itcareer40.jp比べて選ぶ1489
同じ指数への連動を目指す投資信託のTracersとETFの1489でも、決算の回数と分配金の額の決め方、買う値段の決まり方が異なります。
高配当株に投資して分配金を受け取りたいとき、投資信託にするかETFにするかで迷います。分配金は、運用で得た収益を口数に応じて投資家に分配するお金です。投資信託は、多数の投資家から集めた資金をまとめて運用し、収益を還元する仕組みです。ETFは、証券取引所に上場する投資信託を指します。Tracers 日経平均高配当株50インデックス(奇数月分配型)と1489は、どちらも、株価の動きをまとめた指標である日経平均高配当株50指数(トータルリターン)への連動を目指しています。
直近の分配金の欄を並べて、毎回同じ額が続くほうと、回ごとに額が変わるほうがあることに目が止まりました。
| 項目 | Tracers | 1489 |
|---|---|---|
| 種類 | 投資信託(上場していない) | ETF(東京証券取引所に上場) |
| 委託会社 | アモーヴァ・アセットマネジメント | 野村アセットマネジメント |
| 連動を目指す指数 | 日経平均高配当株50指数(トータルリターン) | 日経平均高配当株50指数(トータルリターン) |
| 組入銘柄数(2026年9月30日) | 50銘柄(マザーファンド) | 50銘柄 |
| 決算の回数と時期 | 年6回(奇数月の各30日) | 年4回(1月・4月・7月・10月の各7日) |
| 分配金の決め方 | 委託会社が基準価額水準・市況動向などを勘案して決める | 配当金などの収益から経費を控除後、全額分配が原則 |
| 直近の分配金 | 6回とも100円(1万口当たり) | 800円〜4,900円(100口あたり) |
| 買う値段 | 購入申込受付日の基準価額 | 取引所の市場価格 |
| 運用管理費用(信託報酬・年率・税込) | 0.10725% | 0.308% |
| 総経費率 | 0.12% | 0.37% |
| NISA | 成長投資枠の対象 | 成長投資枠の対象 |
連動を目指す指数と組入銘柄数は同じです。一方、決算の回数と分配金の決め方、買う値段、費用には違いがあります。
分配金は、いつ・どう決まって、いくら出ていますか
決算はTracersが年6回、1489が年4回で、分配金の額はTracersでは委託会社が決め、1489では配当金などの収益から経費を控除した全額が原則です。
決算日は、投資信託の計算期間(決算から次の決算までの期間)の末日で、損益などが確定する日です。Tracersは奇数月の各30日(休業日の場合は翌営業日)、1489は毎年1月・4月・7月・10月の各7日が決算日です。
1489では、決算日と分配金が支払われる日は別で、2026年10月7日の決算の分配金は、支払予定日が2026年11月13日とされています。どちらも、決算で分配が行われない場合があります。
Tracersでは、ファンドの運用を指図する委託会社が、毎決算時に、基準価額水準や市況動向などを勘案して分配金額を決めます。分配対象額(分配金を支払うもとになる額)が少額の場合には、分配を行なわないこともあります。
基準価額とは、日々算出される投資信託の価額です。Tracersの交付目論見書によると、分配金は投資信託の純資産から支払われるため、支払われると、その金額相当分だけ基準価額が下がります。
同じ交付目論見書によると、分配金は、計算期間中に発生した収益を超えて支払われる場合があり、購入価額によっては、その一部または全部が、実質的に元本の一部払戻しに相当する場合もあります。元本とは、投資したお金です。
1489では、ファンドの財産(信託財産)から生じる配当等収益(組み入れた株式の配当金などの収益)から経費を控除した後、その全額を分配することが原則です。分配金がゼロになる場合もあり、売買益が生じても分配は行ないません。
どちらも、将来の分配金の支払いとその金額は保証されていません。
Tracersの直近6回(2025年12月1日から2026年9月30日までの決算)の分配金は、いずれも100円でした。運用状況をまとめた月次レポートは、分配金を1万口当たりで表示しています。
1489の商品ページに掲載された直近の分配金は、次のとおりです。
| 決算日 | 分配金(100口あたり) |
|---|---|
| 2026年01月07日 | 800円 |
| 2026年04月07日 | 3,800円 |
| 2026年07月07日 | 900円 |
| 2026年10月07日 | 4,900円 |
どちらも過去の実績で、これからの分配金の額を示すものではありません。口数は、投資信託の受益権(投資信託の権利)の単位です。設定時に1口1円などで元本が設定された場合、基準価額は1万口当たりの価額で表されます。Tracersは1万口当たり、1489は100口あたりで分配金を示しているので、額をそのまま比べることはできません。
Tracersは、販売会社(投資信託の販売や解約、分配金の受け渡しなどを行う会社)との契約によっては分配金再投資が可能です。分配金再投資とは、現金で受け取らず、同じ投資信託に再び投資することです。
参照:アモーヴァ・アセットマネジメント「Tracers 日経平均高配当株50インデックス(奇数月分配型)」投資信託説明書(交付目論見書)(2026.9.2)・アモーヴァ・アセットマネジメント「Tracers 日経平均高配当株50インデックス(奇数月分配型)」マンスリーレポート(データは2026年9月30日現在)・アモーヴァ・アセットマネジメント「Tracers 日経平均高配当株50インデックス(奇数月分配型)」マンスリーレポート(データは2026年8月31日現在)・野村アセットマネジメント NEXT FUNDS「1489 NF・日経高配当50 ETF」商品ページ(基準日 2026年10月20日)・野村アセットマネジメント「NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信」投資信託説明書(交付目論見書)(使用開始日 2026年6月25日)・野村アセットマネジメント「ETFの収益分配金見込額のお知らせ」(2026年10月5日)
Tracersの決算
年6回
奇数月の各30日(休業日の場合は翌営業日)が決算日
1489の決算
年4回
1月・4月・7月・10月の各7日が決算日
Tracersの運用管理費用(年率・税込)
0.10725%
1489の信託報酬率は0.308%
中身と買う値段、費用、NISAは、どう違いますか
どちらも同じ指数への連動を目指し組入銘柄数は50銘柄ですが、買う値段はTracersが申込日の基準価額、1489が市場価格で、運用管理費用は年率0.10725%と0.308%です。
中身:同じ指数への連動を目指し、どちらも50銘柄
日経平均高配当株50指数(トータルリターン)は、日経平均株価の構成銘柄のうち、予想配当利回りの高い50銘柄から構成される株価指数です。どちらも、この指数への連動を目指します。
Tracersは、主にインデックス マザーファンド 日経平均高配当株50へ投資するファミリーファンド方式です。ファミリーファンドとは、複数の投資信託の資金をまとめ、マザーファンドを通じて株式などへ投資する運用方式です。
マザーファンドは、複数の投資信託から集めた資金で、実際に投資を行うファンドを指します。
組入銘柄数は、2026年9月30日現在、どちらも50銘柄です。組入上位の先頭も同じで、本田技研工業が4.8%を占めます。
買う値段と売る値段の決まり方
Tracersの購入価額は、購入申込受付日の基準価額です。換金価額も、換金申込受付日の基準価額になります。換金とは、投資信託の解約を請求してお金に換える方法です。
購入単位は販売会社が定めます。
申込みは原則として、販売会社の営業日の午後3時30分までに手続きが完了したものが当日の受付分です。換金代金は、換金申込受付日から起算して原則4営業日目から支払われます。
1489は東京証券取引所に上場し、株式の売買と同じように証券会社を通して取引できます。市場価格は、取引所で売りたい人と買いたい人の取引を通じて決まり、基準価額とは必ずしも一致しません。
売買単位は、取引所で銘柄ごとに定められた取引数量の単位です。1489の売買単位は1口です。
取引所価格(終値)は、2026年10月20日に1口3,516円で、最低取引金額も3,516円です。終値とは、その日の最後に取引された値段です。
費用は、運用管理費用と総経費率で見る
購入時手数料とは、投資信託を購入する際に販売会社へ支払う手数料です。Tracersは購入時手数料がかかりません。
1489を市場で売買する場合は、販売会社が独自に定める売買手数料がかかります。
運用管理費用(信託報酬)は、投資信託の運用と管理の対価として、投資信託財産から支払われる費用です。
Tracersの運用管理費用は、日々の純資産総額(組み入れている資産などの総額から、運用に必要な費用などを差し引いたもの)に対して年率0.10725%で、税抜では0.0975%です。ほかに目論見書の作成費用などの諸費用がかかり、その上限は、日々の純資産総額に年率0.035%を乗じた額の、信託期間(ファンドの運用が続く期間で、Tracersは無期限)を通じた合計です。組入有価証券の売買委託手数料などは、運用状況などにより変動するため、事前に料率や上限額を表示できない費用です。
1489の信託報酬率は0.308%です。交付目論見書では、年0.308%(税抜年0.28%)以内とされています。
Tracersの交付目論見書は、総経費率を、対象期間の運用・管理にかかった費用の総額をもとに計算した年率の値とし、実際に発生した費用の比率とは異なる参考の値としています。Tracersの総経費率は0.12%で、対象期間は2025年12月2日から2026年6月1日までです。
1489の総経費率は、商品ページでは0.37%です。集計期間は2026年01月08日から2026年07月07日までで、Tracersとは期間が異なります。
大きさとNISA
Tracersの純資産総額は、2026年9月30日現在で653.94億円です。
1489の純資産総額は、2026年10月20日現在で5,520.1億円です。
NISAでは、どちらも成長投資枠の対象です。つみたて投資枠は、どちらも対象外です。
参照:アモーヴァ・アセットマネジメント「Tracers 日経平均高配当株50インデックス(奇数月分配型)」投資信託説明書(交付目論見書)(2026.9.2)・アモーヴァ・アセットマネジメント「Tracers 日経平均高配当株50インデックス(奇数月分配型)」マンスリーレポート(データは2026年9月30日現在)・野村アセットマネジメント NEXT FUNDS「1489 NF・日経高配当50 ETF」商品ページ(基準日 2026年10月20日)・野村アセットマネジメント「NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信」月次レポート(2026年9月30日)・野村アセットマネジメント「NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信」投資信託説明書(交付目論見書)(使用開始日 2026年6月25日)・JPX「1489」銘柄詳細資料(2026年2月27日現在)・資産運用業協会「成長投資枠対象商品リスト(非上場ファンド)」(リスト更新日の最新 2026年10月20日・2026年10月20日取得)・資産運用業協会「成長投資枠対象商品リスト(上場ファンド)」(リスト更新日の最新 2026年10月20日・2026年10月20日取得)
まとめ:資料で確かめる順番
分配金の受け取り方を比べるときは、決算の時期、分配金の決め方、直近の額、買う値段の順に資料で確かめます。
- 交付目論見書の「決算日」で、決算の時期を確かめます。
- 交付目論見書の「分配方針」で、分配金額の決め方を確かめます。
- 月次レポートの「分配金実績」と商品ページの「分配金情報」で、直近の額と表示口数を見ます。
- 交付目論見書の「購入価額」と商品ページの「取引所価格(終値)」で、買う値段の決まり方を確かめます。
- 交付目論見書の「運用管理費用」と商品ページの「信託報酬率」「総経費率」で、費用を確かめます。
- 資産運用業協会の「成長投資枠対象商品リスト」とJPXの銘柄詳細資料の「NISA制度成長投資枠」の欄で、NISAの対象枠を確かめます。
決算の回数や分配金の決め方で見ると、どちらの作りが近いですか
少なくとも、決算の回数、分配金の決め方、売買の値段の決まり方のどれを基準に見るかで、近い作りは分かれます。
ここからは、この記事で確かめた資料から、そのまま導ける範囲の推論です。2本の値動きや分配金の見通し、優劣を示すものではありません。
Tracersの決算は奇数月の各30日の年6回で、1489は1月・4月・7月・10月の各7日の年4回です。どちらも、決算で分配が行われない場合があります。決算の回数を基準に見るなら、年6回はTracers、年4回は1489の作りが近くなります。
Tracersの分配金は、委託会社が基準価額水準や市況動向などを勘案して決めます。1489は、配当等収益から経費を控除した全額を分配することが原則で、売買益は分配しません。分配金の額を委託会社が状況を見て決める作りを求めるならTracers、配当等収益から経費を控除した全額を分配する原則を求めるなら1489の作りが近くなります。
直近の分配金は、Tracersが6回とも100円で、1489は回ごとに額が異なりました。この並びは過去の実績であり、これからの分配金額を示すものではありません。
Tracersの買う値段は購入申込受付日の基準価額で、1489は取引所の市場価格です。申込日の基準価額で購入したいならTracers、取引所の市場価格で売買したいなら1489の作りが近くなります。
参照:アモーヴァ・アセットマネジメント「Tracers 日経平均高配当株50インデックス(奇数月分配型)」投資信託説明書(交付目論見書)(2026.9.2)・アモーヴァ・アセットマネジメント「Tracers 日経平均高配当株50インデックス(奇数月分配型)」マンスリーレポート(データは2026年9月30日現在)・アモーヴァ・アセットマネジメント「Tracers 日経平均高配当株50インデックス(奇数月分配型)」マンスリーレポート(データは2026年8月31日現在)・野村アセットマネジメント NEXT FUNDS「1489 NF・日経高配当50 ETF」商品ページ(基準日 2026年10月20日)・野村アセットマネジメント「NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信」投資信託説明書(交付目論見書)(使用開始日 2026年6月25日)
この記事で言えないこと
- これからの分配金の額は書いていません。将来の分配金の支払いと金額は保証されないためです。
- 2本の分配金の額を同じ口数にそろえた比べは書いていません。分配金を示す口数が2本で違い、資料にそろえた値が載っていないためです。
- Tracersの分配金が支払われる日は書いていません。この記事で使ったTracersの交付目論見書と月次レポートに載っていないためです。
数値の基準日
- Tracers の交付目論見書
- 2026.9.2
- Tracers の月次レポート(基準価額・純資産総額・分配金実績・組入銘柄数)
- 2026年9月30日
- Tracers の月次レポート(分配金実績の前半)
- 2026年8月31日
- Tracers の総経費率の対象期間
- 2025年12月2日から2026年6月1日
- 1489 の商品ページ(基準価額・純資産総額・取引所価格・分配金情報)
- 2026年10月20日
- 1489 の月次レポート(組入銘柄数)
- 2026年9月30日
- 1489 の交付目論見書(使用開始日)
- 2026年6月25日
- 1489 の総経費率の集計期間
- 2026年01月08日から2026年07月07日
- JPX 銘柄詳細資料(1489)
- 2026年2月27日
- 資産運用業協会の成長投資枠対象商品リスト(更新日)
- 2026年10月20日
次に読む
1489の分配金の時期と額をもう少し詳しく見るなら、1489の分配金はいつ・いくら?が手がかりです。ETFを投資信託の形で持つと何が違うかを全世界株式で見た記事として、VTを投資信託で持つと何が違うかもあります。
出典
- アモーヴァ・アセットマネジメント「Tracers 日経平均高配当株50インデックス(奇数月分配型)」投資信託説明書(交付目論見書)(2026.9.2)
- アモーヴァ・アセットマネジメント「Tracers 日経平均高配当株50インデックス(奇数月分配型)」マンスリーレポート(データは2026年9月30日現在)
- アモーヴァ・アセットマネジメント「Tracers 日経平均高配当株50インデックス(奇数月分配型)」マンスリーレポート(データは2026年8月31日現在)
- 野村アセットマネジメント NEXT FUNDS「1489 NF・日経高配当50 ETF」商品ページ(基準日 2026年10月20日)
- 野村アセットマネジメント「NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信」月次レポート(2026年9月30日)
- 野村アセットマネジメント「NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信」投資信託説明書(交付目論見書)(使用開始日 2026年6月25日)
- JPX「1489」銘柄詳細資料(2026年2月27日現在)
- 資産運用業協会「成長投資枠対象商品リスト(非上場ファンド)」(リスト更新日の最新 2026年10月20日・2026年10月20日取得)
- 資産運用業協会「成長投資枠対象商品リスト(上場ファンド)」(リスト更新日の最新 2026年10月20日・2026年10月20日取得)
- 資産運用業協会 用語集「ファンド」(2026年10月20日取得)
- 資産運用業協会 用語集「ETF」(2026年10月20日取得)
- 資産運用業協会 用語集「上場投資信託」(2026年10月20日取得)
- 資産運用業協会 用語集「分配金」(2026年10月20日取得)
- 資産運用業協会 用語集「基準価額」(2026年10月20日取得)
- 資産運用業協会 用語集「決算日」(2026年10月20日取得)
- 資産運用業協会 用語集「運用管理費用(信託報酬)」(2026年10月20日取得)
- 資産運用業協会 用語集「純資産総額」(2026年10月20日取得)
- 資産運用業協会 用語集「ファミリーファンド」(2026年10月20日取得)
- 資産運用業協会 用語集「マザーファンド」(2026年10月20日取得)
- 資産運用業協会 用語集「販売会社」(2026年10月20日取得)
- 資産運用業協会 用語集「解約」(2026年10月20日取得)
- 資産運用業協会 用語集「口数」(2026年10月20日取得)
- 資産運用業協会 用語集「購入時手数料」(2026年10月20日取得)
- 資産運用業協会 用語集「分配金再投資」(2026年10月20日取得)
- 資産運用業協会 用語集「元本」(2026年10月20日取得)
- JPX 用語集「売買単位」(2026年10月20日取得)
- JPX 用語集「終値」(2026年10月20日取得)
- 資産運用業協会 用語集「受益権」(2026年10月20日取得)
- 野村アセットマネジメント「ETFの収益分配金見込額のお知らせ」(2026年10月5日)

