2865と563Aの違い|同じNASDAQ100のカバードコールETFでも、コールを売る頻度と割合が違う

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2865と563Aは、どちらもGlobal X Japanが運用するETFです。2本とも、NASDAQ100指数を原資産にコール・オプションを売ります。それでも、保有元本に対してコールを売る割合は、2865が100%、563Aは10%前後です。

コールを売る頻度も同じではありません。2865が連動する指数は、1ヵ月ごとにコール・オプションを売ります。563Aは毎営業日、翌営業日が満期のコール・オプションを売ります。

分配金支払基準日は、2本とも毎月10日で年12回です。ただし、分配金の決まり方は異なります。また、2865と563Aは、どちらもNISAの対象ではありません。

カバー率(2865)

100%

563Aは10%前後

分配金支払基準日

毎月10日

年12回

NISAの成長投資枠

対象外

2本とも

2865と563Aは、何が同じで何が違うのか

この記事で比べた項目では、2本は原資産・運用会社・分配金支払基準日・売買単位・NISAの扱いが同じで、コールを売る頻度と割合、分配金の決まり方、投資先のETF、実質的な費用が違います。

項目 2865 563A
正式名称 グローバルX NASDAQ100・カバード・コール ETF グローバルX NASDAQ100・デイリー・カバード・コール ETF
対象指標 Cboe NASDAQ-100 BuyWrite V2 Index(円換算) NASDAQ-100 Daily Covered Call Target Premium 15% Index(配当込み、円換算ベース)
コールを売る頻度 1ヵ月ごと 毎営業日。翌営業日が満期
カバー率 100% 10%前後
分配金支払基準日 毎月10日(年12回) 毎月10日(年12回)
分配金の決まり方 運用会社によると、「獲得したオプション・プレミアムの半分」と「NAV(純資産額)の1%」のいずれか低い方とするルールで、概ね一定 運用会社によると、獲得したプレミアムの額に応じて変動
投資先のETF 米国籍のGlobal X Nasdaq 100 Covered Call ETF(QYLD) 韓国籍のTIGER US NASDAQ100 Target Daily Covered Call
実質的な運用管理費用 年率0.6275%(税込)程度 年率0.2775%(税込)程度
売買単位 1口単位 1口単位
NISAの成長投資枠 対象外 対象外

同じNASDAQ100指数を原資産とするカバード・コールETFでも、コールを売る作りと分配金の決まり方は同じではありません。名前だけで同じものとして扱えない2本です。

参照:日本取引所グループ 2865 銘柄詳細資料(2026年2月27日)、日本取引所グループ 563A 銘柄詳細資料(2026年4月3日)、Global X Japan 2865 交付目論見書(2026年6月26日)、Global X Japan 563A 交付目論見書(2026年4月23日)、Global X Japan「グローバルX NASDAQ100・デイリー・カバード・コール ETF(563A)のご紹介」(2026年4月23日)

コールを売る頻度と割合は、どう違うのか

2865はカバー率が100%で、連動する指数は1ヵ月ごとにコールを売ります。563Aの指数は毎営業日、保有元本の10%前後にコールを売ります。

カバード・コール戦略は、原資産を持ちながらコール・オプションを売る運用です。日本取引所グループの説明では、「原資産価格が大きく上昇した場合の収益を限定する代わりに、プレミアム受取による利回りの向上を狙う場合などに用いられます。」プレミアムは、コール・オプションを売るときの値段で、売った側が受け取ります。

563Aの資料では、カバー率を「原資産の保有元本に対するコール・オプションの売却率」と定義しています。このカバー率が、2865と563Aでは異なります。

2865と、その投資先であるQYLDは、マンスリーオプションを使い、カバー率を100%とする仕組みです。対象指標は、NASDAQ100指数を原資産として、1ヵ月ごとに新しく期近のコール・オプションを売り建てます。

一方の563Aは、毎営業日、翌営業日が満期のコール・オプションを売ります。残存期間が1日のデイリー・オプションをATMで売却し、カバー率は10%前後です。ATMとは、運用会社の資料によると「市場価格とオプションの権利行使価格が等しい状態」です。

この10%前後という割合は固定ではありません。年率15%のプレミアム獲得目標から逆算して、毎営業日調整されます。

Nasdaqの指数算出要領でも、ATMのコールをカバー率に応じた量だけ売り、そのコールは通常1日で満期を迎えます。目標とするプレミアムは15%です。

563Aについて、Global X Japanの説明では、ATMでコール・オプションを売却した場合、カバー率の分だけ値上がり益を放棄します。仮にカバー率が100%なら、値上がり益を完全に放棄することになるという説明です。563Aではその割合を10%前後に抑え、残りの90%はNASDAQ100指数に連動する作りです。

2本に共通する点もあります。交付目論見書によると、原資産がコール・オプションの権利行使価格以上に上昇すると、収益が限定的になります。その状態は、次のコール・オプションを売り建てるまで続きます。

つまり、同じNASDAQ100指数を原資産にしていても、保有元本のうちどれだけにコールを売る作りなのかが、2865と563Aでは異なります。

参照:日本取引所グループ「カバードコール指標」、Global X Japan「グローバルX NASDAQ100・デイリー・カバード・コール ETF(563A)のご紹介」(2026年4月23日)、Global X Japan 2865・563A 交付目論見書、Nasdaq「Nasdaq-100 Daily Covered Call Target Premium 15% Index Methodology」(Copyright 2024)

分配金は、どう決まるのか

分配金支払基準日は2本とも毎月10日ですが、運用会社によると、2865は決まったルールで概ね一定になり、563Aは獲得したプレミアムの額に応じて変動します。

2865とQYLDでは、「獲得したオプション・プレミアムの半分」と「NAV(純資産額)の1%」のいずれか低い方とするルールを定めています。Global X Japanによると、このルールによって分配金は概ね一定になります。

563Aは、この決まり方とは異なります。NASDAQ100の変動に応じて、年率目標に基づく獲得プレミアムの額が変動するため、分配金の額も変動します。

名前にある「15%」は、分配利回りの数字ではありません。563Aは、年率15%のオプション・プレミアムの獲得を目標とする指数への連動を目指します。

563Aは、上場後最初の決算日が2026年7月10日でした。以後の分配金支払基準日は、2865と同じく毎月10日です。

2本とも毎月10日が基準日ですが、金額を決めるルールは同じではありません。「毎月分配」という点だけでは、分配金の作りまでは分からないという違いがあります。

参照:Global X Japan「グローバルX NASDAQ100・デイリー・カバード・コール ETF(563A)のご紹介」(2026年4月23日)、Global X Japan「【よくあるご質問】グローバルX NASDAQ100・デイリー・カバード・コール ETF(563A)」(2026年4月21日)

費用と、投資先のETFは、どう違うのか

2本とも本体の運用管理費用は年率0.0275%(税抜0.025%)ですが、投資先のETFの費用が違うため、実質的な運用管理費用は2865が年率0.6275%(税込)程度、563Aが年率0.2775%(税込)程度です。

2865の投資対象は、米国籍投資信託であるGlobal X Nasdaq 100 Covered Call ETF(QYLD)です。投資対象とするETFの費用は年率0.6%程度で、実質的に負担する運用管理費用は年率0.6275%(税込)程度です。

2865には、これとは別に総経費率の記載があります。2025年9月11日から2026年3月10日までを対象期間とした総経費率は0.65%です。これは、実質的な運用管理費用と同じ項目ではありません。

563Aの投資対象は、韓国籍投資信託であるTIGER US NASDAQ100 Target Daily Covered Callです。投資対象とするETFの費用は年率0.25%程度で、実質的に負担する運用管理費用は年率0.2775%(税込)程度です。

本体の運用管理費用は2本とも年率0.0275%(税抜0.025%)です。実質的な運用管理費用の差は、投資対象とするETFの費用の違いから来ています。

563Aの基準価額は、TIGER US NASDAQ100 Target Daily Covered Callの韓国取引所における終値に基づいて日々算出されます。

また、563Aは投資対象ETFの投資先における課税と、投資対象ETFからの分配金における課税の影響を受けます。Global X Japanの説明では、その税負担の差異が、課税前ベースで算出される対象指数との比較でパフォーマンスを押し下げる要因になります。

為替については、韓国ウォンの変動は影響せず、563Aの基準価額は実質的に米ドル/円の為替変動の影響を受けます。

投資先を見ると、2865は米国籍ETF、563Aは韓国籍ETFです。本体の運用管理費用は同じでも、投資対象とするETFとその費用は異なります。

参照:Global X Japan 2865 交付目論見書(2026年6月26日)、Global X Japan 563A 交付目論見書(2026年4月23日)、Global X Japan 2865「ファンドの総経費率」(2026年3月10日)、Global X Japan 563A 商品ページ(2026年10月2日時点)、Global X Japan 563A FAQ(2026年4月21日)

NISAの成長投資枠では、どう扱われるのか

2本とも交付目論見書に「当ファンドは、NISAの対象ではありません。」とあり、成長投資枠の対象ではありません。

2865の日本取引所グループの銘柄詳細資料にも、「NISA制度成長投資枠 対象外」と記載されています。

日本取引所グループのETF全銘柄一覧でも、2865と563Aは「NISA対象銘柄」の欄が空欄です。2本ともNISAの対象として扱われていません。

563AのFAQが挙げる理由は、「カバード・コール戦略のETFはヘッジ目的以外でデリバティブ取引を活用しているため、NISA対象ではありません。」というものです。

したがって、2865と563Aは、どちらもNISAの成長投資枠ではなく、課税口座で持つことになるETFです。

参照:Global X Japan 2865 交付目論見書(2026年6月26日)、Global X Japan 563A 交付目論見書(2026年4月23日)、日本取引所グループ 2865 銘柄詳細資料(2026年2月27日)、日本取引所グループ「銘柄一覧(ETF)全銘柄」(2026年10月1日更新)、Global X Japan 563A FAQ(2026年4月21日)

2本のどちらの作りが近いかは、何で分かれるか

この記事で並べた項目では、保有元本のうちコールを売る割合を小さくする作りを求めるのか、分配金をルールで概ね一定にする作りを求めるのかで、2本のどちらの作りが近いかが分かれます。

同じNASDAQ100のカバードコールでも、コールを売る割合が100%と10%前後に分かれているのは、資料を並べるまで知りませんでした。

ここからは、この記事で確かめた仕組みから、そのまま導ける範囲の推論です。2本を実際に保有して比べたものではありません。

2865は、1ヵ月ごとにコール・オプションを売り、カバー率は100%です。563Aは毎営業日、翌営業日が満期のコール・オプションを売り、カバー率を10%前後にします。

563Aについて、Global X Japanの説明では、ATMでコール・オプションを売ると、カバー率の分だけ値上がり益を放棄します。563Aはその割合を10%前後とし、残りの90%はNASDAQ100指数に連動する作りです。

分配金については、2865は「獲得したオプション・プレミアムの半分」と「NAV(純資産額)の1%」のいずれか低い方とするルールがあり、概ね一定とされています。563Aは獲得したプレミアムの額に応じて変動します。

563Aの年率15%はオプション・プレミアムの獲得目標であり、ETFの分配利回りが15%になるという意味ではありません。

したがって、この記事で並べた項目では、保有元本のうちコールを売る割合を小さくする作りなのか、分配金をルールで概ね一定にする作りなのかで、2本のどちらの作りが近いかが分かれます。実質的な運用管理費用と投資先のETFの国も2本で違い、あわせて比べる材料になります。

参照:日本取引所グループ 2865 銘柄詳細資料(2026年2月27日)、Global X Japan「グローバルX NASDAQ100・デイリー・カバード・コール ETF(563A)のご紹介」(2026年4月23日)、Global X Japan 563A FAQ(2026年4月21日)、Global X Japan 2865・563A 交付目論見書

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この記事で言えないこと

  • 分配金の額と利回りは、相場や口数の増減で変わり、運用会社も563Aの分配利回りが15%になるわけではないとしているため、書いていません。
  • 2本の値動きの比較は、563Aの上場から日が浅いため、書いていません。
  • 二重課税調整で実際に控除される額は、分配ごとに変わり事前に把握できないため、書いていません。

数値の基準日

銘柄詳細資料(JPX・2865)
2026年2月27日
銘柄詳細資料(JPX・563A)
2026年4月3日
交付目論見書(2865)
2026年6月26日
交付目論見書(563A)
2026年4月23日

出典