円) |
| 上場日 | 2022年11月8日 | 2025年11月12日 |
東京証券取引所のS&P500のカバード・コールのETF
2本
2868と452A
452Aの指数の売り方が変わった日
2026年9月18日
4本に分けて毎週
452Aの純資産総額(2026年9月30日)
約137億円
2868の82.39億円
2本の違いの中心は、売るコールの権利行使価格
2868はGlobal X S&P 500 Covered Call ETFを99.80%、452AはiShares S&P 500 BuyWrite ETFを99.90%持ちます(どちらも2026年9月30日)。どちらも、米国のETFを通じた形です。
下の図1は、2本が持つ米国のETFと、売るコールの違いを示したものです。
2868が連動を目指す指数(市場の動きを表す指標)は、Cboe S&P 500 BuyWrite Index(円換算)です。この指数は、1ヵ月ごとに新しくコール・オプション(決められた値段で買う権利)を売ります。
コール・オプションの対象を原資産(オプションの対象になる商品)と呼び、ここではS&P500指数です。売るときに決めるのが、権利行使価格(権利を使って買える、前もって決めた値段)です。
2868の投資先のETFが売るのは、1ヵ月物のアット・ザ・マネー(権利行使価格と原資産の値段が等しい状態)のコールです(ファクトシート)。
452Aの指数は、IVV(S&P 500指数に連動する米国ETF)を持ち、1%アウト・オブ・ザ・マネー(コールでは、権利行使価格が原資産の値段を上回る状態)のコールを売ります。指数の名前の「OTM」は、この略です。
原資産が権利行使価格を上回ると、指数はほぼ権利行使価格の水準に留まります。下回る間は、原資産と概ね同じ動きになります(2本の交付目論見書)。下の図2は、2つの権利行使価格の状態を示します。
2868の投資先のETFは1ヵ月物のアット・ザ・マネー、452Aの指数は1%アウト・オブ・ザ・マネー(条件によってはアット・ザ・マネー)のコールを売り、ここが2本の違いの中心です。
参照:2868・452Aの交付目論見書、2868・452Aのファクトシート、ブラックロック・ジャパンの指数の変更のお知らせ、JPXのETF全銘柄一覧、JPX・資産運用業協会の用語集
452Aは2026年9月18日から、コールを4本に分けて毎週売る
ブラックロック・ジャパンは2026年8月24日、452Aの指数の算出方法を変更すると知らせました。変更日は2026年9月18日です。
変更前は、毎月満期を迎える1%アウト・オブ・ザ・マネーのコールを売る形でした。変更後は、4週間後に満期を迎える1%アウト・オブ・ザ・マネーのコールを、4本に分けて毎週順次売ります。
プレミアム(オプションの値段)が所定の水準を下回る場合は、アット・ザ・マネーのコールを売ります。ファクトシート(2026年9月30日)の説明は「毎月満期を迎える」のままです。下の図3は、変更前後の売り方を示します。
452Aの指数は2026年9月18日から、4週間後に満期を迎えるコールを4本に分けて毎週売る形に変わりました。
参照:452Aの交付目論見書、452Aのファクトシート、ブラックロック・ジャパンの指数の変更のお知らせ
費用・決算・売買単位・NISA・大きさの違い
2868の運用管理費用は年率0.0385%以内です。税抜は0.035%で、投資先を含む実質は年率0.6385%程度です。
総経費率(運用と管理にかかった費用の、1年あたりの割合)は0.88%です。対象期間は2025年10月11日〜2026年4月10日で、投資先の費用も含みます。
452Aの実質的な運用管理費用は年0.495%程度です。税抜は0.45%で、自身の信託報酬と投資するETFの報酬等を合計します。
自身の信託報酬の料率は、毎月の運用状況で決まります。投資するETFの報酬等は、事前に表示できません。総経費率は0.55%で、対象期間は2025年11月10日〜2026年4月18日です。
下の図4は、2本の費用の書き方を分けて示します。
2868は毎月10日、452Aは毎月18日に決算します。分配金(運用で得た収益を、口数に応じて決算ごとに分けるお金)の基準日も、この日です。
2本ともNISAの成長投資枠は対象外です。JPXの資料に記載があり、資産運用業協会の対象商品一覧にもありません。
金融庁は、成長投資枠について「信託期間20年未満、毎月分配型の投資信託およびデリバティブ取引を用いた一定の投資信託等を除外」と説明しています。この説明だけでは、2本がどの条件で対象外なのかまでは分かりません。
売買単位は、2868が1口、452Aが10口です。上場日は、2868が2022年11月8日、452Aが2025年11月12日です。
純資産総額は、2026年9月30日時点で2868が82.39億円、452Aが13,732.65百万円です。下の図5は、上場日と純資産総額を並べたものです。
決算は2本とも毎月で、NISAの成長投資枠の対象外です。費用の書き方、売買単位、大きさは2本で違います。
参照:2868・452Aの交付目論見書、2868・452Aのファクトシート、2868の総経費率の資料、JPXの銘柄詳細資料、JPXの東証上場銘柄一覧、資産運用業協会の成長投資枠の対象商品リスト、金融庁のNISAの説明、資産運用業協会の用語集
まとめ:2本の違いを3行で
- 2868の投資先のETFは1ヵ月物のアット・ザ・マネー、452Aの指数は1%アウト・オブ・ザ・マネー(条件によってはアット・ザ・マネー)のコールを売ります。
- 452Aは2026年9月18日から、コールを4本に分けて毎週売る形に変わりました。
- 2本とも毎月決算でNISAの成長投資枠の対象外、売買単位は2868が1口、452Aが10口です。
権利行使価格の違いから、資料で言えること
ここからは、確かめた資料の記載を並べて言える範囲を整理したもので、2本の優劣や値動きの見通しを示すものではありません。
もとにした事実は、次の6つです。
- 2868の投資先のETFは、1ヵ月物のアット・ザ・マネーのコール・オプションを売ります。
- 452Aの指数は、1%アウト・オブ・ザ・マネーのコール・オプションを売ります。
- アット・ザ・マネーでは、権利行使価格と原資産の値段が等しくなります。
- コールのアウト・オブ・ザ・マネーは、権利行使価格が原資産の値段を上回る状態です。
- 2本の交付目論見書は、原資産が権利行使価格を上回ると指数はほぼ権利行使価格の水準に留まり、下回る間は原資産と概ね同じ動きになると書いています。
- 452Aの指数は2026年9月18日から、1%アウト・オブ・ザ・マネーのプレミアムが所定の水準を下回ると、アット・ザ・マネーを売ります。
下の図6は、売った時点から権利行使価格までの扱いを示します。
売った時点の原資産の値段から権利行使価格までの値上がりは、452Aの指数では原資産と概ね同じ動きになる範囲に入ります。2868の投資先が売るアット・ザ・マネーのコールでは、その範囲が無い形です。ただし、452Aも2026年9月18日からはプレミアムが所定の水準を下回るとアット・ザ・マネーを売り、受け取るプレミアムの大きさを2本で比べた資料も無いので、分配や値動きの大きさの違いは言えません。
資料から言えるのは、売った時点から権利行使価格までの値上がりの扱いが2本で違うところまでで、分配や値動きの大きさの違いは言えません。
名前に入る言葉が「カバード・コール」と「プレミアムインカム」で違うので、2本が同じS&P500のカバード・コールだとは、一覧を見るまで気づきませんでした。
参照:2868・452Aの交付目論見書、2868のファクトシート、ブラックロック・ジャパンの指数の変更のお知らせ、JPXの用語集
この記事で言えないこと
- 2本の総経費率は、同じ期間で並べていません。資料ごとに計算の期間が違うためです。
- 分配金の額は並べていません。売買単位が2本で違い、同じ条件の比較にならないためです。
- 「1%アウト・オブ・ザ・マネー」の権利行使価格が原資産の何%上かは書いていません。日本語の資料に数字で書かれていないためです。
数値の基準日
- 2本のファクトシート(純資産総額・投資先の比率)
- 2026年9月30日
- 2868の交付目論見書(使用開始日)
- 2026年7月4日
- 452Aの交付目論見書
- 2026年7月18日
- 452Aの指数の変更のお知らせ
- 2026年8月24日
- JPXの銘柄詳細資料
- 2026年2月27日
- ETF全銘柄一覧・2868の総経費率・用語集・資産運用業協会・金融庁のページ(取得日)
- 2026年10月30日
次に読む
- 同じカバード・コールで、元にする指数が違う2本:2865と2868の違い|同じカバード・コールETFでも、元にする指数がNASDAQ100とS&P500で違う
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- NISAの成長投資枠の印が無いETF:東証のETF 452本のうち、NISAの成長投資枠の印が無いのは86本|JPXの一覧で数えて、名前と注記で分けた
- 毎月決算のETFと成長投資枠の条件:2866と2019の違い|同じ米国優先証券のETFで、分配が毎月か隔月かと、NISAの成長投資枠の扱いが違う
出典
- Global X Japan「グローバルX S&P500・カバード・コール ETF」投資信託説明書(交付目論見書)(使用開始日 2026年7月4日)
- Global X Japan「グローバルX S&P500・カバード・コール ETF」ファクトシート(2026年9月30日時点)
- Global X Japan「グローバルX S&P500・カバード・コール ETF」総経費率(2026年10月30日取得)
- JPX「2868」銘柄詳細資料(2026年2月27日現在)
- ブラックロック・ジャパン「iシェアーズ S&P 500 プレミアムインカム ETF」投資信託説明書(交付目論見書)(2026年7月18日)
- ブラックロック・ジャパン「iシェアーズ S&P 500 プレミアムインカム ETF」ファクトシート(2026年9月30日)
- JPX「452A」銘柄詳細資料(2026年2月27日現在)
- ブラックロック・ジャパン「連動対象指数のメソドロジー変更のお知らせ」(452A・453A)(2026年8月24日)
- ブラックロック・ジャパン プレスリリース「『プレミアムインカム戦略』を採用した2本のiシェアーズETFを東京証券取引所に新規上場」(2025年11月12日)
- JPX「ETF全銘柄一覧」(2026年10月30日時点)
- JPX「東証上場銘柄一覧」(2026年9月30日)
- 資産運用業協会「一般投資家向け成長投資枠対象商品リスト(上場ファンド)」(2026年10月30日取得)
- 金融庁「NISAを知る」(2026年10月30日取得)
- JPX 用語集(カバード・コール・コール・オプション・権利行使価格・原資産・アット・ザ・マネー・アウト・オブ・ザ・マネー・プレミアム)(2026年10月30日取得)
- 資産運用業協会 用語集(ETF・インデックス・純資産総額・分配金)(2026年10月30日取得)

