1660と459Aの違い|同じ野村高利回りJリート指数のETF2本を、費用・分配金の月・大きさで比べる

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1660と459Aは同じ指数に連動を目指すETFで、持つ銘柄の上位もそろっていますが、運用会社・費用・分配金の基準日の月・ETFの大きさは違います。

野村高利回りJリート指数に連動を目指すETF(証券取引所に上場する投資信託)は、1660と459Aの2本です。2026年9月30日の純資産総額(費用などを差し引いた、ETF全体の大きさ)は、1660が618.48億円、459Aが2.98億円です。

同じ指数で上位の銘柄の並びまで同じなのに、ETFの大きさがここまで違うとは思っていませんでした。

違いは、次の表のとおりです。

項目 1660 459A
銘柄名 MAXIS高利回りJリート上場投信 野村高利回りJリート指数ETF
運用会社 三菱UFJアセットマネジメント シンプレクス・アセット・マネジメント
東京証券取引所の上場日 2017年10月11日 2025年11月12日
信託報酬(年率・税込) 0.1595%以内 0.22%
指数の商標の使用料 年率0.055%(上限) 料率は事前に表示できないと記載
分配金の基準日 1・4・7・10月の10日 3・6・9・12月の12日
純資産総額(2026年9月30日) 618.48億円 2.98億円

野村高利回りJリート指数に連動を目指すETF(JPXのETF全銘柄一覧・2026年10月30日時点)

2本

1660と459A

2本で同じ銘柄が同じ順に並んだ組入上位

10銘柄

2026年9月30日の月次レポート

2本が連動を目指す野村高利回りJリート指数は、どう銘柄を選ぶ?

野村高利回りJリート指数は、毎年9月に、売買のしやすさなどで絞ったJリートから「予想分配金利回り」の高い30〜40銘柄を選び、1銘柄5%を上限に比率を決めます。

野村高利回りJリート指数は、国内の取引所に上場する全てのJリートから銘柄を選びます。Jリートは、ビルや倉庫などの不動産に投資し、賃貸料などを配る投資信託です。

指数(特定の市場の動きを表す指標)を算出する会社は、野村フィデューシャリー・リサーチ&コンサルティングです。

銘柄は、時価総額(ある時点の値段で評価した、銘柄全体の金額)と売買代金、上場からの年数で絞ります。条件は「累計時価総額上位98%」「過去60日平均売買代金上位95%」と、上場から1年超です。

「累計」とあるとおり、98%は時価総額を大きい順に足していったときの、全体の時価総額に対する割合で、銘柄の数の98%ではありません。

入れ替えは毎年9月の第一営業日で、8月末の営業日の引け後に実施します。データの基準日は入れ替えの日の前々月末の営業日で、7月末の営業日にあたります。

そこから「予想分配金利回り」の高い30〜40銘柄を選びます。分配金は、運用で得た収益を、口数に応じて決算ごとに分けるお金です。

「予想分配金利回り」は、各Jリートが予想する1口あたりの分配金を1年分に直し、データの基準日の1口の値段で割った割合です。

比率は「予想分配金利回りスコア×時価総額」に比例して決めます。「予想分配金利回りスコア」は、全てのJリートと比べた「予想分配金利回り」の高さを、0から1の数に直した値です。

比率を決めるときの上限は1銘柄あたり5%で、超えた分は、同じ「予想分配金利回りスコア×時価総額」の大きさに応じて、ほかの銘柄に配ります。時価総額だけで比率を決める仕組みではありません。

小さな差で頻繁に入れ替わらないように、すでに入っている銘柄を優先する幅があります。下の図1は、銘柄を絞ってから比率を決めるまでの流れを示します。

野村高利回りJリート指数の銘柄の選び方 国内の取引所に上場する全てのJリートから、「累計時価総額上位98%」「過去60日平均売買代金上位95%」と、上場から1年超で絞り、「予想分配金利回り」の高い30〜40銘柄を選ぶ。比率は「予想分配金利回りスコア×時価総額」に比例して決め、1銘柄の比率は5%を上限にする。入れ替えは毎年9月の第一営業日で、データは7月末の営業日のもの。すでに入っている銘柄を優先する幅がある。 野村高利回りJリート指数の銘柄の選び方 国内の取引所に上場する全てのJリート 「累計時価総額上位98%」「過去60日平均売買代金上位95%」・上場から1年超 「予想分配金利回り」の高い30〜40銘柄を選ぶ 比率は「予想分配金利回りスコア×時価総額」に比例して決め、1銘柄の比率は5%が上限 入れ替えは毎年9月の第一営業日。データは7月末の営業日のもの。すでに入っている銘柄を優先する幅があります。
図1 野村高利回りJリート指数の銘柄の選び方(指数の算出会社の指数構成ルールブックから)。

2026年9月30日の月次レポートでは、組入上位10銘柄は2本で同じ銘柄が同じ順に並びます。1660の組入銘柄数は39銘柄です。

下の図2は、月次レポートに載る上位の銘柄を順番に並べたものです。

1660と459Aの組入上位10銘柄 2026年9月30日の月次レポートの組入上位10銘柄は、1660と459Aで同じ銘柄が同じ順に並ぶ。ジャパン・ホテル・リート投資法人、インヴィンシブル投資法人、ユナイテッド・アーバン投資法人、KDX不動産投資法人、野村不動産マスターファンド投資法人、日本都市ファンド投資法人、GLP投資法人、オリックス不動産投資法人、大和ハウスリート投資法人、日本プロロジスリート投資法人。 組入上位10銘柄(2026年9月30日) 1660 459A 1 ジャパン・ホテル・リート ジャパン・ホテル・リート 2 インヴィンシブル インヴィンシブル 3 ユナイテッド・アーバン ユナイテッド・アーバン 4 KDX不動産 KDX不動産 5 野村不動産マスターファンド 野村不動産マスターファンド 6 日本都市ファンド 日本都市ファンド 7 GLP GLP 8 オリックス不動産 オリックス不動産 9 大和ハウスリート 大和ハウスリート 10 日本プロロジスリート 日本プロロジスリート 2本で、同じ銘柄が同じ順に並びます。名前の「投資法人」は省いています。
図2 2026年9月30日の組入上位10銘柄。2本で同じ銘柄が同じ順に並びます(2本の月次レポートから)。

売買単位は2本とも1口で、NISAの成長投資枠の対象です。

参照:JPXのETF全銘柄一覧・銘柄詳細資料・上場ETF一覧、指数の算出会社の指数構成ルールブック・指数のページ、1660の目論見書・月次レポート、459Aの月次レポート、資産運用業協会の成長投資枠の一覧

信託報酬は1660が年率0.1595%以内、459Aが年率0.22%

信託報酬(年率・税込)は1660が0.1595%以内、459Aが0.22%で、指数の商標の使用料は、取った目論見書では1660だけが上限の率を書いています。

信託報酬(運用と管理の対価として支払われる費用)は、1660が年率0.1595%(税抜年率0.145%)以内です。

459Aの信託報酬は、年率0.22%(税抜0.20%)です。信託報酬とは別に、指数の商標の使用料についても記載があります。

1660は、指数の商標の使用料を、純資産総額に年率0.055%(税抜年率0.05%)を上限として掛けた額としています。459Aは商標権の使用料を払うとしていますが、事前に料率や上限額を表示できないとしています。

JPXのETF Databaseの総経費率の欄は、2025年12月末時点で算出している直近の値です。1660は0.23%、459Aは「-」となっています。この欄は、目論見書とは別の資料の数字です。

459Aにも年率0.22%の信託報酬がかかるので、「-」は費用がないという意味ではありません。

ここに並べた率を足して費用の合計を求めることはできず、合計を同じ形で並べられる数字も、取った資料にありません。下の図3は、信託報酬と商標の使用料、総経費率の記載を並べたものです。

1660と459Aの費用の書き方 信託報酬(年率・税込)は1660が0.1595%以内、459Aが0.22%。指数の商標の使用料は1660が年率0.055%(上限)、459Aは料率は事前に表示できないと書く。ETF Databaseの総経費率の欄は1660が0.23%、459Aは「-」(2025年12月末時点で算出の直近の値)。「-」は費用がないという意味ではない。並べた率を足して費用の合計を求めることはできず、費用の合計を2本で同じ形に並べられる数字は、取った資料に無い。 費用の書き方 1660 459A 信託報酬(年率・税込) 0.1595%以内 0.22% 指数の商標の使用料 年率0.055%(上限) 料率は事前に表示できない ETF Databaseの総経費率の欄 0.23% 「-」 ETF Databaseの欄は2025年12月末時点で算出の直近の値。「-」は費用がないという意味ではありません。並べた率を足して、費用の合計を求めることはできません。
図3 費用の書き方。信託報酬の率と、商標の使用料の書き方が違います(2本の目論見書と、JPXのETF Databaseから)。

参照:1660の目論見書、459Aの目論見書、JPXの銘柄詳細資料・ETF Database・上場ETF一覧

2本に差が出るとしても、指数の違いからではない

資料から言えるのは、2本の1口あたりの純資産額の変化率に差が出ても、連動を目指す指数が違うための差ではないというところまでで、差がどの要因からどれだけ出るかは言えません。

ここからは、確かめた資料の記載を並べて言える範囲を整理したもので、2本の優劣や値動きの見通しを示すものではありません。

もとにした事実は、次の4つです。

  • 2本とも、野村高利回りJリート指数に連動を目指します。
  • 2026年9月30日の組入上位10銘柄は、2本で同じ銘柄が同じ順に並びます。
  • 2本の目論見書は、費用の負担や先物の値動きのずれなどで、指数とのずれが生じることがあると書いています。
  • 信託報酬(年率・税込)は、1660が0.1595%以内、459Aが0.22%です。

先物は、将来の決めた日に、いま決めた値段で売買する約束の取引です。2026年9月30日の月次レポートでは、1660は先物3.0%、459Aは指数先物1.71%を持ちます。先物の動きが指数と一致しないことも、指数とのずれにつながります。

下の図4は、共通する指数と、目論見書が挙げる指数とのずれの要因を整理したものです。

2本に差が出るとしたら 2本は同じ指数に連動を目指す。1口あたりの純資産額の変化率に差が出ても、連動を目指す指数が違うための差ではない。目論見書は指数とのずれの要因として費用・先物・組入比率のずれなどを挙げる。どの要因がどれだけ差になるかは、資料からは言えない。 2本に差が出るとしたら(推論) 2本とも同じ指数に連動を目指す 1口あたりの純資産額の変化率に差が出ても、連動を目指す指数が違うための差ではない 目論見書が挙げる、指数とのずれの要因(一部) 費用 先物 組入比率のずれ ほかにも要因が挙げられています。どの要因がどれだけ差になるかは、資料からは言えません。
図4 2本に差が出るとしたら(推論。2本の目論見書と月次レポートから)。

2本は同じ指数に連動を目指します。そのため、1口あたりの純資産額の変化率に差が出ても、連動を目指す指数が違うための差ではありません。2本の目論見書が挙げる費用・先物・組入比率のずれなどの要因が、どれだけ差になるかは、取った資料からは言えません。

参照:1660の目論見書・月次レポート、459Aの目論見書・月次レポート

分配金の基準日は、2本でそれぞれ何月?

分配金の基準日は、1660が1・4・7・10月の10日、459Aが3・6・9・12月の12日で、どちらも年4回です。

2本とも年4回で、計算期間は3か月ごとです。決算日が分配金の基準日になります。決算日は、計算期間の最後の日で、損益などが確定する日です。

1660の基準日は1・4・7・10月の各10日、459Aは3・6・9・12月の各12日です。基準日に同じ月はなく、2本を合わせると8つの月になります。下の図5は、それぞれの基準日がある月を並べたものです。

1660と459Aの分配金の基準日の月 1660の分配金の基準日は1・4・7・10月の各10日、459Aは3・6・9・12月の各12日。どちらも年4回で、同じ月は無い。2本を合わせると8つの月になる。 分配金の基準日の月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1660 10日 459A 12日 どちらも年4回。同じ月はありません。2本を合わせると8つの月になります。
図5 分配金の基準日の月。1660は1・4・7・10月の10日、459Aは3・6・9・12月の12日です(JPXの銘柄詳細資料から)。

どちらも、経費を引いたあとの配当などの収益の全額を分配するのが原則です。分配金の額は運用の実績などに応じて変わり、分配がない場合もあります。

参照:JPXの銘柄詳細資料、1660の目論見書、459Aの目論見書

上場は1660が2017年、459Aが2025年で、ETFの大きさも違う

上場は1660が2017年10月11日、459Aが2025年11月12日で、2026年9月30日の純資産総額は1660が618.48億円、459Aが2.98億円です。

2026年9月30日の月次レポートで、純資産総額は1660が618.48億円、459Aが2.98億円です。同じ日付でETF全体の大きさを比べられます。

JPXの銘柄詳細資料では、2026年2月27日現在で1660が595億円、459Aが4億円です。月次レポートとは、数字の時点が異なります。

東京証券取引所への上場日は、1660が2017年10月11日、459Aが2025年11月12日です。下の図6は、上場日と、2026年9月30日の純資産総額を並べたものです。

1660と459Aの上場日と純資産総額 1660は2017年10月11日に上場し、2026年9月30日の純資産総額は618.48億円。459Aは2025年11月12日に上場し、純資産総額は2.98億円。 上場日と純資産総額 1660 2017年10月11日 上場 618.48億円 459A 2025年11月12日 上場 2.98億円 純資産総額は、2026年9月30日の2本の月次レポートの値。棒の長さは純資産総額に比例させ、459Aだけは見えるように実際より少し長く描いています。
図6 上場日と、2026年9月30日の純資産総額(2本の月次レポートと、JPXのETF全銘柄一覧から)。

参照:1660の月次レポート、459Aの月次レポート、JPXの銘柄詳細資料・ETF全銘柄一覧

まとめ:資料で確かめる順番

2本の違いは、次の順に資料で追えます。

  • 連動を目指す指数:JPXの銘柄詳細資料の対象指標の欄で、2本とも野村高利回りJリート指数です。
  • 費用:目論見書の費用の欄で、信託報酬の率と、商標の使用料の書き方を見ます。
  • 分配金の基準日:1660は1・4・7・10月、459Aは3・6・9・12月です。
  • 大きさ:2本の月次レポートで、同じ日付の純資産総額を並べます。

この記事で言えないこと

  • 費用の合計は、2本を同じ形で並べていません。459Aは指数の商標の使用料の率を事前に表示できないとし、ETF Databaseの総経費率の欄も「-」のためです。
  • 分配金の額と値動きの実績は、この記事では比べていません。記事の範囲を、指数の作りと費用・基準日・大きさに絞ったためです。

数値の基準日

2本の月次レポート(純資産総額・組入上位・先物)
2026年9月30日
JPXの銘柄詳細資料(基準日・信託報酬・純資産総額)
2026年2月27日
1660の目論見書(使用開始日)
2026年1月10日
459Aの目論見書
2026年6月13日
指数構成ルールブック
2026年8月31日
JPXのETF Database(総経費率の欄)
2025年12月末時点
JPXのETF全銘柄一覧
2026年10月30日
成長投資枠の一覧・用語集・上場ETF一覧・指数のページを取得した日(この記事を書いた日)
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出典

Sho
Sho

業務系SEとして、長年システムを作ってきました。

ETFを買う前に、目論見書と月次レポートを毎回読みます。元の仕様を見ないと気が済まないからです。

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