itcareer40.jp比べて選ぶ2866・2019
2866と2019は同じ指数と同じ投資先のETFですが、2866は毎月分配でNISAの成長投資枠の対象外、2019は隔月分配で対象です。
東京証券取引所で、米国の優先証券(社債と株式の特徴をあわせ持つ証券)に投資するETF(証券取引所に上場する投資信託)を探すと、2866と2019が見つかります。名前の違いは「(隔月分配型)」だけで、資料のどこを比べればよいのか迷います。
違いは、次の表のとおりです。
| 項目 | 2866 | 2019 |
|---|---|---|
| 銘柄名 | グローバルX 米国優先証券 ETF | グローバルX 米国優先証券 ETF(隔月分配型) |
| 東京証券取引所の上場日 | 2022年9月30日 | 2024年1月31日 |
| 決算日 | 毎月10日 | 1・3・5・7・9・11月の24日 |
| 決算の回数 | 年12回 | 年6回 |
| NISAの成長投資枠 | 対象外 | 対象 |
| 純資産総額(2026年9月30日) | 76.53億円 | 20.32億円 |
2866と2019で、同じところはどこ?
2本は同じ指数に連動を目指して同じ米国籍のETFに投資し、実質的に負担する運用管理費用も年率0.2575%(税込)程度で同じです。
連動を目指す指数(特定の市場の動きを表す指標)は共通です。名前は、ICE BofA Diversified Core U.S. Preferred Securities Indexです。
ICE Data Indices, LLCが米ドル建てで算出します。両ETFは、Global X Japanが円に換算した値への連動を目指します。運用会社もGlobal X Japanです。
主な投資先は、米国籍のGlobal X U.S. Preferred ETFです。2026年9月30日の組入比率(ETFの資産のうち、その投資先が占める割合)は、2866が99.95%、2019が99.90%です。
為替ヘッジ(為替の動きの影響を避けるための取引)は原則として行いません。下の図1は、共通する投資先と、円に換算した指数への連動を目指す仕組みを示します。
Global X Japanは、優先証券を「社債と株式の特徴を合わせ持つハイブリッド証券」と説明しています。配当の支払いは株式より優先されます。
発行した企業が倒産した場合などに支払いを受ける順番は、一般的に株式より先で、普通社債や劣後債などより後です。下の図2は、社債・優先証券・株式の特徴と、その順番を示します。
指数は、米ドル建ての優先証券などのうち、発行の残高や売買代金などの要件を満たす銘柄で作られます。
比率は時価総額(ある時点の値段で評価した、銘柄全体の金額)に応じて決まります。1つの発行体(証券を発行する企業)の比率は4.75%が上限です。
銘柄の見直しは、原則として毎年3・6・9・12月の最終営業日です。比率の見直しは毎月の最終営業日に行います。
2866の交付目論見書は、金利の上昇や発行体の業績の悪化を、優先証券の価格の下落の要因に挙げています。
信託報酬(運用と管理の対価として支払われる費用)は、ETF自身の分が、純資産総額(費用などを差し引いた、ETF全体の大きさ)に年率0.0275%(税抜0.025%)以内を掛けた額などです。このほか、保有する株式の貸付けの収入に応じた信託報酬もあります。
投資先のETFの運用管理費用等は年率0.23%程度です。資料が示す実質的に負担する運用管理費用は、2本とも年率0.2575%(税込)程度です。
売買委託手数料などのその他の費用は、運用の状況で変わるため、事前に率や上限額を示せないとされています。
総経費率(期間中の平均の純資産額に対する、運用と管理の費用の年率)は、2本とも0.27%です。売買委託手数料などは、原則として含みません。
2866の総経費率の対象の期間は、2025年9月11日〜2026年3月10日です。
2019の対象の期間は2026年1月25日〜7月24日で、2本で違います。下の図3は、費用の内訳と総経費率を並べたものです。
売買単位は2本とも1口です。
大きさを表す純資産総額は異なります。2026年9月30日は、2866が76.53億円、2019が20.32億円です。
参照:JPXのETF全銘柄一覧・銘柄詳細資料、2866の目論見書・ファクトシート・総経費率の資料、2019の目論見書・ファクトシート・総経費率の資料、Global X Japanの優先証券の説明資料
決算と分配は、2866が毎月、2019が2か月ごと
決算日は2866が毎月10日で年12回、2019が1・3・5・7・9・11月の24日で年6回で、分配は2本とも決算ごとです。
2866の決算日(計算期間の最後の日で、損益などが確定する日)は毎月10日です。計算期間は毎月11日から翌月10日までの1か月です。
2019の決算日は、1・3・5・7・9・11月の各24日です。計算期間は2か月ごとで、たとえば1月25日から3月24日までです。
分配金は、運用で得た収益を、口数に応じて決算ごとに分けるお金です。2本とも計算期間ごとに、収益から費用を引いた全額を分けるのが原則です。
分配がない場合もあります。下の図4は、2本の決算日の月を並べたものです。分配金の支払いが始まる日は、決算日とは別です。
分配金は、原則として計算期間の終わりから40日以内に、運用会社が指定する日に支払われます。決算した日と、支払いが始まる日は異なります。
2026年の例では、2866は9月10日の決算の分配金の支払開始が10月19日で、決算日の39日後でした。
2019は、7月24日の決算の分配金の支払開始が9月1日で、こちらも決算日の39日後でした。下の図5は、計算期間から支払開始までの流れです。
参照:JPXの銘柄詳細資料、2866の目論見書・ファクトシート・決算短信、2019の目論見書・ファクトシート・決算短信
NISAの成長投資枠の対象は、どちら?
NISAの成長投資枠の対象は2019だけで、2866の目論見書は「NISAの対象ではありません」と書いています。
2866は、JPXの銘柄詳細資料で「対象外」です。交付目論見書にも「NISAの対象ではありません」と記載されています。
2866は、資産運用業協会の成長投資枠の一覧に載っていません。Global X Japanの成長投資枠の対象の一覧にも載っていません。
2019は、JPXの銘柄詳細資料で「対象」です。交付目論見書では「成長投資枠(特定非課税管理勘定)」の対象です。
ただし、販売会社により取扱いが異なる場合があります。また、資産運用業協会の一覧では、つみたて投資枠は「非対象」です。
上場の時期も異なります。2866は2022年9月30日に上場しました。2019が資産運用業協会の成長投資枠の一覧に追加されたのは、2023年12月28日です。
新しいNISAが始まったのは2024年1月です。2019の設定日は2024年1月29日で、上場日は2024年1月31日です。
2019の成長投資枠の取扱可能日は、上場日と同じ2024年1月31日です。下の図6は、上場と一覧への追加、新しいNISAの開始を時系列で示します。
名前の後ろの「(隔月分配型)」の数文字が、NISAの成長投資枠の扱いの違いまで表しているとは思っていませんでした。
参照:JPXの銘柄詳細資料・上場ETF一覧・ETF全銘柄一覧、2866の目論見書、2019の目論見書、資産運用業協会の成長投資枠の一覧、Global X Japanの成長投資枠の対象の一覧、金融庁のNISAの説明
2866の毎月の分配は、国税庁が挙げる定めに合わない
資料を並べて言えるのは、2866の1か月ごとの分配が、国税庁が成長投資枠に求める定めの1つに合わないというところまでです。
ここからは、確かめた資料の記載を並べて言える範囲をまとめたもので、2866が対象外である理由を運用会社が説明したものではありません。
もとにした事実は、次の4つです。
- 国税庁は、成長投資枠の対象となる投資信託の条件の1つに、分配についての定めを挙げています。
- その定めは、分配を「1月以下の期間ごとに行わない」ことと、計算期間ごとに行うことです。
- 2866の計算期間は毎月11日から翌月10日までの1か月で、分配は計算期間ごとです。
- 2019の計算期間は2か月ごとで、信託期間は2本とも無期限です。
下の図7は、分配の間隔や投資方針の違いと、国税庁の定めとの関係を並べたものです。
2本の決まりには、もう1つ違いがあります。デリバティブ取引(先物やオプションなどの取引)を決めた目的のほかには使わない定めは、2019の投資方針にだけあります。
2866は計算期間が1か月で、計算期間ごとに分配するので、分配を「1月以下の期間ごとに行わない」という定めに合いません。2866に2019と同じ定めが無いことだけでは、デリバティブ取引を理由に成長投資枠から除かれる条件に当たるとは判断できません。
参照:国税庁の新NISAの概要、2866の目論見書、2019の目論見書
まとめ:2本の違いを3行で
- 同じところ:連動を目指す指数、投資先の米国籍のETF、実質的に負担する運用管理費用(年率0.2575%程度)、売買単位(1口)。
- 決算:2866は毎月10日で年12回、2019は1・3・5・7・9・11月の24日で年6回です。分配金の支払開始日は別です。
- NISA:成長投資枠の対象は2019だけです。2866の毎月の分配は、国税庁が挙げる定めに合いません。
この記事で言えないこと
- 2866が成長投資枠の対象外である理由は、取った2866の目論見書・ファクトシートなどに書かれていないため、推論の節は資料を並べた範囲にとどめています。
- 分配金の額と値動きの実績は比べていません。記事の範囲を、仕組み・決算・NISAの扱いに絞ったためです。
- 投資先の米国籍のETFの英語の資料は読んでいないため、投資先の説明は日本語の目論見書とファクトシートの記載だけに基づいています。
数値の基準日
- 2本のファクトシート(純資産総額・組入比率)
- 2026年9月30日
- JPXの銘柄詳細資料(決算日・NISAの欄)
- 2026年2月27日
- 2866の交付目論見書(使用開始日)
- 2026年6月26日
- 2019の交付目論見書(使用開始日)
- 2026年10月17日
- 2866の決算短信(支払開始日の例)
- 2026年10月26日
- 2019の決算短信(支払開始日の例)
- 2026年9月7日
- Global X Japanの成長投資枠の対象の一覧
- 2026年10月15日
- JPXのETF全銘柄一覧
- 2026年10月30日
- 請求目論見書・成長投資枠の一覧・国税庁と金融庁の資料・用語集を取得した日(この記事を書いた日)
- 2026年11月2日
次に読む
ETFがNISAの成長投資枠で買えるかを確かめる一覧の使い方は、ETFがNISAで買えるか確認する方法|成長投資枠の対象リストは2つあるで扱っています。
同じGlobal X Japanの、毎月決算のETF2本を比べた記事は、2865と2868の違い|同じカバード・コールETFでも、元にする指数がNASDAQ100とS&P500で違うです。
出典
- JPX「2866」銘柄詳細資料(2026年2月27日現在)
- JPX「2019」銘柄詳細資料(2026年2月27日現在)
- Global X Japan「グローバルX 米国優先証券 ETF」交付目論見書(使用開始日 2026年6月26日)
- Global X Japan「グローバルX 米国優先証券 ETF(隔月分配型)」交付目論見書(使用開始日 2026年10月17日)
- Global X Japan「グローバルX 米国優先証券 ETF」請求目論見書(2026年11月2日取得)
- Global X Japan「グローバルX 米国優先証券 ETF(隔月分配型)」請求目論見書(2026年11月2日取得)
- Global X Japan「グローバルX 米国優先証券 ETF」ファクトシート(2026年9月30日時点)
- Global X Japan「グローバルX 米国優先証券 ETF(隔月分配型)」ファクトシート(2026年9月30日時点)
- Global X Japan「グローバルX 米国優先証券 ETF」総経費率(対象期間 2025年9月11日~2026年3月10日)
- Global X Japan「グローバルX 米国優先証券 ETF(隔月分配型)」総経費率(対象期間 2026年1月25日~2026年7月24日)
- Global X Japan「グローバルX 米国優先証券 ETF」決算短信(2026年9月期(2026年10月26日))
- Global X Japan「グローバルX 米国優先証券 ETF(隔月分配型)」決算短信(2026年7月期(2026年9月7日))
- Global X Japan「これだけは知っておきたい! 米国優先証券」(2026年11月2日取得)
- JPX「ETF全銘柄一覧」(2026年10月30日時点)
- 資産運用業協会「一般投資家向け成長投資枠対象商品リスト(上場ファンド)」(2026年11月2日取得)
- Global X Japan「NISA「成長投資枠」対象の国内ETF 一覧」(2026年10月15日現在)
- 国税庁「令和6年1月1日から開始する新NISAの概要」(2026年11月2日取得)
- 金融庁「NISAを知る」(2026年11月2日取得)
- JPX「東証上場銘柄一覧」(2026年9月30日)
- JPX「上場ETF一覧」(信託報酬・NISA・マーケットメイカーの欄)(2026年11月2日取得)
- JPX 用語集「時価総額」(2026年11月2日取得)
- 資産運用業協会 用語集(ETF・インデックス・運用管理費用(信託報酬)・決算日・純資産総額・分配金)(2026年11月2日取得)
- JPX 用語集「デリバティブ」(2026年11月2日取得)

