itcareer40.jp銘柄を知る608A 東証REIT高利回り30
J-REITのETFを見比べると、608Aの商品名には高利回り30とあります。ところが、どの30銘柄を、何の利回りで選んでいるのかは、名前からは分かりません。銘柄を選んだあと、組入比率をどう決めるのかも気になるところです。
対象の指数では、過去の実績分配金を株価で割った分配金利回りを使い、東証REIT指数の中から30銘柄を選びます。2026年8月31日の608Aでは、GLP投資法人と日本都市ファンド投資法人の組入比率が、どちらも10%を超えています。
同じJ-REITのETFでも、1345で上位の日本ビルファンドとジャパンリアルエステイトが608Aには入っていないのは、並べてみて初めて気づきました。指数の決まりが違うと、持つ銘柄そのものが変わるのだと実感しました。
組入銘柄数
30銘柄
2026年8月31日
組入上位10銘柄の合計(2026年8月31日)
66.82%
1345は45.77%
最初の決算日
2026年11月8日
初回決算時に分配金情報を掲載
608Aは、どんなETFか
608Aは、分配金利回りが相対的に高い30銘柄で構成される、東証REIT高利回り30指数への連動をめざすETFです。
J-REITは、東証に上場する不動産投資法人の投資証券です。608Aは、その中から一定の条件で選ばれた銘柄に投資します。
608Aの基本情報は次のとおりです。
- 正式名称: 上場インデックスファンド東証REIT高利回り30
- 愛称: 上場リート高利回り30
- 運用会社: アモーヴァ・アセットマネジメント株式会社
- 設定日: 2026年7月17日
- 上場日: 2026年7月21日
- 売買単位: 1口
- 決算日: 毎年2月8日、5月8日、8月8日、11月8日
- 信託報酬: 0.132%(税込:0.1452%)以内
- NISA: 成長投資枠の対象。ただし、販売会社により取扱いが異なる場合があります。
608Aの最初の決算日は2026年11月8日です。商品ページでは、初回決算時に分配金情報を掲載するとしています。そのため、2026年10月8日時点では、608A自身の分配金実績はまだありません。
名前の「東証REIT高利回り30」は、608Aが連動をめざす指数の名前です。608A自身が支払った分配金の利回りを表すものではありません。
参照:アモーヴァ・アセットマネジメント 608A 商品ページ(2026年10月8日取得)、日本取引所グループ 東証上場ETF 銘柄詳細資料(608A)(2026年6月30日現在)、アモーヴァ・アセットマネジメント 608A マンスリーレポート(2026年8月31日)
30銘柄の選び方と、比率の傾け方
東証REIT高利回り30指数は、流動性と実績分配金の利回りで30銘柄を選び、時価総額と利回りの両方を使って組入比率を決めます。
指数の算出要領には、銘柄の選定から比率の調整まで、次の決まりがあります。
| 手順 | 中身 |
|---|---|
| 1. 母集団 | 東証REIT指数の構成銘柄(整理銘柄を除く) |
| 2. 流動性で絞る | 指数用上場時価総額の順位と、1年間の売買代金の順位が、どちらも上位95%以内 |
| 3. 分配金利回りを出す | 前年9月から当年8月までを基準日とする分配金の合計を、10月の最終営業日の価格で割る |
| 4. 30銘柄を選ぶ | 分配金利回りの高い順に30銘柄。入替のときは、構成銘柄なら上位40位まで残す |
| 5. 比率を傾ける | 時価総額加重に、分配金利回りに応じた係数(0.5〜2.0)を掛ける |
| 6. 上限をかける | 1つの銘柄の比率は10%まで。入替の基準日の比率で調整し、11月の最終営業日から適用 |
分配金利回りの計算に使うのは、将来の予想分配金ではありません。基準日の属する月の前年9月から当年8月までを基準日とする、実績分配金の合計です。それを10月の最終営業日の価格で割って利回りを計算します。
つまり、銘柄を選ぶ段階で使う利回りは、その時点で確認できる実績と、決められた基準日の価格によるものです。
もうひとつの特徴が、組入比率の傾け方です。
指数は時価総額加重を基本としていますが、分配金利回りに応じた傾斜係数を掛けます。係数の決め方は次のとおりです。
- 選ばれた30銘柄の中で、利回りが最も低い銘柄は0.5
- 利回りが最も高い銘柄は2.0
- その間の銘柄は、利回りに比例して係数を設定する
仮に、30銘柄の分配金利回りが最小3%、最大5%だったとします。このとき、利回り4%の銘柄の傾斜係数は1.25となります。
ほかの条件が同じなら、分配金利回りが高い銘柄ほど係数が大きくなり、上限の調整の前の比率を大きくする方向に働きます。
ただし、比率には10%の上限があります。この上限は、基準日の比率に対して調整するもので、毎日の比率を10%以下に固定するものではありません。
また、構成銘柄の定期入替は年1回、11月の最終営業日です。選定結果は、その5営業日前にJPXのウェブサイトで公表されます。
参照:JPX総研 東証指数算出要領(東証REIT高利回り30指数編)(2026年5月13日版)
1345(東証REIT指数)と比べると、中身はどう違うか
608Aと1345は、どちらもJ-REITに投資するETFですが、対象銘柄の選び方と組入比率が異なります。
1345が連動する東証REIT指数は、東証に上場するJ-REIT全銘柄を対象とした浮動株時価総額加重型の指数です。
2026年8月31日の組入銘柄数は、1345が58銘柄、608Aが30銘柄でした。
同じ日のマンスリーレポートの組入比率は、次のとおりです。
| 銘柄 | 1345(東証REIT指数) | 608A(東証REIT高利回り30) |
|---|---|---|
| GLP投資法人 | 4.34% | 10.25% |
| 日本都市ファンド投資法人 | 5.49% | 10.20% |
| KDX不動産投資法人 | 4.07% | 8.34% |
| 大和ハウスリート投資法人 | 3.40% | 8.28% |
| 日本ビルファンド投資法人 | 7.15% | 組み入れていない |
| ジャパンリアルエステイト投資法人 | 5.79% | 組み入れていない |
| 組入上位10銘柄の合計 | 45.77% | 66.82% |
※ 比率と上位10銘柄の合計は2026年8月31日時点で、純資産総額を分母としたものです。608Aの「組み入れていない」は、2026年9月25日更新のPCF(ポートフォリオ構成ファイル)による確認結果です。
同じJ-REITでも、GLP投資法人の比率は1345が4.34%、608Aが10.25%です。日本都市ファンド投資法人も、1345の5.49%に対して608Aは10.20%となっています。
一方、1345で組入比率が最も高い日本ビルファンド投資法人と、次に高いジャパンリアルエステイト投資法人は、608Aの2026年9月25日更新のPCFでは構成銘柄に含まれていません。
上位10銘柄の合計にも違いがあります。1345は45.77%、608Aは66.82%です。
1345はJ-REIT全銘柄を対象とする指数に連動し、608Aは流動性と分配金利回りによって銘柄を選びます。どちらもJ-REITのETFですが、指数の決まりによって、保有する銘柄と比率が変わっています。
参照:アモーヴァ・アセットマネジメント 608A マンスリーレポート(2026年8月31日)、同 1345 マンスリーレポート(2026年8月31日)、608A PCF(2026年9月25日更新)、日本取引所グループ 東証上場ETF 銘柄詳細資料(1345)(2026年2月27日)
よくある誤解:いま利回りが高い30銘柄とは限らない
608Aの30銘柄は、決められた基準日と入替ルールで選ばれており、その時々の利回り上位30銘柄に毎日入れ替わるわけではありません。
-
誤解:いつも、その時点で利回りが高い30銘柄が入っている。
定期入替は年1回、11月の最終営業日です。この指数の初期選定は、2025年に行われました。初期選定の基準日も10月の最終営業日でした。
-
誤解:これから支払われる予想分配金で銘柄を選んでいる。
608Aの対象指数は、実績分配金から計算した利回りを使います。一方、210Aが連動する日経高利回りREIT指数では、予想配当利回りと流動性によって銘柄を選びます。同じ高利回りREITという名称でも、選定に使う数字が違います。
-
誤解:1銘柄の組入比率は、常に10%以下になっている。
上限の調整は、10月の最終営業日を基準に決め、11月の最終営業日から適用します。その後、価格変動などで10%を超えても、翌年11月の最終営業日まで調整係数は変えません。2026年8月31日の608Aでは、GLP投資法人と日本都市ファンド投資法人が10%を超えています。
-
誤解:30銘柄に同じ比率で投資している。
比率は均等ではありません。時価総額加重を基本に、分配金利回りに応じた傾斜係数を掛けています。2026年8月31日の組入上位10銘柄の合計は66.82%でした。
608Aでは、銘柄の選定、組入比率の計算、比率上限の調整が、それぞれ決められた手順で行われます。高利回り30という名称だけでは、これらの違いまでは読み取れません。
参照:JPX総研 東証指数算出要領(東証REIT高利回り30指数編)(2026年5月13日版)、アモーヴァ・アセットマネジメント 608A マンスリーレポート(2026年8月31日)、大和アセットマネジメント 210A 商品ページ(2026年10月7日)
11月の入替で変わること、変わらないこと
11月の定期入替では、既存の構成銘柄が残る決まりと、選ばれた銘柄の比率を決め直す仕組みが併存しています。
ここからは、この記事で確かめた決まりから、そのまま導ける範囲の推論です。11月の入替の結果を見たものではありません。
定期入替では、流動性の2条件を満たす既存の構成銘柄のうち、分配金利回りが上位40位までの銘柄が残ります。30銘柄に足りない場合は、同じ流動性の2条件を満たす銘柄から、利回りの高い順に追加します。
一方、傾斜係数は、選ばれた30銘柄の中で、最小と最大の分配金利回りを基準に決まります。
さらに、10%の上限を超える銘柄のキャップ調整係数は、10月の最終営業日の比率で決め、11月の最終営業日から適用します。
これらを並べると、11月の定期入替は、30銘柄をすべて新しく選び直す決まりではありません。既存の構成銘柄には、流動性の2条件を満たせば上位40位まで残る条件があります。
ただし、構成銘柄として残ることと、組入比率の計算に使う係数がそのまま残ることは別です。
構成銘柄に残った場合も、傾斜係数は選ばれた30銘柄の分配金利回りを基準に決め直されます。基準日の比率が10%を超える銘柄には、10%の上限に従ってキャップ調整係数が設定されます。
つまり、定期入替では、構成銘柄に残るかどうかと、比率を計算するための係数が、それぞれ別の決まりに従います。既存銘柄が残る場合にも、比率の計算には定期入替時の条件が使われます。
参照:JPX総研 東証指数算出要領(東証REIT高利回り30指数編)(2026年5月13日版)
この記事で言えないこと
- 608Aの分配金の額と分配金利回りは書いていません。最初の決算が2026年11月8日で、まだ分配金の実績が無いためです。
- 構成銘柄ごとの分配金利回りと傾斜係数の値は書いていません。この記事で使った資料に、銘柄ごとの値が載っていないためです。
- 608Aと1345・210Aの値動きは比べていません。608Aのマンスリーレポートでは、騰落率が1ヵ月と設定来しか出ていないためです。
数値の基準日
- 組入比率・組入銘柄数(マンスリーレポート)
- 2026年8月31日
- 組入の30銘柄(PCF)
- 2026年9月25日
- 指数の決まり(算出要領)
- 2026年5月13日版
- 608A の概要(商品ページ)
- 2026年10月8日
- 210A(商品ページ)
- 2026年10月7日
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東証REIT指数に連動するJ-REITのETFどうしの違いは、東証J-REIT ETFの選び方|売買単位・分配月・指数設計の違いを整理にまとめています。1476・2556・530Aの3本を並べた記事は、1476 vs 2556 vs 530A|同じJ-REITでも、指数設計と上場実績で選び方は変わるです。
出典
- 日本取引所グループ 東証上場ETF 銘柄詳細資料(608A)(2026年6月30日現在)
- アモーヴァ・アセットマネジメント 608A 上場インデックスファンド東証REIT高利回り30 商品ページ(2026年10月8日取得)
- アモーヴァ・アセットマネジメント 608A マンスリーレポート(2026年8月31日)
- アモーヴァ・アセットマネジメント 608A PCF(ポートフォリオ構成ファイル)(2026年9月25日更新)
- JPX総研 東証指数算出要領(東証REIT高利回り30指数編)(2026年5月13日版)
- 日本取引所グループ 東証上場銘柄一覧(2026年9月30日)
- アモーヴァ・アセットマネジメント 1345 マンスリーレポート(2026年8月31日)
- 日本取引所グループ 東証上場ETF 銘柄詳細資料(1345)(2026年2月27日)
- 大和アセットマネジメント 210A iFreeETF 日経高利回りREIT指数 商品ページ(2026年10月7日)
- 日本取引所グループ 東証上場ETF 銘柄詳細資料(210A)(2026年2月27日)

