1655と316Aの違い|S&P500とFANG+、指数の銘柄の数と比率の決め方・費用・分配金を資料で読む

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1655と316Aは、どちらも米国の大きな会社に投資するETFなので、中身はだいたい同じに見えます。ETFとは、証券取引所に上場する投資信託です。しかし、指数の作りと株の持ち方は、1655と316Aで異なります。指数とは特定のマーケットの動向を表す指標で、S&P500は多くの銘柄を時価総額で重みづけし、FANG+は限られた数の会社に同じ金額ずつ投資します。

項目 1655 316A
正式な名前 iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF iFreeETF FANG+
運用会社 ブラックロック・ジャパン 大和アセットマネジメント
連動を目指す指数 S&P500(税引後配当込み、TTM、円建て) NYSE FANG+指数(配当込み、円ベース)
指数の銘柄の数 500銘柄 10社
指数の比率の決め方 時価総額加重平均型 等金額(四半期ごとにリバランス)
株の持ち方 米国のETF(iシェアーズ・コア S&P 500 ETF)を通じて持つ マザーファンドを通じて米国の株式を持つ
為替ヘッジ 原則として行わない 原則として行わない
信託報酬(税込・年率) 0.066%程度(実質的な運用管理費用) 0.605%
総経費率 0.10% 0.68%
決算日 毎年2月9日・8月9日(年2回) 毎年6月10日・12月10日(年2回)
直近3回の分配金(1口) 3.4円・4.0円・3.4円 0円・0円・0円
売買単位 10口 1口
基準価額(1口・2026年10月19日) 871.94円 2,702.41円
純資産総額(2026年10月19日) 1,922.63億円 576.16億円
NISA 成長投資枠の対象(つみたて投資枠は対象外) 成長投資枠の対象(つみたて投資枠は対象外)

表から分かる中心的な違いは、指数の銘柄の数と比率の決め方、米国株を持つ仕組みにあります。費用や売買単位にも違いがある一方、為替ヘッジとNISAの扱いは共通しています。

表に出てくる言葉のうち、指数と株の持ち方の言葉の意味は、次のとおりです。

  • 運用会社:ファンドの運用の指図を行う会社です。交付目論見書では委託会社と書かれています。
  • 連動を目指す:ファンドの値動きを指数の値動きに合わせることを目指すという意味です。
  • 配当込み:指数に配当を含めて計算したものです。1655の指数の名前にある「税引後」は資料の表記で、この記事では税の内訳は扱いません。JPXの資料は、1655の指数を配当込みの指数と説明しています。316Aの資料にも、「配当込み、円ベース」と「税引後配当込み、円ベース」の両方の書き方があります。
  • TTM:1655の指数が、米ドルの値を円に換算するときに使う為替のレートです。資料では、三菱UFJ銀行が公表する対顧客直物電信売買相場の仲値と書かれています。
  • 円建て・円ベース:米ドルの値を円に換算したものです。
  • 時価総額加重平均型:株式をある時点の株価で評価した金額(時価総額)が大きい銘柄ほど、指数の中の割合が大きくなる計算のしかたです。
  • 等金額:各社に同じ金額ずつ投資することです。
  • リバランス:割合を決まりどおりに戻す調整です。
  • マザーファンド:複数の投資信託の資金をまとめ、実際に株などへ投資する投資信託です。
  • 為替ヘッジ:外貨で持つ資産の為替リスクを小さくするための手法です。

費用・分配金・売買の言葉の意味は、次のとおりです。

  • 信託報酬:投資信託の運用と管理の対価として、投資信託の財産から支払われる費用です。
  • 実質的な運用管理費用:1655の信託報酬と、投資するETFの報酬等を合計した費用です。
  • 総経費率:計算期間中に運用・管理にかかった費用の総額をもとに計算した、参考の比率です。運用管理費用(信託報酬)の比率も、この中に含まれています。
  • 決算日:投資信託の計算期間が終わり、損益などが確定する日です。
  • 分配金:運用で得られた収益を、口数に応じて決算ごとに投資家へ分配するお金です。
  • 売買単位:証券取引所で売買するときに、銘柄ごとに決められている数量の単位です。
  • 基準価額:日々算出される投資信託の価額です。
  • 純資産総額:組み入れた資産の時価などから、運用に必要な費用などを差し引いた金額です。
  • NISAの成長投資枠の対象:成長投資枠で買える商品という意味です。

1655 の指数の銘柄の数

500銘柄

S&P500(時価総額加重平均型)

316A の指数の銘柄の数

10社

NYSE FANG+(等金額・四半期ごとにリバランス)

316A の信託報酬(税込・年率)

0.605%

1655 は0.066%程度(実質的な運用管理費用)

1655と316Aは、指数の銘柄の数と比率の決め方がどう違いますか

1655が連動を目指すS&P500(税引後配当込み、TTM、円建て)は、S&P500指数をTTMで円に換算した配当込みの指数です。

S&P500は500銘柄で構成される時価総額加重平均型指数です。ファクトシートは、米国の主要産業を代表する500社で構成され、米国株式市場の時価総額の約80%をカバーすると説明しています。

316Aが連動を目指すNYSE FANG+指数(配当込み、円ベース)は、次世代テクノロジーをベースに高い知名度を有する米国上場企業10社で構成されます。

この指数は各社に等金額を投資する構成で、四半期(3・6・9・12月)ごとに等金額となるようリバランスします。時価総額に応じて比率を決めるS&P500とは、比率の決め方が異なります。

2026年9月30日の1655のファクトシートには、投資先のETFを通した銘柄の比率が載っています。

上位保有10銘柄の合計は38.85%で、1位はNVIDIAでした。1655の商品ページによると、こうした銘柄の一覧は、投資対象とする外国籍ETFの保有銘柄を参考情報として示したもので、1655が直接保有する証券を示すものではありません。

同じ日の316Aの月次レポートでは、外国株式10銘柄で97.2%です。この比率は、316Aの純資産総額に対するものです。

各銘柄の比率は8.6%から10.8%の範囲で、業種では情報技術が59.6%を占めています。1655の上位銘柄の数字と316Aの数字は示している対象が違うため、そのまま大小を比べる数字ではありません。

316Aの月次レポートは、316A自身のリスクの説明で「当ファンドは、一銘柄当たりの組入比率が高くなる場合があり、より多数の銘柄に分散投資した場合に比べて基準価額の変動が大きくなる可能性があります。」としています。これは316Aの資料の説明で、1655と316Aの値動きの実績を比べたものではありません。

1655を持つと500銘柄の指数に合わせた中身を、316Aを持つと10社にほぼ同じ割合で分けた中身を持つ形になります。

参照:ブラックロック・ジャパン「iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF」ファクトシート(2026年9月30日)、JPX「1655」銘柄詳細資料(2026年2月27日現在)、大和アセットマネジメント「iFreeETF FANG+(316A)」商品ページ(基準日 2026年10月19日・2026年10月20日取得)、大和アセットマネジメント「iFreeETF FANG+」投資信託説明書(交付目論見書)(使用開始日 2026年9月4日)、大和アセットマネジメント「iFreeETF FANG+」月次レポート(2026年9月末)、JPX「316A」銘柄詳細資料(2026年2月27日現在)

2本は、米国の株をどうやって持っていますか

1655は、米国の株式に投資するETFを活用します。交付目論見書が投資先の候補として挙げているのは、米国の取引所(ニューヨーク証券取引所 Arca)に上場するiシェアーズ・コア S&P 500 ETFです。

商品ページでは、2026年10月16日の保有銘柄数が1です。これは、1655が米国株を一銘柄だけ直接持っているという意味ではありません。

2026年9月30日のファクトシートでは、1655の上位保有銘柄はiShares Core S&P 500 ETFで、比率は99.60%です。

316Aは、ファミリーファンド方式で運用します。これは、複数の投資信託の資金をまとめてマザーファンドへ投資する方式です。

マザーファンドは、まとめた資金で実際の投資を行います。316Aでは、マザーファンドが米国の株式(DR(預託証券)を含む)に投資します。DR(預託証券)とは、会社の株式を本国以外でも売買できるようにするために、銀行などの預託機関が元の株式をもとに発行する、代わりの証券です。

2本とも、為替ヘッジは原則として行いません。

1655は米国のETF1本を通じてS&P500の銘柄を持ち、316Aはマザーファンドを通じて10社の株式を持つ形です。

参照:ブラックロック・ジャパン「iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF(1655)」商品ページ(基準日 2026年10月19日・2026年10月20日取得)、ブラックロック・ジャパン「iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF」投資信託説明書(交付目論見書)(2026年5月9日)、ブラックロック・ジャパン「iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF」ファクトシート(2026年9月30日)、大和アセットマネジメント「iFreeETF FANG+」投資信託説明書(交付目論見書)(使用開始日 2026年9月4日)

費用と分配金、売買の単位は、どう違いますか

信託報酬(税込・年率)は、1655が年0.066%程度、316Aが年0.605%です。1655の数値は、ファンドの信託報酬と投資するETFの報酬等を合計した実質的な運用管理費用です。

税抜では、1655が年0.06%程度、316Aが年0.55%です。

信託報酬は、年率で示される費用の率です。総経費率は、決まった計算期間に運用・管理にかかった費用の総額をもとに計算した参考の比率で、信託報酬の分も中に含まれます。そのため、信託報酬と総経費率は、足し合わせる数字ではありません。

1655の総経費率は0.10%で、計算期間は2025年8月10日から2026年2月9日までです。

この総経費率には、投資先ファンドの運用管理費用の比率0.03%が含まれます。

316Aの総経費率は0.68%で、対象期間は2025年12月11日から2026年6月10日までです。総経費率は、1655と316Aで同じ期間の費用を並べたものではありません。

決算は2本とも年2回で、決算日は次のとおりです。

  • 1655:毎年2月9日・8月9日
  • 316A:毎年6月10日・12月10日

分配の方針は、2本とも配当等収益から費用を控除した額の全額を分配することが原則です。316Aは、分配額がゼロとなる場合があります。また、2本とも将来の分配金の支払いと金額は保証されません。

1655の過去の分配実績(1口あたり)は、次のとおりです。

  • 2025年8月9日:3.4円
  • 2026年2月9日:4.0円
  • 2026年8月9日:3.4円

316Aは、これまでの3回の決算の分配金がどれも0円で、月次レポートの設定来の分配金合計額も0円です。

売買単位は、1655が10口、316Aが1口です。

2026年10月19日の1口あたりの基準価額は、次のとおりです。

  • 1655:871.94円
  • 316A:2,702.41円

同じ日の純資産総額は、1655が1,922.63億円、316Aが576.16億円です。

NISAでは、2本とも成長投資枠の対象で、つみたて投資枠は対象外です。また、2本とも東京証券取引所のマーケットメイク制度の対象です。マーケットメイク制度は、マーケットメイカーが売りと買いの値段を示し、取引しやすくする仕組みです。

2本は信託報酬と総経費率、決算日、分配実績、売買単位が違い、NISAとマーケットメイク制度の扱いは同じです。

分配金は、どのETFでも決算ごとに出るものだと思っていました。316Aは、これまでの3回の決算がどれも0円でした。

参照:ブラックロック・ジャパン「iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF(1655)」商品ページ(基準日 2026年10月19日・2026年10月20日取得)、ブラックロック・ジャパン「iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF」投資信託説明書(交付目論見書)(2026年5月9日)、ブラックロック・ジャパン「iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF」ファクトシート(2026年9月30日)、JPX「1655」銘柄詳細資料(2026年2月27日現在)、大和アセットマネジメント「iFreeETF FANG+(316A)」商品ページ(基準日 2026年10月19日・2026年10月20日取得)、大和アセットマネジメント「iFreeETF FANG+」投資信託説明書(交付目論見書)(使用開始日 2026年9月4日)、大和アセットマネジメント「iFreeETF FANG+」月次レポート(2026年9月末)、大和アセットマネジメント「iFreeETF FANG+」総経費率(対象期間 2025年12月11日〜2026年6月10日)、JPX「316A」銘柄詳細資料(2026年2月27日現在)、資産運用業協会「成長投資枠対象商品リスト(上場ファンド)」(リスト更新日の最新 2026年10月19日・2026年10月20日取得)

まとめ

  • 1655は500銘柄の時価総額加重平均型指数、316Aは10社へ等金額で投資する指数への連動を目指します。
  • 1655は米国のETFを通じて、316Aはマザーファンドを通じて米国株を持ちます。
  • 費用、決算日、分配実績、売買単位は異なり、2本ともNISAの成長投資枠の対象です。

2本の違いは、指数の銘柄の数と比率の決め方、株の持ち方、費用と分配の実績にあります。

参照:JPX「1655」銘柄詳細資料(2026年2月27日現在)、JPX「316A」銘柄詳細資料(2026年2月27日現在)、ブラックロック・ジャパン「iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF」投資信託説明書(交付目論見書)(2026年5月9日)、大和アセットマネジメント「iFreeETF FANG+」投資信託説明書(交付目論見書)(使用開始日 2026年9月4日)

1655と316Aの作りは、どの点で分かれますか

ここからは、この記事で確かめた資料から、そのまま導ける範囲の整理です。どちらを選ぶかを決めるものではありません。

  • 指数の銘柄の数が500銘柄の作りは1655、10社の作りは316Aです。
  • 指数の比率を時価総額加重平均型で決める作りは1655、等金額にして四半期ごとにリバランスする作りは316Aです。
  • 米国のETFを通じて株を持つ作りは1655、マザーファンドを通じて米国の株式を持つ作りは316Aです。

1655と316Aの作りは、指数の銘柄の数、比率の決め方、米国株を持つ経路の三点で分かれます。

参照:JPX「1655」銘柄詳細資料(2026年2月27日現在)、ブラックロック・ジャパン「iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF」ファクトシート(2026年9月30日)、大和アセットマネジメント「iFreeETF FANG+」投資信託説明書(交付目論見書)(使用開始日 2026年9月4日)、大和アセットマネジメント「iFreeETF FANG+」月次レポート(2026年9月末)、JPX「316A」銘柄詳細資料(2026年2月27日現在)

この記事で言えないこと

  • 1655と316Aの実際の値動きや運用成果の比較は書いていません。この記事は、指数の作り・株の持ち方・費用・分配金を資料で並べる範囲にしているためです。
  • 316Aの分配金が0円だった理由は書いていません。この記事で使った資料に、その理由の説明が無いためです。
  • これからの分配金の額は書いていません。2本とも、将来の分配金の支払いと金額は保証されないためです。

数値の基準日

商品ページ(基準価額・純資産総額・316A の分配実績)
2026年10月19日
1655 のファクトシート・316A の月次レポート(組入・1655 の分配実績)
2026年9月30日
1655 の交付目論見書(持ち方・分配の方針・総経費率)
2026年5月9日
316A の交付目論見書(指数・持ち方・分配の方針)の使用開始日
2026年9月4日
1655 の総経費率の計算期間
2025年8月10日から2026年2月9日
316A の総経費率の対象期間
2025年12月11日から2026年6月10日
JPX 銘柄詳細資料(1655・316A)
2026年2月27日
資産運用業協会の成長投資枠対象商品リスト(更新日)
2026年10月19日

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出典