VTを投資信託で持つと何が違うか|楽天・VTの中身・費用・分配を資料で比べる

itcareer40.jpVT と 楽天・VTETFと投資信託

楽天・全世界株式インデックス・ファンドは「楽天・VT」という愛称の投資信託ですが、2026年8月31日の月次レポートでは、VTそのものの組入比率は34.8%でした。ほかは、米国株式のETFが39.2%、米国以外の株式のETFが24.7%、短期金融資産等が1.2%です。ETFは3本ともバンガードのもので、ファンドはこの3本を通じて、VTと同じ全世界株式の指数を円に換算したものへの連動を目指しています。

VTを直接買う場合と比べると、違いは中身のほかに4つあります。費用のかかり方、分配金の出方、NISAのつみたて投資枠の一覧に載っているかどうか、値段の決まり方です。4つとも、運用会社と金融庁の資料で確かめられます。

楽天・VTの中のVT

34.8%

2026年8月31日

VTの経費率

年0.06%

2026年6月30日時点

楽天・VTの実質的な負担

年0.178%(税込)程度

交付目論見書

楽天・VTは、VTを買っている投資信託ですか

楽天・VTは、VTだけを買っている投資信託ではありません。 楽天投信投資顧問の交付目論見書によると、このファンドは「楽天・全世界株式インデックス・マザーファンド」を通じて、バンガードのETF3本に投資します。3本を合わせて、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス(円換算ベース)への連動を目指す仕組みです。

投資先のETF実質的な投資対象管理報酬等(年)2026年1月30日2026年8月31日
トータル・ワールド・ストックETF(VT)全世界株式0.06%37.1%34.8%
トータル・ストック・マーケットETF(VTI)米国株式0.03%37.3%39.2%
トータル・インターナショナル・ストックETF(VXUS)全世界株式(除く米国)0.05%24.3%24.7%
短期金融資産等——1.3%1.2%

比率は、マザーファンドの純資産総額に対する割合です。2026年1月30日の値は交付目論見書、8月31日の値は月次レポートによります。管理報酬等は、楽天投信投資顧問の商品ページにある2026年1月末現在の値です。括弧内のティッカー(VT・VTI・VXUS)は、バンガードのファクトシートにあるETF名と照らし合わせました。

どちらの時点でも、VTの比率は4割に届いていません。 表とは別に、株式先物も1.3%(1月30日)、1.2%(8月31日)あります。交付目論見書では、この株式先物はS&P500株価指数先物です。

8月31日の月次レポートでは、米国株式のETFの名前が「バンガード®・モーニングスター・トータル・ストック・マーケットETF」になっています。バンガードは、VTIのファクトシート(2026年6月30日時点)で、指数の名前をCRSPからMorningstarに変え、ファンド名にも「Morningstar」を加えると告知しています。

参照:楽天投信投資顧問 楽天・全世界株式インデックス・ファンド 交付目論見書(使用開始日2026年4月16日)・月次レポート(2026年8月31日)・商品ページ、Vanguard VT・VTI・VXUS ファクトシート(2026年6月30日時点)

費用は、VTを直接買う場合とどれだけ違いますか

資料に載っている料率だけで比べると、VTのほうが低くなります。 VTの経費率は、Vanguardのファクトシート(2026年6月30日時点)で年0.06%です。ファクトシートの注記によると、この値は直近の目論見書の数字です。

楽天・VTの費用は2段になっています。交付目論見書によると、ファンドの信託報酬が年0.132%(税込)で、投資先のETFの管理報酬等が年0.046%程度です。合わせた「実質的に負担する運用管理費用」は、年0.178%(税込)程度とされています。0.046%は2026年1月末現在の値で、組入状況によって変わります。

交付目論見書には、参考情報として総経費率も載っています。対象期間の運用・管理にかかった費用の総額を、平均受益権口数に平均基準価額を掛けた額で割った年率の値で、2024年7月17日〜2025年7月15日は0.21%でした。内訳は、運用管理費用の比率が0.14%、その他費用の比率が0.07%です。その他費用には、投資先のETFが支払った費用も入っています。総経費率には、原則として売買委託手数料は含まれていません。交付目論見書は、これらの値はあくまでも参考で、実際に発生した費用の比率とは異なるとしています。

仮に100万円を1年間持ったとして、それぞれの料率をそのまま掛けると、次の金額になります。1年のあいだ値動きが無いとした単純な掛け算で、楽天・VTの2つは目安や参考の料率から出した概算です。

使った料率1年の費用(仮に100万円)
VTの経費率(年0.06%)600円
楽天・VTの実質的に負担する運用管理費用(年0.178%程度)1,780円
楽天・VTの総経費率(0.21%、2024年7月17日〜2025年7月15日)2,100円

資料に表示された値どうしで差を取ると、VTの経費率との差は、実質的に負担する運用管理費用で約0.118%ポイント、総経費率で約0.15%ポイントです。

VTを直接買う場合は、この表に入っていない費用がかかる場合があります。Vanguardの目論見書は、VTを売買するときに証券会社が手数料を取る場合があるとしています。その手数料の額と、円の資金でVTを買うときの両替の扱いは、この記事で使った資料には載っていません。

月次レポートでは、費用を含めた結果の差も見られます。2026年8月31日時点の1年の騰落率は、ファンドが+32.4%、指数が+33.0%でした。3年では、ファンドが+88.5%、指数が+91.1%です。ファンドの騰落率は分配金再投資基準価額によるもので、差のうちどれだけが費用によるかは、この資料からは分かりません。

参照:Vanguard VT ファクトシート(2026年6月30日時点)・目論見書、楽天投信投資顧問 楽天・全世界株式インデックス・ファンド 交付目論見書(使用開始日2026年4月16日)・月次レポート(2026年8月31日)

分配金は、どう受け取ることになりますか

VTは原則として四半期ごとに分配金を出し、楽天・VTはこれまで分配金を出していません。

Vanguardの2026年の分配予定表では、VTの権利落ち日は米国現地で3月20日・6月18日・9月18日・12月18日です。支払日は3月24日・6月23日・9月22日・12月22日です。予定表には、12月30日を権利落ち日として2027年1月4日に支払う行もあります。VTの目論見書によると、所得の分配は原則として3・6・9・12月で、キャピタルゲインの分配は、ある場合は原則として12月です。このほか、年の途中で追加の分配を行う場合もあるとしています。

楽天・VTの決算は年1回で、7月15日(休業日の場合は翌営業日)です。2026年8月31日の月次レポートでは、2024年7月・2025年7月・2026年7月の決算の分配金はどれも0円で、設定来の分配金合計額も0円でした。交付目論見書は、分配は収益分配方針に基づいて委託会社が決め、必ず分配を行うものではないとしています。

VTは、2026年の予定表だけで分配の支払日が5つあります。楽天・VTでは、これまでの決算で分配金を受け取る場面がありませんでした。

参照:Vanguard 2026 dividend schedule・VT 目論見書、楽天投信投資顧問 楽天・全世界株式インデックス・ファンド 交付目論見書(使用開始日2026年4月16日)・月次レポート(2026年8月31日)

NISAのつみたて投資枠で買えるのはどちらですか

つみたて投資枠の対象商品の一覧に載っているのは、楽天・VTのほうです。 金融庁の「つみたて投資枠対象商品届出一覧(運用会社別)」(2026年9月18日)では、楽天・全世界株式インデックス・ファンドが「指定インデックス投資信託:287本」の中に載っています。

同じ一覧の「上場株式投資信託(ETF):11本」に、VTは載っていません。

楽天・VTの交付目論見書は、このファンドがNISAの成長投資枠とつみたて投資枠の対象だとしています。あわせて、販売会社により取扱いが異なる場合があると書いています。

参照:金融庁 つみたて投資枠対象商品届出一覧(運用会社別)(2026年9月18日)、楽天投信投資顧問 楽天・全世界株式インデックス・ファンド 交付目論見書(使用開始日2026年4月16日)

買うときと売るときは、何が違いますか

楽天・VTは、買うときも売るときも、申し込んだ翌営業日の基準価額で値段が決まります。VTは米国の取引所で、そのときの市場価格で売買します。

楽天・VTの交付目論見書のお申込みメモでは、購入の価額は、購入申込受付日の翌営業日の基準価額です。換金の価額も、換金申込受付日の翌営業日の基準価額です。換金代金は、原則として換金申込受付日から起算して5営業日目以降に支払われます。ニューヨーク証券取引所とニューヨークの銀行の休業日には、申込みを受け付けません。購入の単位は、販売会社や申込みのコースによって違います。

楽天・VTの基準価額は円で示され、2026年8月31日は1万口あたり36,971円でした。交付目論見書は、為替ヘッジを原則として行わないため、為替が円高方向に動くと基準価額が下がる要因になるとしています。

VTの取引所は、ファクトシートによるとNYSE Arcaです。Vanguardの目論見書では、個人の投資家は市場で市場価格により売買し、その価格は基準価額(NAV)より高いことも低いこともあるとしています。基準価額の計算では、ファンドが持つ外国の証券の価値を米ドルに換算します。

参照:楽天投信投資顧問 楽天・全世界株式インデックス・ファンド 交付目論見書(使用開始日2026年4月16日)、Vanguard VT ファクトシート(2026年6月30日時点)・目論見書

どちらで持つかは、何で決まりますか

資料から分かる違いを、目的ごとに並べると次のとおりです。

目的資料から分かること
NISAのつみたて投資枠で積み立てる2026年9月18日の一覧に載っているのは楽天・VT。VTは載っていない
分配金を受け取りながら持つVTは原則として四半期ごとに分配。楽天・VTの分配金は設定来0円
資料に載っている料率を低く抑えるVTの経費率は年0.06%、楽天・VTの実質的な負担は年0.178%程度。VTは証券会社の売買手数料がかかる場合がある
値段の決まり方楽天・VTは売買とも翌営業日の基準価額で、基準価額は円で示される。VTは市場価格で売買し、基準価額の計算では保有する外国の証券の価値を米ドルに換算する
VTそのものを持つ楽天・VTの中のVTは34.8%(2026年8月31日)。3本のETFを合わせて同じ指数を目指す

楽天・VTで持てるのは、VTそのものではなく、VTを34.8%含む3本のETFの組み合わせです(2026年8月31日)。 目指す指数はVTと同じFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスで、円に換算した値を使っています。

関連する記事は次の4本です。

この記事で言えないこと

  • 楽天・VTがVTだけでなく3本のETFに分けて持つ理由は、今回読んだ交付目論見書と月次レポートに記載が見当たらないため書いていません。
  • VTをNISAの成長投資枠で買えるかどうかは、この記事で使った金融庁の一覧がつみたて投資枠のものなので、確かめていません。
  • VTを直接買うときの証券会社の売買手数料の額と、円の資金でVTを買うときの両替の扱いは、この記事で使った資料に記載が見当たらないため書いていません。
  • 分配金にかかる米国と日本の税金の扱いは、今回の資料で確かめていないため書いていません。
  • ファンド全体で米国株式がどれだけの割合になるかは、3本のETFの国別の構成を合算していないため書いていません。

数値の基準日

VTの経費率・分配の頻度(ファクトシート)
2026年6月30日時点
VTの2026年の権利落ち日・支払日
2026年の分配予定表
楽天・VTの組入比率・騰落率・分配金・基準価額
2026年8月31日
楽天・VTの組入比率(前の時点)
2026年1月30日
楽天・VTの投資先ETFの報酬
2026年1月末現在
楽天・VTの総経費率
2024年7月17日〜2025年7月15日
楽天・VTの交付目論見書
使用開始日2026年4月16日
つみたて投資枠の対象商品の一覧
2026年9月18日
資料を取得した日
2026年9月25日

データの出典

この記事の数値と名称は、次の資料によります。取得日はすべて2026年9月25日です。

Sho
Sho

業務系SEとして長年

計画・リスク管理・数値設計を軸に、
ETFの情報整理から投資判断までをテンプレ化・自動化してきた。

新NISAの時代だからこそ、
感情よりも「仕組み」で迷わない投資を。

—— 焦らず、ブレず、仕組みで勝つ。

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