2865と2868の違い|同じカバード・コールETFでも、元にする指数がNASDAQ100とS&P500で違う

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毎月分配のETFを探していると、2865と2868が並んで出てきます。どちらにも「カバード・コール」とあり、何が違うのか分かりにくくなります。ETFとは、証券取引所に上場する投資信託です。

カバード・コールは、原資産(オプションで売り買いする対象。ここでは株価指数)を持ちながら、その原資産のコール・オプションを売る投資戦略です。コール・オプションは、原資産を決まった価格で「買う」権利です。2865と2868は、カバード・コールの基本の仕組みは共通ですが、元にする指数(NASDAQ100かS&P 500か)と、オプションを入れ替える日が違います。

項目 2865 2868
正式な名前 グローバルX NASDAQ100・カバード・コール ETF グローバルX S&P500・カバード・コール ETF
運用会社 Global X Japan Global X Japan
主な投資先 米国籍のETF(Global X Nasdaq 100 Covered Call ETF) 米国籍のETF(Global X S&P 500 Covered Call ETF)
連動を目指す指数 Cboe NASDAQ-100 BuyWrite V2 Index(円換算) Cboe S&P 500 BuyWrite Index(円換算)
指数の原資産 NASDAQ100指数 S&P 500指数
コール・オプションの売り方 1か月ごとに新しい1か月物を売る 1か月ごとに新しい1か月物を売る
為替ヘッジ 原則として行わない 原則として行わない
運用管理費用(日本のETF分・税込) 0.0275% 0.0385%
運用管理費用(実質・税込) 0.6275%程度 0.6385%程度
総経費率(参考値) 0.65% 0.88%
決算日(分配金の支払基準日) 毎月10日(年12回) 毎月10日(年12回)
12か月利回り(2026年10月16日) 10.08% 9.07%
純資産総額(2026年10月16日) 518.70億円 83.12億円
売買単位 1口 1口
1口あたりの基準価額(2026年10月16日) 1,299.37円 1,146.52円
設定日 2022年9月28日 2022年11月4日
NISAの成長投資枠 対象外 対象外

表に出てくる言葉の意味は、次のとおりです。

  • 連動を目指す:ファンドの値動きを指数の値動きに合わせることを目指すという意味です。
  • 指数:特定のマーケットの動向を表す指標です。
  • BuyWrite:指数の名前にある言葉で、株を買い(buy)、その株に対応するコール・オプションを売る(write)運用のことです。カバード・コールとも呼ばれます。
  • 1か月物:権利を使える期限までが1か月のコール・オプションです。
  • 原資産:オプションで買ったり売ったりする対象です。ここでは指数を指します。
  • 為替ヘッジ:為替の動きの影響を避けるための取引です。
  • 運用管理費用:運用・管理の対価として、ファンドの資産から支払われる費用です。表の「実質」は、日本のETF分に投資先の米国ETF分を足したものです。
  • 総経費率:運用・管理にかかった費用の総額を、ファンドの平均の大きさで割り、年率で表した参考値です。その他の費用に投資先のファンドの費用を含みます。
  • 決算:計算期間の終わりに損益が確定することです。
  • 分配金:運用で得た収益を口数に応じて、決算ごとに分けるお金です。支払いや金額は保証されていません。
  • 12か月利回り:過去12か月間の分配金の累計額を、直近の基準価額で割った割合です。
  • 基準価額:日々算出される投資信託の価額です。
  • 純資産総額:投資信託が持つ資産の合計から、運用に必要な費用などを引いた額です。
  • 売買単位:証券取引所で売買するときに、銘柄ごとに決められている単位です。
  • 設定日:ファンドが作られた日です。

違いは、元にする指数とオプションを入れ替える日のほか、費用と純資産総額にあります。カバード・コールの基本の仕組み、決算日、売買単位、NISAの成長投資枠の扱いは同じです。

2865はNASDAQ100、2868はS&P 500を元にしたカバード・コール

2865は、米国籍のETF「Global X Nasdaq 100 Covered Call ETF(QYLD)」に主として投資し、Cboe NASDAQ-100 BuyWrite V2 Index(円換算)への連動を目指す作りです。この指数の原資産はNASDAQ100指数で、原資産を持ちながら、1か月ごとに新しい1か月物のコール・オプションを売る戦略の収益を表します。

2868は、米国籍のETF「Global X S&P 500 Covered Call ETF(XYLD)」に主として投資し、Cboe S&P 500 BuyWrite Index(円換算)への連動を目指します。こちらの指数の原資産はS&P 500指数で、同じく1か月ごとに新しい1か月物のコール・オプションを売る作りです。

元にする指数の中身も違います。NASDAQ100指数は、ナスダック市場に上場する米国内外の会社のうち、金融を除いて、時価総額(市場での会社の評価額)の大きい100社でできた指数です。S&P 500指数は、情報技術・公益事業・金融など、さまざまな業種の500社の株でできた指数で、米国の株式市場をおおむね代表するものとされています。

投資先の米国ETFが米国で出している要約目論見書(ファンドの説明書の要約版。2026年3月1日付)によると、2025年12月31日時点で、2865の投資先(QYLD)が連動する指数は半導体・半導体製造装置の業種に集中し、情報技術の業種の比重も大きい状態でした。2868の投資先(XYLD)が連動する指数も、同じ時点で情報技術の業種の比重が大きい状態でした。

オプションを入れ替える日の決め方は異なります。2865の指数は、売ったコール・オプションを、満期(権利を使える期限)の前日(原則として毎月第3金曜日の前日の木曜日)に清算して終わらせ、翌日の金曜日に新しい1か月物を売ります。2868の指数は、売ったコール・オプションを満期まで持ち、その日に新しい1か月物を売る決まりです。

2026年9月30日のファクトシートでは、どちらも保有銘柄数は1です。保有しているのは、主な投資先となる米国のETFです。

投資先の米国ETFが占める割合は、2865が99.90%、2868は99.80%です。どちらも原則として為替ヘッジを行いません。

2865と2868の中心的な違いは、原資産がNASDAQ100指数かS&P 500指数かという点です。

参照:Global X Japan「グローバルX NASDAQ100・カバード・コール ETF(2865)」商品ページ(2026年10月16日時点・2026年10月19日取得)、Global X Japan「グローバルX S&P500・カバード・コール ETF(2868)」商品ページ(2026年10月16日時点・2026年10月19日取得)、Global X Japan「2865」投資信託説明書(交付目論見書)(使用開始日 2026年6月26日)、Global X Japan「2868」投資信託説明書(交付目論見書)(使用開始日 2026年7月4日)、Global X Japan「2865」ファクトシート(2026年9月30日時点)、Global X Japan「2868」ファクトシート(2026年9月30日時点)、Nasdaq「Nasdaq-100 Index」指数の説明(Index Description)(2026年10月19日取得)、Global X Funds「Global X NASDAQ 100 Covered Call ETF(QYLD)」要約目論見書(SEC 提出 497K)(2026年3月1日付)、Global X Funds「Global X S&P 500 Covered Call ETF(XYLD)」要約目論見書(SEC 提出 497K)(2026年3月1日付)

カバード・コールの基本の仕組みは、2本で同じ

この節に出てくる言葉の意味は、次のとおりです。

  • コール・オプション:原資産を権利行使価格で「買う」権利です。
  • 権利行使価格:オプション取引で、権利を使える決められた価格です。
  • プレミアム:オプション取引のオプション価格です。

カバード・コールは、原資産を持ちながらコール・オプションを売る投資戦略です。原資産と比べて利益が限定される一方、損失は受け取ったプレミアムの分だけ軽くなります。ただし、損失がなくなるわけではありません。投資元本は保証されておらず、元本を割り込むことがあります。

原資産が権利行使価格以上に上がると、次のコール・オプションを売るまでの間、収益が限定的になります。目論見書も「値上がり益は全て享受できません。」と示しています。

プレミアムを受け取る代わりに、原資産が大きく上がったときの値上がりの一部を手放す作りです。この仕組みは2865と2868で共通しています。

2本とも、プレミアムの分だけ損失が軽くなる代わりに、原資産から得られる利益が限定される仕組みです。

参照:Global X Japan「2865」投資信託説明書(交付目論見書)(使用開始日 2026年6月26日)、Global X Japan「2865」対象指数の特徴について(2026年10月19日取得)、Global X Japan「2868」対象指数の特徴について(2026年10月19日取得)、JPX 用語集「コール・オプション」(2026年10月19日取得)、JPX 用語集「権利行使価格」(2026年10月19日取得)、JPX 用語集「プレミアム」(2026年10月19日取得)

2本の作りの分かれ目

ここからは、この記事で確かめた資料から、そのまま導ける範囲の整理です。どちらを選ぶかを決めるものではありません。

  • カバード・コールの基本の仕組み(コール・オプションを売り、利益が限定される代わりに、プレミアムの分だけ損失が軽くなる)は、2本とも同じです。
  • 資料で確かめた運用のしかたの主な違いは、元にする指数と、オプションを入れ替える日です。
  • 上昇の一部を手放す対象の株価指数は、2865がNASDAQ100指数、2868がS&P 500指数です。

カバード・コールの基本の仕組みは共通で、2本の運用のしかたの大きな分かれ目は、元にする指数と、オプションを入れ替える日です。

参照:Global X Japan「グローバルX NASDAQ100・カバード・コール ETF(2865)」商品ページ(2026年10月16日時点・2026年10月19日取得)、Global X Japan「グローバルX S&P500・カバード・コール ETF(2868)」商品ページ(2026年10月16日時点・2026年10月19日取得)、Global X Japan「2865」投資信託説明書(交付目論見書)(使用開始日 2026年6月26日)、Global X Japan「2868」投資信託説明書(交付目論見書)(使用開始日 2026年7月4日)、Global X Japan「2865」対象指数の特徴について(2026年10月19日取得)、Global X Japan「2868」対象指数の特徴について(2026年10月19日取得)

費用は、日本のETFの分と投資先のETFの分を足して見る

日本のETF分の運用管理費用は、2865が0.0275%です。税込の値で、税抜では0.025%となります。

2868の日本のETF分は0.0385%です。こちらも税込の値で、税抜では0.035%です。日本のETF分だけを比べると、2865のほうが低くなっています。

投資先の米国ETF分の運用管理費用は、どちらも0.6%程度です。実質の費用を見るときは、日本のETF分と投資先のETF分を足します。

2026年10月16日時点の実質の運用管理費用は、2865が0.6275%程度、2868が0.6385%程度です。投資先のETF分が幅のある書き方なので、実質の値も「程度」のついた目安です。

総経費率は、運用・管理にかかった費用の総額を示す参考値です。その他の費用には、投資先のファンドの費用を含みます。

2865の総経費率は0.65%で、対象期間は2025年9月11日から2026年3月10日までです。

2868の総経費率は0.88%で、対象期間は2025年10月11日から2026年4月10日までです。

対象期間がずれているため、同じ期間の数字ではありません。また、どちらも参考値であり、実際の費用の比率とは異なります。

日本のETF分と投資先のETF分を足した実質の運用管理費用は、2865が0.6275%程度、2868が0.6385%程度です。

参照:Global X Japan「グローバルX NASDAQ100・カバード・コール ETF(2865)」商品ページ(2026年10月16日時点・2026年10月19日取得)、Global X Japan「グローバルX S&P500・カバード・コール ETF(2868)」商品ページ(2026年10月16日時点・2026年10月19日取得)、Global X Japan「2865」総経費率(対象期間 2025年9月11日〜2026年3月10日)、Global X Japan「2868」総経費率(対象期間 2025年10月11日〜2026年4月10日)

分配は2本とも毎月10日決算

2本とも決算日は毎月10日で、年12回あります。分配は、配当や受取利息などの収益から費用を引いた額の全額について行う方針です。目論見書には「※将来の分配金の支払いおよびその金額について保証するものではありません。」とあります。

12か月利回りは、過去12か月間の分配金の累計額を直近の基準価額で割り、100%を掛けた割合です。この割合は、将来の分配金額を示唆・保証するものではありません。

2026年10月16日時点では、2865が10.08%、2868が9.07%です。どちらも同じ定義、同じ日の数字です。

2本とも毎月10日に決算し、同じ定義の12か月利回りは2865が10.08%、2868が9.07%です。

参照:Global X Japan「グローバルX NASDAQ100・カバード・コール ETF(2865)」商品ページ(2026年10月16日時点・2026年10月19日取得)、Global X Japan「グローバルX S&P500・カバード・コール ETF(2868)」商品ページ(2026年10月16日時点・2026年10月19日取得)、Global X Japan「2865」投資信託説明書(交付目論見書)(使用開始日 2026年6月26日)、Global X Japan「2868」投資信託説明書(交付目論見書)(使用開始日 2026年7月4日)、JPX「2865」銘柄詳細資料(2026年2月27日現在)、JPX「2868」銘柄詳細資料(2026年2月27日現在)、資産運用業協会 用語集「分配金」(2026年10月19日取得)

NISAの成長投資枠は2本とも対象外、純資産は518.70億円と83.12億円

JPXの銘柄詳細資料では、2026年2月27日現在、2本とも「NISA制度成長投資枠 対象外」です。

資産運用業協会の成長投資枠対象商品リスト(上場ファンド。リスト更新日の最新は2026年10月16日)にも、2865と2868は載っていません。

2026年10月16日時点の純資産総額は、2865が518.70億円、2868が83.12億円です。

売買単位は2本とも1口です。1口あたりの基準価額は、2865が1,299.37円、2868が1,146.52円です。基準価額は、JPXの銘柄詳細資料に別の欄で載っている「市場価格(終値)」(取引所で売買された値段)とは別の種類の値です。

設定日は、2865が2022年9月28日、2868が2022年11月4日です。

NISAの成長投資枠は2本とも対象外で、純資産総額は2865が518.70億円、2868が83.12億円です。

どちらも毎月分配のカバード・コールなので、中身はほとんど同じだと思っていました。並べると、元にする指数のほかに、純資産総額は518.70億円と83.12億円で大きく違っていました。

参照:Global X Japan「グローバルX NASDAQ100・カバード・コール ETF(2865)」商品ページ(2026年10月16日時点・2026年10月19日取得)、Global X Japan「グローバルX S&P500・カバード・コール ETF(2868)」商品ページ(2026年10月16日時点・2026年10月19日取得)、JPX「2865」銘柄詳細資料(2026年2月27日現在)、JPX「2868」銘柄詳細資料(2026年2月27日現在)、資産運用業協会「成長投資枠対象商品リスト(上場ファンド)」(リスト更新日の最新 2026年10月16日・2026年10月19日取得)

2865と2868を比べるときに確かめる順

  1. 元にする指数がNASDAQ100指数かS&P 500指数かと、オプションを入れ替える日を確かめます。
  2. 利益が限定され、プレミアムの分だけ損失が軽くなるカバード・コールの仕組みを確かめます。
  3. 実質の運用管理費用が2865は0.6275%程度、2868は0.6385%程度であることを確かめます。
  4. 決算が毎月10日で、12か月利回りが2865は10.08%、2868は9.07%であることを確かめます。
  5. NISAの成長投資枠は2本とも対象外であることを確かめます。

元にする指数、共通する仕組み、実質の費用、分配、NISAの成長投資枠の扱いの順に確認できます。

参照:Global X Japan「グローバルX NASDAQ100・カバード・コール ETF(2865)」商品ページ(2026年10月16日時点・2026年10月19日取得)、Global X Japan「グローバルX S&P500・カバード・コール ETF(2868)」商品ページ(2026年10月16日時点・2026年10月19日取得)、Global X Japan「2865」対象指数の特徴について(2026年10月19日取得)、Global X Japan「2868」対象指数の特徴について(2026年10月19日取得)、JPX「2865」銘柄詳細資料(2026年2月27日現在)、JPX「2868」銘柄詳細資料(2026年2月27日現在)

この記事で言えないこと

  • 分配金の額は並べていません。1口あたりの基準価額が2本で違うため、同じ定義の12か月利回りだけを並べています。
  • 総経費率は、2本で対象期間が違うため、同じ期間の数字としては比べていません。
  • 投資先の米国ETFの運用管理費用は、商品ページの書き方が「0.6%程度」のため、実質の運用管理費用も「程度」のついた値で書いています。

数値の基準日

商品ページ(純資産総額・基準価額・運用管理費用・12か月利回り)
2026年10月16日
交付目論見書(2865。投資のしかた・指数・分配の方針)の使用開始日
2026年6月26日
交付目論見書(2868。同じ)の使用開始日
2026年7月4日
ファクトシート(保有銘柄数・投資先の割合)
2026年9月30日
投資先の米国ETFの要約目論見書(QYLD・XYLD。指数の中身・BuyWrite)
2026年3月1日
総経費率(2865)の対象期間
2025年9月11日〜2026年3月10日
総経費率(2868)の対象期間
2025年10月11日〜2026年4月10日
JPX 銘柄詳細資料(NISA)
2026年2月27日
資産運用業協会の成長投資枠対象商品リスト(更新日)
2026年10月16日

次に読む

出典