itcareer40.jp制度・税個人向け国債の中途換金
個人向け国債を第3期利子支払日(3回目の利子の支払日)以降に中途換金すると、『直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685』が差し引かれます。0.79685は1−0.20315と同じ数です。財務省は、利子の受取時に20.315%分の税金が差し引かれているためと説明しています。
仮に額面100万円で、半年分の利子(税引前)がどの回も5,000円なら、差し引く額は計算上7,968.5円です。これは、半年分の利子から20.315%分を差し引いた計算上の額の、2回分と同じです。
ただし、中途換金の計算式は、換金する時期によって4つに分かれます。発行から1年を経過する前に特例で換金する場合は、第3期利子支払日以降とは異なる式を使います。
直前2回分の利子(税引前)に掛ける数
0.79685
国債の利子の受取時に差し引かれる税金(マル優等を除く)
20.315%
一部だけ中途換金するときの単位
1万円単位
換金金額が支払われるまで(申し込んだ日を含む)
おおむね3営業日後
中途換金の換金金額は、どんな式で決まるか
個人向け国債は、原則として第2期利子支払日(発行から1年経過)以降に中途換金できます。ただし、口座名義人が亡くなった場合や、災害救助法の適用対象となった大規模な自然災害で被害を受けた場合は、それより前でも換金できる特例があります。
換金金額は、額面金額に経過利子相当額を加え、中途換金調整額を差し引いて計算します。中途換金調整額とは、この計算で差し引く金額です。財務省は、換金する時期ごとに次の4つの式を示しています。
- 『(1.) 第3期利子支払日以降に換金する場合 額面金額+経過利子相当額− 直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685』
- 『(2.) 第2期利子支払日から第3期利子支払日前までの間に換金する場合 額面金額+経過利子相当額− 〔直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685(−初回の利子の調整額(税引前)相当額)*1〕』
- 『(3.) 初回の利子支払日から第2期利子支払日前までの間に換金する場合 額面金額+経過利子相当額− 〔初回の利子(税引前)相当額×0.79685+経過利子相当額(−初回の利子の調整額(税引前)相当額)*1〕』
- 『(4.) 初回の利子支払日前に換金する場合 額面金額+経過利子相当額− 〔経過利子相当額(−初回の利子の調整額(税引前)相当額)*1〕』
*1は、購入時に初回の利子の調整額を払い込んだ銘柄に適用されます。この場合、〔〕内の中途換金調整額から初回の利子の調整額(税引前)相当額を差し引きます。
初回の利子の調整額を払い込んでいない場合、第2期利子支払日前の式は、次のように書き換えられます。初回の利子支払日以降なら額面金額−初回の利子(税引前)相当額×0.79685、初回の利子支払日前なら額面金額です。後者は、経過利子相当額を足して同じ額を差し引くためです。
中途換金の換金金額は4つの時期別の式で決まり、第2期利子支払日より前の換金には特例の条件が必要です。
参照:財務省「個人向け国債の中途換金についてのよくある質問」(2026年10月9日取得)、財務省「個人向け国債」知る(2026年10月9日取得)
額面100万円なら、いくら差し引かれるか
次の条件で計算します。額面は100万円、半年分の利子(税引前)はどの回も5,000円とし、初回の利子の調整額は払い込んでいないものとします。特定の銘柄の利率を使った計算ではありません。
時期ごとの試算結果は次のとおりです。
| 換金する時期 | 差し引く額の式 | 差し引く額(仮の数値・端数処理前) | 換金金額(仮の数値・端数処理前) |
|---|---|---|---|
| 第3期利子支払日以降 | 直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685 | 7,968.5円 | 1,000,000円+経過利子相当額−7,968.5円 |
| 第2期利子支払日から第3期利子支払日前まで | 直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685 | 7,968.5円 | 1,000,000円+経過利子相当額−7,968.5円 |
| 初回の利子支払日から第2期利子支払日前まで(特例) | 初回の利子(税引前)相当額×0.79685+経過利子相当額 | 3,984.25円+経過利子相当額 | 996,015.75円 |
| 初回の利子支払日前(特例) | 経過利子相当額 | 経過利子相当額 | 1,000,000円 |
第2期利子支払日以降の試算では、直前2回分の利子が同額なら、どちらの時期も7,968.5円を差し引きます。一方、それより前の特例では、経過利子相当額を足して差し引く計算が含まれ、換金金額は表のようになります。
0.79685を掛ける理由は、利子の受取時に20.315%分の税金が差し引かれているためです。半年分の利子(税引前)5,000円から20.315%分を差し引いた計算上の額は、5,000円×(1−0.20315)=3,984.25円です(円未満の端数を処理する前の値)。2回分では7,968.5円となり、第3期利子支払日以降の中途換金調整額と一致します。なお、障害者などの非課税貯蓄制度(いわゆるマル優、特別マル優)の適用を受けると、国債の利子は非課税にできます。
ただし、変動10年は半年毎に適用利率が変わります。そのため、直前2回分の利子が同額とは限りません。仮に5,000円と6,000円なら、(5,000円+6,000円)×0.79685=8,765.35円が差し引かれます。
額面100万円で半年分の利子(税引前)が毎回5,000円なら、第3期利子支払日以降の中途換金調整額は計算上7,968.5円です。
参照:財務省「個人向け国債」知る(2026年10月9日取得)、財務省「個人向け国債の中途換金についてのよくある質問」(2026年10月9日取得)、財務省「個人向け国債の商品性についてのよくある質問」(2026年10月9日取得)
関連記事:変動10年の適用利率が半年毎にどう決まるかを含め、3つのタイプの利率の決め方を財務省の資料で並べた記事は個人向け国債の金利はどう決まるか|変動10年は基準金利×0.66、固定は差し引き、下限は0.05%です。
換金したお金は、いつ、どう受け取るか
個人向け国債は、1万円単位で一部だけ中途換金することもできます。換金金額が支払われるのは、申し込んだ日を含めておおむね3営業日後です(申し込んだタイミング等によって異なります)。中途換金で差し引く額のほかに、手数料は必要ありません。
償還金額は、額面金額100円につき100円で、中途換金時も同じです。ただし、中途換金で実際に受け取る金額は、経過利子相当額を加え、中途換金調整額を差し引いた金額になります。額面金額と換金金額は、同じ意味ではありません。
また、所得税の計算上の収入金額は、額面金額に経過利子相当額を加えた金額から、中途換金調整額を差し引いた金額です。購入時に初回の利子の調整額を払い込んだ場合は、その調整額を差し引いた後の中途換金調整額を使います。
中途換金は1万円単位で一部でも可能で、換金金額は申し込み日を含めておおむね3営業日後に支払われ、別途の手数料は必要ありません。
参照:財務省「個人向け国債」知る(2026年10月9日取得)、財務省「個人向け国債の中途換金についてのよくある質問」(2026年10月9日取得)
3行のまとめ
- 個人向け国債の中途換金は、換金する時期によって4つの計算式に分かれます。
- 額面100万円、半年分の利子(税引前)5,000円の仮の試算では、第3期利子支払日以降の差し引く額は計算上7,968.5円です。
- 中途換金は1万円単位で一部でも可能で、換金金額は申し込み日を含めておおむね3営業日後に支払われます。
0.79685で比べて言えること
ここからは、この記事で並べた資料の記載から、そのまま導ける範囲の推論です。金利の見通しではありません。
第3期利子支払日以降の差し引く額は、直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685です。この0.79685は1−0.20315と同じ数であり、国債の利子は受取時に20.315%分の税金が差し引かれます(マル優・特別マル優の適用を受ける場合を除く)。
仮の試算では、半年分の利子(税引前)を5,000円としました。この場合、中途換金調整額は7,968.5円です。一方、半年分の利子から20.315%分を差し引いた計算上の額は3,984.25円で、2回分の合計は7,968.5円になります。両者は同じ金額です。
第3期利子支払日以降の中途換金調整額は、直前2回分の利子から20.315%分を差し引いた額と同じ計算になります。
0.79685という細かい数字は、計算のための決まりごとだと思っていました。1から税率の0.20315を引いた数だと分かると、第3期利子支払日以降に差し引かれるのは、直前2回分の利子から税金分を引いた額と同じ計算だと腑に落ちました。
参照:財務省「個人向け国債」知る(2026年10月9日取得)、財務省「個人向け国債の中途換金についてのよくある質問」(2026年10月9日取得)
この記事で言えないこと
- 経過利子相当額の金額は計算していません。財務省の資料に、その計算方法が書かれていないためです。
- 利率から半年分の利子を出す計算と、円未満の端数の扱いは書いていません。この記事で使った資料に書かれていないためです。
- いまの個人向け国債の利率は書いていません。この記事は、中途換金の式の決まりを試算することに絞ったためです。
数値の基準日
- 財務省の個人向け国債のページと Q&A(取得日)
- 2026年10月9日取得
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