1万円単位の個人向け国債と、東証の日本国債ETFは何が違うか|元本・途中で手放すとき・費用

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itcareer40.jp比べて選ぶ個人向け国債と日本国債ETF

個人向け国債を第3期利子支払日以降に途中で換金すると、差し引かれるのは『直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685』です。ただし、償還金額は額面金額100円につき100円で、中途換金時も同じです。東証の日本国債ETFを取引所で売るときには、この式を使いません。

一方、JPXの債券の一覧で名称に日本国債が入るETF 12本について、JPXの資料には『投資元本が保証されているものではありません。』とあります。元本の戻り方、途中で手放す条件、受け取るお金と費用、税金とNISAの表示、買い方には、決まりが分かれています。

個人向け国債は、途中で手放しても額面がそのまま戻るものだと思っていました。資料を読むと、原則として発行から1年経過するまでは換金できず、第3期利子支払日以降に差し引かれる額は『直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685』という決まった式でした。

項目 個人向け国債(3種類) 東証の日本国債ETF(12本)
1回に買う単位 1万円単位(額面金額100円につき100円) 売買単位は10口(2561は1口)
期間の区切り 満期が10年・5年・3年 持つ国債の残存期間で区切る(1年未満から、20年超や約27〜30年まで)
受け取るお金 利子を半年毎(年2回) 分配金支払基準日が年4回(7本)か年2回(5本)
利率と費用 変動10年は基準金利×0.66、固定5年は基準金利−0.05%、固定3年は基準金利−0.03%(下限0.05%) 信託報酬(税込)0.066%〜0.1045%(611Aは0.1045%以内)
元本と価格 償還金額は額面金額100円につき100円(中途換金時も同じ) 資料に『投資元本が保証されているものではありません。』
途中で手放す 原則として発行から1年経過後に中途換金。第3期利子支払日以降は直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685を差し引く 取引所立会時間に、リアルタイムで変動する市場価格で売る
税金とNISA 利子は受取時に20.315%分の税金が差し引かれる(マル優・特別マル優の適用を除く)。NISAとの関係は財務省の資料に書かれていない 12本ともJPXの一覧でNISA対象銘柄の●

個人向け国債では、償還金額と中途換金の条件が決められています。ETFは取引所で市場価格によって売買する商品です。同じ日本国債に関係する商品でも、手放すときの仕組みが異なります。

個人向け国債の購入単位

1万円単位

個人向け国債を中途換金できるようになるまで(原則)

発行から1年経過

日本国債ETF 12本の信託報酬(税込)

0.066%〜0.1045%

611Aは0.1045%以内

元本:個人向け国債は額面で戻り、ETFの価格は動く

個人向け国債は額面金額100円につき100円で償還されますが、日本国債ETFの投資元本は保証されていません。

財務省の個人向け国債は、募集の価格と償還金額が定められています。いずれも額面金額100円につき100円です。この償還金額は、中途換金時も同じです。個人向け国債には、満期の異なる次の商品があります。

  • 変動10年:満期は10年です。
  • 固定5年:満期は5年です。
  • 固定3年:満期は3年です。

一方、東証の日本国債ETFは、市場で売買する価格が変動します。JPXの銘柄詳細資料には、次の記載があります。

『市場取引価格又は基準価額が値下がりし、それにより損失が生じることがあります。したがって、投資元本が保証されているものではありません。』

ETFの年限は、保有する国債の残存期間による区切りです。比較対象の12本には、1年未満から20年超、約27〜30年までの区分があります。

  • 個人向け国債:商品ごとに満期と償還金額が決まっています。
  • 日本国債ETF:保有する国債の残存期間で区分され、市場価格で売買されます。

参照:財務省「個人向け国債」(2026年10月8日取得)、財務省「個人向け国債の商品性についてのよくある質問」(2026年10月8日取得)、日本取引所グループ 銘柄詳細資料 570A・571A・493A・572A・494A・2561・236A・495A・492A・496A・573A・611A(2026年10月8日取得)

途中でお金が必要になったら、どう手放すか

個人向け国債は原則として発行から1年経過後に中途換金でき、ETFは取引所立会時間に市場価格で売却します。

個人向け国債は、第2期利子支払日(発行から1年経過)以降であれば、原則としていつでも中途換金できます。口座を開設している取扱機関で、一部または全部の換金が可能です。中途換金には、次の条件があります。

  • 発行から1年経過するまでは、原則として中途換金できません。
  • 口座名義人が亡くなった場合は、それより前でも換金できます。
  • 災害救助法の適用対象となった大規模な自然災害で被害を受けた場合も、早期の換金が認められています。
  • 中途換金に別途の手数料は必要ありません。

中途換金で受け取る金額は、額面金額+経過利子相当額から、中途換金調整額を差し引いた額です。差し引く額の式は、換金する時期で4つに分かれます。

  • 第3期利子支払日以降:直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685
  • 第2期利子支払日から第3期利子支払日前まで:直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685(購入時に初回の利子の調整額を払い込んだ銘柄は、そこから初回の利子の調整額(税引前)相当額を差し引く)
  • 初回の利子支払日から第2期利子支払日前まで:初回の利子(税引前)相当額×0.79685+経過利子相当額(同じ調整あり)
  • 初回の利子支払日前:経過利子相当額(同じ調整あり)

第2期利子支払日より前の2つは、原則の中途換金の時期より前なので、上の特例(亡くなった場合・災害の場合)で換金するときの式です。

例えば、第3期利子支払日以降に換金する場合で、仮に額面100万円、利率年1.00%とします。これは計算のための仮の数値で、特定の銘柄の利率ではありません。

  • 半年分の利子(税引前):5,000円
  • 直前2回分の利子(税引前):10,000円
  • 中途換金調整額:10,000円×0.79685=7,968.5円

この例では、額面金額と経過利子相当額の合計から、7,968.5円が差し引かれます。

日本国債ETFを取引所で売るときには、この中途換金の計算式は使いません。JPXの比較表では、ETFの取引について次のように示されています。

  • 取引価格:『リアルタイムで変動する市場価格』
  • 取引可能時間:『取引所立会時間(リアルタイム)』
  • 発注方法:『成行/指値』

ETFを手放すときは、取引所で売却します。個人向け国債の中途換金とは、手続きも金額の決まり方も異なります。

参照:財務省「個人向け国債の商品性についてのよくある質問」(2026年10月8日取得)、財務省「個人向け国債の中途換金についてのよくある質問」(2026年10月8日取得)、日本取引所グループ「ETFの概要 他の投資信託との違い」(2017年8月4日更新・2026年10月8日取得)

関連記事:中途換金で差し引かれる額の4つの式と、仮の数値を使った試算をまとめた記事は0.79685を掛けて差し引く|個人向け国債を途中で換金すると、いくら引かれるかを4つの時期で試算です。

いつ手放すかで比べて言えること

発行から1年という時期の条件があるのは個人向け国債で、手放すときの金額が市場価格になるのはETFです。

ここからは、この記事で並べた資料の記載から、そのまま導ける範囲の推論です。金利や価格の見通しではありません。

個人向け国債は、発行から1年経過するまで原則として中途換金できません。第3期利子支払日以降の中途換金では、直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685が差し引かれます。個人向け国債の償還金額は、額面金額100円につき100円です。

ETFは取引所立会時間に、リアルタイムで変動する市場価格で売買します。ETFのJPX資料には『市場取引価格又は基準価額が値下がりし、それにより損失が生じることがあります。したがって、投資元本が保証されているものではありません。』とあります。

これらの条件を並べると、手放す時期では中途換金の条件と取引所立会時間が異なります。手放すときの金額では、額面金額と中途換金調整額を使う方式と、市場価格で売却する方式に分かれます。

参照:財務省「個人向け国債」(2026年10月8日取得)、財務省「個人向け国債の商品性についてのよくある質問」(2026年10月8日取得)、財務省「個人向け国債の中途換金についてのよくある質問」(2026年10月8日取得)、日本取引所グループ 銘柄詳細資料 570A・571A・493A・572A・494A・2561・236A・495A・492A・496A・573A・611A(2026年10月8日取得)、日本取引所グループ「ETFの概要 他の投資信託との違い」(2017年8月4日更新・2026年10月8日取得)

受け取るお金・費用・税金はどう違うか

個人向け国債は半年毎に利子を受け取り、ETFには年2回または年4回の分配金支払基準日と信託報酬が設けられています。

個人向け国債の利子は、半年毎に年2回受け取ります。ただし、利率の決まり方は商品ごとに違います。

  • 変動10年:半年毎に実勢金利に応じて変動します。適用利率は基準金利×0.66です。
  • 固定5年:発行時の利率が満期まで変わりません。適用利率は基準金利−0.05%です。
  • 固定3年:発行時の利率が満期まで変わりません。適用利率は基準金利−0.03%です。
  • いずれも金利の下限は0.05%(年率)です。

一方、今回比較している日本国債ETF12本には、分配金支払基準日が設けられています。銘柄ごとにその回数が異なります。

  • 年4回:iシェアーズの6本と492Aの計7本です。
  • 年2回:493A〜496Aと611Aの計5本です。

費用にも違いがあります。ETF12本の信託報酬(税込)は、0.066%〜0.1045%の範囲です。611Aについては0.1045%以内とされています。

個人向け国債の中途換金には、別途の手数料は不要です。ただし、金融機関によっては口座の開設や維持に手数料が必要となります。

税金とNISAについての資料の記載は、次のとおりです。

  • 個人向け国債:国債の利子は、受取時に20.315%分の税金が差し引かれます。障害者などの非課税貯蓄制度(いわゆるマル優、特別マル優)の適用を受けると、非課税にできます。
  • 日本国債ETF:比較対象の12本すべてに、JPXの一覧のNISA対象銘柄欄で●が付いています。

個人向け国債とNISA口座の関係は、この記事の出典の財務省の資料には書かれていません。個人向け国債の利子とETFの分配金は、受け取るお金の種類が異なります。また、ETFには信託報酬が設定されており、費用の比較でも別々の項目を見ることになります。

参照:財務省「個人向け国債」(2026年10月8日取得)、財務省「個人向け国債の金利についてのよくある質問」(2026年10月8日取得)、財務省「個人向け国債の商品性についてのよくある質問」(2026年10月8日取得)、財務省「個人向け国債の発行等についてのよくある質問」(2026年10月8日取得)、財務省「個人向け国債の中途換金についてのよくある質問」(2026年10月8日取得)、日本取引所グループ「銘柄一覧(ETF)」債券(2026年10月8日取得)、日本取引所グループ 銘柄詳細資料 570A・571A・493A・572A・494A・2561・236A・495A・492A・496A・573A・611A(2026年10月8日取得)

関連記事:3つのタイプの利率の決め方(基準金利の取り方・0.01%刻み・下限と上限・変動10年の見直しの経緯)を財務省の資料で並べた記事は個人向け国債の金利はどう決まるか|変動10年は基準金利×0.66、固定は差し引き、下限は0.05%です。

買い方:毎月の募集と、東証での売買

個人向け国債は毎月の募集期間に申し込み、ETFは東証の取引所立会時間に売買します。

個人向け国債を購入できるのは、原則として個人です。毎月(年12回)発行され、発行日以前の一定期間が募集期間となります。購入に関する条件は、次のとおりです。

  • 最低額面金額は1万円です。
  • 購入は1万円単位です。
  • 募集の価格は額面金額100円につき100円です。
  • 口座を開設した金融機関で申し込みます。
  • 取り扱う国債の種類や募集期間は、金融機関によって異なります。

東証の日本国債ETFは、取引所立会時間に売買します。JPXの比較表にある発注方法は、成行と指値です。売買単位は次のように設定されています。

  • 2561:1口単位です。
  • それ以外の比較対象11本:10口単位です。

個人向け国債では、募集期間と額面金額が購入の条件になります。ETFでは、取引所の立会時間、売買単位、市場価格が売買の条件です。

参照:財務省「個人向け国債」(2026年10月8日取得)、財務省「個人向け国債の商品性についてのよくある質問」(2026年10月8日取得)、日本取引所グループ「銘柄一覧(ETF)」債券(2026年10月8日取得)、日本取引所グループ「ETFの概要 他の投資信託との違い」(2017年8月4日更新・2026年10月8日取得)

3行のまとめ

  • 元本: 個人向け国債の償還金額は額面金額100円につき100円ですが、ETFの投資元本は保証されていません。
  • 途中で手放すとき: 個人向け国債は原則として発行から1年経過後に中途換金でき、ETFは取引所立会時間に市場価格で売却します。
  • 受け取るお金と費用: 個人向け国債は半年毎の利子、ETFは年4回か年2回の分配金支払基準日があり、ETFには信託報酬が設定されています。

この記事で言えないこと

  • 個人向け国債をNISA口座で持てるかどうかは書いていません。この記事で使った財務省の資料に、NISAとの関係が書かれていないためです。
  • いまの個人向け国債の利率と、ETFの価格や分配金の額は書いていません。この記事は、決まりの違いを並べることに絞ったためです。
  • 売買や口座にかかる手数料の金額は書いていません。この記事で使った資料に、手数料の金額が載っていないためです。

数値の基準日

財務省の個人向け国債のページ・JPX の銘柄一覧と銘柄詳細資料(取得日)
2026年10月8日取得
JPX「ETFの概要 他の投資信託との違い」(ページの更新日)
2017年8月4日更新

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出典

Sho
Sho

業務系SEとして長年

計画・リスク管理・数値設計を軸に、
ETFの情報整理から投資判断までをテンプレ化・自動化してきた。

新NISAの時代だからこそ、
感情よりも「仕組み」で迷わない投資を。

—— 焦らず、ブレず、仕組みで勝つ。

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